11 / 21
僕は知らぬ間に流される。
しおりを挟む
ボーイズラブを仄めかす表現があります。苦手な方はご注意下さい。
ーーーーーーーーーーー
親父に抱き抱えられたまま、魔力測定のことすら置き去りにギルマスに奥の部屋に連れ込まれた。ミアさん耳をパタパタさせながら小さく手を振ってくれた。うん、可愛い。
ファルクとアランは同じギルドメンバーだったらしく旧知の仲なんだとか。その中でもファルクが抜きん出て強かったらしく、今もソロで活動してるらしい。アランは、嫁さんを見つけて稼ぎを安定させるためにギルドマスターの道を選んだんだ。
部屋に入ってからそんなような話を面白おかしく教えてくれた。
つか、僕の魔力はどうなんだ。
普通なのか、やらかしてたのか。教えてくれ。
親父の膝に抱き抱えられ、でかい手でちっこい手をいじられる。
「おいおい、リクは俺の息子だぞ!!やらんぞ!!」
「とるかっ!!それよりもだ、坊主は人間なのか?」
「おう!!可愛いだろ?!」
…親父、なんでそんなに嬉しそうなんだ?
「どこの子だ」
「迷いの森で拾ったんだ。いやー、ぼろっぼろっだったなぁ、りく」
「…うん?」
僕はなんて答えればいいのか。
「坊主、どっから来たんだ」
「おいおい、アラン、リクを疑おうってのか?!そりゃねぇぜ!」
疑うって何をさ!!?ちゃんと話してよね!!
目を白黒させながら、親父とアランと呼ばれているギルマスを交互に見る。
「そりゃ疑うだろうよ!!貴重な人間だぜ?まぼろしの村の子かもしれないってな!」
まぼろし…?
思わずこてっと首をかしげた。
全然意味がわからん。…危機感のようなものが警報を鳴らしているような気もする。即刻逃げ出してもいいだろうか。
「おお?坊主意味わかってるのか?」
「リクは頭いいぜ!!」
「…ぼくわからない」
知らぬが仏。っていうこともある。無闇に突っ込まないのが吉だろう。
なのに、アランは勝手に話し始めた。
「人間がいるなら保護しろっていうお達しが国から来てな。もし人間の村があるなら即刻援助しようって話になってるんだがいかんせん何も見つからん。ただ、時たま痩せ細った人間が街に降りて来てな。どこから来たって聞くと村だと答える。捨てられた、とな。」
まさしく僕だ。ふははは。なにこれ、巫女フラグ?
保護して何をしようというのさ。
それが顔に出でいたのか、アランはにやりと笑う。
「やっぱ坊主は話わかってるな?いいぞいいぞ。頭のいいやつは嫌いじゃない。人間には、子どもを産んでもらうのさ。獣人だけじゃ全くと言っていいほど子ができん。よくて数十年に一回二、三人の子どもが生まれればいい方だ。」
まさか……。
「ぼく、おとこだよ?」
「んあ?関係ねぇだろ?」
…………なんですとっ!?!!この手の話は嫌だ。僕は全力で逃げるぞ!
「そ、それより!!ぼくの魔力はどうなの?」
無理やり話をぶった斬り話題転換に努める。
ファルクが簡単に乗ってれた。
「リクは、破格級の魔力だぞ!!やったな!!」
後ろで親父が我がことのように喜んでいた。
破格級……?
チートできますか?
ーーーーーーーーーーー
親父に抱き抱えられたまま、魔力測定のことすら置き去りにギルマスに奥の部屋に連れ込まれた。ミアさん耳をパタパタさせながら小さく手を振ってくれた。うん、可愛い。
ファルクとアランは同じギルドメンバーだったらしく旧知の仲なんだとか。その中でもファルクが抜きん出て強かったらしく、今もソロで活動してるらしい。アランは、嫁さんを見つけて稼ぎを安定させるためにギルドマスターの道を選んだんだ。
部屋に入ってからそんなような話を面白おかしく教えてくれた。
つか、僕の魔力はどうなんだ。
普通なのか、やらかしてたのか。教えてくれ。
親父の膝に抱き抱えられ、でかい手でちっこい手をいじられる。
「おいおい、リクは俺の息子だぞ!!やらんぞ!!」
「とるかっ!!それよりもだ、坊主は人間なのか?」
「おう!!可愛いだろ?!」
…親父、なんでそんなに嬉しそうなんだ?
「どこの子だ」
「迷いの森で拾ったんだ。いやー、ぼろっぼろっだったなぁ、りく」
「…うん?」
僕はなんて答えればいいのか。
「坊主、どっから来たんだ」
「おいおい、アラン、リクを疑おうってのか?!そりゃねぇぜ!」
疑うって何をさ!!?ちゃんと話してよね!!
目を白黒させながら、親父とアランと呼ばれているギルマスを交互に見る。
「そりゃ疑うだろうよ!!貴重な人間だぜ?まぼろしの村の子かもしれないってな!」
まぼろし…?
思わずこてっと首をかしげた。
全然意味がわからん。…危機感のようなものが警報を鳴らしているような気もする。即刻逃げ出してもいいだろうか。
「おお?坊主意味わかってるのか?」
「リクは頭いいぜ!!」
「…ぼくわからない」
知らぬが仏。っていうこともある。無闇に突っ込まないのが吉だろう。
なのに、アランは勝手に話し始めた。
「人間がいるなら保護しろっていうお達しが国から来てな。もし人間の村があるなら即刻援助しようって話になってるんだがいかんせん何も見つからん。ただ、時たま痩せ細った人間が街に降りて来てな。どこから来たって聞くと村だと答える。捨てられた、とな。」
まさしく僕だ。ふははは。なにこれ、巫女フラグ?
保護して何をしようというのさ。
それが顔に出でいたのか、アランはにやりと笑う。
「やっぱ坊主は話わかってるな?いいぞいいぞ。頭のいいやつは嫌いじゃない。人間には、子どもを産んでもらうのさ。獣人だけじゃ全くと言っていいほど子ができん。よくて数十年に一回二、三人の子どもが生まれればいい方だ。」
まさか……。
「ぼく、おとこだよ?」
「んあ?関係ねぇだろ?」
…………なんですとっ!?!!この手の話は嫌だ。僕は全力で逃げるぞ!
「そ、それより!!ぼくの魔力はどうなの?」
無理やり話をぶった斬り話題転換に努める。
ファルクが簡単に乗ってれた。
「リクは、破格級の魔力だぞ!!やったな!!」
後ろで親父が我がことのように喜んでいた。
破格級……?
チートできますか?
0
お気に入りに追加
246
あなたにおすすめの小説
ぐ~たら第三王子、牧場でスローライフ始めるってよ
雑木林
ファンタジー
現代日本で草臥れたサラリーマンをやっていた俺は、過労死した後に何の脈絡もなく異世界転生を果たした。
第二の人生で新たに得た俺の身分は、とある王国の第三王子だ。
この世界では神様が人々に天職を授けると言われており、俺の父親である国王は【軍神】で、長男の第一王子が【剣聖】、それから次男の第二王子が【賢者】という天職を授かっている。
そんなエリートな王族の末席に加わった俺は、当然のように周囲から期待されていたが……しかし、俺が授かった天職は、なんと【牧場主】だった。
畜産業は人類の食文化を支える素晴らしいものだが、王族が従事する仕事としては相応しくない。
斯くして、父親に失望された俺は王城から追放され、辺境の片隅でひっそりとスローライフを始めることになる。
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月@書籍発売中
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。
Shining Rhapsody 〜神に転生した料理人〜
橘 霞月
ファンタジー
異世界へと転生した有名料理人は、この世界では最強でした。しかし自分の事を理解していない為、自重無しの生活はトラブルだらけ。しかも、いつの間にかハーレムを築いてます。平穏無事に、夢を叶える事は出来るのか!?
転生したら貴族の息子の友人A(庶民)になりました。
襲
ファンタジー
〈あらすじ〉
信号無視で突っ込んできたトラックに轢かれそうになった子どもを助けて代わりに轢かれた俺。
目が覚めると、そこは異世界!?
あぁ、よくあるやつか。
食堂兼居酒屋を営む両親の元に転生した俺は、庶民なのに、領主の息子、つまりは貴族の坊ちゃんと関わることに……
面倒ごとは御免なんだが。
魔力量“だけ”チートな主人公が、店を手伝いながら、学校で学びながら、冒険もしながら、領主の息子をからかいつつ(オイ)、のんびり(できたらいいな)ライフを満喫するお話。
誤字脱字の訂正、感想、などなど、お待ちしております。
やんわり決まってるけど、大体行き当たりばったりです。
オタクおばさん転生する
ゆるりこ
ファンタジー
マンガとゲームと小説を、ゆるーく愛するおばさんがいぬの散歩中に異世界召喚に巻き込まれて転生した。
天使(見習い)さんにいろいろいただいて犬と共に森の中でのんびり暮そうと思っていたけど、いただいたものが思ったより強大な力だったためいろいろ予定が狂ってしまい、勇者さん達を回収しつつ奔走するお話になりそうです。
投稿ものんびりです。(なろうでも投稿しています)
異世界転移して5分で帰らされた帰宅部 帰宅魔法で現世と異世界を行ったり来たり
細波みずき
ファンタジー
異世界転移して5分で帰らされた男、赤羽。家に帰るとテレビから第4次世界大戦の発令のニュースが飛び込む。第3次すらまだですけど!?
チートスキル「帰宅」で現世と異世界を行ったり来たり!?
「帰宅」で世界を救え!
若返ったおっさん、第2の人生は異世界無双
たまゆら
ファンタジー
事故で死んだネトゲ廃人のおっさん主人公が、ネトゲと酷似した異世界に転移。
ゲームの知識を活かして成り上がります。
圧倒的効率で金を稼ぎ、レベルを上げ、無双します。
神に同情された転生者物語
チャチャ
ファンタジー
ブラック企業に勤めていた安田悠翔(やすだ はると)は、電車を待っていると後から背中を押されて電車に轢かれて死んでしまう。
すると、神様と名乗った青年にこれまでの人生を同情された異世界に転生してのんびりと過ごしてと言われる。
悠翔は、チート能力をもらって異世界を旅する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる