19 / 32
18.理由
しおりを挟む
「ツィーリィ」
「はい。」
静かに名前を呼ばれ、体を硬くする。
「君に手を挙げた彼女達は処罰しようと思っている」
覚悟していた内容とは正反対の事を告げられれ、なんと答えようか思案していると私が答える前にミズリー侯爵が横槍を入れてくる。
「殿下、たかだか喧嘩した程度で罰するなど大袈裟です。このじいが、彼女達によく言い聞かせおきますから。」
侯爵が殿下に言い聞かせる様に言うと、その内容に殿下が不快感を顕にする。
「たかだか喧嘩だと?
私の妃に手を出してただで済むはずがないだろう?」
「ひっ!」
殿下が侯爵やご令嬢方を見渡し吐き捨てれば、ご令嬢が恐怖で小さい悲鳴をあげる。
「殿下。…彼女達のことは私に任せていただけませんか?」
私の言葉に殿下は少しの間考える素振りをする。ご令嬢方は、その様子を固唾を飲んで見守る。
「当事者のツィーリィがそう言うならば、任せるよ。」
殿下の返答を聞き、ご令嬢達の前に立ち彼女らを見下ろす。
ご令嬢達は昼間の威勢は形をひそめ、何を言われるのか身構えている。
「紅茶の件は些細な事で、お互い様だったと思います。」
私の言葉を聞いて、ご令嬢方が安堵したのが分かった。
「…でも昼間の発言は到底許すことはできません。」
「それについては、訂正も謝罪もいたしますわっ!」
間髪入れずに伯爵令嬢が言うが、それにゆっくり首を振り拒否の意を示す。
「今ここで訂正したとしても、あなた達の考えが変わらなければ、また同じ様な言葉が出てくるでしょう。
ですから、あなた達の今後の行いをみて、今回の事を不問にするかは決めます。
これは、あなた達のお父様にも言えることですが、今一度、自分の立ち振る舞いを振り返り改めなさい。」
昼間の事を思い出し感情的にならない様に心がけながら、言葉を紡ぐ。
ご令嬢達の後ろに控えていた子爵は要領の得ていない様子だったが、クトゥル伯爵はバツの悪そうな顔をしていたので、真意は伝わったらしい。
ご令嬢方は「わかりました」と蚊の鳴くような声で了承する。
「…側妃殿、満足されましたか?」
ミズリー侯爵が棘のある言い方で終わりを促す。
これ以上、殿下を軽んじるのは許さない。
本当は、このツルピカハゲに一番言ってやりたい。殿下を最も尊重しなければいけない立場にも関わらず、それをせず自らの権力を誇示する、この愚か者に。
その思いが表情に出てしまったみたいで
「側妃殿、そんなに睨まないでください。」
自分は睨まれる筋合いがないと言いたげな不服そうな表情で言う。
「すみません。少し疲れが出たのかもしれません。これで、満足です。」
敢えてツルピカハゲと同じ言葉を強調して言ってやった。
「伯爵、子爵はツィーリィの恩情に報いる様、努めること。」
私達のやり取りを見守っていた殿下が、この場を締める。
そして、「あと、皆に言いたいことがある。」と言葉を続ける。
「私の妃たるツィーリィへの敬称は殿ではなく、殿下だ。以後気をつける様に。」
敢えて、敬称を使っていなかった侯爵達向かって宣言する。
侯爵達は仮初の笑顔を貼り付け
「殿下の仰せのままに。」と本心ではないだろう了承をする。
自分達は認めていないと暗に示すために、私に正しい敬称を使わなかったのだろう。
でも、殿下から指摘されてしまったら、直さざるを得ない。そんな心境といった所か。
侯爵の返事を聞き、殿下は私に
「今日は疲れただろう?部屋まで送る。」
と、あの夜までと変わらない優しい笑顔で言う。この笑顔を見ていると、あの夜は夢だったのではないかと錯覚してしまいそうになる。
* * *
「何故、あの夜の事をお話しになられなかったのですか⁈」
部屋に着き開口一番で最も疑問に思っていたことを尋ねる。殿下の真意が見えず戸惑う気持ちが、攻撃的口調となり表に出たが、殿下はそんな事気にする様子もなく、
「そんなことよりさ…」
拗ねた子供の様な表情をし徐に口を開いた。
「なんで、部屋着で出歩いたの?」
「…は?」
「だからね、部屋着で外を出歩くなんて無防備すぎない?」
私が間の抜けた返事をすると、殿下がわざわざ言い直しをする。言っている意味がわからず返事をしなかったのではない。むしろ
「殿下、失礼を承知で申し上げますが、私の話題をそんな事で片付ける様な内容ではないですよね⁈」
「はぁ」
私が呆れ半分、怒り半分で言うと何故か殿下ぎ溜め息をつく。
