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第二章 戦
2人の試練3
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ぱんぱん。
キクヱさんは草団子を一箱綺麗に平らげると、手についた餡子粕を払った。
「ご馳走様でした。とっても美味しかったですよ。」
「………。」
「………。」
「………。」
どうしよう。
僕ら3人は顔を見合わせてしまった。
いや、たしかに草団子は美味しいですよ。
香料とかでない蓬の味もちゃんとしてるし、餡子も丁寧に裏漉しして贅沢に使っているし。
街の和菓子屋で売ってたら、僕は多分リピーターになるでしょう。
でも。
「(どうしよう。しずさんの団子の方が美味しい)。」
「(です)。」
「(お母さんは浅葱の材料で作っているしね)。」
ま、まぁ。僕の舌が奢って来た事は、食欲をトリガーとしている当初の目的を考えれば良い事だけど。
お嫁さん達の舌まで奢り出したら、この先の食生活が大変だぞぅ。
「では、行きましょうか。」
僕らの場違いな動揺には気が付かず、キクヱさんは2人を促す。
「人が少ない旧参道から参りましょう。ちょっと勾配がキツいですけど、それも試練の一つという事で。」
「僕はどうしたら良いのかな。そしてス◯バのコーヒーをいつまで持っていれば良いのかな。」
「貴方のお力を使えば、温度も品質も変わらないでしょ。」
「そう言う問題かね。」
「あのあの。殿も一緒にいらっしゃってはいけないんですか?」
玉が少し不安そうに、僕の袖口から手を離さない。
「だって、この方がご一緒だと、貴女達の力にブーストかかっちゃうのよね。特に佳奈ちゃんが。」
だから僕のせいにするな。
青木さんの力は彼女の努力の結晶だ。
「あ、でも、そうは言われても不安は不安よね。玉ちゃんはいつも一緒だったもんね。」
お姉ちゃんな青木さんが、後ろから玉の両肩を押さえてくれる。
「いざとなったら指輪を使って逃げなさい。その為の荼枳尼天の宝物だから。」
少しでも不安のボルテージが下がる様に、結果として婚約指輪になった2人の薬指を指差す。
「でもそうなると、修行は失敗になりますよ。」
「玉達の身の安全が優先だよ。まぁいざとなったら、我が家総出で…
「待って待って。菊地家総出・浅葱家総出って言ったら、やんごとなきお方が総出じゃない!」
あ、キクヱさんが震え出した。
「玉は荼枳尼天と一言主の巫女だし、青木さんもうちに嫁入りしてくれるから、氏神の加護があるしねぇ。」
「だから一言主様って、伊弉諾様伊奘冉様直系じゃないのぉ!」
「その伊弉諾伊奘冉は筑波山で貸しを作ってるし、あ、棒坂で馬頭観音にも貸しを作ってたな。すると変化観音も丸ごと味方につけられる。いっそ十二神将でも呼ぼうかなぁ。」
「それだけで貴方もう極楽浄土行き決定じゃないのぉ!」
「なんなら、武甕槌も呼ぼうか。ちょうど川向かいだし。」
「うちの神様まで取らないでぇ!」
………
「殿、虐めたら可哀想ですよ。」
「虐めてるつもりないなぁ。」
「いいえ玉ちゃん。私は菊地さんと遊んでるだけですよ。別に浅葱家総出にならなくても御神刀をお持ちになる菊地さんには私じゃ勝てませんから。」
玉の問いかけに、キクヱさんはスッと表情を戻した後、にっこり笑った。
「最近ノリが良いから、何処まで付き合ってくれるか試しただけ。」
「ですよ。」
「はぁ。あの、佳奈さんが呆れてますよ殿。」
青木さんは両手を逆手に腰に当てて、首を振っている。
「何を今更。」
「何を今更。」
あ、キクヱさんと被った。
「大体、殿は玉の事を仲良しお化けって仰るくせに、一番の仲良しお化けは殿なんですよ。ただし動物さん達と女の子ばかりですけど。」
「たしかにそうね。けしからんなぁ。」
ちょっと待ちなさい。
なんで僕が2人に叱られる流れになっているんだ?
