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3話

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2日後


在宅でゲームデザイナーの仕事をしてる俺はいつでもアンドロイドを受け取ることができる。


あんなにもアンドロイドに不信感を持っておきながら、購入したとなれば不思議なもので、俺は今か今かと自分のアンドロイドが配達されるのをワクワクとしながら待っていた。


ピンポーン!!


家のチャイムが鳴りうっひょ~キタキタ~と内心思いながら、慌てて俺は玄関を開けるとそこには黒スーツを着た数名の人たちがいた。


その人達はトランクを抱えていて、そのトランクの中に俺のアンドロイドが入っているのが分かった。


「purple社の者です。お客様のアンドロイドをお届けに参りました。」

K「あ…はい…中にどうぞ…」


すると、俺の部屋の中にトランクを3人がかりで運び込み、俺はそのトランクの横にしゃがみ込む。


「中を開けてアンドロイドをご確認いただけますか?お気に召さなかった場合はすぐにお作りし直し致します。」

K「分かりました。」


俺がpurple社の人に言われるがままそのトランクの箱に付いている緑のボタンを押すと、プシューっと音がなりそのトランクは自動で開いた。


そして、ゆっくりとトランクの扉から現れたアンドロイドを見て俺は驚いた。


目を閉じていてもそれはそれはとても整った綺麗な顔をしていると分かったから。


「耳の奥に起動ボタンがあります。そこを長押しすると起動します。アンドロイドの名前はお客様が決められますが、2度と変える事が出来ないので名前が決まるまではアンドロイドと呼べば大丈夫です。名前が決まれば(アンドロイドキミの名は…)の後に名前を言ってあげれば自動で登録ができます。いかがですか?このアンドロイドは?」


purple社の人が淡々と俺の横で話している間…不覚にも俺はそのアンドロイドの美しさに見惚れてしまっていた。


K「だ…大丈夫です…このアンドロイドがいいです。」

「かしこまりました。それでは良いアンドロイドライフをお楽しみ下さい。」


そう言ってpurple社の人たちは持ち足早に帰って行った。


そして、俺は恐る恐るゆっくりとアンドロイドの耳の奥にあるボタンを押した。


すると、パチッと目が開き大きな黒目がキョロキョロと動いている。


K「アンドロイド…?」


そう呼びかけるとアンドロイドの黒目が俺を捉え、俺たちはじーっと見つめ合う。


すると、何故か俺はそのアンドロイドの顔に見覚えがあり懐かしさがぐわっと胸の奥から込み上げてきた。


じっと見つめたままこのアンドロイドが誰に似ているのか考えてみたが全く思い出せず、喉の奥まで出かかっているのに出てこない…そんなもどかしい感覚の中、アンドロイドに声をかける。


K「アンドロイド…起きられる?」

「はい。」


そう言ってアンドロイドが起き上がり立ち上がる。


俺と同じほどの背格好だろうか…?


少し俺よりは線が細く筋肉は…ない。


まぁ、そりゃそうか…アンドロイドだもんな?と思いながら俺はアンドロイドの身体を上から下まで見つめる。


その顔は中性的な顔ではあるが、性別は男性だった。


K「俺の名前はカイル。」

「カイル様。」

K「あぁ~様はいらないかな?」

「ご主人様。」

K「それもちょっと… 」

「イル。」


そうアンドロイドが低い声で呼んだ瞬間…


ドキッと俺の心臓が返事をした。


それは俺が幼かった頃に呼ばれていたあだ名だったから。


ジワジワと押し寄せるような懐かしさと共に頭の中には桜吹雪の映像が流れた。


K「カイルでいいよ?」


少し戸惑いながら俺がそう言うとアンドロイドは無表情のまま口を動かす。


「カイル。」

K「なに…?」

「ご飯はどうしますか?もうすぐお昼の13時です。」

すげぇ…そんな設定までされてんだ…


俺はそんな些細なことに驚きながらアンドロイドと会話を交わす。


K「食べる…けど敬語じゃなくていいよ。」

「わかった。」

K「んふふふwうんw 」


俺の目の前にいる0か100しか知らないようなアンドロイドが可笑しくて、俺が笑うとアンドロイドは俺に近づき顔を覗きこむようにして俺をマジマジと見つめる。


その瞳はガラス玉のはずなのに、まるでそこに感情があるのではないかと疑いたくなるほど綺麗で、俺は思わずアンドロイド相手に視線を逸らした。


K「なに?」

「かわいい。」


ボソッとした声でそう言い残したアンドロイドに俺は驚き、アンドロイドは俺の反応なんて気にすることなくキッチへと向かった。


え…可愛いとか…


最新限定モデルのアンドロイドにはそんな感情のような設定まであるのか?


やば…あんな顔で可愛いとか言うアンドロイドの方が1000000倍可愛い過ぎるんだけど…


なんて思ってしまった俺は無表情なアンドロイド相手にドキドキと悶絶してしまった。


つづく
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