関西最強の男、異世界で無双！ハーレム王への道？

3話：なぜか魔物たちの王様？

ゴブリンとオークに案内された先は、広大な森の奥深くにひっそりと佇む禍々しい遺跡だった。そこは古びた石柱が立ち並び、黒い苔が一面に覆い尽くしている。空気はひんやりと冷たく、異様な静けさが漂っていた。

「なんや、ここ？」と翔太は眉をひそめ、遺跡の不気味さに警戒を強めた。しかし、ゴブリンたちは特に怖がる様子もなく、遺跡の前に立つと木の棒を拾い、地面に何かを書き始めた。

しばらくすると、地面には簡単な絵が描かれていた。遺跡の中にあるらしい何かの物体を示す絵と、それを取りに行く様子が描かれている。翔太はその絵を見て、ピンときた。

「要は、ここにめっちゃ凄い魔道具があるから、取ってきてほしいってことか？」

そう尋ねると、ゴブリンとオークたちは一斉に大きく頷き出した。その様子に、翔太は思わずため息をついた。

「パシリやないか！…って言いたいけど、俺、それに興味あるわ」

翔太は思わず苦笑いしながら、遺跡の入口に向かった。興味本位で動くことが多い翔太だが、この状況ではそれが正解かもしれない。遺跡の中に入ると、暗く狭い通路が続いていたが、思ったよりも道は単純で、迷うことはなかった。

数分もしないうちに、翔太は目当ての場所にたどり着いた。そこには古びた台座があり、その上に置かれていたのは、何とも奇妙な形をした魔道具だった。

「これが…魔道具ってやつか」

その形は王冠に似ており、光を反射して微かに輝いていた。翔太は慎重にそれを手に取り、少しの間眺めていたが、特に危険は感じなかったので、そのまま遺跡の外に持ち帰ることにした。

外に戻ると、ゴブリンたちは期待に満ちた目で翔太を迎えた。魔道具を見せると、彼らは一斉に何かを指し示すようなジェスチャーを始めた。どうやら、その王冠のような物を頭に乗せろと言っているらしい。

「これ、頭に乗せろってか？なんや、変な儀式かなんかか？」と疑いつつも、翔太はゴブリンたちの視線に負けて、その魔道具を頭に乗せた。

その瞬間、ゴブリンとオークたちは大歓声を上げ、翔太を胴上げし始めた。

「は？どういうことやねん！」と驚いた翔太は、必死で彼らをなだめようとするが、彼らはまるで勝利を祝うかのように嬉しそうに騒いでいた。

「おいおい、いきなり何してんねん！」

後々、ゴブリンとオークたちが少しずつ何を言っていたのかを理解することができた。どうやら、この遺跡にある魔道具は特別な力を持っており、それを手に入れた者は王として認められるらしい。そして、彼らはこの遺跡で王を探し続けていたということだった。

「俺を…王様にしたいんか…？」

翔太は驚きと困惑の入り混じった表情で、再びゴブリンたちを見下ろした。彼らは真剣な顔で首を縦に振る。

「ほんまに、ここで王様になるんか…？」

思いがけない展開に、翔太は戸惑いつつも、自分の新たな運命に向き合うことを決意した。これから何が待ち受けているのかは分からないが、少なくとも、この異世界での冒険はますます面白くなりそうだった。

「まあ、王様になるんも悪ないかもしれへんな」

そうつぶやくと、翔太は新たな責務と共に、次なる一歩を踏み出すことを決めた。