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19話
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カイルサイド
俺はゆっくりとテオンくんを見つめる。
T「ちょ…ちょっと…別に待ってた訳じゃないけどあんなに毎日毎日来てたらもしかしたら、休みなのに今日も休みだって知らなくて来ちゃうかもって思って…別にお前の事待ってた訳じゃないけど…」
そう言いながらテオンくんは俺と腕を組むから、俺はドキドキと胸を鳴らし今にも心臓が鼻から出てしまいそうだ。
そうだ…よく考えてみたらお店は休みだというのにテオンくんはお店にいて、俺が来ることを予想していたかのようだった。
もしかして、店の休みを知らない俺が来るかもと思ってテオンくんはわざわざ、いつも俺が来る時間より前にお店へ来て俺を待ってくれていたってこと…?
なにそれ……そんな事されたら…俺…
期待しちゃうんですけど。
K「それは…俺を待ってた…って事ですか?」
T「はぁ!?だから別に待ってないって言ってんじゃん!!」
俺が期待を込めて問いかけると、顔には待っていたと書いてあるように見えるのに、テオンくんは待ってないと真逆のことを言い張りながらムキになって怒っていた。
やっぱり俺の自惚れか…少し残念に思いながら俺は店を出て行こうとする。
K「そうですか…じゃ、俺帰りますね?」
そう言って歩き出そうとするものの…
テオンくんが腕を掴んだまま離さないので、俺は店を出ていくにも出て行けず、じっと俺の腕を掴むテオンくんを見つめる。
K「テオンくん?」
T「えぇ!?なっなんだよ!!」
何故か、名前を呼んだだけなのにテオンくんはムキになって鼻の穴を全開にしながら怒るから、何に対してそんな怒っているのか疑問で俺の頭の中にはクエスチョンマークが浮かぶ。
しかし、怒った顔のテオンくんもいつ見ても可愛くて、俺はテオンくんのコロコロと変わる表情豊かなそんな所に益々惹かれていく。
K「…なんでキレてんの…?」
T「えぇ!?いやその…喉乾いたからキレてんの!!あそこにタピオカ屋さん出来たからそこ行く!!」
喉乾いたからキレてるとか俺からしてみたらただの八つ当たりでしかないが、テオンくんならいくらでも八つ当たりしてもらって大丈夫だし、いつまでも俺の腕を掴んで頬を膨らませているテオンくんが可愛くてたまらずウズウズする。
K「そう?じゃ…俺の家こっちなんで!」
休みの日にあまり長居したらまた、空気が読めない男だと嫌われちゃうなと思った俺が気を利かせてそう言い歩き出そうとすれば、またテオンくんにぎゅっと強く掴み直される俺の腕。
さすがにテオンくんのその行動を不思議に思っていると、テオンくんは急にモジモジとし始め、明らかにいつもとは様子が違い俺の黒目が戸惑い右往左往する。
T「もう!鈍感かよバカ!!さっきのお礼にタピオカ奢るって言ってんの!!」
そう叫ぶように言ったテオンくんの頬はなぜか微かにピンクに染まり、あの大きな目をそらして合わせてくれようともしなかった。
K「それって…デート…ですよね?」
俺がそう問いかけるとさらにテオンくんは挙動不審になり益々可愛くなる。
どうしよう…この反応で期待するなっていう方がおかしい…
絶対、テオンくん…俺のこと気になってんじゃん!!
