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第三章

20 帰ってきた一行

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 ティリス発の船に乗り、グリスタニアへと戻ってきた一行。グスタットの港でグリフォンの引く馬車に乗り、ユグドラス邸へと帰ってきた。帰って来た時には既に夕方で、レティシアとセシリアスタは夕食をとり、久方ぶりの自室へと戻っていった。
「ふう……意外と長旅で疲れてしまったわね」
 ソファに腰を下ろしながら、レティシアはカイラとアティカに話しかける。二人はといえば、未だティリスでのパーティーでのことを気にしているのか、困ったような表情だ。
「でも、私達もあんな素敵なドレス、頂いてよかったんでしょうかね?」
「仕方ないわ。貰ってしまった以上、大事にしましょう」
「そうですね」
 アティカの言葉に頷くカイラ。そんな二人を早く休ませてあげようと、早々に湯あみに行くことにした。



 湯あみを済ませ、髪を乾かして貰い香油を塗って貰うと、流石にレティシアも疲れが出てきたのか眠たくなってきた。
「あ、ふ……」
 欠伸が出てしまい、さっさと寝てしまおうとカールと共にベッドに横になる。
「お休みなさいませ。お嬢様」
「ごゆっくりとおやすみを、レティシアお嬢様」
「ありがとう。二人も今日は早く休んでね」
 カイラとアティカに礼を言いつつ、レティシアはベッドに仰向けになる。二人が部屋から出て行った後、そっとベッドから起き上がり、小さな小箱を開ける。中には、ティアドルチェから貰ったマナフラワーが入っていた。
「……今度、オリビアさんの所でペンダントに付けられるかお願いしてみましょ」
「キュウ!」
「一つは貴方の首輪に着けましょうか?」
 そう言うと、カールは首を傾げていた。興味はないようだ。そんなカールにくすりと笑みを零すと、レティシアは小箱を閉じ、ベッドに戻った。

 明日はメルヴィーを呼んで、お土産を渡したい。そして、楽しかった新婚旅行の話をしたい。そう、強く思ったレティシアだった。
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