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終章 そして
とおのお
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それは1月の終わりのこと。
年末、隣に青木さんが引越してきて、浅葱屋敷には実体化したしずさんが、ぽん子やちびとご飯のおかずを探しに周囲をウロウロし始めた頃のこと。
本来ならば、冬枯れて寂しくなっている筈の我が家の庭は、あぁと、ウチの前だけシクラメンやらポインセチアが赤い花を丸々つけているし、蝋梅という黄色い花が昨日から咲き出した。
これは玉が浅葱屋敷の周りで、玉としずさんが採取して来たんだそうだ。
まだ若い木だけど、金木犀みたいな甘い香りを気に入ったみたいで、浅葱の庭にも1本植え替えて、親子で大切に世話している。
「お婆ちゃんを驚かすのです。」
と言った玉は、赤と黄色の色合いをどう並べようかしばらく考えて、窓の直ぐ外、土間に鉢植えして、シクラメンの赤が、蝋梅の黄色を褒めそやす形にしました。
ついでに言うと、市川の台地の端に面したあたりでは、ビニールトンネルが相変わらず白で埋まるほど一輪草が咲き誇っているわけで。
玉と大家さんの悪巧みは、日に日に悪化していくわけですよ。
お隣のグビ姐さん(菅原さん)の庭は、菅原さんに頼まれた玉が植えたクリスマスローズが薄紫の花をつけているし。
このアパート、ちっとも冬枯れてない。
あぁ、青木さんとこは今は何にもしてません。
引越しやらリフォームやらで踏み荒らされたので、青木さんまで混じって3人で庭を掘り起こしてました。
土を入れ替えて、肥料を蒔いて。
本当の畑かよ?
しかも土も肥料も、大家さんが自分で自宅の軽トラを運転して運んで来ました。
「もう使わないので。」
「いやいや大家さん?商品として袋詰めされてる肥料はともかく、その土嚢袋に詰まっている土はなんですか?」
「うちの畑、もう使ってないからねぇ。土はたっぷり休んでいるし、宿六が時々トラクターで雑草踏ん付けてるから、その分の肥料も満帆ね。」
…言ってくれれば、玉と一緒に手伝いに行ったのに。
何も用がない日の僕は、詰んだままになっている本やDVDを玉がいたら叱られそうな姿で自堕落に楽しんでいるし、玉は玉で僕の部屋の家事を片付け終わったら、浅葱屋敷に飛んで◯ラレールで遊んだり、畑の雑草を抜いたり、しずさんと親子の語らいをしたり。
あれれ。
青木さんは会社だし、怠けてるの僕だけじゃないか。
うわぁこの軽トラ、マニュアルだよ。
僕だって教習所でしか乗ってないよ。
「あ、私はオートマ限定だから。」
「君は僕に何かを求めているんですか?」
さりげなく青木さんが自己アピールしてますが。
あと玉は意味がわからないので、ニコニコしながら不思議な顔してます。
正月に野田に行った時に、東武線の話題について行けなくて膨れてましたね。
あれから数週間しか経ってませんが、玉の小さな成長が見受けられますね。
とりあえず、大家さんはスーパー婆ちゃんって事で。
そんなスーパー婆ちゃんも帰宅して、部屋に居るのは僕だけな1日。
「爪が伸びるの早いなぁ。僕の時間の流れが加速したのかなぁ。」
そう言えば聞いた事がある。
体感時間は年齢に比例するって。
例えば1歳の子は、1年を1分の1で体感する。
それは、自分の知識や経験が絶対的に少ないから自分の中で消化することに時間が掛かるから。
だから、5歳なら5分の1、70歳なら70分の1。
積み重ねられた自分の知識と経験が、毎日起こる事項を無意識で処理する事ができるから、その処理時間が脳の中で早回しになるとか、ならないとか。
さて、僕は。
歳に見合うほどの知識と経験を積み重ねてこれたのかな?
爪切りは使い終わると、何故か玉が奪い取ってしまうので、片付けるってあまりしないんだよね。
爪切りと耳かきはサブの薬箱にしまいます。
ほら、玉(としずさん)は医者にかかれないから、あらかじめ必要そうな薬をたっぷりと買ってあるんだ。
薬箱をもう1つ買い足さなきゃならなくなったほど。
その内、荼枳尼天と一言主の加護か知らんけど、玉もしずさんも風邪1つ引かない健康体になっていたり。
(青木さんは、生理痛が何日目だかいちいち報告して、家事をサボる理由にしている。…玉にも生理は来ているけど痛いとか辛いとか言ったことないな。)
さて、本っ当にやる事なくなったぞ。
暇がたっぷりあるとさ、読書するにも映画鑑賞するにも気合いが必要になるんだよ。
スイッチを入れる必要が。
居間に戻ってソファに腰掛けてっと。
今の僕はベッドに横になると、何もしなくなる自信があるぞ。
「くにゃ」
…あるんだよ。
「くにゃ」
何故、市川の2DKのアパートに、白狐がいるんだろう。
普段なら玉が座る、僕の足元の座椅子で、荼枳尼天の眷属がお座りしていた。
「お煎餅、食べます?」
「くにゃ!」
御狐様は大体食い意地が張っているので、僕や玉のお供えがあると顔色を変える。
ついでに、我が家のお煎餅は手作りだ。
市販のサラダ煎餅とか抹茶煎餅は、作り方がわからないので作らないけど。
お煎餅は、基本的に餅米を平たくついて網で焼けば出来上がる。
醤油を塗って海苔で巻いたり、味噌を擦り付けて焼いたり、唐辛子やネギを生地に練り込ませたり。
で、青木さんや大家さんは、我が家のお茶で煎餅をだらしがなくボリボリ齧る習慣がついでしまった。
玉はお煎餅とおかきが大好きな女の子なので、お煎餅の残りが減れば餅つき機で餅米をお餅に変えるルーティンが身についてしまった。
お煎餅とおかきは基本的に我が家としずさんだけで消費するので、荼枳尼天にも一言主にも献上される事はない。
大した理由ではなく、お供えする前に食べ切ってしまうからだ。
それにまぁ、お供えとするには質素じゃん。
食べ残した餅を揚げて、塩や醤油をかけただけのおかきだよ?
(値段的には)もっと高級やお酒やらフルーツやら、それを加工した物を毎日お供えしてるもん。
だから失礼にあたると思っていたんだけど。
「くにゃ!」
ああああ。
御狐様、全部食べちゃった。
これさ、浅葱の力で全く同じ物が出せるんだけど、玉さんが自分で作りたがるから迂闊に出そうものなら、「殿!メッ!」って叱られるんだ。
御狐様がたべたから怒りはしないだろうけど、お餅を作っておくかな。
「くにゃ」
「ん?何ですか?」
浅葱の力で餅米を出そうかな。
新潟産のこがねもち、佐賀産のヒヨクモチ。どっちにしようかなと、ボウルを取りに行こうと立ちあがろうとした僕のスエットの袖を御狐様が引っ張っています。
「くにゃ!」
咥えているのに、鳴き声が全く変わらないなぁ、さすが神狐などと思っていたら、僕はまた異界へと連れて行かれるのでした。
あぁ、餅米を何とかしないと。
★ ★ ★
どこだここは?
ええと。見渡す限り、緑の草原ですよ。
はるか彼方に山が見えます。
そんな中に、ジーンズにグレーのスエットという、思いっきり部屋着で立ってる僕。
さて、見えるのは草木が生えていない茶色い山です。
あ、あれだ。
昔のWindowsの壁紙だ。
今、パソコンって使わないからなぁ。
タブレットにキーボードを付けたり付けなかったり。
た
「くにゃ」
まぁ、僕が変なことに巻き込まれるのは日常だし、僕の足元には御狐様がお座りしてるし。
ここで何させるんだろう。
言っとくけど、僕には戦闘能力ないよ?
右手だか左手だかに格納(笑)されている謎刀って、何の役にも立たないし。
さて、とりあえずどっかに行かないと。
御狐様は案内してくれそうにないし。
「とおのおおおおお。」
あの、聞き慣れた声が聞こえるんですけど。
って言うか、僕の背後から玉が走って来るんですけど。
年末、隣に青木さんが引越してきて、浅葱屋敷には実体化したしずさんが、ぽん子やちびとご飯のおかずを探しに周囲をウロウロし始めた頃のこと。
本来ならば、冬枯れて寂しくなっている筈の我が家の庭は、あぁと、ウチの前だけシクラメンやらポインセチアが赤い花を丸々つけているし、蝋梅という黄色い花が昨日から咲き出した。
これは玉が浅葱屋敷の周りで、玉としずさんが採取して来たんだそうだ。
まだ若い木だけど、金木犀みたいな甘い香りを気に入ったみたいで、浅葱の庭にも1本植え替えて、親子で大切に世話している。
「お婆ちゃんを驚かすのです。」
と言った玉は、赤と黄色の色合いをどう並べようかしばらく考えて、窓の直ぐ外、土間に鉢植えして、シクラメンの赤が、蝋梅の黄色を褒めそやす形にしました。
ついでに言うと、市川の台地の端に面したあたりでは、ビニールトンネルが相変わらず白で埋まるほど一輪草が咲き誇っているわけで。
玉と大家さんの悪巧みは、日に日に悪化していくわけですよ。
お隣のグビ姐さん(菅原さん)の庭は、菅原さんに頼まれた玉が植えたクリスマスローズが薄紫の花をつけているし。
このアパート、ちっとも冬枯れてない。
あぁ、青木さんとこは今は何にもしてません。
引越しやらリフォームやらで踏み荒らされたので、青木さんまで混じって3人で庭を掘り起こしてました。
土を入れ替えて、肥料を蒔いて。
本当の畑かよ?
しかも土も肥料も、大家さんが自分で自宅の軽トラを運転して運んで来ました。
「もう使わないので。」
「いやいや大家さん?商品として袋詰めされてる肥料はともかく、その土嚢袋に詰まっている土はなんですか?」
「うちの畑、もう使ってないからねぇ。土はたっぷり休んでいるし、宿六が時々トラクターで雑草踏ん付けてるから、その分の肥料も満帆ね。」
…言ってくれれば、玉と一緒に手伝いに行ったのに。
何も用がない日の僕は、詰んだままになっている本やDVDを玉がいたら叱られそうな姿で自堕落に楽しんでいるし、玉は玉で僕の部屋の家事を片付け終わったら、浅葱屋敷に飛んで◯ラレールで遊んだり、畑の雑草を抜いたり、しずさんと親子の語らいをしたり。
あれれ。
青木さんは会社だし、怠けてるの僕だけじゃないか。
うわぁこの軽トラ、マニュアルだよ。
僕だって教習所でしか乗ってないよ。
「あ、私はオートマ限定だから。」
「君は僕に何かを求めているんですか?」
さりげなく青木さんが自己アピールしてますが。
あと玉は意味がわからないので、ニコニコしながら不思議な顔してます。
正月に野田に行った時に、東武線の話題について行けなくて膨れてましたね。
あれから数週間しか経ってませんが、玉の小さな成長が見受けられますね。
とりあえず、大家さんはスーパー婆ちゃんって事で。
そんなスーパー婆ちゃんも帰宅して、部屋に居るのは僕だけな1日。
「爪が伸びるの早いなぁ。僕の時間の流れが加速したのかなぁ。」
そう言えば聞いた事がある。
体感時間は年齢に比例するって。
例えば1歳の子は、1年を1分の1で体感する。
それは、自分の知識や経験が絶対的に少ないから自分の中で消化することに時間が掛かるから。
だから、5歳なら5分の1、70歳なら70分の1。
積み重ねられた自分の知識と経験が、毎日起こる事項を無意識で処理する事ができるから、その処理時間が脳の中で早回しになるとか、ならないとか。
さて、僕は。
歳に見合うほどの知識と経験を積み重ねてこれたのかな?
爪切りは使い終わると、何故か玉が奪い取ってしまうので、片付けるってあまりしないんだよね。
爪切りと耳かきはサブの薬箱にしまいます。
ほら、玉(としずさん)は医者にかかれないから、あらかじめ必要そうな薬をたっぷりと買ってあるんだ。
薬箱をもう1つ買い足さなきゃならなくなったほど。
その内、荼枳尼天と一言主の加護か知らんけど、玉もしずさんも風邪1つ引かない健康体になっていたり。
(青木さんは、生理痛が何日目だかいちいち報告して、家事をサボる理由にしている。…玉にも生理は来ているけど痛いとか辛いとか言ったことないな。)
さて、本っ当にやる事なくなったぞ。
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「くにゃ」
…あるんだよ。
「くにゃ」
何故、市川の2DKのアパートに、白狐がいるんだろう。
普段なら玉が座る、僕の足元の座椅子で、荼枳尼天の眷属がお座りしていた。
「お煎餅、食べます?」
「くにゃ!」
御狐様は大体食い意地が張っているので、僕や玉のお供えがあると顔色を変える。
ついでに、我が家のお煎餅は手作りだ。
市販のサラダ煎餅とか抹茶煎餅は、作り方がわからないので作らないけど。
お煎餅は、基本的に餅米を平たくついて網で焼けば出来上がる。
醤油を塗って海苔で巻いたり、味噌を擦り付けて焼いたり、唐辛子やネギを生地に練り込ませたり。
で、青木さんや大家さんは、我が家のお茶で煎餅をだらしがなくボリボリ齧る習慣がついでしまった。
玉はお煎餅とおかきが大好きな女の子なので、お煎餅の残りが減れば餅つき機で餅米をお餅に変えるルーティンが身についてしまった。
お煎餅とおかきは基本的に我が家としずさんだけで消費するので、荼枳尼天にも一言主にも献上される事はない。
大した理由ではなく、お供えする前に食べ切ってしまうからだ。
それにまぁ、お供えとするには質素じゃん。
食べ残した餅を揚げて、塩や醤油をかけただけのおかきだよ?
(値段的には)もっと高級やお酒やらフルーツやら、それを加工した物を毎日お供えしてるもん。
だから失礼にあたると思っていたんだけど。
「くにゃ!」
ああああ。
御狐様、全部食べちゃった。
これさ、浅葱の力で全く同じ物が出せるんだけど、玉さんが自分で作りたがるから迂闊に出そうものなら、「殿!メッ!」って叱られるんだ。
御狐様がたべたから怒りはしないだろうけど、お餅を作っておくかな。
「くにゃ」
「ん?何ですか?」
浅葱の力で餅米を出そうかな。
新潟産のこがねもち、佐賀産のヒヨクモチ。どっちにしようかなと、ボウルを取りに行こうと立ちあがろうとした僕のスエットの袖を御狐様が引っ張っています。
「くにゃ!」
咥えているのに、鳴き声が全く変わらないなぁ、さすが神狐などと思っていたら、僕はまた異界へと連れて行かれるのでした。
あぁ、餅米を何とかしないと。
★ ★ ★
どこだここは?
ええと。見渡す限り、緑の草原ですよ。
はるか彼方に山が見えます。
そんな中に、ジーンズにグレーのスエットという、思いっきり部屋着で立ってる僕。
さて、見えるのは草木が生えていない茶色い山です。
あ、あれだ。
昔のWindowsの壁紙だ。
今、パソコンって使わないからなぁ。
タブレットにキーボードを付けたり付けなかったり。
た
「くにゃ」
まぁ、僕が変なことに巻き込まれるのは日常だし、僕の足元には御狐様がお座りしてるし。
ここで何させるんだろう。
言っとくけど、僕には戦闘能力ないよ?
右手だか左手だかに格納(笑)されている謎刀って、何の役にも立たないし。
さて、とりあえずどっかに行かないと。
御狐様は案内してくれそうにないし。
「とおのおおおおお。」
あの、聞き慣れた声が聞こえるんですけど。
って言うか、僕の背後から玉が走って来るんですけど。
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