そう思えば思うほど俺の心臓も早く動き出しドキドキと高鳴る。
T「違う!ただのお礼!!」
なのに素直じゃないテオンくんは俺の腕をグイグイと引っ張り、店を出てすぐの所にある長蛇の列が並ぶタピオカ屋さんに連れて行った。
俺はあまりの長い列にギョッとする。
そこに並んでいるのは女子高生やイチャイチャしているカップルばかりで、男同士の俺たちが並ぶにはなかなかの勇気が必要な雰囲気だったから。
K「テ…テオンくん…マジでここ…並ぶつもりですか?」
俺が恐る恐る問いかけるとテオンくんは当然だろというような顔をして頷く。
K「あっちにもタピオカ屋さんあるんであっちにしません?」
俺はちょうど向かいにある誰も並んでいないタピオカ屋さんを指差すと、テオンくんはその指を強引に押し曲げ口を尖らした。
T「い!や!だ!こっち!絶対こっち!」
K「なんで?タピオカなんてどこも同じでしょう?」
タピオカなんて飲み物にあの黒い粒を入れるだけなんだから、そんな味に大差はないとオヤジみたいな考えの俺がそういうと、目の前にいる可愛いテオンくんの顔が不満気に頬を膨らませる。
K「いやだってさ?あの店あんなにも並んで…」
T「並んでる方が長く一緒に入れるじゃんか!!!!!」
テオンくんは勢いよく俺の言葉を遮るようにそう言うと、俺はテオンくんの理由を聞いて嬉しすぎるあまり固まった。
テオンくんはハッとして言ってしまったと言わんばかりの顔をすると、表情管理をするかのようにスンッとした顔をするからまた、愛おしさが爆発する。
K「…ッ…テオンくん…////」
T「ぁ……ち……違う違う////今のはそういう意味じゃなくて////」
少し焦りながら言い訳をしようとするテオンくんの手を俺はそっと握り、指を絡め繋ぎ合わせた。
おそらく今までならセクハラや痴漢と言って大騒ぎされたはずなのに、何故か今日はテオンくんは俺の手を拒む事なく受け入れてくれキュッと繋いでくれる。
それだけでドキドキと俺の胸は早く動き出し幸せすぎて爆発しそうだ。
K「そういう意味ってことにしといて下さい………今だけ////」
俺がそういうとテオンくんは横を向きながら肩をすぼめる。
T「別にカイルがそう思いたいなら勝手にそう思えばいいけど……////」
なんて言いながらまたテオンくんは頬を赤らめるので、俺は嬉しさのあまりそんなテオンくんの横顔を見つめながら口元が緩むしかなかった。
つづく
俺はゆっくりとテオンくんを見つめる。
T「ちょ…ちょっと…別に待ってた訳じゃないけどあんなに毎日毎日来てたらもしかしたら、休みなのに今日も休みだって知らなくて来ちゃうかもって思って…別にお前の事待ってた訳じゃないけど…」
そう言いながらテオンくんは俺と腕を組むから、俺はドキドキと胸を鳴らし今にも心臓が鼻から出てしまいそうだ。
そうだ…よく考えてみたらお店は休みだというのにテオンくんはお店にいて、俺が来ることを予想していたかのようだった。
もしかして、店の休みを知らない俺が来るかもと思ってテオンくんはわざわざ、いつも俺が来る時間より前にお店へ来て俺を待ってくれていたってこと…?
なにそれ……そんな事されたら…俺…
期待しちゃうんですけど。
K「それは…俺を待ってた…って事ですか?」
T「はぁ!?だから別に待ってないって言ってんじゃん!!」
俺が期待を込めて問いかけると、顔には待っていたと書いてあるように見えるのに、テオンくんは待ってないと真逆のことを言い張りながらムキになって怒っていた。
やっぱり俺の自惚れか…少し残念に思いながら俺は店を出て行こうとする。
K「そうですか…じゃ、俺帰りますね?」
そう言って歩き出そうとするものの…
テオンくんが腕を掴んだまま離さないので、俺は店を出ていくにも出て行けず、じっと俺の腕を掴むテオンくんを見つめる。
K「テオンくん?」
T「えぇ!?なっなんだよ!!」
何故か、名前を呼んだだけなのにテオンくんはムキになって鼻の穴を全開にしながら怒るから、何に対してそんな怒っているのか疑問で俺の頭の中にはクエスチョンマークが浮かぶ。
しかし、怒った顔のテオンくんもいつ見ても可愛くて、俺はテオンくんのコロコロと変わる表情豊かなそんな所に益々惹かれていく。
K「…なんでキレてんの…?」
T「えぇ!?いやその…喉乾いたからキレてんの!!あそこにタピオカ屋さん出来たからそこ行く!!」
喉乾いたからキレてるとか俺からしてみたらただの八つ当たりでしかないが、テオンくんならいくらでも八つ当たりしてもらって大丈夫だし、いつまでも俺の腕を掴んで頬を膨らませているテオンくんが可愛くてたまらずウズウズする。
K「そう?じゃ…俺の家こっちなんで!」
休みの日にあまり長居したらまた、空気が読めない男だと嫌われちゃうなと思った俺が気を利かせてそう言い歩き出そうとすれば、またテオンくんにぎゅっと強く掴み直される俺の腕。
さすがにテオンくんのその行動を不思議に思っていると、テオンくんは急にモジモジとし始め、明らかにいつもとは様子が違い俺の黒目が戸惑い右往左往する。
T「もう!鈍感かよバカ!!さっきのお礼にタピオカ奢るって言ってんの!!」
そう叫ぶように言ったテオンくんの頬はなぜか微かにピンクに染まり、あの大きな目をそらして合わせてくれようともしなかった。
K「それって…デート…ですよね?」
俺がそう問いかけるとさらにテオンくんは挙動不審になり益々可愛くなる。
どうしよう…この反応で期待するなっていう方がおかしい…
絶対、テオンくん…俺のこと気になってんじゃん!!
そう思えば思うほど俺の心臓も早く動き出しドキドキと高鳴る。
T「違う!ただのお礼!!」
なのに素直じゃないテオンくんは俺の腕をグイグイと引っ張り、店を出てすぐの所にある長蛇の列が並ぶタピオカ屋さんに連れて行った。
俺はあまりの長い列にギョッとする。
そこに並んでいるのは女子高生やイチャイチャしているカップルばかりで、男同士の俺たちが並ぶにはなかなかの勇気が必要な雰囲気だったから。
K「テ…テオンくん…マジでここ…並ぶつもりですか?」
俺が恐る恐る問いかけるとテオンくんは当然だろというような顔をして頷く。
K「あっちにもタピオカ屋さんあるんであっちにしません?」
俺はちょうど向かいにある誰も並んでいないタピオカ屋さんを指差すと、テオンくんはその指を強引に押し曲げ口を尖らした。
T「い!や!だ!こっち!絶対こっち!」
K「なんで?タピオカなんてどこも同じでしょう?」
タピオカなんて飲み物にあの黒い粒を入れるだけなんだから、そんな味に大差はないとオヤジみたいな考えの俺がそういうと、目の前にいる可愛いテオンくんの顔が不満気に頬を膨らませる。
K「いやだってさ?あの店あんなにも並んで…」
T「並んでる方が長く一緒に入れるじゃんか!!!!!」
テオンくんは勢いよく俺の言葉を遮るようにそう言うと、俺はテオンくんの理由を聞いて嬉しすぎるあまり固まった。
テオンくんはハッとして言ってしまったと言わんばかりの顔をすると、表情管理をするかのようにスンッとした顔をするからまた、愛おしさが爆発する。
K「…ッ…テオンくん…////」
T「ぁ……ち……違う違う////今のはそういう意味じゃなくて////」
少し焦りながら言い訳をしようとするテオンくんの手を俺はそっと握り、指を絡め繋ぎ合わせた。
おそらく今までならセクハラや痴漢と言って大騒ぎされたはずなのに、何故か今日はテオンくんは俺の手を拒む事なく受け入れてくれキュッと繋いでくれる。
それだけでドキドキと俺の胸は早く動き出し幸せすぎて爆発しそうだ。
K「そういう意味ってことにしといて下さい………今だけ////」
俺がそういうとテオンくんは横を向きながら肩をすぼめる。
T「別にカイルがそう思いたいなら勝手にそう思えばいいけど……////」
なんて言いながらまたテオンくんは頬を赤らめるので、俺は嬉しさのあまりそんなテオンくんの横顔を見つめながら口元が緩むしかなかった。
つづく
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