いやいや、私の方が溜め息つきたいですよ!思わず心の中で毒づいていると、殿下が近づいてきて
「きゃっ」
突如横抱きにされる。そのまま、ズカズカと寝室まで行くと、ポイッとベッドに投げられる。私は、ボスンッとベッドに仰向けに。
え?今、投げた?というより、お姫様抱っこされた⁈
状況に混乱している私に殿下がそのまま覆い被さり、私の顔を両手で挟み固定する。おかげで殿下とばっちり視線が合った状態から逸らせなくなった。
「あのね、自分の妻が他の男に無防備な姿晒してたら、怒って当然じゃない?」
先程の様に表情には出ていなかったが、どうやらお怒りらしい。
「他の…おとこ?」
「じいと、伯爵と子爵。」
「父親ほど歳が離れてる御三方と何かあるはず、ひゃっ」
殿下からの衝撃の回答に反論しようとしたら、脇腹をくすぐられ変な声が出た。
「わかんないよ。歳いってたって男だもん。何かされるかもしれないじゃん。」
「ひゃっ、やっ…やめてっ…ください!」
くすぐりながら、何か訳の分からない事を言っている。
「どうして部屋着であんなとこに行ったの?」
「わっ、わかり…ましたぁ、言う…いいます、からぁっ」
再度質問をしてきた殿下に、息も絶え絶えに答えると、やっとくすぐるのを辞めてくれる。
笑いすぎて、涙が出ているし、お腹が引き攣りそう。
ひーひーと肩で息をしている私を満足気に見下ろしている殿下が、若干腹立たしい。
「ひぃ…使用人…はぁ…全員に…暇を…出しました。」
最後の方は徐々に息が整ってきた。
思えば、今日は揉め事を起こしてばかりだ。
「だから、侍女が誰もいないのか。まぁ、その方が好都合だけど」
殿下が、部屋に使用人がいないことに納得した様に言うが、最後の方はボソボソ呟いていたので、聞き取れなかった。
「殿下っ…次は、私の質問に答えてください。」
「あぁ、暗殺の事を何で皆に言わなかったのかだっけ?」
質問を思い出す様に反芻した後、
「ツィーリィを愛しているからって言ったらどうする?」
ふざけている様子なんて微塵もなく、そう言った。
愛してる…誰を?
-私を⁈
ややしばらくして言っている内容を理解すると、涼しい顔をしている殿下とは対照的に自分の顔が熱くなっていくのが分かった。
「はい。」
静かに名前を呼ばれ、体を硬くする。
「君に手を挙げた彼女達は処罰しようと思っている」
覚悟していた内容とは正反対の事を告げられれ、なんと答えようか思案していると私が答える前にミズリー侯爵が横槍を入れてくる。
「殿下、たかだか喧嘩した程度で罰するなど大袈裟です。このじいが、彼女達によく言い聞かせおきますから。」
侯爵が殿下に言い聞かせる様に言うと、その内容に殿下が不快感を顕にする。
「たかだか喧嘩だと?
私の妃に手を出してただで済むはずがないだろう?」
「ひっ!」
殿下が侯爵やご令嬢方を見渡し吐き捨てれば、ご令嬢が恐怖で小さい悲鳴をあげる。
「殿下。…彼女達のことは私に任せていただけませんか?」
私の言葉に殿下は少しの間考える素振りをする。ご令嬢方は、その様子を固唾を飲んで見守る。
「当事者のツィーリィがそう言うならば、任せるよ。」
殿下の返答を聞き、ご令嬢達の前に立ち彼女らを見下ろす。
ご令嬢達は昼間の威勢は形をひそめ、何を言われるのか身構えている。
「紅茶の件は些細な事で、お互い様だったと思います。」
私の言葉を聞いて、ご令嬢方が安堵したのが分かった。
「…でも昼間の発言は到底許すことはできません。」
「それについては、訂正も謝罪もいたしますわっ!」
間髪入れずに伯爵令嬢が言うが、それにゆっくり首を振り拒否の意を示す。
「今ここで訂正したとしても、あなた達の考えが変わらなければ、また同じ様な言葉が出てくるでしょう。
ですから、あなた達の今後の行いをみて、今回の事を不問にするかは決めます。
これは、あなた達のお父様にも言えることですが、今一度、自分の立ち振る舞いを振り返り改めなさい。」
昼間の事を思い出し感情的にならない様に心がけながら、言葉を紡ぐ。
ご令嬢達の後ろに控えていた子爵は要領の得ていない様子だったが、クトゥル伯爵はバツの悪そうな顔をしていたので、真意は伝わったらしい。
ご令嬢方は「わかりました」と蚊の鳴くような声で了承する。
「…側妃殿、満足されましたか?」
ミズリー侯爵が棘のある言い方で終わりを促す。
これ以上、殿下を軽んじるのは許さない。
本当は、このツルピカハゲに一番言ってやりたい。殿下を最も尊重しなければいけない立場にも関わらず、それをせず自らの権力を誇示する、この愚か者に。
その思いが表情に出てしまったみたいで
「側妃殿、そんなに睨まないでください。」
自分は睨まれる筋合いがないと言いたげな不服そうな表情で言う。
「すみません。少し疲れが出たのかもしれません。これで、満足です。」
敢えてツルピカハゲと同じ言葉を強調して言ってやった。
「伯爵、子爵はツィーリィの恩情に報いる様、努めること。」
私達のやり取りを見守っていた殿下が、この場を締める。
そして、「あと、皆に言いたいことがある。」と言葉を続ける。
「私の妃たるツィーリィへの敬称は殿ではなく、殿下だ。以後気をつける様に。」
敢えて、敬称を使っていなかった侯爵達向かって宣言する。
侯爵達は仮初の笑顔を貼り付け
「殿下の仰せのままに。」と本心ではないだろう了承をする。
自分達は認めていないと暗に示すために、私に正しい敬称を使わなかったのだろう。
でも、殿下から指摘されてしまったら、直さざるを得ない。そんな心境といった所か。
侯爵の返事を聞き、殿下は私に
「今日は疲れただろう?部屋まで送る。」
と、あの夜までと変わらない優しい笑顔で言う。この笑顔を見ていると、あの夜は夢だったのではないかと錯覚してしまいそうになる。
* * *
「何故、あの夜の事をお話しになられなかったのですか⁈」
部屋に着き開口一番で最も疑問に思っていたことを尋ねる。殿下の真意が見えず戸惑う気持ちが、攻撃的口調となり表に出たが、殿下はそんな事気にする様子もなく、
「そんなことよりさ…」
拗ねた子供の様な表情をし徐に口を開いた。
「なんで、部屋着で出歩いたの?」
「…は?」
「だからね、部屋着で外を出歩くなんて無防備すぎない?」
私が間の抜けた返事をすると、殿下がわざわざ言い直しをする。言っている意味がわからず返事をしなかったのではない。むしろ
「殿下、失礼を承知で申し上げますが、私の話題をそんな事で片付ける様な内容ではないですよね⁈」
「はぁ」
私が呆れ半分、怒り半分で言うと何故か殿下ぎ溜め息をつく。
いやいや、私の方が溜め息つきたいですよ!思わず心の中で毒づいていると、殿下が近づいてきて
「きゃっ」
突如横抱きにされる。そのまま、ズカズカと寝室まで行くと、ポイッとベッドに投げられる。私は、ボスンッとベッドに仰向けに。
え?今、投げた?というより、お姫様抱っこされた⁈
状況に混乱している私に殿下がそのまま覆い被さり、私の顔を両手で挟み固定する。おかげで殿下とばっちり視線が合った状態から逸らせなくなった。
「あのね、自分の妻が他の男に無防備な姿晒してたら、怒って当然じゃない?」
先程の様に表情には出ていなかったが、どうやらお怒りらしい。
「他の…おとこ?」
「じいと、伯爵と子爵。」
「父親ほど歳が離れてる御三方と何かあるはず、ひゃっ」
殿下からの衝撃の回答に反論しようとしたら、脇腹をくすぐられ変な声が出た。
「わかんないよ。歳いってたって男だもん。何かされるかもしれないじゃん。」
「ひゃっ、やっ…やめてっ…ください!」
くすぐりながら、何か訳の分からない事を言っている。
「どうして部屋着であんなとこに行ったの?」
「わっ、わかり…ましたぁ、言う…いいます、からぁっ」
再度質問をしてきた殿下に、息も絶え絶えに答えると、やっとくすぐるのを辞めてくれる。
笑いすぎて、涙が出ているし、お腹が引き攣りそう。
ひーひーと肩で息をしている私を満足気に見下ろしている殿下が、若干腹立たしい。
「ひぃ…使用人…はぁ…全員に…暇を…出しました。」
最後の方は徐々に息が整ってきた。
思えば、今日は揉め事を起こしてばかりだ。
「だから、侍女が誰もいないのか。まぁ、その方が好都合だけど」
殿下が、部屋に使用人がいないことに納得した様に言うが、最後の方はボソボソ呟いていたので、聞き取れなかった。
「殿下っ…次は、私の質問に答えてください。」
「あぁ、暗殺の事を何で皆に言わなかったのかだっけ?」
質問を思い出す様に反芻した後、
「ツィーリィを愛しているからって言ったらどうする?」
ふざけている様子なんて微塵もなく、そう言った。
愛してる…誰を?
-私を⁈
ややしばらくして言っている内容を理解すると、涼しい顔をしている殿下とは対照的に自分の顔が熱くなっていくのが分かった。
0
お気に入りに追加
29
あなたにおすすめの小説

