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2.私を迎え入れる理由
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私の言葉に旦那様は笑顔を崩さず、
「ん?どういう意味かな?」と聞き返してくる
「あの…、ラヴェル殿下の側室に上がるなら、成り上がり貴族の私はふさわしくないと思います。」咄嗟に出てしまった言葉だったが、疑問の一つを投げかけてみる。
「んー。確かに、君の言う通りではある。ただね、王宮で大人の醜い争いがあるのは知っているかい?」
「醜い大人の争い…政治的な対立があるんですか?」
現陛下に、反対している勢力はいないはずなんだけどと思い言うと、坊ちゃまは顔をこちらに向け
「第一王子と第二王子の跡目争いだ。本人達が対立しているというより、それぞれを支持している貴族達が水面下で牽制しあっているというのが正しいが。」と教えてくれる。
「うちは、第二王子派の筆頭なんだ。敵対派閥の側室なんて、生粋の貴族のご令嬢は嫌がるからね。だから、君が適任なんだ。」と旦那様が言うと、坊ちゃまが眉間に皺を寄せた。
確かに、旦那様の言う通り蝶よ花よと育てられた生粋のご令嬢を政治闘争の真っ只中に送るのを親はヨシとはしないだろう。
「成り上がり貴族と生粋の貴族の方々に蔑まれている我が家ならば万一政治闘争の犠牲になっても侯爵家は責められない。確かに、敵対派閥に送り込むのに、私以上に適任はおりませんね。」
つまり、私は、侯爵家の立場が危うくなったら、すぐに切り捨てられる都合のいい駒。
それを理解したら、坊ちゃまの怒りの理由に納得がいった。
「私のために怒ってくれて、ありがとうございます。」と坊ちゃまに素直に伝える。
そして旦那様の目を真っ直ぐ見て
「理由は分かりました。侯爵家のために、お役目を全ういたしますので、疫病に疲弊している我が領地を救ってください。」と覚悟を決めたことを伝える。
「君ならそう言ってくれると思ったよ。ひと月後には、王宮に側室としてあがる手筈が整っている。だから、それまでの期間は王都にある我が家の別邸で、ミレムにマナーや必要なことを習ってもらうよ。」旦那様は相変わらず優しい笑顔で言い、
「王都で困った事があれば、イザベラに相談するように。」と付け足した。
「わかりました。坊ちゃま、よろしくお願いします。」とスカートの端を持ち上げ坊ちゃまに言うと、
眉間の皺はそのままに、瞳を閉じ、数秒、思案したのち坊ちゃまは意を決した様子で口を開いた。
「父上、まだ伝えなければいけないことがあるのでは?」
「イザベラ、やっぱりお前は未熟だ。誠実なのはお前の美点だが、時と場合によっては、それが大きな欠点になる。」と呆れた様な口調で言う。
「私は確かに未熟です。父上の様に人を上手く動かすことできません。だからこそ、我が家のために働いてくれる者に、本当の目的を隠すやり方では、私は協力できません。」と言うと坊ちゃまは、私を見る。
旦那様と同じ翡翠色の瞳には私に対する憐れみが浮かんでいた。
あぁ、この人はなんて不器用なんだろう。旦那様みたいに思惑を隠し駒として動かす事も出来ただろうに。
「うーん。本当は、王宮入りする日に伝える積りだったけど、イザベラが拗ねてしまっているから仕方ないね。」とまるで駄々をこねている子供をあしらう様子だ。
旦那様は、椅子から離れると私の前に立ち、徐に口を開く。
「ツィーリィ、君にはラヴェル殿下を___して欲しい。」
旦那様の笑顔が普段とあまりにも変わらないから、聞き間違いかと思った。
だけど、坊ちゃまが旦那様に喰ってかからない様子を見て今回の養子縁組の本当の目的はこれなのだと悟った。
この人の笑顔は、優しさからきているものだと思っていた。
でも、それは違って、この人の笑顔は仮面なんだ。
自分の思惑を相手に悟らせず、思い通りに動かすための。
* * *
坊ちゃまと向かい合って座り、馬車に揺られ、ひと月はあっという間だな。と思った。ひと月前には坊ちゃまとこうして同じ馬車に座ることなんて想像してなかった。
「どうした?緊張しているのか?」私がぼうっと見ていることに気づいたのか、優しく聞いてくる。
「…ちょっと。王宮に着いたら、もう後戻りは許されないと思うと、私に出来るのかなって、っ!」王宮に入る目的を言おうとすると、喉が焼き切れる様に痛み声が出てこなかった。
「大丈夫か?」と坊ちゃまが、水差しから水を注いだコップを渡してくれる。
「…っすみません。」咳き込みながら、言うと
「父上の盟約魔法のせいだから、気にするな。」
「国で一番の魔術師がかけた盟約魔法は、やっぱ強力ですね。一言も話せないんですもの。」とむせ込みが落ち着いた後に、わざと明るく言った。
あの人がかけた盟約魔法が王宮に行く目的を話すことを阻むのだ。
あの日、本当の目的を聞いた後、あの人は私の喉元に触れ
「君が信頼できる人物だというのはメルから聞いているけど、お互いに裏切ることがない様に盟約を結ぼうか。」
そう言うと、喉に触れた手元が光る。
「…っ!」
それと同時に喉に痛みが走り、思わずその場で屈んでむせ込む。
「大丈夫か?」と坊ちゃまが心配そうに覗き込みながら背中をさすってくれる。
そんな私達を、いつも通りの笑顔で見下ろし
「君の働きに期待しているよ。」
と言い執務室から去っていった。
それ以降、あの人とは顔を合わせていない。
「到着いたしました。」
揺れが止まり、御者が馬車の扉を開く。
坊ちゃまが、先に降り私に手を差し出す。
この馬車から降りたら、もう逃げることは許されない。
「ツィーリィ。」
躊躇う私を促す様に坊ちゃまが声をかける。
ここで果たさなきゃいけない目的と、それが失敗したときの最悪のシナリオを考え、足がすくむが、自領を救うためと自分に言い聞かせ、震える手を、そっと坊ちゃまの手に添える。
坊ちゃま…イザベラ義兄様が私の手を握りしめ
「大丈夫。絶対に切り捨てたりはしない。」信じろ。とまっすぐな瞳で伝えられる。
本当にまっすぐな人だなと思いながら、静かに頷く。
馬車から降り、一歩一歩、王宮の地を踏み締める。
私は今この瞬間からファナー男爵家のツィーリィから、あの人の目的を達成するためシアー侯爵家のツィーリィになる。
失敗したらバッドエンドが待っている。
右手に握りしめた温もりを感じながら、絶対にバッドエンドを回避してやる。と心に誓った。
「ん?どういう意味かな?」と聞き返してくる
「あの…、ラヴェル殿下の側室に上がるなら、成り上がり貴族の私はふさわしくないと思います。」咄嗟に出てしまった言葉だったが、疑問の一つを投げかけてみる。
「んー。確かに、君の言う通りではある。ただね、王宮で大人の醜い争いがあるのは知っているかい?」
「醜い大人の争い…政治的な対立があるんですか?」
現陛下に、反対している勢力はいないはずなんだけどと思い言うと、坊ちゃまは顔をこちらに向け
「第一王子と第二王子の跡目争いだ。本人達が対立しているというより、それぞれを支持している貴族達が水面下で牽制しあっているというのが正しいが。」と教えてくれる。
「うちは、第二王子派の筆頭なんだ。敵対派閥の側室なんて、生粋の貴族のご令嬢は嫌がるからね。だから、君が適任なんだ。」と旦那様が言うと、坊ちゃまが眉間に皺を寄せた。
確かに、旦那様の言う通り蝶よ花よと育てられた生粋のご令嬢を政治闘争の真っ只中に送るのを親はヨシとはしないだろう。
「成り上がり貴族と生粋の貴族の方々に蔑まれている我が家ならば万一政治闘争の犠牲になっても侯爵家は責められない。確かに、敵対派閥に送り込むのに、私以上に適任はおりませんね。」
つまり、私は、侯爵家の立場が危うくなったら、すぐに切り捨てられる都合のいい駒。
それを理解したら、坊ちゃまの怒りの理由に納得がいった。
「私のために怒ってくれて、ありがとうございます。」と坊ちゃまに素直に伝える。
そして旦那様の目を真っ直ぐ見て
「理由は分かりました。侯爵家のために、お役目を全ういたしますので、疫病に疲弊している我が領地を救ってください。」と覚悟を決めたことを伝える。
「君ならそう言ってくれると思ったよ。ひと月後には、王宮に側室としてあがる手筈が整っている。だから、それまでの期間は王都にある我が家の別邸で、ミレムにマナーや必要なことを習ってもらうよ。」旦那様は相変わらず優しい笑顔で言い、
「王都で困った事があれば、イザベラに相談するように。」と付け足した。
「わかりました。坊ちゃま、よろしくお願いします。」とスカートの端を持ち上げ坊ちゃまに言うと、
眉間の皺はそのままに、瞳を閉じ、数秒、思案したのち坊ちゃまは意を決した様子で口を開いた。
「父上、まだ伝えなければいけないことがあるのでは?」
「イザベラ、やっぱりお前は未熟だ。誠実なのはお前の美点だが、時と場合によっては、それが大きな欠点になる。」と呆れた様な口調で言う。
「私は確かに未熟です。父上の様に人を上手く動かすことできません。だからこそ、我が家のために働いてくれる者に、本当の目的を隠すやり方では、私は協力できません。」と言うと坊ちゃまは、私を見る。
旦那様と同じ翡翠色の瞳には私に対する憐れみが浮かんでいた。
あぁ、この人はなんて不器用なんだろう。旦那様みたいに思惑を隠し駒として動かす事も出来ただろうに。
「うーん。本当は、王宮入りする日に伝える積りだったけど、イザベラが拗ねてしまっているから仕方ないね。」とまるで駄々をこねている子供をあしらう様子だ。
旦那様は、椅子から離れると私の前に立ち、徐に口を開く。
「ツィーリィ、君にはラヴェル殿下を___して欲しい。」
旦那様の笑顔が普段とあまりにも変わらないから、聞き間違いかと思った。
だけど、坊ちゃまが旦那様に喰ってかからない様子を見て今回の養子縁組の本当の目的はこれなのだと悟った。
この人の笑顔は、優しさからきているものだと思っていた。
でも、それは違って、この人の笑顔は仮面なんだ。
自分の思惑を相手に悟らせず、思い通りに動かすための。
* * *
坊ちゃまと向かい合って座り、馬車に揺られ、ひと月はあっという間だな。と思った。ひと月前には坊ちゃまとこうして同じ馬車に座ることなんて想像してなかった。
「どうした?緊張しているのか?」私がぼうっと見ていることに気づいたのか、優しく聞いてくる。
「…ちょっと。王宮に着いたら、もう後戻りは許されないと思うと、私に出来るのかなって、っ!」王宮に入る目的を言おうとすると、喉が焼き切れる様に痛み声が出てこなかった。
「大丈夫か?」と坊ちゃまが、水差しから水を注いだコップを渡してくれる。
「…っすみません。」咳き込みながら、言うと
「父上の盟約魔法のせいだから、気にするな。」
「国で一番の魔術師がかけた盟約魔法は、やっぱ強力ですね。一言も話せないんですもの。」とむせ込みが落ち着いた後に、わざと明るく言った。
あの人がかけた盟約魔法が王宮に行く目的を話すことを阻むのだ。
あの日、本当の目的を聞いた後、あの人は私の喉元に触れ
「君が信頼できる人物だというのはメルから聞いているけど、お互いに裏切ることがない様に盟約を結ぼうか。」
そう言うと、喉に触れた手元が光る。
「…っ!」
それと同時に喉に痛みが走り、思わずその場で屈んでむせ込む。
「大丈夫か?」と坊ちゃまが心配そうに覗き込みながら背中をさすってくれる。
そんな私達を、いつも通りの笑顔で見下ろし
「君の働きに期待しているよ。」
と言い執務室から去っていった。
それ以降、あの人とは顔を合わせていない。
「到着いたしました。」
揺れが止まり、御者が馬車の扉を開く。
坊ちゃまが、先に降り私に手を差し出す。
この馬車から降りたら、もう逃げることは許されない。
「ツィーリィ。」
躊躇う私を促す様に坊ちゃまが声をかける。
ここで果たさなきゃいけない目的と、それが失敗したときの最悪のシナリオを考え、足がすくむが、自領を救うためと自分に言い聞かせ、震える手を、そっと坊ちゃまの手に添える。
坊ちゃま…イザベラ義兄様が私の手を握りしめ
「大丈夫。絶対に切り捨てたりはしない。」信じろ。とまっすぐな瞳で伝えられる。
本当にまっすぐな人だなと思いながら、静かに頷く。
馬車から降り、一歩一歩、王宮の地を踏み締める。
私は今この瞬間からファナー男爵家のツィーリィから、あの人の目的を達成するためシアー侯爵家のツィーリィになる。
失敗したらバッドエンドが待っている。
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