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25話
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カイルサイド
そして、次の日
俺はテオンくんの看病のおかげで無事復活した。
お泊まりしたテオンくんは同じベッドで寄り添いながら寝てくれたが、正直俺はドキドキで一睡も眠れず朝までテオンくんの愛おしい寝顔を見つめていた。
目覚めたテオンくんはシャワーを浴び、テオンくんからは俺と同じシャンプーの匂いがして俺の口元は緩む。
おまけに着替えたテオンくんは俺の服を着ていて、濡れ髪を拭きながら俺の仕事用のデスクをまじまじと見ている。
俺はテオンくんのその後ろ姿にドキドキとした。
T「カイルって大学生じゃないんだね?」
K「ちゃんと仕事してますよ。ゲーム制作の。」
T「ふーん。それってゲームのプログラミング専門?」
テオンくんはなぜか目の色を変えて深刻な顔で俺のデスクにある資料を見ていく。
K「って言うより…ゲームオタクで…フリーで仕事やってます。」
T「ならさ?資料を見ればアンドロイドのプログラミングとかサーバーのハッキングとかも出来る?」
K「まぁ…ハッキングは大きな声では言えませんがたぶん出来ます…犯罪ですけどね。ただ、あんな事があって色々調べたんですがpurple社のアンドロイドだけは未だにどうやってるのか構造が分からないんですよね。何度考えても国の法律を違反しなきゃ作れない仕組みで。」
T「ハッキングはできるのか…ならとりあえずアンドロイドの基礎データーは俺が取り寄せるから、手伝ってもらえない?」
アンドロイドの基礎データ?
取り寄せる?
手伝う?
テオンくんの口からは謎の言葉が立て続けに並び、俺の頭の中はテオンくんとイチャイチャラブラブできるとお花畑にいたのに一瞬にて現実世界へと引き戻された。
K「取り寄せる!?て…手伝うて…何を!?」
そう俺が叫ぶとテオンくんはニヤッと笑う。
スッと俺に近づいてきたと思ったらピトッと体をくっ付け、俺の首に腕を絡めると誘惑的な目で俺を見つめチュッとキスをし「ヤってくれるよね?」そう耳元で囁くもんだから「ヤらせてください。」そう言うしか他に選択肢はなかった。
数時間後
俺はテオンくんに大丈夫!大丈夫!と言われ、ろくに内容も聞かされないまま何かをさせられそうになっている。
不安から少しでもゴネようもんならテオンくんは「お願い…」と言って目を潤ませ、俺の太ももをサワサワとしチュウとキスをするもんだからそりゃ、俺の不安は最も簡単に吹き飛んでしまう。
そして、テオンくんはピシッとした高そうなスーツを着た男性を俺のマンションに呼び寄せた。
K「えっと…こちらどちら様…」
T「おじいちゃんの秘書。」
テオンくんはそれだけ言うと忙しなくテーブルの上に大量の資料を置き、その秘書とやらがノートパソコンを広げ線を繋げると俺のパソコンにUSBも繋げる。
俺はポカーンとそれを立ち尽くして見るだけ。
いや待て待て…秘書って普通に言ってるけど誰!!?
ただ事ではない雰囲気からまた俺が不安に陥り恐る恐る問いかける。
K「あの……ひとつお聞きしたいんですけど…」
T「なに?」
K「テオンくんは闇の組織かなんかですか?」
T「まさか!!」
K「じゃ…?」
T「俺は…カイルが辛い思いをさせられたpurple社の会長の孫…だからお願い。あの会社をカイルが取り返して!カイルにしか頼めないんだ!!おじいちゃんの会社を今の社長から取り返して。」
まさかまさか…
テオンくんがあのpurple社の一族だなんて知らなかった俺はただただ驚きを隠せない。
しかし何故…
purple社会長の孫であるはずのテオンくんがアンドロイドのモデルになってしまっているんだ?
実在する人物は法律違反だと言っていたpurple社が自ら容姿希望のない俺に差し出したのはテオンくんと瓜二つのアンドロイドだった。
テオンくんがpurple社会長の孫なら、その会社に所属していればテオンくんの顔を知らない人はいないはず。
おまけに目の前にいるテオンくんは現在の社長から会社を取り返してくれと俺に懇願している。
あの会社の社長は自分の可愛い息子であるはずのテオンくんの顔を使ってアンドロイドを制作してるっていうのか?
性の道具としても使えるようなプログラミングを備え付けて?それで荒稼ぎを?
