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はじまりは、あの日

17.嗚呼、なんて…

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「……キス…して。」

俺の耳元で、躊躇いがちに消え入りそうな声で言う。肩を押し顔を覗き込むと、さっき、自分からしようとしていたのに、言葉にするのは恥ずかしかったのか伏目がちで視線を合わせてくれない。

「キスね。」
川奈さんの下唇を親指で撫で

「…っふ、んぁ…」
唇を重ね、舌で唇をこじ開け、舌を蹂躙し、歯列をなぞる。

「ふっ…んっ!」
息継ぎで口をずらしたタイミングで人差し指を差し込み舌を押すと川奈さんの唾液が指を伝いたらりと垂れる。

「舐めて。」
と言えば、目を閉じて親指を唇で包み込む。

「んっ…ふぅ」
川奈さんは顔を動かして、指の根本から先端まで唇で扱き上げる。
時折くすぐる様に舌を指に這わす。

好きな人が自分の指を咥えている艶かしい光景に下半身はズキズキと痛むくらい主張をする。
指を抜くと、ちゅぱっと吸い付く音を立てる。

「っん…」
口の端からだらしなく垂れている唾液に舌を這わせると、困った表情で声を押し殺す。

「ねぇ、川奈さん、次はどこ触って欲しいの?」
唾液で濡れた指を見せつける様に、自分の唇に触れる。
膝に座る川奈さんがお尻に力を入れたのを感じ、ほくそ笑む。

「……うしろ。」
これまた消え入りそうな声で言うが、これでは満足できない。

「うしろって、どこ?教えてよ。」
意地悪く聞くと、目が潤む。

「分かってるくせに、意地悪」

「川奈さんの口から聞きたいなぁ」

「………」
切なく腰を動かしているが、そこを言うのは憚る様で何か言おうとしては閉じを繰り返す。

「言うの恥ずかしかったら、体で教えて。」

助け船でそう言うと、川奈さんはおずおずと俺の手を掴み双丘の割れ目に導き「ここ」と言う。

「ここね。」

「んっ…そうっ」
パンツの上から割れ目の一点をグリグリ撫でると、川奈さんは何度も頷く。

「よいしょっ」
膝に座る川奈さんを抱き抱え、ベッドに運ぶ。

「うしろ触ってあげたいけど、パンツあるから直接触れないなぁ」
ベッドに座らせた川奈さんに対面する様に腰掛け言う。

すると川奈さんはボクサーパンツに手をかけ、腰を上げゆっくりと下げる。
窮屈さから解放された屹立は勢いよく飛び出し頭を天井までもたげる。
足をパンツから引き抜くと、一糸纏わぬ姿になる。恥ずかしそうに目を逸らす。

「よく出来ました。ご褒美にいっぱい触ってあげるね。」

そう言うと、膝裏を掴み体を折りたたむ様に足を持ち上げる。

「いやっ…」川奈さんが恥ずかしがって、手で双丘の割れ目を隠そうとする。

「だぁめ。隠すと触らないよ。」
と言うと渋々、手を引く。

割れ目の奥が良く見える様に足を更に持ち上げると、口を窄め固く閉ざしたピンクの蕾が眼前に晒される。


「やだぁ。…ダメぇ。」

「嫌だって言ってるけど、ここはもう欲しがって、ひくひくしてるじゃん。」
バイブの先端を含んでいる蕾は、ひくつきもっと奥深くまで飲み込もうとする。

「ちがっ…ダメっ…っや…」

少し押し込むだけで、指と同じ細さのバイブを根本まで容易く飲み込む。

「それじゃあ、素直になろうねぇ。」

「いやぁ…やぁっ、…んあっ」

バイブをピストンさせると、グジュ、ズチュッと卑猥な音があがる。
ギリギリまで引き抜くと、離したくないと蕾が収縮しすぼまる。

「…これは、やばいな」

俺が足を割開いているから閉じることができず、普段は人目に晒されることの無い部分が全て曝け出されている。
その扇状的な姿は、目に毒なほど刺激的で自身の屹立が痛いほど張り詰める。

「やっ…ふっ…あっあっあっ」
バイブで奥を何度か突けば、それに合わせて甲高い声を上げ、屹立からも欲望が漏れ出て引き締まった腹を汚す。

「川奈さん、先走りこんなに漏らして、はしたないなぁ。」

蕾への刺激は辞めずに、欲望で先端をテラテラ光らせる屹立を握り先端を親指で押す。

「…言わっ…、ないでぇ」
恥ずかしがって顔を手で覆う。

「隠さない。やらしいこと言われて、恥ずかしがってる顔見たい。みせて。」

手を剥ぎ取り顔を覗き込む。
どんな顔も全部見たい。そんな顔を俺がさせてるって思わせて。

「かわいい。あぁ、ほんと好き。大好き。」

恥ずかしくて涙を溢しているのを見て、考える前に本音が溢れだす。

「んっ…!」
俺の言葉を聞いて川奈さんの蕾がバイブを締め付ける力が更に強くなる。

「川奈さん、ここ締め付けキツくなったけど、もうイキそう?こんな細いバイブでイッちゃうなんて淫乱だね。」

グジュグジュと、わざと音をたてる様にバイブを動かす。

「…ちがうっ…やぁ…いれてよぉ」
と俺を強請ってくる。

くそ、可愛いな。

とつい挿れそうになる衝動を抑え、バイブで前立腺をトントンと刺激する。

「今日は、バイブでイクとこ見せてね。」

気持ちを認めてもらうまでは、抱かない。
触るだけと自分にも言い聞かせる様に言
う。

「ひあっ…はぁっ、やぁっ…イク、イッちゃう。…ダメっ!」
声を合図に、そこをさらに刺激すると、川奈さんの屹立が欲望を爆ぜさせ、色白の胸元や腹に白濁を撒き散らす。

「っん…っあ」
バイブを深く飲み込むたびに、はしたなく屹立から残滓がこぼれる。

出し切った頃合いを見て、バイブをゆっくり抜くと名残り惜しそうに蕾がひくつき、俺を煽る。

誘って、強請って、無意識に欲しがる癖に気持ちは要らないと言う彼をどんな言葉で表わせばいいだろう。

酔っている状態で、達したことでアルコールが更に回った川奈さんは、そのまま寝入ってしまった。

今なら挿れてもバレないぞという悪魔の囁きに負けそうになりつつも、川奈さんの身なりを整える。
流石に、下半身が主張している状態では眠れないので、シャワーを浴びながら自分を慰める。シャワーを終えると、パジャマはないので下着だけつけてベッドに入り、これくらいは許されるかなと川奈さんを抱きしめる。
サラサラの黒髪を手で漉く様に撫でる。

すると川奈さんが寝言で、「りょうへい…」と他の男の名前を呼ぶ。

俺の腕の中で眠っているのに…なんて、残酷な人なんだろう。
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