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18話
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カイルサイド
それからの俺はどうしてもテオンさんと話をする事を諦めることが出来ず、テオンさんの顔を見たさとpurple社とテオンさんの関係について知りたくて、テオンさんの働くチキン店に毎日通った。
T「何回来ても同じ。連絡先は教えないし、連絡もしないから。」
しかし、そう言ってあしらわれる毎日が続いた。
でも、チキン店に毎日のように通って分かったことがいくつかあった。
テオンさんは俺より2歳年上だということ。
このお店は亡くなったおじいちゃんのお店で、テオンさんの従兄弟であるソウスケさんが跡を継ぎ、ソウスケさんの幼なじみのユアさんがこの店に雇われて働いてるということ。
そして、テオンさんは小さな子供が大好きで、絶対に俺には向けてくれない優しい笑顔で子供の相手をする優しい人だとということ。
俺はそんなテオンさんの様子を見ながらビールを飲んでチキンを食べるのが毎日の楽しみになっていた。
K「すいませーん。」
俺が追加注文をしようとテオンさんに向けて手をあげると、テオンさんは俺を無視して厨房に入り、中から出前から戻ったばかりの少し怖い顔をしたソウスケさんが出てきて俺の所にきた。
S「ご注文ですか?」
K「え…あ…そうなんですけど…テオンさんに…」
S「ご注文ですか?」
K「はい…ビールを…」
S「ビール一丁!!…あとさ?ひとつ聞きたいんだけど。」
K「な…なんでしょうか…」
S「テオンのこと遊びで口説いてんのか?」
そう話すソウスケさんの顔は怒っている訳でもウェルカムな訳でもなく無表情で全く読めず…
まさかアンドロイドかと思って首筋にバーコードを探したがなかった。
K「ま…まさか…遊びだなんて!!」
S「なら…まぁ…いい…」
ソウスケさんはそう言って眉をピクッとさせると厨房の中へと入っていった。
T「ねぇ?これで何杯目?俺が連絡先教えるまでずっとウチに来るつもり?ストーカーで通報するよ?」
しばらくするとそう言いながらテオンさんは厨房から出てきてビールを俺の前に置く。
K「じゃ、逆になんで俺は連絡先教えたのに連絡してくれないんですか?」
T「する必要がないから。」
K「そ…そうですか…まぁ、通報されてもここに通い続けますけどね。」
T「マジでストーカーじゃんそれw」
テオンさんはそう言って初めて俺に向けて笑顔を見せた。
そして、俺は一瞬…
テオンさんのその笑顔にオンを重ねてみてしまった。
オンがもし笑えたら…
こんな風に笑うのかなって。
そうしたら自分の意識とは関係なく思わずポロっと言葉が出てしまった。
K「好き…」
T「え……?」
K「いや、なんでもないです…すいません。」
T「……なにそれ…気分悪い。」
せっかく俺に少し心を開き、笑顔を浮かべてくれたテオンさんは怒った声でそう言い俺の言葉にまた心を閉ざして戻って行った。
俺は一体何を言ってんだ!!馬鹿かよ!!
せっかく心を開いてくれそうな雰囲気だったのに!!
つい、ぽろっと出てしまった言葉でテオンさんを傷つけてしまい俺は自分自身を責め倒した。
しかし、俺はそれからもめげずに来る日も来る日もテオンさんの店に通い続けた。
次の日
K「テオンさん!」
T「さん付けとかキモいし、ほんとしつこい!!」
次の日の次の日
K「ねぇ、テオンくん!ホラー映画のチケット貰ったんだけど行かない?」
T「ホラー嫌い。」
次の日の次の日次の日
K「ここのご飯美味しそうだから一緒に行こう?」
T「ウチのチキンが世界一美味しい。」
次の日の次の日の次の日次の日
K「どうやったらデートしてくれる?」
T「なんで連絡先の話からデートに話が飛んでんだよ!」
K「じゃ、連絡先教えて?」
T「スマホ壊れた。」
次の日の次の日の次の日の次の日次の日
K「テオンくんの誕生日いつ?」
T「個人情報!!」
S「95年の12月3日だぞ。」
T「もうソウスケくん!!余計なこと教えるな!!」
次の日の次の日の次の日の次の日の次の日
K「テオンくん…いい加減さ…連絡先…」
T「助けて!!!!」
店の外からテオンさんの姿を見つけて、店に入りながらテオンくんにそう声を掛けると、俺の声をかき消すようなテオンくんの声が突然響き、テオンくんは俺の腕にしがみついて離れない。
まさかの事態に俺は硬直し戸惑いながら問いかけた。
K「え?テテテテテ…テオンくん?こ…これは?」
T「ほらあそこあそこ!!あそこに恐怖のGが!!」
テオンくんが指差す方をみるとそこにはゴキブリがいた。
俺は仕方なく近くにあった新聞紙を丸めて狙いを定め…
パチンッ!!