そう考えた俺はテオンくんがアンドロイドを拒絶し、purple社に拒否反応を示している理由が少しだけ理解できた。
K「でも…俺に出来ますかね…」
大企業であるpurple社は俺1人では太刀打ち出来るほどの会社ではない。
しかし、もし本当に思い違いではなく俺の想像していることが正しければ許される事ではないと沸々と怒りが込み上げてきた。
T「もう、カイルみたいな被害者を出すわけにはいかないんだよ…だからカイルお願い。」
テオンくんはそう言うと俺の手をギュッと握り…俺はそのテオンくんの手を引き寄せるとぎゅっと抱きしめた。
K「大丈夫…もう、テオンくんをこれ以上苦しめたりしない。」
俺がそう言うとテオンくんは涙を流し、秘書の方がパソコンを接続しているのを見計らってこっそり俺の唇を塞いだ。
つづく
そして、次の日
俺はテオンくんの看病のおかげで無事復活した。
お泊まりしたテオンくんは同じベッドで寄り添いながら寝てくれたが、正直俺はドキドキで一睡も眠れず朝までテオンくんの愛おしい寝顔を見つめていた。
目覚めたテオンくんはシャワーを浴び、テオンくんからは俺と同じシャンプーの匂いがして俺の口元は緩む。
おまけに着替えたテオンくんは俺の服を着ていて、濡れ髪を拭きながら俺の仕事用のデスクをまじまじと見ている。
俺はテオンくんのその後ろ姿にドキドキとした。
T「カイルって大学生じゃないんだね?」
K「ちゃんと仕事してますよ。ゲーム制作の。」
T「ふーん。それってゲームのプログラミング専門?」
テオンくんはなぜか目の色を変えて深刻な顔で俺のデスクにある資料を見ていく。
K「って言うより…ゲームオタクで…フリーで仕事やってます。」
T「ならさ?資料を見ればアンドロイドのプログラミングとかサーバーのハッキングとかも出来る?」
K「まぁ…ハッキングは大きな声では言えませんがたぶん出来ます…犯罪ですけどね。ただ、あんな事があって色々調べたんですがpurple社のアンドロイドだけは未だにどうやってるのか構造が分からないんですよね。何度考えても国の法律を違反しなきゃ作れない仕組みで。」
T「ハッキングはできるのか…ならとりあえずアンドロイドの基礎データーは俺が取り寄せるから、手伝ってもらえない?」
アンドロイドの基礎データ?
取り寄せる?
手伝う?
テオンくんの口からは謎の言葉が立て続けに並び、俺の頭の中はテオンくんとイチャイチャラブラブできるとお花畑にいたのに一瞬にて現実世界へと引き戻された。
K「取り寄せる!?て…手伝うて…何を!?」
そう俺が叫ぶとテオンくんはニヤッと笑う。
スッと俺に近づいてきたと思ったらピトッと体をくっ付け、俺の首に腕を絡めると誘惑的な目で俺を見つめチュッとキスをし「ヤってくれるよね?」そう耳元で囁くもんだから「ヤらせてください。」そう言うしか他に選択肢はなかった。
数時間後
俺はテオンくんに大丈夫!大丈夫!と言われ、ろくに内容も聞かされないまま何かをさせられそうになっている。
不安から少しでもゴネようもんならテオンくんは「お願い…」と言って目を潤ませ、俺の太ももをサワサワとしチュウとキスをするもんだからそりゃ、俺の不安は最も簡単に吹き飛んでしまう。
そして、テオンくんはピシッとした高そうなスーツを着た男性を俺のマンションに呼び寄せた。
K「えっと…こちらどちら様…」
T「おじいちゃんの秘書。」
テオンくんはそれだけ言うと忙しなくテーブルの上に大量の資料を置き、その秘書とやらがノートパソコンを広げ線を繋げると俺のパソコンにUSBも繋げる。
俺はポカーンとそれを立ち尽くして見るだけ。
いや待て待て…秘書って普通に言ってるけど誰!!?
ただ事ではない雰囲気からまた俺が不安に陥り恐る恐る問いかける。
K「あの……ひとつお聞きしたいんですけど…」
T「なに?」
K「テオンくんは闇の組織かなんかですか?」
T「まさか!!」
K「じゃ…?」
T「俺は…カイルが辛い思いをさせられたpurple社の会長の孫…だからお願い。あの会社をカイルが取り返して!カイルにしか頼めないんだ!!おじいちゃんの会社を今の社長から取り返して。」
まさかまさか…
テオンくんがあのpurple社の一族だなんて知らなかった俺はただただ驚きを隠せない。
しかし何故…
purple社会長の孫であるはずのテオンくんがアンドロイドのモデルになってしまっているんだ?
実在する人物は法律違反だと言っていたpurple社が自ら容姿希望のない俺に差し出したのはテオンくんと瓜二つのアンドロイドだった。
テオンくんがpurple社会長の孫なら、その会社に所属していればテオンくんの顔を知らない人はいないはず。
おまけに目の前にいるテオンくんは現在の社長から会社を取り返してくれと俺に懇願している。
あの会社の社長は自分の可愛い息子であるはずのテオンくんの顔を使ってアンドロイドを制作してるっていうのか?
性の道具としても使えるようなプログラミングを備え付けて?それで荒稼ぎを?
そう考えた俺はテオンくんがアンドロイドを拒絶し、purple社に拒否反応を示している理由が少しだけ理解できた。
K「でも…俺に出来ますかね…」
大企業であるpurple社は俺1人では太刀打ち出来るほどの会社ではない。
しかし、もし本当に思い違いではなく俺の想像していることが正しければ許される事ではないと沸々と怒りが込み上げてきた。
T「もう、カイルみたいな被害者を出すわけにはいかないんだよ…だからカイルお願い。」
テオンくんはそう言うと俺の手をギュッと握り…俺はそのテオンくんの手を引き寄せるとぎゅっと抱きしめた。
K「大丈夫…もう、テオンくんをこれ以上苦しめたりしない。」
俺がそう言うとテオンくんは涙を流し、秘書の方がパソコンを接続しているのを見計らってこっそり俺の唇を塞いだ。
つづく
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