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15.お茶会は淑女の戦場
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「はぁ。」
もう何度目か分からないため息が出てしまう。
すでに敷地内に入ってしまったから、目的地までがもうすぐだと思うと気が重い。
馬車の揺れが収まり、御者が「到着しました。」と扉を開ける。
上に羽織っているボレロの首元が乱れていないか手で触れ確認してから、重い腰をゆっくりあげる。
王都にある、貴族の別邸はどこも立派ねと、目の前の屋敷をみて思ったのだった。
「側妃殿、今日はお越しいただきありがとうございます。」と含み笑いをした恰幅のいいご令嬢から声をかけられる。
案内された中庭は、秋の花が色づき見頃を迎えていた。
「はじめまして、クトゥル伯爵令嬢。今日は、お招き頂き光栄です。」
こちらがそう返すと、ご令嬢の視線がボレロで隠した私の首に向けられているのに気づく。
「ボレロに何か付いていますか?」
「いえ、もう肌寒いから私めボレロにすれば良かったなと思っただけですの。」
気づかない振りをして聞けば、そう言って誤魔化される。
でも本心は、夜伽の噂の真相を知りたいのだろう。
他の3人のご令嬢も、こちらを伺っている。
「では、側妃殿の席はこちらですわ。」と手差しされたのは、長方形のテーブルの中で最も扉の近い席。
つまり下座だ。やはり、あの親にしてこの娘というわけだ。
この様に上座下座がある席の場合、本来なら主催者は招待客の身分の高い順に席次を決めていく。
本来なら殿下の側妃である私が今日いるご令嬢の中で最も高位のはず。
「こちらの席でしょうか?」
「はい。こちらですわ」
クトゥル伯爵令嬢が先程と変わらない様子で言うと、クスクスと周囲からせせら笑いが聞こえる。
リリィは招待されていないみたいだから、今日の参加者は皆、私に好意的ではないみたいだ。
「分かりました。」
使用人が座りやすい様に椅子を引いたので、そこに腰掛ける。
「それでは皆様、今日は楽しみましょう。」と伯爵令嬢が上座に座り、こちらを流し見し招待客に声をかける。
それを合図にお茶が給仕され、ご令嬢方は各々雑談に花を咲かせる。
「側妃殿は、父が言っていた通りの純朴な見た目で安心しました。あまりにお綺麗だったら、きっと緊張して話せなかったと思います。」
と私の隣に座るご令嬢が初対面にも関わらず失礼な物言いをする。
以前、ミズリー侯爵主催の晩餐会に出た時に、純朴と評されたのは記憶に新しい。と言う事は、このご令嬢はあの晩餐会にいた誰かの娘なのだろう。
「そうなんですね。私は、皆様がどちらのご令嬢か存じておりません。お名前教えていただける?」
そう言うと、ご令嬢はかけていたどの強そうなメガネをカチャリと上げる。
「あぁ、すみません。私、ウェルナー家のものです。」
ウェルナー子爵令嬢は、名前は教える気がないのか名乗らずに自己紹介をする。
「あぁ、子爵の娘さんなのね。言われてみると、お父様にそっくりでいらっしゃる。」と思ったままのことを言うと、
メガネをまたカチャリと上げ
「父に似ていると言われたのは初めてです。」と不服そうに言う。
人の見た目は貶すのに、自分は褒め言葉以外は受け付けないタイプの様だ。
「まぁまぁ、そう怒らないで。側妃殿は、元々が私達とは違いますから。」と伯爵令嬢が割って入ってくる。
「私たちと違うとは?どういうことですか?」
多分、成り上がりと言いたいんだろうと予想はついたが、聞き返してみる。
「あぁ、ごめんなさい。やはり育ちが違うと、話を理解するのも苦労しますのね。」
伯爵令嬢が小馬鹿にする様に言うと、他の3人も「そうですね。」と便乗してくる。