………
「菊地さんは、普通に参道からご参拝下さい。経津主神様が本殿にてお待ちです。」
「はいはい。」
“本殿“って言ったな。
て事は、あれか。
僕はまた変な空間に引き込まれるのか。
「あ、あと要石にもご参拝下さい。」
「なんで?」
「要石の性格をお考えになれば、想像が付くと思います。」
「…あぁなるほど。……だとすると、こっちだけで良いのかなぁ。」
「そうですね。」
キクヱさんは人差し指を唇に当てて、少し空を見上げた。
「お嫁さんがお2人いらっしゃいますから、あちらもお顔を出したほうがいいかもしれませんね。前回は特別な空間でしたから。」
「わかったよ。」
………
キクヱさんとわちゃわちゃ遊んでいるのも楽しいけど、そのために来た訳じゃないし、団子屋の店頭でいつまでも騒いでいるのも迷惑なので、いい加減行ってもらう事にした。
「そこのトイレの裏が旧参道です。」
「あ、玉はも一回おしっこ行きます。」
「わ、私も行っておこうかな。」
「あ、それじゃ私も。」
女子2人と女子の形をした何かが、仲良く連れションに行った。
女子の連れション好きは、年齢も人間かどうかも問わないらしい。
さて、あっちはあっちで勝手にやってもらうとして。
僕も僕で、僕のすべき事をしますか。
あ、その前にいつまでも持ち歩いているス◯バの袋を車に戻しておかないと。
…車は駐車場の西の端かぁ。
遠いなぁ。
参道は幅大体3尋くらいかなぁ。
江戸以前の古い街道には良くある道幅だな。
大鳥居まで道の両端には土産物屋が並んでいるけど、その半分は閉まったままだ。
でも参拝客は割と多い。
観光バスが時々来てはツアー客を吐き出し、そのツアー客(御老人ばかり)は大鳥居の前で集合写真を撮る事で大騒ぎだ。
信心深い?彼ら彼女らの邪魔をしないように、隅っこに回り込んで大鳥居を潜る。
とは言え、ちょっとした広場になっているし、備えつけられた写真推奨看板も香取神宮の石碑に合わせて反対側に寄せてあるので、お互いが邪魔にならない様にしてある様だ。
参道は大きめの玉砂利が敷かれ、緩やかに左に弧を描きながら、やはり緩やかに登っている。
でも浅葱屋敷よりは粒が小さいから歩き易い。
参道の両端には側溝と言うにはとても綺麗な水が流れ、古くは江戸時代の年号が確認出来る、新しい物はさっき置きましたよって感じな白い石灯篭が並んでいる。
杉を始めとする巨木の中を5分ほど歩くと、総門が見えて来た。
階段を登り総門を潜ると、赤い楼門が直ぐそこにある。
何やら木像があるな。
お寺なら仁王像なんだけど。
wiki先生によると、なになに?
左側は左大臣として武内宿禰、右側の右大臣は藤原鎌足、扁額が東郷平八郎か。
これまた厄介そうな連中ばかりだ。
バルチック艦隊相手に完成試合をした東郷さんも昭和の御代では、515だの226だの散々やらかした若手軍人贔屓のただの老害だったしなぁ。
丹塗りの楼門を潜ると回廊が廻された社殿が見えて来る。
と、同時に色がなくなった。
せっかくの重要文化財指定の建物群なんだから、きちんとした総天然色で見たいんだけど。
…まぁ帰りに見れば良いか。
見れるかなぁ。
………
拝殿の傍に軍艦が係留されているんだけど。ぷかぷか浮いてるんだけど。
「こちらは旧聯合艦隊戦艦''香取''にございます。日露戦の為に建造され、ワシントン条約で廃艦になるまで不沈を誇った、帝のお召艦でもありました。」
えぇと。
キクヱさんと姿かたちがおんなじ巫女さんが説明を始めてるんだけど?
「因みに現在の海上自衛隊にも1998年まで''かとり''の名のついた艦艇が存在していました。」
こっちのキクヱさんっぽい、人っぽい誰かは軍マニアらしい。
「菊地様こちらへ、経津主神様の元にご案内いたします。」
こっちのキクヱさんっぽい巫女さんは、真面目そうですね。
会釈する角度も。ピンと伸びた背筋も。僕を促す手の小指の先まで。
神経がぴっちりと行き届いている。
我が家で食客やってる巫女親娘より上
だろう。
偽?キクヱさんの後をついて行く。
幸いな事に、榛名山神社と違ってきちんと扉を開けて入れた。
本殿と言えど、時折掃除や神事で中に入ることも珍しくはないのだろう。
中では1人の男性が、祭壇を背に静かに胡座で座っていた。
「香取神宮が祭神、経津主神様にてございます。経津主神様、こちらが浅葱家当代様にてございます。」
