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憑依譚・浴室にて(その2)
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「ふぅ……」
暖かな乳白色の風呂に浸かり、奏子は湯船に身体を横たえる。
「流石に疲れましたね……」
溜息をつきながら、奏子は浴室の天井を仰ぐ。
ここの所、彼女の周りでは妙な出来事が続いていた。
クラスメイトの夏帆と楓子が、廊下の真ん中で激しい口付けを交わしているのを目撃したのは、昨日のことだった。
もちろん、2人が恋人同士だったなどという話は聞いたことはない。例えそうだったとしても、あの時の夏帆と楓子は明らかに様子がおかしかった。
奏子の目には、まるで2人が“何か”に操られてあのような行為に及んでいるかのように見えた。
更に、気を失ってしまった2人を保健室に運んだのだが、ベッド目を覚ました夏帆と楓子は、その日の廊下で起こった出来事を、何ひとつ覚えていなかった。
しらばっくれているのではなく、本当に何も知らないと言うことは、キョトンとしたあの表情を見れば、奏子にはすぐに分かった。
「はぁ……一体どういうことなんでしょうか……」
目を閉じて身体の力を抜くと、暖かなお湯が疲れた身体に染み込むように、奏子の肌を優しく包み込む。
「そういえば……」
あの時、クラスメイトの緋奈と翼も一緒に保健室へと失神した2人を連れていったのだが……今日、緋奈に昨日の事を聞いてみると顔を真っ赤にして「何も覚えていない」と言うのだった。
こちらは明らかに何かを隠している様子だった。
そして、つい先程……この浴室で抱きしめあったまま気を失っている澄水と莉子を見つけたのが奏子だった。
「うぅ……」
その時の、あの光景を思い出すだけで奏子の頬がかっと熱を帯びる。
2人の美少女が、全身に石鹸の泡をたっぷりつけた状態で、お互いの身体を擦り付け合うようにぴったりと固く抱きしめあった状態で、タイル床に倒れ込んでいたのだから。
2人の荒い呼吸には、甘い喘ぎ声が混じり、その裸体はびくびくと痙攣していた。
「わッ……」
奏子の白い頬が仄かに紅く染まった。
ともかく、そのままではまずいと思った奏子はシャワーで澄水と莉子の身体の泡を洗い流し、浴室の壁に寄りかからせてから人を呼び、保健室へと連れていった。
保健室のベッドで目を覚ました2人の少女は、やはり何も覚えていなかった。
……おそらく“おんなじ”なのだ。昨日の夏帆と楓子に起こった出来事と、先程の澄水と莉子に起こった出来事は。
「はふぅ……」
全身の力を抜いて、浮力に身体を任せる。ゆっくりと息を吸い込むと、湯気の香りが鼻腔をくすぐる。
「はぁ……いいお湯です」
この広い浴室に、いまは奏子ひとりきり。貸切状態である。
思い切り手足を伸ばし、お湯の暖かさを堪能する。
昨日から色々なことがあって、流石に疲れた。今は何も考えずに身体を癒すことにしよう。
「……ひゃっ!?」
悪寒。
暖かなお湯の中にいながら、奏子は不意に悪寒を感じた。
「え……なに……?」
周りを見渡すが、何も変わったものはない。
気のせいだろうか……しかし、最近妙なことが続いているだけに、ちょっとした違和感にも不安になってしまう。
「まさか……」
奏子は昨日の夏帆と楓子を思い出す。
突然、別人のような行動をとったかと思うと、気を失ってしまった2人の事を。
「大丈夫……ですよね」
奏子は軽く首を振り、自分の意識がはっきりしている事を確認すると、再び乳白色の水面に身体をまかせた。
「疲れてるんですね……ふぅ」
乳白色の湯の中に身体を溶け込ませるようにくつろぐ。大丈夫。何も起こってはいない……その時だった。
「きゃっ……」
奏子は、小さな悲鳴を上げ、身体を硬ばらせる。
お湯の中を漂わせていた奏子の右手が、自分のお尻をそっと撫でたのだ。
「なんだ自分の手か……」
ほっと一息つき、再び身体の力を抜く。
「……きゃはッ!?」
今度は、お湯の中の左手が奏子のお腹を撫でたのだ。
身体を労わるように、すりすりと円を描いておへその周りを撫で回す。
「や、やだ……ひゃうッ!?」
右手も再び動き出し、滑らかなお尻を撫で回す。
「な、なんで……どうして……」
“身体が勝手に”そんな言葉が脳裏をよぎる。
「そんなわけ……!」
その言葉を否定するために、奏子は自分の両手をお湯の中から出そうとする。しかし、奏子の両手は自分の意思とは無関係に、乳白色のお湯の中で、ほっそりしたお腹と可愛らしいお尻を、愛おしげに撫でまわし続けている。
「嘘……」
奏子の意識ははっきりしている。
自分を撫でまわす指の感触も、その指で感じる肌の暖かさも、はっきりと感じ取れる。
それなのに、その指を自分で動かすことができない。
「勝手に……動いてます……」
認めざるを得なかった。
少女の二本の腕は、少女の意思から離れ、何らかの意思によって、乙女の肌を撫でまわしているのだと。
「あふッ……」
執拗にお腹とお尻を弄りまわされるくすぐったさで、声が漏れてしまう。
いけない……。
危険を感じた奏子は、この場から逃げ出すために、湯船から立ち上がる。
ざばぁ……
乳白色のお湯の中から、仄かなピンクを帯びる、白い裸体が立ち上がる。
しかし、その両手はしなやかな腹部と、小ぶりな臀部をそれぞれ撫でまわしており、それに呼応するかのように、妖艶に腰をくねらせている。
「や、やだッ……」
乳白色のお湯の中から現れた、自分自身の余りにも淫らな姿に、先程の澄水と莉子の痴態を重ねてしまい、朱に染められた頬が、更に紅くなる。
「嘘……こんなの……うぅぅ」
目をぎゅっと閉じ、湯船から上がろうとするが、奏子の両足は歩き出すことなく、それどころか、すりすりとふともも同士を擦り合わせる。
「う、動いてっ……ダメ、動かないでぇッ!」
絡み合う奏子の両脚は、ゆっくりとしゃがんでゆき、再び乳白色のお湯の中に奏子の裸体が沈んでいく。
「ふぁぁっ……」
お腹、お尻、ふともも……仄かな刺激が折り重なり、身体の芯に、ズクンと熱いものが込み上げてくる。
「くぅぅ……」
やがて、お湯の中で奏子の身体をくすぐる両手が、ゆっくりと肌を撫でながらせり上がっていく。
「ひぁ……そこは……」
視線を落とすと、乳白色の湯面に、2つの白いふくらみがゆらゆらと浮かんでいる。お腹を撫でていた左手が、湯面に浮かぶ白い胸の、その下辺にそっと触れ、軽く持ち上げる。
「あッ……」
お尻を撫でていた右手は、腋の下を抜け、右胸の付け根のあたりに、そっと、指先を這わせる。
「んッ……」
奏子の初々しい反応を楽しむかのように、右手は横から、左手は下から、ゆっくりと双乳の上に指を滑らせていく。
「む、胸はだめぇ……くぅぅ……」
予感される快楽に、歯を食いしばって耐える少女。他ならぬ自分自身の身体が相手では、抵抗の方法などあり得ない。ただ耐えるしかなかった。
「あンんんッ……」
少女の10本の指が、2つの白い果実を捕らえると、そのまま指に力を込めて、双乳をゆっくりと揉みはじめた。
「きゃぅうッ」
自分の両手なのに、まるで他人の腕のように勝手に動いて、自分の胸を揉んでしまう。
「あ……ふぅ……」
奏子の両手には、柔らかな胸の感触と、指を押し返す弾力がはっきりと感じ取れている。
それだけに、その手を自分の意思では動かせないことが、たまらなく悔しく、惨めだった。
「やめて……んくぅ……」
少女のしなやかな指が、乙女の胸の柔らかさを、弾力を、乳肌の滑らかさを楽しんでいる。
自分の指が、どのような動きをするのか、奏子には予測することすらできない。
次第に激しさを増していく自らの指の動きに、ただ翻弄されるだけの裸の少女。
「くひィ……」
しなやかな指が乳肌に踊るたびに、望まぬ快楽が奏子の背筋をびくびくと震わせる。
いやらしく蠢く奏子の両手は明らかに、双丘の柔らかさを堪能し、その弾力や肌触りを楽しむために、少女の胸を弄りまわしている。
「そん……なのぉ……ひゃふぅ」
淫らに揺れる奏子の双乳もまた、奏子の指にこねられ刺激されることを楽しむかのように、自分自身の指に対して極上の柔らかさと弾力を味わわせる。
「そんな……ダメ……ぇ……っ」
敏感な部分はどこなのか、どんな動きで触られたら気持ちよくなってしまうのか、どのくらいの力で、どんな速さで、どの指で……?
それをひとつひとつ確かめるように、奏子の両手は試すように、次々と動きを変えていく。
「もう……やめてぇッ……」
奏子にとっては苦痛でしかない、この快楽を、奏子の両手は楽しんでいるのだ。
その動きは段々と精度を増して、より気持ちいい指の動きにへと移行していく。より快楽を感じられる揉み方へと。
「きゃひィ……」
少女の両手を使って、少女の双乳を陵辱する。
奏子の指で、胸の柔らかさを楽しみながら、奏子の胸で、指の気持ちよさを楽しむ。
そこに、奏子の意思など何一つ介在する余地はなかった。
「やめて……くださひィ……」
勝手に動いてしまう自分の手が、勝手に感じてしまう自分の胸をこね回しているだけなのに、奏子は無関係なのに、身体を奪われ、意識だけが残されてしまっている奏子は、理不尽にもこの快楽に耐えなければならないのだ。
「やめてッ……やめてくださいぃぃ……」
自分自身の両手に対して必死で哀願をする奏子。
その目からは涙が溢れ、可憐な唇の端から涎が零れる。
しかし、少女の両手は少女自身の意思を欠片も汲み取ることなく、ただ快楽を、胸のくすぐったさを楽しむためだけに、柔らかなふくらみをこね続ける。それどころか……
「やめ、やめてく……んきゅぅっ……ふぅ~~、美少女のおっぱい揉みながらお風呂に入るのって、やっぱり最高ですね~~」
胸を揉み抜かれる快楽で呂律が周らなかったはずの奏子の唇が、まるで別人のように口走る。
「奏子ちゃんのおっぱい、柔らかくて、敏感で、お風呂で揉むのにぴったりですね♪」
奏子は自分の口までもが勝手に動き出したことに驚き、歯を食いしばろうとするが、少女の唇は勝手に喋り続ける。
「右のおっぱいと左のおっぱい、どっちが柔らかいのかな~~?確かめてみよっと♪ふにふに♪」
両胸をぎゅっと押し付け合い、お互いに形を歪ませ合い、ふにふにと揉み合わせる。
「きゃはッ!?や、やめ……はぁ~~気持ちよすぎます~~」
すでに全身の力が抜けているのに、両手だけはいつまでも奏子自身の胸を揉み続ける。
「やわらかふにふにおっぱい温泉。奏子ちゃんのおっぱいのエキスがたっぷり染み込んでますよ~~あはははははは!!」
奏子の唇が、奏子を嘲り、辱める言葉を勝手に吐き出す。
「ひゃッめぇ……ふゃああァんんッ!」
唇の自由が戻るが、漏れ出すのは淫らな嬌声だけ。
餅をこねるように胸全体をいじり回していた奏子の指は汗で濡れる乳肌をにじり進み、その先端で儚げに揺れる桜色の蕾にそっと触れた。
「きゃはァァッ!?……えへへっ、奏子ちゃんのちくび、とっても敏感♪」
可愛らしく震えるそれを、人差し指でかりかりと引っ掻く。
「くヒゃッ、ひぁゃァァああッッ!?」
奏子の背筋を熱い電流が駆け上り、頭の中が真っ白に塗りつぶされる。
涙と涎を流しながらはしたなく悲鳴をあげる唇とは裏腹に、両手の指は両胸の先端をつまんで、楽しそうにぐにぐにと上下左右に弄ぶ。
「んぐぅッ……気持ちいい~~あはははははは!!」
誰にも触れられたことのない秘部を、勝手に動く自分の指に弄りまわされる。
「ふひゃッ!きゃうぅッ!?ふゃァぁ……」
指の腹で擦り上げられ、指先で柔らかな胸に押し込まれ、そのまま揉み抜かれる。
敏感な胸をこねられ、繊細な蕾を、おもちゃみたいに無遠慮に弄りまわされる。
胸の先を爪が掠める度に、腰がひくつき、頭の中で甘い稲妻が弾ける。こんなの1秒だって耐えられるわけがない。
それなのに、少女の両手の指は柔らかく双乳を揉みながら、乳首を擦り上げる指先を速めていく。
「くきゃぁ……ぁくぅぅ……と、止まってぇーー!!」
涎とともに漏れ出す悲鳴。しかし少女の指は止まらず、少女の胸を絶頂へと押し上げていく。
「やめっ……ふぁあァあああアァァぁ!!!」
両の人差し指がぴん、と蕾を弾いた瞬間、奏子は全身を激しく痙攣させ、乳白色の湯の中に倒れこむ。
「かひゃァ……」
自分の指で、自分の胸に快楽を注ぎ込み、絶頂に達した少女は、絶頂の余韻を楽しむように双乳をぎゅっと掴んだまま浴槽の縁に寄りかかり、意識を手放した。
その両目からは一筋の涙が、可憐な唇からはとろとろの涎が流されたままだったが、その寝顔は穏やかに、乳白色の湯に揺られていた。
暖かな乳白色の風呂に浸かり、奏子は湯船に身体を横たえる。
「流石に疲れましたね……」
溜息をつきながら、奏子は浴室の天井を仰ぐ。
ここの所、彼女の周りでは妙な出来事が続いていた。
クラスメイトの夏帆と楓子が、廊下の真ん中で激しい口付けを交わしているのを目撃したのは、昨日のことだった。
もちろん、2人が恋人同士だったなどという話は聞いたことはない。例えそうだったとしても、あの時の夏帆と楓子は明らかに様子がおかしかった。
奏子の目には、まるで2人が“何か”に操られてあのような行為に及んでいるかのように見えた。
更に、気を失ってしまった2人を保健室に運んだのだが、ベッド目を覚ました夏帆と楓子は、その日の廊下で起こった出来事を、何ひとつ覚えていなかった。
しらばっくれているのではなく、本当に何も知らないと言うことは、キョトンとしたあの表情を見れば、奏子にはすぐに分かった。
「はぁ……一体どういうことなんでしょうか……」
目を閉じて身体の力を抜くと、暖かなお湯が疲れた身体に染み込むように、奏子の肌を優しく包み込む。
「そういえば……」
あの時、クラスメイトの緋奈と翼も一緒に保健室へと失神した2人を連れていったのだが……今日、緋奈に昨日の事を聞いてみると顔を真っ赤にして「何も覚えていない」と言うのだった。
こちらは明らかに何かを隠している様子だった。
そして、つい先程……この浴室で抱きしめあったまま気を失っている澄水と莉子を見つけたのが奏子だった。
「うぅ……」
その時の、あの光景を思い出すだけで奏子の頬がかっと熱を帯びる。
2人の美少女が、全身に石鹸の泡をたっぷりつけた状態で、お互いの身体を擦り付け合うようにぴったりと固く抱きしめあった状態で、タイル床に倒れ込んでいたのだから。
2人の荒い呼吸には、甘い喘ぎ声が混じり、その裸体はびくびくと痙攣していた。
「わッ……」
奏子の白い頬が仄かに紅く染まった。
ともかく、そのままではまずいと思った奏子はシャワーで澄水と莉子の身体の泡を洗い流し、浴室の壁に寄りかからせてから人を呼び、保健室へと連れていった。
保健室のベッドで目を覚ました2人の少女は、やはり何も覚えていなかった。
……おそらく“おんなじ”なのだ。昨日の夏帆と楓子に起こった出来事と、先程の澄水と莉子に起こった出来事は。
「はふぅ……」
全身の力を抜いて、浮力に身体を任せる。ゆっくりと息を吸い込むと、湯気の香りが鼻腔をくすぐる。
「はぁ……いいお湯です」
この広い浴室に、いまは奏子ひとりきり。貸切状態である。
思い切り手足を伸ばし、お湯の暖かさを堪能する。
昨日から色々なことがあって、流石に疲れた。今は何も考えずに身体を癒すことにしよう。
「……ひゃっ!?」
悪寒。
暖かなお湯の中にいながら、奏子は不意に悪寒を感じた。
「え……なに……?」
周りを見渡すが、何も変わったものはない。
気のせいだろうか……しかし、最近妙なことが続いているだけに、ちょっとした違和感にも不安になってしまう。
「まさか……」
奏子は昨日の夏帆と楓子を思い出す。
突然、別人のような行動をとったかと思うと、気を失ってしまった2人の事を。
「大丈夫……ですよね」
奏子は軽く首を振り、自分の意識がはっきりしている事を確認すると、再び乳白色の水面に身体をまかせた。
「疲れてるんですね……ふぅ」
乳白色の湯の中に身体を溶け込ませるようにくつろぐ。大丈夫。何も起こってはいない……その時だった。
「きゃっ……」
奏子は、小さな悲鳴を上げ、身体を硬ばらせる。
お湯の中を漂わせていた奏子の右手が、自分のお尻をそっと撫でたのだ。
「なんだ自分の手か……」
ほっと一息つき、再び身体の力を抜く。
「……きゃはッ!?」
今度は、お湯の中の左手が奏子のお腹を撫でたのだ。
身体を労わるように、すりすりと円を描いておへその周りを撫で回す。
「や、やだ……ひゃうッ!?」
右手も再び動き出し、滑らかなお尻を撫で回す。
「な、なんで……どうして……」
“身体が勝手に”そんな言葉が脳裏をよぎる。
「そんなわけ……!」
その言葉を否定するために、奏子は自分の両手をお湯の中から出そうとする。しかし、奏子の両手は自分の意思とは無関係に、乳白色のお湯の中で、ほっそりしたお腹と可愛らしいお尻を、愛おしげに撫でまわし続けている。
「嘘……」
奏子の意識ははっきりしている。
自分を撫でまわす指の感触も、その指で感じる肌の暖かさも、はっきりと感じ取れる。
それなのに、その指を自分で動かすことができない。
「勝手に……動いてます……」
認めざるを得なかった。
少女の二本の腕は、少女の意思から離れ、何らかの意思によって、乙女の肌を撫でまわしているのだと。
「あふッ……」
執拗にお腹とお尻を弄りまわされるくすぐったさで、声が漏れてしまう。
いけない……。
危険を感じた奏子は、この場から逃げ出すために、湯船から立ち上がる。
ざばぁ……
乳白色のお湯の中から、仄かなピンクを帯びる、白い裸体が立ち上がる。
しかし、その両手はしなやかな腹部と、小ぶりな臀部をそれぞれ撫でまわしており、それに呼応するかのように、妖艶に腰をくねらせている。
「や、やだッ……」
乳白色のお湯の中から現れた、自分自身の余りにも淫らな姿に、先程の澄水と莉子の痴態を重ねてしまい、朱に染められた頬が、更に紅くなる。
「嘘……こんなの……うぅぅ」
目をぎゅっと閉じ、湯船から上がろうとするが、奏子の両足は歩き出すことなく、それどころか、すりすりとふともも同士を擦り合わせる。
「う、動いてっ……ダメ、動かないでぇッ!」
絡み合う奏子の両脚は、ゆっくりとしゃがんでゆき、再び乳白色のお湯の中に奏子の裸体が沈んでいく。
「ふぁぁっ……」
お腹、お尻、ふともも……仄かな刺激が折り重なり、身体の芯に、ズクンと熱いものが込み上げてくる。
「くぅぅ……」
やがて、お湯の中で奏子の身体をくすぐる両手が、ゆっくりと肌を撫でながらせり上がっていく。
「ひぁ……そこは……」
視線を落とすと、乳白色の湯面に、2つの白いふくらみがゆらゆらと浮かんでいる。お腹を撫でていた左手が、湯面に浮かぶ白い胸の、その下辺にそっと触れ、軽く持ち上げる。
「あッ……」
お尻を撫でていた右手は、腋の下を抜け、右胸の付け根のあたりに、そっと、指先を這わせる。
「んッ……」
奏子の初々しい反応を楽しむかのように、右手は横から、左手は下から、ゆっくりと双乳の上に指を滑らせていく。
「む、胸はだめぇ……くぅぅ……」
予感される快楽に、歯を食いしばって耐える少女。他ならぬ自分自身の身体が相手では、抵抗の方法などあり得ない。ただ耐えるしかなかった。
「あンんんッ……」
少女の10本の指が、2つの白い果実を捕らえると、そのまま指に力を込めて、双乳をゆっくりと揉みはじめた。
「きゃぅうッ」
自分の両手なのに、まるで他人の腕のように勝手に動いて、自分の胸を揉んでしまう。
「あ……ふぅ……」
奏子の両手には、柔らかな胸の感触と、指を押し返す弾力がはっきりと感じ取れている。
それだけに、その手を自分の意思では動かせないことが、たまらなく悔しく、惨めだった。
「やめて……んくぅ……」
少女のしなやかな指が、乙女の胸の柔らかさを、弾力を、乳肌の滑らかさを楽しんでいる。
自分の指が、どのような動きをするのか、奏子には予測することすらできない。
次第に激しさを増していく自らの指の動きに、ただ翻弄されるだけの裸の少女。
「くひィ……」
しなやかな指が乳肌に踊るたびに、望まぬ快楽が奏子の背筋をびくびくと震わせる。
いやらしく蠢く奏子の両手は明らかに、双丘の柔らかさを堪能し、その弾力や肌触りを楽しむために、少女の胸を弄りまわしている。
「そん……なのぉ……ひゃふぅ」
淫らに揺れる奏子の双乳もまた、奏子の指にこねられ刺激されることを楽しむかのように、自分自身の指に対して極上の柔らかさと弾力を味わわせる。
「そんな……ダメ……ぇ……っ」
敏感な部分はどこなのか、どんな動きで触られたら気持ちよくなってしまうのか、どのくらいの力で、どんな速さで、どの指で……?
それをひとつひとつ確かめるように、奏子の両手は試すように、次々と動きを変えていく。
「もう……やめてぇッ……」
奏子にとっては苦痛でしかない、この快楽を、奏子の両手は楽しんでいるのだ。
その動きは段々と精度を増して、より気持ちいい指の動きにへと移行していく。より快楽を感じられる揉み方へと。
「きゃひィ……」
少女の両手を使って、少女の双乳を陵辱する。
奏子の指で、胸の柔らかさを楽しみながら、奏子の胸で、指の気持ちよさを楽しむ。
そこに、奏子の意思など何一つ介在する余地はなかった。
「やめて……くださひィ……」
勝手に動いてしまう自分の手が、勝手に感じてしまう自分の胸をこね回しているだけなのに、奏子は無関係なのに、身体を奪われ、意識だけが残されてしまっている奏子は、理不尽にもこの快楽に耐えなければならないのだ。
「やめてッ……やめてくださいぃぃ……」
自分自身の両手に対して必死で哀願をする奏子。
その目からは涙が溢れ、可憐な唇の端から涎が零れる。
しかし、少女の両手は少女自身の意思を欠片も汲み取ることなく、ただ快楽を、胸のくすぐったさを楽しむためだけに、柔らかなふくらみをこね続ける。それどころか……
「やめ、やめてく……んきゅぅっ……ふぅ~~、美少女のおっぱい揉みながらお風呂に入るのって、やっぱり最高ですね~~」
胸を揉み抜かれる快楽で呂律が周らなかったはずの奏子の唇が、まるで別人のように口走る。
「奏子ちゃんのおっぱい、柔らかくて、敏感で、お風呂で揉むのにぴったりですね♪」
奏子は自分の口までもが勝手に動き出したことに驚き、歯を食いしばろうとするが、少女の唇は勝手に喋り続ける。
「右のおっぱいと左のおっぱい、どっちが柔らかいのかな~~?確かめてみよっと♪ふにふに♪」
両胸をぎゅっと押し付け合い、お互いに形を歪ませ合い、ふにふにと揉み合わせる。
「きゃはッ!?や、やめ……はぁ~~気持ちよすぎます~~」
すでに全身の力が抜けているのに、両手だけはいつまでも奏子自身の胸を揉み続ける。
「やわらかふにふにおっぱい温泉。奏子ちゃんのおっぱいのエキスがたっぷり染み込んでますよ~~あはははははは!!」
奏子の唇が、奏子を嘲り、辱める言葉を勝手に吐き出す。
「ひゃッめぇ……ふゃああァんんッ!」
唇の自由が戻るが、漏れ出すのは淫らな嬌声だけ。
餅をこねるように胸全体をいじり回していた奏子の指は汗で濡れる乳肌をにじり進み、その先端で儚げに揺れる桜色の蕾にそっと触れた。
「きゃはァァッ!?……えへへっ、奏子ちゃんのちくび、とっても敏感♪」
可愛らしく震えるそれを、人差し指でかりかりと引っ掻く。
「くヒゃッ、ひぁゃァァああッッ!?」
奏子の背筋を熱い電流が駆け上り、頭の中が真っ白に塗りつぶされる。
涙と涎を流しながらはしたなく悲鳴をあげる唇とは裏腹に、両手の指は両胸の先端をつまんで、楽しそうにぐにぐにと上下左右に弄ぶ。
「んぐぅッ……気持ちいい~~あはははははは!!」
誰にも触れられたことのない秘部を、勝手に動く自分の指に弄りまわされる。
「ふひゃッ!きゃうぅッ!?ふゃァぁ……」
指の腹で擦り上げられ、指先で柔らかな胸に押し込まれ、そのまま揉み抜かれる。
敏感な胸をこねられ、繊細な蕾を、おもちゃみたいに無遠慮に弄りまわされる。
胸の先を爪が掠める度に、腰がひくつき、頭の中で甘い稲妻が弾ける。こんなの1秒だって耐えられるわけがない。
それなのに、少女の両手の指は柔らかく双乳を揉みながら、乳首を擦り上げる指先を速めていく。
「くきゃぁ……ぁくぅぅ……と、止まってぇーー!!」
涎とともに漏れ出す悲鳴。しかし少女の指は止まらず、少女の胸を絶頂へと押し上げていく。
「やめっ……ふぁあァあああアァァぁ!!!」
両の人差し指がぴん、と蕾を弾いた瞬間、奏子は全身を激しく痙攣させ、乳白色の湯の中に倒れこむ。
「かひゃァ……」
自分の指で、自分の胸に快楽を注ぎ込み、絶頂に達した少女は、絶頂の余韻を楽しむように双乳をぎゅっと掴んだまま浴槽の縁に寄りかかり、意識を手放した。
その両目からは一筋の涙が、可憐な唇からはとろとろの涎が流されたままだったが、その寝顔は穏やかに、乳白色の湯に揺られていた。
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