交友を深める気は1ミリもなさそうだ。
本当は波風たてないつもりだったが、こちらもただやられっぱなしでは今後も同じことを繰り返すだろう。
「育ちは皆様と違うのかもしれませんが、人に対しての礼節を教えてくれた両親には感謝しなきゃいけませんね。だって、立派なお家のご息女でも、それが分からないみたいだから。」チクリと言ってやると、
伯爵令嬢も人をこき下ろすことはするが、自分がそうされるのはNGなタイプの様で
「まぁ、なんて酷い言い草。こんな女性を側妃に迎え入れるなんて、殿下の審美眼が心配ですわ。」と反撃してくる。
しかも、私だけでなく殿下のことまで言うなんて何を考えているのだろうか。
「そうですね。でも夜伽では愛されなかったのだから、その程度なんですよ。」と子爵令嬢も便乗する。
「お言葉ですが、殿下の事を悪く言うのは許しませんよ。それに、夜伽の事を話されてますが、あなたたちが何を知っているんですか?」
彼女達は見た目だけでなく、殿下を軽んじている所も父親にそっくりだ。そのことがさらに私を憤らせる。
「何をって、隠したいから、こんなボレロを着てきたんでしょう?」
とうとう敬語を崩した子爵令嬢がボレロの首元を引っ張り、ずりさげる。そして私の喉元の噛み跡を晒し
「ほら愛されてないからこんな事されるのよ。」と勝ち誇った様に言う。
あの晩のことを何も知らない癖に。
私が悩んだことも、殿下を傷つけて後悔したことも何もかも分からないのに、土足で踏み込んでくるな。
「離しなさい。」私のボレロの首元をつかむ子爵令嬢の手首を力一杯捻りあげる。
「いたーい!」
子爵令嬢が悲鳴をあげ、私が掴んでいた手首を振り解く。
そして「うぅ、痛い。」と手首をさすり泣いてしまう。
「乱暴されて、可哀想に。これだから、お育ちが悪い方はいやですわ。」
伯爵令嬢が子爵令嬢に駆け寄り、背中をさすり、こちらを睨む。
「先に手をだしてきたのは、そちらでしょう?」
売り言葉に買い言葉で返す。
「あら、だからって、やりすぎではなくって?こんなに野卑な方、きっと殿下も躾に手を焼いているのね。口で言って分からないなら、体に覚えさせるしかないですものね。」
伯爵令嬢が自分の喉元をトントンと指し、蔑む様に言う。
「殿下がそんな方でないのはご存知ないのかしら?噂を鵜呑みにして、憶測でものを話すのは、物事の本質を見る力がないことを曝け出しているようなものですよ。」
こちらも負けじと、嘲笑う様に言ってやる。
貶めれることに耐性のない伯爵令嬢が青筋をたてテーブルの上のティーポットを手にとり、私の頭上で傾ける。
すると、注ぎ口から溢れ出る紅茶が私に降り注ぐ。
少し肌寒い季節になっていて良かった。おかげで紅茶は少し温くなっており、幸い火傷はしなかった。
紅茶に濡れた私を見て上から物を申してくる。
「あなたこそ、その貧相な体で殿方をたらし込んだみたいに、殿下も誑かしたのでしょう。あなたを迎え入れたことは、侯爵様の意に背いた挙句の失態ですわ。あぁ、殿下はなんて憐れなんでしょう。」
-あぁ、まただ。
侯爵を持ち上げるために殿下を下げるなんて、体型だけじゃなくて、こんな所も父親そっくりなのね。
殿下のことを何も知らない癖に分かった様な口を聞いて、挙句彼までも貶したことが、無性に腹が立つ。
フツフツと煮えた怒りが抑えきれず、手を振り上げるとパァンという乾いた音と手の平にジンジンとした痛みが走った。
「ひっ…」伯爵令嬢は、呆然と引っ叩かれた頬を手で押さえる。
「ふっ、ひうっ…」数秒の声を抑えながら泣き始める。
そしてこちらを睨みつけ
「やはり、あなたを側妃にしたのは殿下の愚策ですわ。侯爵様の判断は間違いなかったですわ。」と懲りずに言うので、
もう一度手を振り翳そうとした時に背後から誰かに手首を掴まれる。
「これ以上はお辞めになった方がよろしいかと思います。」と聞き慣れた声が私を静止した。
もう何度目か分からないため息が出てしまう。
すでに敷地内に入ってしまったから、目的地までがもうすぐだと思うと気が重い。
馬車の揺れが収まり、御者が「到着しました。」と扉を開ける。
上に羽織っているボレロの首元が乱れていないか手で触れ確認してから、重い腰をゆっくりあげる。
王都にある、貴族の別邸はどこも立派ねと、目の前の屋敷をみて思ったのだった。
「側妃殿、今日はお越しいただきありがとうございます。」と含み笑いをした恰幅のいいご令嬢から声をかけられる。
案内された中庭は、秋の花が色づき見頃を迎えていた。
「はじめまして、クトゥル伯爵令嬢。今日は、お招き頂き光栄です。」
こちらがそう返すと、ご令嬢の視線がボレロで隠した私の首に向けられているのに気づく。
「ボレロに何か付いていますか?」
「いえ、もう肌寒いから私めボレロにすれば良かったなと思っただけですの。」
気づかない振りをして聞けば、そう言って誤魔化される。
でも本心は、夜伽の噂の真相を知りたいのだろう。
他の3人のご令嬢も、こちらを伺っている。
「では、側妃殿の席はこちらですわ。」と手差しされたのは、長方形のテーブルの中で最も扉の近い席。
つまり下座だ。やはり、あの親にしてこの娘というわけだ。
この様に上座下座がある席の場合、本来なら主催者は招待客の身分の高い順に席次を決めていく。
本来なら殿下の側妃である私が今日いるご令嬢の中で最も高位のはず。
「こちらの席でしょうか?」
「はい。こちらですわ」
クトゥル伯爵令嬢が先程と変わらない様子で言うと、クスクスと周囲からせせら笑いが聞こえる。
リリィは招待されていないみたいだから、今日の参加者は皆、私に好意的ではないみたいだ。
「分かりました。」
使用人が座りやすい様に椅子を引いたので、そこに腰掛ける。
「それでは皆様、今日は楽しみましょう。」と伯爵令嬢が上座に座り、こちらを流し見し招待客に声をかける。
それを合図にお茶が給仕され、ご令嬢方は各々雑談に花を咲かせる。
「側妃殿は、父が言っていた通りの純朴な見た目で安心しました。あまりにお綺麗だったら、きっと緊張して話せなかったと思います。」
と私の隣に座るご令嬢が初対面にも関わらず失礼な物言いをする。
以前、ミズリー侯爵主催の晩餐会に出た時に、純朴と評されたのは記憶に新しい。と言う事は、このご令嬢はあの晩餐会にいた誰かの娘なのだろう。
「そうなんですね。私は、皆様がどちらのご令嬢か存じておりません。お名前教えていただける?」
そう言うと、ご令嬢はかけていたどの強そうなメガネをカチャリと上げる。
「あぁ、すみません。私、ウェルナー家のものです。」
ウェルナー子爵令嬢は、名前は教える気がないのか名乗らずに自己紹介をする。
「あぁ、子爵の娘さんなのね。言われてみると、お父様にそっくりでいらっしゃる。」と思ったままのことを言うと、
メガネをまたカチャリと上げ
「父に似ていると言われたのは初めてです。」と不服そうに言う。
人の見た目は貶すのに、自分は褒め言葉以外は受け付けないタイプの様だ。
「まぁまぁ、そう怒らないで。側妃殿は、元々が私達とは違いますから。」と伯爵令嬢が割って入ってくる。
「私たちと違うとは?どういうことですか?」
多分、成り上がりと言いたいんだろうと予想はついたが、聞き返してみる。
「あぁ、ごめんなさい。やはり育ちが違うと、話を理解するのも苦労しますのね。」
伯爵令嬢が小馬鹿にする様に言うと、他の3人も「そうですね。」と便乗してくる。
交友を深める気は1ミリもなさそうだ。
本当は波風たてないつもりだったが、こちらもただやられっぱなしでは今後も同じことを繰り返すだろう。
「育ちは皆様と違うのかもしれませんが、人に対しての礼節を教えてくれた両親には感謝しなきゃいけませんね。だって、立派なお家のご息女でも、それが分からないみたいだから。」チクリと言ってやると、
伯爵令嬢も人をこき下ろすことはするが、自分がそうされるのはNGなタイプの様で
「まぁ、なんて酷い言い草。こんな女性を側妃に迎え入れるなんて、殿下の審美眼が心配ですわ。」と反撃してくる。
しかも、私だけでなく殿下のことまで言うなんて何を考えているのだろうか。
「そうですね。でも夜伽では愛されなかったのだから、その程度なんですよ。」と子爵令嬢も便乗する。
「お言葉ですが、殿下の事を悪く言うのは許しませんよ。それに、夜伽の事を話されてますが、あなたたちが何を知っているんですか?」
彼女達は見た目だけでなく、殿下を軽んじている所も父親にそっくりだ。そのことがさらに私を憤らせる。
「何をって、隠したいから、こんなボレロを着てきたんでしょう?」
とうとう敬語を崩した子爵令嬢がボレロの首元を引っ張り、ずりさげる。そして私の喉元の噛み跡を晒し
「ほら愛されてないからこんな事されるのよ。」と勝ち誇った様に言う。
あの晩のことを何も知らない癖に。
私が悩んだことも、殿下を傷つけて後悔したことも何もかも分からないのに、土足で踏み込んでくるな。
「離しなさい。」私のボレロの首元をつかむ子爵令嬢の手首を力一杯捻りあげる。
「いたーい!」
子爵令嬢が悲鳴をあげ、私が掴んでいた手首を振り解く。
そして「うぅ、痛い。」と手首をさすり泣いてしまう。
「乱暴されて、可哀想に。これだから、お育ちが悪い方はいやですわ。」
伯爵令嬢が子爵令嬢に駆け寄り、背中をさすり、こちらを睨む。
「先に手をだしてきたのは、そちらでしょう?」
売り言葉に買い言葉で返す。
「あら、だからって、やりすぎではなくって?こんなに野卑な方、きっと殿下も躾に手を焼いているのね。口で言って分からないなら、体に覚えさせるしかないですものね。」
伯爵令嬢が自分の喉元をトントンと指し、蔑む様に言う。
「殿下がそんな方でないのはご存知ないのかしら?噂を鵜呑みにして、憶測でものを話すのは、物事の本質を見る力がないことを曝け出しているようなものですよ。」
こちらも負けじと、嘲笑う様に言ってやる。
貶めれることに耐性のない伯爵令嬢が青筋をたてテーブルの上のティーポットを手にとり、私の頭上で傾ける。
すると、注ぎ口から溢れ出る紅茶が私に降り注ぐ。
少し肌寒い季節になっていて良かった。おかげで紅茶は少し温くなっており、幸い火傷はしなかった。
紅茶に濡れた私を見て上から物を申してくる。
「あなたこそ、その貧相な体で殿方をたらし込んだみたいに、殿下も誑かしたのでしょう。あなたを迎え入れたことは、侯爵様の意に背いた挙句の失態ですわ。あぁ、殿下はなんて憐れなんでしょう。」
-あぁ、まただ。
侯爵を持ち上げるために殿下を下げるなんて、体型だけじゃなくて、こんな所も父親そっくりなのね。
殿下のことを何も知らない癖に分かった様な口を聞いて、挙句彼までも貶したことが、無性に腹が立つ。
フツフツと煮えた怒りが抑えきれず、手を振り上げるとパァンという乾いた音と手の平にジンジンとした痛みが走った。
「ひっ…」伯爵令嬢は、呆然と引っ叩かれた頬を手で押さえる。
「ふっ、ひうっ…」数秒の声を抑えながら泣き始める。
そしてこちらを睨みつけ
「やはり、あなたを側妃にしたのは殿下の愚策ですわ。侯爵様の判断は間違いなかったですわ。」と懲りずに言うので、
もう一度手を振り翳そうとした時に背後から誰かに手首を掴まれる。
「これ以上はお辞めになった方がよろしいかと思います。」と聞き慣れた声が私を静止した。
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