キクヱさんっぽい人が、僕と神の間に立って紹介してくれた。
僕は僕で、経津主神は経津主神で、今日の会合がわかっているのだけど、それでもきちんと筋を通してくれた様だ。
あっちのキクヱさんとは随分違う。
『ようこそ、浅葱の者よ。』
「こんにちは。」
困ったなぁ。
ここまで来て言う事じゃないけど。
実は僕にはなんの用もないんだけど。
………
『武甕槌から話は聞いています。カグツチ様より神刀を届けて頂いたとか。』
あぁ、そんな事もありましたねぇ。
今日はその為に来たから仕方ないけど、僕は今後迂闊に寺社に参拝に行く事を控えた方が良さそうだ。
キクヱさんは草団子を一箱綺麗に平らげると、手についた餡子粕を払った。
「ご馳走様でした。とっても美味しかったですよ。」
「………。」
「………。」
「………。」
どうしよう。
僕ら3人は顔を見合わせてしまった。
いや、たしかに草団子は美味しいですよ。
香料とかでない蓬の味もちゃんとしてるし、餡子も丁寧に裏漉しして贅沢に使っているし。
街の和菓子屋で売ってたら、僕は多分リピーターになるでしょう。
でも。
「(どうしよう。しずさんの団子の方が美味しい)。」
「(です)。」
「(お母さんは浅葱の材料で作っているしね)。」
ま、まぁ。僕の舌が奢って来た事は、食欲をトリガーとしている当初の目的を考えれば良い事だけど。
お嫁さん達の舌まで奢り出したら、この先の食生活が大変だぞぅ。
「では、行きましょうか。」
僕らの場違いな動揺には気が付かず、キクヱさんは2人を促す。
「人が少ない旧参道から参りましょう。ちょっと勾配がキツいですけど、それも試練の一つという事で。」
「僕はどうしたら良いのかな。そしてス◯バのコーヒーをいつまで持っていれば良いのかな。」
「貴方のお力を使えば、温度も品質も変わらないでしょ。」
「そう言う問題かね。」
「あのあの。殿も一緒にいらっしゃってはいけないんですか?」
玉が少し不安そうに、僕の袖口から手を離さない。
「だって、この方がご一緒だと、貴女達の力にブーストかかっちゃうのよね。特に佳奈ちゃんが。」
だから僕のせいにするな。
青木さんの力は彼女の努力の結晶だ。
「あ、でも、そうは言われても不安は不安よね。玉ちゃんはいつも一緒だったもんね。」
お姉ちゃんな青木さんが、後ろから玉の両肩を押さえてくれる。
「いざとなったら指輪を使って逃げなさい。その為の荼枳尼天の宝物だから。」
少しでも不安のボルテージが下がる様に、結果として婚約指輪になった2人の薬指を指差す。
「でもそうなると、修行は失敗になりますよ。」
「玉達の身の安全が優先だよ。まぁいざとなったら、我が家総出で…
「待って待って。菊地家総出・浅葱家総出って言ったら、やんごとなきお方が総出じゃない!」
あ、キクヱさんが震え出した。
「玉は荼枳尼天と一言主の巫女だし、青木さんもうちに嫁入りしてくれるから、氏神の加護があるしねぇ。」
「だから一言主様って、伊弉諾様伊奘冉様直系じゃないのぉ!」
「その伊弉諾伊奘冉は筑波山で貸しを作ってるし、あ、棒坂で馬頭観音にも貸しを作ってたな。すると変化観音も丸ごと味方につけられる。いっそ十二神将でも呼ぼうかなぁ。」
「それだけで貴方もう極楽浄土行き決定じゃないのぉ!」
「なんなら、武甕槌も呼ぼうか。ちょうど川向かいだし。」
「うちの神様まで取らないでぇ!」
………
「殿、虐めたら可哀想ですよ。」
「虐めてるつもりないなぁ。」
「いいえ玉ちゃん。私は菊地さんと遊んでるだけですよ。別に浅葱家総出にならなくても御神刀をお持ちになる菊地さんには私じゃ勝てませんから。」
玉の問いかけに、キクヱさんはスッと表情を戻した後、にっこり笑った。
「最近ノリが良いから、何処まで付き合ってくれるか試しただけ。」
「ですよ。」
「はぁ。あの、佳奈さんが呆れてますよ殿。」
青木さんは両手を逆手に腰に当てて、首を振っている。
「何を今更。」
「何を今更。」
あ、キクヱさんと被った。
「大体、殿は玉の事を仲良しお化けって仰るくせに、一番の仲良しお化けは殿なんですよ。ただし動物さん達と女の子ばかりですけど。」
「たしかにそうね。けしからんなぁ。」
ちょっと待ちなさい。
なんで僕が2人に叱られる流れになっているんだ?
………
「菊地さんは、普通に参道からご参拝下さい。経津主神様が本殿にてお待ちです。」
「はいはい。」
“本殿“って言ったな。
て事は、あれか。
僕はまた変な空間に引き込まれるのか。
「あ、あと要石にもご参拝下さい。」
「なんで?」
「要石の性格をお考えになれば、想像が付くと思います。」
「…あぁなるほど。……だとすると、こっちだけで良いのかなぁ。」
「そうですね。」
キクヱさんは人差し指を唇に当てて、少し空を見上げた。
「お嫁さんがお2人いらっしゃいますから、あちらもお顔を出したほうがいいかもしれませんね。前回は特別な空間でしたから。」
「わかったよ。」
………
キクヱさんとわちゃわちゃ遊んでいるのも楽しいけど、そのために来た訳じゃないし、団子屋の店頭でいつまでも騒いでいるのも迷惑なので、いい加減行ってもらう事にした。
「そこのトイレの裏が旧参道です。」
「あ、玉はも一回おしっこ行きます。」
「わ、私も行っておこうかな。」
「あ、それじゃ私も。」
女子2人と女子の形をした何かが、仲良く連れションに行った。
女子の連れション好きは、年齢も人間かどうかも問わないらしい。
さて、あっちはあっちで勝手にやってもらうとして。
僕も僕で、僕のすべき事をしますか。
あ、その前にいつまでも持ち歩いているス◯バの袋を車に戻しておかないと。
…車は駐車場の西の端かぁ。
遠いなぁ。
参道は幅大体3尋くらいかなぁ。
江戸以前の古い街道には良くある道幅だな。
大鳥居まで道の両端には土産物屋が並んでいるけど、その半分は閉まったままだ。
でも参拝客は割と多い。
観光バスが時々来てはツアー客を吐き出し、そのツアー客(御老人ばかり)は大鳥居の前で集合写真を撮る事で大騒ぎだ。
信心深い?彼ら彼女らの邪魔をしないように、隅っこに回り込んで大鳥居を潜る。
とは言え、ちょっとした広場になっているし、備えつけられた写真推奨看板も香取神宮の石碑に合わせて反対側に寄せてあるので、お互いが邪魔にならない様にしてある様だ。
参道は大きめの玉砂利が敷かれ、緩やかに左に弧を描きながら、やはり緩やかに登っている。
でも浅葱屋敷よりは粒が小さいから歩き易い。
参道の両端には側溝と言うにはとても綺麗な水が流れ、古くは江戸時代の年号が確認出来る、新しい物はさっき置きましたよって感じな白い石灯篭が並んでいる。
杉を始めとする巨木の中を5分ほど歩くと、総門が見えて来た。
階段を登り総門を潜ると、赤い楼門が直ぐそこにある。
何やら木像があるな。
お寺なら仁王像なんだけど。
wiki先生によると、なになに?
左側は左大臣として武内宿禰、右側の右大臣は藤原鎌足、扁額が東郷平八郎か。
これまた厄介そうな連中ばかりだ。
バルチック艦隊相手に完成試合をした東郷さんも昭和の御代では、515だの226だの散々やらかした若手軍人贔屓のただの老害だったしなぁ。
丹塗りの楼門を潜ると回廊が廻された社殿が見えて来る。
と、同時に色がなくなった。
せっかくの重要文化財指定の建物群なんだから、きちんとした総天然色で見たいんだけど。
…まぁ帰りに見れば良いか。
見れるかなぁ。
………
拝殿の傍に軍艦が係留されているんだけど。ぷかぷか浮いてるんだけど。
「こちらは旧聯合艦隊戦艦''香取''にございます。日露戦の為に建造され、ワシントン条約で廃艦になるまで不沈を誇った、帝のお召艦でもありました。」
えぇと。
キクヱさんと姿かたちがおんなじ巫女さんが説明を始めてるんだけど?
「因みに現在の海上自衛隊にも1998年まで''かとり''の名のついた艦艇が存在していました。」
こっちのキクヱさんっぽい、人っぽい誰かは軍マニアらしい。
「菊地様こちらへ、経津主神様の元にご案内いたします。」
こっちのキクヱさんっぽい巫女さんは、真面目そうですね。
会釈する角度も。ピンと伸びた背筋も。僕を促す手の小指の先まで。
神経がぴっちりと行き届いている。
我が家で食客やってる巫女親娘より上
だろう。
偽?キクヱさんの後をついて行く。
幸いな事に、榛名山神社と違ってきちんと扉を開けて入れた。
本殿と言えど、時折掃除や神事で中に入ることも珍しくはないのだろう。
中では1人の男性が、祭壇を背に静かに胡座で座っていた。
「香取神宮が祭神、経津主神様にてございます。経津主神様、こちらが浅葱家当代様にてございます。」
キクヱさんっぽい人が、僕と神の間に立って紹介してくれた。
僕は僕で、経津主神は経津主神で、今日の会合がわかっているのだけど、それでもきちんと筋を通してくれた様だ。
あっちのキクヱさんとは随分違う。
『ようこそ、浅葱の者よ。』
「こんにちは。」
困ったなぁ。
ここまで来て言う事じゃないけど。
実は僕にはなんの用もないんだけど。
………
『武甕槌から話は聞いています。カグツチ様より神刀を届けて頂いたとか。』
あぁ、そんな事もありましたねぇ。
今日はその為に来たから仕方ないけど、僕は今後迂闊に寺社に参拝に行く事を控えた方が良さそうだ。
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