完結 「愛が重い」と言われたので尽くすのを全部止めたところ
音爽(ネソウ)
恋愛
アルミロ・ルファーノ伯爵令息は身体が弱くいつも臥せっていた。財があっても自由がないと嘆く。
だが、そんな彼を幼少期から知る婚約者ニーナ・ガーナインは献身的につくした。
相思相愛で結ばれたはずが健気に尽くす彼女を疎ましく感じる相手。
どんな無茶な要望にも応えていたはずが裏切られることになる。

【完結】仰る通り、貴方の子ではありません
ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは
私に似た待望の男児だった。
なのに認められず、
不貞の濡れ衣を着せられ、
追い出されてしまった。
実家からも勘当され
息子と2人で生きていくことにした。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
* 4万文字未満
* 完結保証付き
* 少し大人表現あり
里帰りをしていたら離婚届が送られてきたので今から様子を見に行ってきます
結城芙由奈@コミカライズ発売中
恋愛
<離婚届?納得いかないので今から内密に帰ります>
政略結婚で2年もの間「白い結婚」を続ける最中、妹の出産祝いで里帰りしていると突然届いた離婚届。あまりに理不尽で到底受け入れられないので内緒で帰ってみた結果・・・?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています

【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。
だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。
その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」

ある辺境伯の後悔
だましだまし
恋愛
妻セディナを愛する辺境伯ルブラン・レイナーラ。
父親似だが目元が妻によく似た長女と
目元は自分譲りだが母親似の長男。
愛する妻と妻の容姿を受け継いだ可愛い子供たちに囲まれ彼は誰よりも幸せだと思っていた。
愛しい妻が次女を産んで亡くなるまでは…。

アルバートの屈辱
プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。
『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。

前世の記憶が蘇ったので、身を引いてのんびり過ごすことにします
柚木ゆず
恋愛
※明日(3月6日)より、もうひとつのエピローグと番外編の投稿を始めさせていただきます。
我が儘で強引で性格が非常に悪い、筆頭侯爵家の嫡男アルノー。そんな彼を伯爵令嬢エレーヌは『ブレずに力強く引っ張ってくださる自信に満ちた方』と狂信的に愛し、アルノーが自ら選んだ5人の婚約者候補の1人として、アルノーに選んでもらえるよう3年間必死に自分を磨き続けていました。
けれどある日無理がたたり、倒れて後頭部を打ったことで前世の記憶が覚醒。それによって冷静に物事を見られるようになり、ようやくアルノーは滅茶苦茶な人間だと気付いたのでした。
「オレの婚約者候補になれと言ってきて、それを光栄に思えだとか……。倒れたのに心配をしてくださらないどころか、異常が残っていたら候補者から脱落させると言い出すとか……。そんな方に夢中になっていただなんて、私はなんて愚かなのかしら」
そのためエレーヌは即座に、候補者を辞退。その出来事が切っ掛けとなって、エレーヌの人生は明るいものへと変化してゆくことになるのでした。

結婚記念日をスルーされたので、離婚しても良いですか?
秋月一花
恋愛
本日、結婚記念日を迎えた。三周年のお祝いに、料理長が腕を振るってくれた。私は夫であるマハロを待っていた。……いつまで経っても帰ってこない、彼を。
……結婚記念日を過ぎてから帰って来た彼は、私との結婚記念日を覚えていないようだった。身体が弱いという幼馴染の見舞いに行って、そのまま食事をして戻って来たみたいだ。
彼と結婚してからずっとそう。私がデートをしてみたい、と言えば了承してくれるものの、当日幼馴染の女性が体調を崩して「後で埋め合わせするから」と彼女の元へ向かってしまう。埋め合わせなんて、この三年一度もされたことがありませんが?
もう我慢の限界というものです。
「離婚してください」
「一体何を言っているんだ、君は……そんなこと、出来るはずないだろう?」
白い結婚のため、可能ですよ? 知らないのですか?
あなたと離婚して、私は第二の人生を歩みます。
※カクヨム様にも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる