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第二章 戦
最後の何もない日3
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「何してんだかねぇ。」
「大丈夫。大丈夫ですよ。」
しずさんはテーブルから顔を上げもしないよ。白玉作りに夢中みたい。
額に汗が光ってる。
『弟が心配だから、見に行って来るね』
と、代わりにぽん子が走って行っちゃった。
弟想いのお姉さんだね。
僕はというと。
エリンギと豚コマも鉄板で炒めて、厚揚げは、今まで白玉を茹でていて空いた鍋で湯ごと再利用して火を通します。
豆腐が冷たいと、気分が盛り下がるから。
最後に柔らかく透明度が増した赤蕪と一緒に全部まとめて炒める。
黒い箱の(例によって行くぞ。◯美屋のあれだ←伏せ字になってない)麻婆豆腐の素で、ざっと煮炒める。
アルコール分を飛ばした日本酒で味噌を溶いたタレも考えたけど、創作料理だから味の濃い出来物で今は我慢。
別のタレはみんなの感想を聞いてから、また次の機会に作ろう。
あぁ、あと。
「こんな感じかしらねぇ。」
しずさんは玉がワゴンセールで買って来たガラスカップに、白玉と茹で栗を並べて、玉特製の餡子をどう飾るか夢中になってて、''あっち''の娘達を気にする様子もない。
青木さんが残念な人なのは分かり切っているので、今更焦る事もないし。
何かがあったら、台所の裏に営巣している山鳥がご注進に来るからね。
それに本当に何かやらかしてたら、駆け付けたぽん子やモルモットが黙ってないだろうし。
「あ、栗の実の皮も燃しときますから、別にしておいてくださいね。」
「栗の皮は種火に長持ちする焚き付けになるので、七輪でみんな使ってしまってますよ。」
「へぇ。栗の木は薪として良いと聞いた事ありますけど。実の殻もですか。」
「ほら、私達はガスとか電気とかありませんでしたから。焚き木拾いは結構大切な仕事でしたよ。ここみたいに、要らなければ燃やしてしまえるって、凄く贅沢な事ですよ。」
「なるほど。」
インフラがあって当たり前の時代のおじさんからすると、それは目から鱗ですね。
………
しずさんと2人、それぞれ「蕪の焼物中華風」と「白玉と栗のぜんざい」の盛り付けに夢中になっていると、
『なんなのかしらね』
『美味しいよ』
プンプン膨れながら呆れ返ったぽん子と、口をモグモグさせてご機嫌のちびが帰って来た。
案の定、大した事はなかった様だ。
「ちび、何食べてんだ?」
「わん!」
『栗とポロポロのパンみたいなの。
ご主人が床に落としたから、食べちゃった。』
ピザ釜は土間の方に設置してあるから、落としたら、それはもう食べられないね。
それがさっきの悲鳴の種か。
「むう。ちびに食べられたぁ。」
「摺鉢ありましたぁ。」
残念なお嫁さん達が帰って来ましたよ。
玉さんは茶色い摺鉢とすりこぎを抱えてるし、青木さんは何やらお盆を頭に乗せている。
「こらちび!もう食べたでしょ。」
「わん!」
もっと食べさせろ!ってちびが飛び付いているんだね。
ぴょんぴょん。
「あんまり言う事聞かないと、抱っこしてあげないわよ。」
「わ」
ピタっと止まるちび。可愛い。
あと、シェルティは中型犬だから、もう数ヶ月で物理的に抱っこ出来なくなるぞ。
青木さんには言わないで、後でちびに言っておこうかねぇ。
「で、何を作ったの?」
お盆がいつまでも頭の上にあるので、中身が茶色い物体なだけとしかわからない。
「その前に、また無駄遣いした!とか怒らない?怒らないって言って!」
「なんで怯えてるんですか?」
「私自身が無駄遣いしたかもって、半信半疑なの。貴方に怒られたら明日の夕方まで凹む自信があります。なので明日は仕事になりません。」
「はぁ。」
そうだ。この人は残念さんで厄介さんで、面白い人だった。
青木さんが出してきたのは、フードプロセッサーの取扱い説明書とレシート。
税込19,800円也。
「どう?」
「おどおど」
「玉さんうるさいですよ。僕からはもう少し高いの買いなさいって意見かな。業務用でもないならあとちょっとお金出せば、良いものがきちんと買えたでしょ。」
「え。そっち?」
この人もなぁ。相談してくれたら良いのに。
「あのね。普段の料理だけでなく、今後は離乳食とかも作らないとならないんだから。別に無駄遣いとも思わないし。君には幾つか電気製品をプレゼントしたけど、安物は買ってないと思うぞ。」
「どうしよう玉ちゃん。覚悟していた反応とは違うの。」
「殿がこういう方だって、いい加減わかって下さい。自分には何にも買わないのに、家族には贅沢させる人なんです!」
玉さんが周りを見渡して溜め息をついた。
失礼な。
確かに、初めてここに来た時と比べると、、謎の電源利用の謎照明や、謎温泉の謎脱衣所には謎籐椅子や謎扇風機や謎ドライヤーが増えている。
しずさんが見ているポータブルDVDはいつのまにか大画面液晶テレビとBlu-rayのセットに変わっているし、ラジカセの代わりに小型のAVデッキがワンセット。
(邪魔にならない様に、棚で釣ってある)
しずさんの頭の処理能力が追いつかなくなって、
「あらあらまぁまぁ。」
としか言わなくなった隙に並べたものだ。
さすがに浅葱の力では及ばなかったけど、テレビモニターの中古品なんか二束三文だし、CDプレイヤーなんか下手すると電気屋から消えてる1世代前の機械だし。
(何気に僕ショック)
で、で、で。
お嫁さん達(笑)の矛先が微妙にこちらを向き出したのを察して、さりげなく話題を逸らしてみる。
「で、何を作ったんだ?」
「これ。」
ちびが諦めたのを見て、頭の上のお盆をテーブルに乗せた。
「マロンパイ。茹でた栗はミルで引いてフードプロセッサーでペーストにしたの。生地は家で小麦粉を練ってね。私の部屋にはオーブンレンジないから、貴方の部屋に行ったら、私のより安物のレンジしかないし、ここで焼く事にしたの。」
しまった。
話を逸らしきれそうもない。
「男寡の家だぞ。電子レンジなんかコンビニ弁当か冷凍食品を温める以外に使わないっての。」
うちのアパートは普通のアパートで、システムキッチンなんて立派なものは無いし(大家さんごめん)、せいぜいガス台に魚を焼くグリルがついているくらいだ。
「ぐりぐりぐりぐり。」
もう1人のお嫁さんは、芝生に座り込んで、かいた鰹節をオノマトペと一緒に摺鉢で粉にするのに夢中。
それはいいけど、女の子が胡座をかいて摺鉢を抱え込んでいる姿はどうなんだろう。
「あ、もう一つありましたよ。」
娘のだらしがない姿を見ないようにして、しずさんもトコトコ早足で浅葱の台所に行っちゃった。
地面に座り込んでいる為、玉に好きなだけ触れるモルモット達は別にして、ぽん子以下の動物達はみんな後を追いかけて行っちゃった。
僕らをおいて。
母、強い。
玉が鰹節粉を作り終えて、蕪の浅漬けをお皿にあける。
「ぱらぱら。ぱらぱら。」
鰹節粉を摘んでふりかける横では、青木さんがマロンパイにクラッシュチョコをふりかけていた。
パイの余熱で直ぐ溶けていく。
「蕪の浅漬け」「チョコマロンパイ」
もう何が何だかわからない組み合わせの料理が並ぶ中、しずさんがピッチャーに入れて持って来たのは赤い液体。
「紫蘇ジュースですよ。赤紫蘇が生えているのを見つけたので、作ってみました。」
紫蘇ジュースは、赤紫蘇を煮出した液体に砂糖とクエン酸を足すだけでシロップができる。
クエン酸は、そこらになってる蜜柑や梅でいくらでも採れるからねぇ。
食いしん坊巫女の玉が唯一嫌った食べ物が、紫蘇(大葉)と茗荷だった。
そこら辺にいくらでも自生する植物なので、玉にはお馴染みの食材であり、祠に閉じ籠められていた時には、唯一の食べ物でもあった。
きちんと料理すれば美味しいんだよと、僕と青木さんの企みで「なめろう」とか色々作ったせいで、玉には苦手な食べ物でもなくなった。
そこでしずさんが、自身の知識と玉が持ち込む料理本から色々な料理を玉に伝授し出した。
しかし、紫蘇ジュースねぇ。
これは結構、クセあるぞ。
夏場にガラスのコップが汗かくほど冷えた紫蘇ジュースは、それはそれは美味しいけど。
…あれ?
僕はどこでこれを飲んだんだ?
市販されている様な物でないし、僕の人生の中で、紫蘇ジュースを作ってくれそうな人って居たっけ?
僕が首を捻っていると、玉がさっさと流しからコップを4つ持って来て、青木さんが試食用の小皿をテーブルの上下(下は動物達の分)に並べて、試食会の開始です。
玉の膝にはモルちゃん。
僕の隣にはぽん子。
青木さんの隣にはちび。
いつのまにか、モーちゃんも真神もヤギ夫婦も帰って来ました。
何だかなぁ。うち。
★ ★ ★
そんなこんなで、お茶会の始まりです。
普段は玉としずさん2人で、喋ったり喋らなかったり、まったり読書タイムだそうです。
僕はこの時間は大抵自分の部屋で、来週に迫る公務員試験の勉強中。
青木さんは仕事。
日曜日と言う事もあっての全員集合なんですな。
牛が寝っ転がる脇で、下らない話をする時間は、なんやかんやで楽しい物。
「婿殿は仕事をどちらにするか、決めたんですか?」
「どうしたものですかねぇ。とある金融機関の方は担当の方にメールしただけでまたうちまで来ちゃいましたし、動物園の方は、お隣さんに勉強してるか?って突かれるし。」
「蕪って焼くとこんなになるんだ。」
「あ、佳奈さん。殿が焼き芋焼いてくれましたよ。食べますか。」
「ちびどうする?」
「わん」
『走れば良いかな』
「わふ」
『お庭20周ね。』
ダイエットに厳しい犬科姉弟です。
そんなこんなで。
ワイワイガヤガヤと、いつもの午後が過ぎて行きました。
「大丈夫。大丈夫ですよ。」
しずさんはテーブルから顔を上げもしないよ。白玉作りに夢中みたい。
額に汗が光ってる。
『弟が心配だから、見に行って来るね』
と、代わりにぽん子が走って行っちゃった。
弟想いのお姉さんだね。
僕はというと。
エリンギと豚コマも鉄板で炒めて、厚揚げは、今まで白玉を茹でていて空いた鍋で湯ごと再利用して火を通します。
豆腐が冷たいと、気分が盛り下がるから。
最後に柔らかく透明度が増した赤蕪と一緒に全部まとめて炒める。
黒い箱の(例によって行くぞ。◯美屋のあれだ←伏せ字になってない)麻婆豆腐の素で、ざっと煮炒める。
アルコール分を飛ばした日本酒で味噌を溶いたタレも考えたけど、創作料理だから味の濃い出来物で今は我慢。
別のタレはみんなの感想を聞いてから、また次の機会に作ろう。
あぁ、あと。
「こんな感じかしらねぇ。」
しずさんは玉がワゴンセールで買って来たガラスカップに、白玉と茹で栗を並べて、玉特製の餡子をどう飾るか夢中になってて、''あっち''の娘達を気にする様子もない。
青木さんが残念な人なのは分かり切っているので、今更焦る事もないし。
何かがあったら、台所の裏に営巣している山鳥がご注進に来るからね。
それに本当に何かやらかしてたら、駆け付けたぽん子やモルモットが黙ってないだろうし。
「あ、栗の実の皮も燃しときますから、別にしておいてくださいね。」
「栗の皮は種火に長持ちする焚き付けになるので、七輪でみんな使ってしまってますよ。」
「へぇ。栗の木は薪として良いと聞いた事ありますけど。実の殻もですか。」
「ほら、私達はガスとか電気とかありませんでしたから。焚き木拾いは結構大切な仕事でしたよ。ここみたいに、要らなければ燃やしてしまえるって、凄く贅沢な事ですよ。」
「なるほど。」
インフラがあって当たり前の時代のおじさんからすると、それは目から鱗ですね。
………
しずさんと2人、それぞれ「蕪の焼物中華風」と「白玉と栗のぜんざい」の盛り付けに夢中になっていると、
『なんなのかしらね』
『美味しいよ』
プンプン膨れながら呆れ返ったぽん子と、口をモグモグさせてご機嫌のちびが帰って来た。
案の定、大した事はなかった様だ。
「ちび、何食べてんだ?」
「わん!」
『栗とポロポロのパンみたいなの。
ご主人が床に落としたから、食べちゃった。』
ピザ釜は土間の方に設置してあるから、落としたら、それはもう食べられないね。
それがさっきの悲鳴の種か。
「むう。ちびに食べられたぁ。」
「摺鉢ありましたぁ。」
残念なお嫁さん達が帰って来ましたよ。
玉さんは茶色い摺鉢とすりこぎを抱えてるし、青木さんは何やらお盆を頭に乗せている。
「こらちび!もう食べたでしょ。」
「わん!」
もっと食べさせろ!ってちびが飛び付いているんだね。
ぴょんぴょん。
「あんまり言う事聞かないと、抱っこしてあげないわよ。」
「わ」
ピタっと止まるちび。可愛い。
あと、シェルティは中型犬だから、もう数ヶ月で物理的に抱っこ出来なくなるぞ。
青木さんには言わないで、後でちびに言っておこうかねぇ。
「で、何を作ったの?」
お盆がいつまでも頭の上にあるので、中身が茶色い物体なだけとしかわからない。
「その前に、また無駄遣いした!とか怒らない?怒らないって言って!」
「なんで怯えてるんですか?」
「私自身が無駄遣いしたかもって、半信半疑なの。貴方に怒られたら明日の夕方まで凹む自信があります。なので明日は仕事になりません。」
「はぁ。」
そうだ。この人は残念さんで厄介さんで、面白い人だった。
青木さんが出してきたのは、フードプロセッサーの取扱い説明書とレシート。
税込19,800円也。
「どう?」
「おどおど」
「玉さんうるさいですよ。僕からはもう少し高いの買いなさいって意見かな。業務用でもないならあとちょっとお金出せば、良いものがきちんと買えたでしょ。」
「え。そっち?」
この人もなぁ。相談してくれたら良いのに。
「あのね。普段の料理だけでなく、今後は離乳食とかも作らないとならないんだから。別に無駄遣いとも思わないし。君には幾つか電気製品をプレゼントしたけど、安物は買ってないと思うぞ。」
「どうしよう玉ちゃん。覚悟していた反応とは違うの。」
「殿がこういう方だって、いい加減わかって下さい。自分には何にも買わないのに、家族には贅沢させる人なんです!」
玉さんが周りを見渡して溜め息をついた。
失礼な。
確かに、初めてここに来た時と比べると、、謎の電源利用の謎照明や、謎温泉の謎脱衣所には謎籐椅子や謎扇風機や謎ドライヤーが増えている。
しずさんが見ているポータブルDVDはいつのまにか大画面液晶テレビとBlu-rayのセットに変わっているし、ラジカセの代わりに小型のAVデッキがワンセット。
(邪魔にならない様に、棚で釣ってある)
しずさんの頭の処理能力が追いつかなくなって、
「あらあらまぁまぁ。」
としか言わなくなった隙に並べたものだ。
さすがに浅葱の力では及ばなかったけど、テレビモニターの中古品なんか二束三文だし、CDプレイヤーなんか下手すると電気屋から消えてる1世代前の機械だし。
(何気に僕ショック)
で、で、で。
お嫁さん達(笑)の矛先が微妙にこちらを向き出したのを察して、さりげなく話題を逸らしてみる。
「で、何を作ったんだ?」
「これ。」
ちびが諦めたのを見て、頭の上のお盆をテーブルに乗せた。
「マロンパイ。茹でた栗はミルで引いてフードプロセッサーでペーストにしたの。生地は家で小麦粉を練ってね。私の部屋にはオーブンレンジないから、貴方の部屋に行ったら、私のより安物のレンジしかないし、ここで焼く事にしたの。」
しまった。
話を逸らしきれそうもない。
「男寡の家だぞ。電子レンジなんかコンビニ弁当か冷凍食品を温める以外に使わないっての。」
うちのアパートは普通のアパートで、システムキッチンなんて立派なものは無いし(大家さんごめん)、せいぜいガス台に魚を焼くグリルがついているくらいだ。
「ぐりぐりぐりぐり。」
もう1人のお嫁さんは、芝生に座り込んで、かいた鰹節をオノマトペと一緒に摺鉢で粉にするのに夢中。
それはいいけど、女の子が胡座をかいて摺鉢を抱え込んでいる姿はどうなんだろう。
「あ、もう一つありましたよ。」
娘のだらしがない姿を見ないようにして、しずさんもトコトコ早足で浅葱の台所に行っちゃった。
地面に座り込んでいる為、玉に好きなだけ触れるモルモット達は別にして、ぽん子以下の動物達はみんな後を追いかけて行っちゃった。
僕らをおいて。
母、強い。
玉が鰹節粉を作り終えて、蕪の浅漬けをお皿にあける。
「ぱらぱら。ぱらぱら。」
鰹節粉を摘んでふりかける横では、青木さんがマロンパイにクラッシュチョコをふりかけていた。
パイの余熱で直ぐ溶けていく。
「蕪の浅漬け」「チョコマロンパイ」
もう何が何だかわからない組み合わせの料理が並ぶ中、しずさんがピッチャーに入れて持って来たのは赤い液体。
「紫蘇ジュースですよ。赤紫蘇が生えているのを見つけたので、作ってみました。」
紫蘇ジュースは、赤紫蘇を煮出した液体に砂糖とクエン酸を足すだけでシロップができる。
クエン酸は、そこらになってる蜜柑や梅でいくらでも採れるからねぇ。
食いしん坊巫女の玉が唯一嫌った食べ物が、紫蘇(大葉)と茗荷だった。
そこら辺にいくらでも自生する植物なので、玉にはお馴染みの食材であり、祠に閉じ籠められていた時には、唯一の食べ物でもあった。
きちんと料理すれば美味しいんだよと、僕と青木さんの企みで「なめろう」とか色々作ったせいで、玉には苦手な食べ物でもなくなった。
そこでしずさんが、自身の知識と玉が持ち込む料理本から色々な料理を玉に伝授し出した。
しかし、紫蘇ジュースねぇ。
これは結構、クセあるぞ。
夏場にガラスのコップが汗かくほど冷えた紫蘇ジュースは、それはそれは美味しいけど。
…あれ?
僕はどこでこれを飲んだんだ?
市販されている様な物でないし、僕の人生の中で、紫蘇ジュースを作ってくれそうな人って居たっけ?
僕が首を捻っていると、玉がさっさと流しからコップを4つ持って来て、青木さんが試食用の小皿をテーブルの上下(下は動物達の分)に並べて、試食会の開始です。
玉の膝にはモルちゃん。
僕の隣にはぽん子。
青木さんの隣にはちび。
いつのまにか、モーちゃんも真神もヤギ夫婦も帰って来ました。
何だかなぁ。うち。
★ ★ ★
そんなこんなで、お茶会の始まりです。
普段は玉としずさん2人で、喋ったり喋らなかったり、まったり読書タイムだそうです。
僕はこの時間は大抵自分の部屋で、来週に迫る公務員試験の勉強中。
青木さんは仕事。
日曜日と言う事もあっての全員集合なんですな。
牛が寝っ転がる脇で、下らない話をする時間は、なんやかんやで楽しい物。
「婿殿は仕事をどちらにするか、決めたんですか?」
「どうしたものですかねぇ。とある金融機関の方は担当の方にメールしただけでまたうちまで来ちゃいましたし、動物園の方は、お隣さんに勉強してるか?って突かれるし。」
「蕪って焼くとこんなになるんだ。」
「あ、佳奈さん。殿が焼き芋焼いてくれましたよ。食べますか。」
「ちびどうする?」
「わん」
『走れば良いかな』
「わふ」
『お庭20周ね。』
ダイエットに厳しい犬科姉弟です。
そんなこんなで。
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