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はじまりは、あの日
26.甘い幸せ
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深い眠りから微睡になった頃、何かが頬をくすぐる感覚で意識で浮上する。
「おはよ。」
うっすら目を開くと、向かい合わせに寝ている川奈さんが俺の髪を指で弄んでいる。どうやら、それが頬に触れていたらしい。あまり思考が回らずぼぅっとしていると俺に気づいた川奈さんが、掠れた声で挨拶をする。
「…おはよう。今、何時だ」
頭で状況を理解するため、一瞬間があく。
昨日川奈さんと交わってそのまま泊まった事と、川奈さんは仕事の日ということを思い出してスマホを探してベッドサイドに手を伸ばす。
「まだ、5時30分だから、大丈夫だよ。」
川奈さんが壁にかかっている時計をチラッと確認し声を出しづらそうに言う。そんなに早い時間だったのか。通りで、カーテンの向こう側が暗いはずだ。
「喉大丈夫?辛そう。」
「…少しヒリヒリしてる。仕事行く時、のど飴買って行くから大丈夫。」
「今日、仕事だもんね。何時に出発?」
「7時30分には出るから、あと1時間したら準備しなきゃ。」
出勤までの準備時間を目算してる川奈さんの腰に手を回し俺の方に体を引き寄せ川奈さんの頭頂部に顔を寄せる。
「…今日は、ずっと一緒にいたいけど…我慢しなきゃだね。」
「今度、田浦くんが休みの日に有給とるよ。」
少し甘えてみると、嬉しい返事が返ってくる。土日休みの川奈さんと、平日休みの俺では休みが重ならないから、川奈さんが合わせてくれるみたい。
「ありがと。その日のデートプラン考えなきゃね。川奈さんも何したいか考えておいてね。」
「うん。」
カップルの様な会話にテンションが上がる。
あぁ、早く恋人になりたい。と欲がムクムクと湧き起こる。それを我慢するために、抱き寄せた川奈さんをキツく抱きしめ
「朝ごはん作るから、時間までイチャイチャしたい。」
「朝は甘えん坊なんだね。…いいよ。」
川奈さんの返答を聞き、唇を重ねた。
* * *
「川奈さん、ネクタイ曲がってる。」
朝の準備を整えたスーツ姿の川奈さんは、本当にイケメンだなと堪能していたら、ネクタイが微妙に曲がっているのに気づく。
「あ、お願い。」
そう言われネクタイを直していると、まるで
「なんか、出勤前の旦那さんを送る奥さんになった気分。」
思ったことがそのまま口をついた。
「ふふっ。田浦君が奥さんだったら、毎晩体力使いすぎて、仕事に行きたくなくなりそう。」
川奈さんがいつもの調子でいう。
仕事に行きたくない、というフレーズは出来ればもう少し違ったニュアンスで聞きたかった。
二人とも靴を履き、川奈さんがドアノブに手をかける。玄関を開けるのを制止して、川奈さんの顎を持ち上げ触れるだけのキスをする
「いってらっしゃい。川奈さん。」
「…いってきます。」
少し目を逸らし言い淀む川奈さんを可愛く思う。朝の甘い幸せを噛み締めながら二人で一緒に家を出たのだった。
「おはよ。」
うっすら目を開くと、向かい合わせに寝ている川奈さんが俺の髪を指で弄んでいる。どうやら、それが頬に触れていたらしい。あまり思考が回らずぼぅっとしていると俺に気づいた川奈さんが、掠れた声で挨拶をする。
「…おはよう。今、何時だ」
頭で状況を理解するため、一瞬間があく。
昨日川奈さんと交わってそのまま泊まった事と、川奈さんは仕事の日ということを思い出してスマホを探してベッドサイドに手を伸ばす。
「まだ、5時30分だから、大丈夫だよ。」
川奈さんが壁にかかっている時計をチラッと確認し声を出しづらそうに言う。そんなに早い時間だったのか。通りで、カーテンの向こう側が暗いはずだ。
「喉大丈夫?辛そう。」
「…少しヒリヒリしてる。仕事行く時、のど飴買って行くから大丈夫。」
「今日、仕事だもんね。何時に出発?」
「7時30分には出るから、あと1時間したら準備しなきゃ。」
出勤までの準備時間を目算してる川奈さんの腰に手を回し俺の方に体を引き寄せ川奈さんの頭頂部に顔を寄せる。
「…今日は、ずっと一緒にいたいけど…我慢しなきゃだね。」
「今度、田浦くんが休みの日に有給とるよ。」
少し甘えてみると、嬉しい返事が返ってくる。土日休みの川奈さんと、平日休みの俺では休みが重ならないから、川奈さんが合わせてくれるみたい。
「ありがと。その日のデートプラン考えなきゃね。川奈さんも何したいか考えておいてね。」
「うん。」
カップルの様な会話にテンションが上がる。
あぁ、早く恋人になりたい。と欲がムクムクと湧き起こる。それを我慢するために、抱き寄せた川奈さんをキツく抱きしめ
「朝ごはん作るから、時間までイチャイチャしたい。」
「朝は甘えん坊なんだね。…いいよ。」
川奈さんの返答を聞き、唇を重ねた。
* * *
「川奈さん、ネクタイ曲がってる。」
朝の準備を整えたスーツ姿の川奈さんは、本当にイケメンだなと堪能していたら、ネクタイが微妙に曲がっているのに気づく。
「あ、お願い。」
そう言われネクタイを直していると、まるで
「なんか、出勤前の旦那さんを送る奥さんになった気分。」
思ったことがそのまま口をついた。
「ふふっ。田浦君が奥さんだったら、毎晩体力使いすぎて、仕事に行きたくなくなりそう。」
川奈さんがいつもの調子でいう。
仕事に行きたくない、というフレーズは出来ればもう少し違ったニュアンスで聞きたかった。
二人とも靴を履き、川奈さんがドアノブに手をかける。玄関を開けるのを制止して、川奈さんの顎を持ち上げ触れるだけのキスをする
「いってらっしゃい。川奈さん。」
「…いってきます。」
少し目を逸らし言い淀む川奈さんを可愛く思う。朝の甘い幸せを噛み締めながら二人で一緒に家を出たのだった。
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