俺は奴を仕留めた。
K「テオンくんもう大丈夫ですよ?ほら…」
T「ヤダヤダヤダ…怖い…見たくない…!!」
またそう言って俺の腕にしがみついて離れないテオンくん。
やばい…俺はテオンくんが可愛くてゴキちゃんにお礼をしたいくらいだ。
俺はテオンくんを落ち着かせるように手をポンポンと叩き、ゴキちゃんを片付けて手を洗いテオンくんのもとに戻った。
T「ぁ……ありがと……」
テオンくんはモジモジしながらそう言う姿がまた可愛くて俺からはつい、笑みが溢れてしまう。
毎日のように店に通いテオンくんと全く距離が縮まらなかった訳ではなかった。
少しずつ、本当に少しずつ話しかけるたびに距離が縮まっていく、そんな感じだったがそのもどかしさやテオンくんの分かりやすい表情が愛しくて、知れば知るほど俺はテオンくんに夢中になっていった。
K「とんでもない。今日は誰もいないんですか?ソウスケさんもユアさんもお客さんもいないし…珍しいですね?」
T「今日は…店が休み。」
K「あ…そうだったんですね?じゃ…俺失礼しますね?」
休みならいつもみたいに店に長々と居座る訳にもいかない。
気を使った俺が店から出ようとするとさっきと同じ温もりがまた、俺の腕に感じ俺の足は止まった。
つづく
それからの俺はどうしてもテオンさんと話をする事を諦めることが出来ず、テオンさんの顔を見たさとpurple社とテオンさんの関係について知りたくて、テオンさんの働くチキン店に毎日通った。
T「何回来ても同じ。連絡先は教えないし、連絡もしないから。」
しかし、そう言ってあしらわれる毎日が続いた。
でも、チキン店に毎日のように通って分かったことがいくつかあった。
テオンさんは俺より2歳年上だということ。
このお店は亡くなったおじいちゃんのお店で、テオンさんの従兄弟であるソウスケさんが跡を継ぎ、ソウスケさんの幼なじみのユアさんがこの店に雇われて働いてるということ。
そして、テオンさんは小さな子供が大好きで、絶対に俺には向けてくれない優しい笑顔で子供の相手をする優しい人だとということ。
俺はそんなテオンさんの様子を見ながらビールを飲んでチキンを食べるのが毎日の楽しみになっていた。
K「すいませーん。」
俺が追加注文をしようとテオンさんに向けて手をあげると、テオンさんは俺を無視して厨房に入り、中から出前から戻ったばかりの少し怖い顔をしたソウスケさんが出てきて俺の所にきた。
S「ご注文ですか?」
K「え…あ…そうなんですけど…テオンさんに…」
S「ご注文ですか?」
K「はい…ビールを…」
S「ビール一丁!!…あとさ?ひとつ聞きたいんだけど。」
K「な…なんでしょうか…」
S「テオンのこと遊びで口説いてんのか?」
そう話すソウスケさんの顔は怒っている訳でもウェルカムな訳でもなく無表情で全く読めず…
まさかアンドロイドかと思って首筋にバーコードを探したがなかった。
K「ま…まさか…遊びだなんて!!」
S「なら…まぁ…いい…」
ソウスケさんはそう言って眉をピクッとさせると厨房の中へと入っていった。
T「ねぇ?これで何杯目?俺が連絡先教えるまでずっとウチに来るつもり?ストーカーで通報するよ?」
しばらくするとそう言いながらテオンさんは厨房から出てきてビールを俺の前に置く。
K「じゃ、逆になんで俺は連絡先教えたのに連絡してくれないんですか?」
T「する必要がないから。」
K「そ…そうですか…まぁ、通報されてもここに通い続けますけどね。」
T「マジでストーカーじゃんそれw」
テオンさんはそう言って初めて俺に向けて笑顔を見せた。
そして、俺は一瞬…
テオンさんのその笑顔にオンを重ねてみてしまった。
オンがもし笑えたら…
こんな風に笑うのかなって。
そうしたら自分の意識とは関係なく思わずポロっと言葉が出てしまった。
K「好き…」
T「え……?」
K「いや、なんでもないです…すいません。」
T「……なにそれ…気分悪い。」
せっかく俺に少し心を開き、笑顔を浮かべてくれたテオンさんは怒った声でそう言い俺の言葉にまた心を閉ざして戻って行った。
俺は一体何を言ってんだ!!馬鹿かよ!!
せっかく心を開いてくれそうな雰囲気だったのに!!
つい、ぽろっと出てしまった言葉でテオンさんを傷つけてしまい俺は自分自身を責め倒した。
しかし、俺はそれからもめげずに来る日も来る日もテオンさんの店に通い続けた。
次の日
K「テオンさん!」
T「さん付けとかキモいし、ほんとしつこい!!」
次の日の次の日
K「ねぇ、テオンくん!ホラー映画のチケット貰ったんだけど行かない?」
T「ホラー嫌い。」
次の日の次の日次の日
K「ここのご飯美味しそうだから一緒に行こう?」
T「ウチのチキンが世界一美味しい。」
次の日の次の日の次の日次の日
K「どうやったらデートしてくれる?」
T「なんで連絡先の話からデートに話が飛んでんだよ!」
K「じゃ、連絡先教えて?」
T「スマホ壊れた。」
次の日の次の日の次の日の次の日次の日
K「テオンくんの誕生日いつ?」
T「個人情報!!」
S「95年の12月3日だぞ。」
T「もうソウスケくん!!余計なこと教えるな!!」
次の日の次の日の次の日の次の日の次の日
K「テオンくん…いい加減さ…連絡先…」
T「助けて!!!!」
店の外からテオンさんの姿を見つけて、店に入りながらテオンくんにそう声を掛けると、俺の声をかき消すようなテオンくんの声が突然響き、テオンくんは俺の腕にしがみついて離れない。
まさかの事態に俺は硬直し戸惑いながら問いかけた。
K「え?テテテテテ…テオンくん?こ…これは?」
T「ほらあそこあそこ!!あそこに恐怖のGが!!」
テオンくんが指差す方をみるとそこにはゴキブリがいた。
俺は仕方なく近くにあった新聞紙を丸めて狙いを定め…
パチンッ!!
俺は奴を仕留めた。
K「テオンくんもう大丈夫ですよ?ほら…」
T「ヤダヤダヤダ…怖い…見たくない…!!」
またそう言って俺の腕にしがみついて離れないテオンくん。
やばい…俺はテオンくんが可愛くてゴキちゃんにお礼をしたいくらいだ。
俺はテオンくんを落ち着かせるように手をポンポンと叩き、ゴキちゃんを片付けて手を洗いテオンくんのもとに戻った。
T「ぁ……ありがと……」
テオンくんはモジモジしながらそう言う姿がまた可愛くて俺からはつい、笑みが溢れてしまう。
毎日のように店に通いテオンくんと全く距離が縮まらなかった訳ではなかった。
少しずつ、本当に少しずつ話しかけるたびに距離が縮まっていく、そんな感じだったがそのもどかしさやテオンくんの分かりやすい表情が愛しくて、知れば知るほど俺はテオンくんに夢中になっていった。
K「とんでもない。今日は誰もいないんですか?ソウスケさんもユアさんもお客さんもいないし…珍しいですね?」
T「今日は…店が休み。」
K「あ…そうだったんですね?じゃ…俺失礼しますね?」
休みならいつもみたいに店に長々と居座る訳にもいかない。
気を使った俺が店から出ようとするとさっきと同じ温もりがまた、俺の腕に感じ俺の足は止まった。
つづく
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