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第二章 戦
赤ちゃん
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釜飯の湯煎が終わるまで、する事がなくなったぞ。
カセットコンロを重ねたブロックの上に乗せるだけ、というお手軽ガス台でグラグラ煮立てているだけなので、目を離しても大丈夫。
なので、芝生に毛氈を敷いてゴロリと一休み。
たちまちぽん子がお腹に乗ってくる。
それを見た兎やミニ豚が近寄って来て、僕はいつものように動物塗れになる。
しずさんが揚げる天ぷらの軽やかな揚げ音が、耳に心地良い。
普段の朝の、玉がさせる調理音ってどんなんだっけ?
あぁそうか、大抵僕も台所に居るから気にした事無かったな。
パン食の日は、トースターがチンと鳴る他は、僕の作る目玉焼き(具はベーコンだったり厚切りハムだったり薄焼きハンバーグだったりボロニアソーセージの輪切りだったり)の音。
目玉焼きは実は結構難しくて、玉が僕好みの固さにまだ焼けないので、大抵僕が引き受けている。
和食の日は、糠床を掻き回す音や、味噌汁を煮る音が、おさんどん姿の玉に良く似合う。
パン食は、玉の師匠の大家さんが、玉が焼くパンや玉の作るジャムが好きで庭いじりの傍ら食べている訳でありまして。
大家さんが美味しい、美味しいとニコニコ笑いながら貪る様に食べているので、玉さんの気合いも入るというものです。
その玉と青木さんは、畑仕事の汗を温泉で流している最中。
元々は家畜小屋と隠居の離れだった別棟を無理矢理風呂場に浅葱の力で改築したものなので、建物としては割りかし不恰好。
入り口も、一間幅の開けっぱなしだったところに無理矢理引戸をつけた。
そこには青木さんが、どこからか買って来た紺色の暖簾が掛かっている。
男・湯・女と別れていて、女性が入浴中の時は女の暖簾を下げる決まりになっている。
そうだ。
そうは言っても、僕が風呂場に入るのは、改築や道具の設置といった実務の時だけなので、湯船を使った事は、実は一度もない。
あのお風呂はしずさんのお風呂なので。
その暖簾の下には、ちびとモルモットが3匹、それぞれ自分の主人が出て来る事をお座りしながら待っている。
しずさんがホースで撒き散らす水は好きでも、お風呂は大嫌いな面々だ。
ん?
ひのふのみぃ。
モルモットは4匹いる筈だけど?
1匹足りない。
「あらあら婿殿?お鍋が煮立ちましたよ。火を止めていいですか?」
「お願いします。あの、しずさん?モルモットって4匹いませんでしたっけ?」
「朝、ご飯をあげた時はみんないましたよ。玉の迎えに行かないのは珍しいですね。カチッとな。」
「ふむ。」
菜箸片手にカセットコンロの火を消すしずさんを見ながら起き上がる。
全てを心得ているぽん子は、そのまま胡座をかく僕の膝の上に滑り込んだ。
庭の隅っこに、一応簡単な柵を巡らせて動物達の生息域を作ってあり、ケージや餌、水なども備えてある。
前はそこにみんな籠っていたので、こちらから遊びに行ったものだけど、しずさんが常駐するようになってからは、みんな暗くなるまで庭で遊んでいる。
特に今みたいに僕もしずさんも庭に出ている時は、それこそ僕らの周りで毛繕いをしたり、腹を見せて寝てたりしている。
鳥達は子育てしてたり、自分の巣やテリトリーの管理で忙しいので、挨拶に来たら、直ぐに帰ってしまうけど。
そう言えば、ルリビタキはどうなったのだろうか?
と。
あれ?
あれれれ?
いや、モルモットに1匹アルビノがいて毎日丁寧に毛繕いしていたから、綺麗だなぁとは思っていたのさ。
アルビノだと、どうしても毛が黄ばんだりしがちだから。
短毛種のモルな事もあり、汚れないのかなぁとか、勝手に思っていた。
そしたら、そのモルと更にモルの後ろからチビモルが歩いて来た。
モルモットは生まれた段階で毛が生え揃い、大きさ以外の姿形は大人モルと変わらない。
つまり子供アルビノモルだ。
2匹居る。
『殿!私の赤ちゃんが生まれましたよ。』
『この人が、おかーさんの言う殿なの?』
『殿、はじめまして。今度生まれて来ました。』
チビモルが、とてててと走って来て、僕の膝に飛び乗った。
『か、可愛いの』
あ、ぽん子が堕ちた。
下でペロペロ舐めて毛繕いを始めたよ。
『あははは、たぬきのお姉ちゃん、くすぐったいよう』
『私も、次私!』
ええと、狸的には捕食対象じゃなかったかな?
『神様が大丈夫って言ってたから、大丈夫』
そうなの?
『あ、玉ちゃん!』
アルビノモルは自分の子供をほっといて、温泉から上がって来た玉の元に走って行っちゃった。
…いいのか?本当に。
「ほんと、貴方って人はもう…。」
アルビノモルの仔を両手には抱え、膝にはぽん子、背中に後ろ足で立ち上がった兎に寄っ掛かられて居る姿を見て、青木さんが呆れ返った。
いや、ちびに顔中舐め回されている君に言われたくはありませんが。
「殿!その小さなモルちゃん誰ですか?」
あらら、髪をバスタオルで拭きながら足元にモルモット4匹引き連れた玉が鼻息荒くして近寄って来たよ。
「その白い仔の子供だよ。さっきまで産んでて今さっきお披露目してくれたんた。」
途端に2匹が僕のかいなを離れて玉に走って行く。
『はじめまして玉ちゃん』
『僕たち、今日誕生日なの』
「わぁわぁ!」
跪いて小さな2匹を迎えた玉さんの笑顔が眩しい。
どうでもいいけど君ら、ご飯だから手を洗って来なさいよ。
★ ★ ★
「ご褒美採って来ますね。」
昼ご飯の配膳をしずさんに任せて、玉は畑に走って行った。
うさぎが後を追いかけて行く。
モルモットは高台になっている畑に登れないので、僕の元に全員集合。
「へえ、峠の釜飯ってこう温めるんだ。」
「耐熱性のある瀬戸物(益子焼だけど)だから、レンジ可だよ。」
「1日経ったけど、痛んでない?…わよねぇ。ご飯に関して万能だもんね。」
「まぁね。」
タイムトラベルが浅葱の力の能力だった筈だけど、トリガーを食欲に規定したせいか、色々な神様と縁付いたせいか、もはや自分も浅葱の力がなんなのか、正直理解出来ていない。
浅葱家初代国麻呂さんは、僕をとんでもない力の持ち主と言ったけれど、そのとんでもない力とやらが、好きな物を好きな様に食える、とか、神様に矢鱈滅鱈お願いされる(普通逆だ)とか、かなり斜め上にとんでもなくなっている。
当然、昨日買ったお弁当が痛む訳もない。湯煎の終わった釜飯の蓋を開けて、鶉の卵とお漬物を戻す。
しずさんが、だしの素に醤油と大根おろしを加えて白湯をかけただけの簡単天汁をこさえて居る間に、青木さんがテーブルに使ってないシーツで作ったテーブルクロスを敷いて、場を作ってくれる。
僕はその時、テーブルの下で人参を刻んだり、サラダ菜を千切ったり。
「玉はこれしますね。」
玉が畑から採って来たのは、柿と林檎。
この水晶玉に出入りする様になって5ヶ月くらい経つかな?
常に母屋敷地と畑の仕切りをしてくれて来た木々に、ずっと毎日実り続けている果樹だ。
聖域と違って、こちらで木登りする動物はいないので、こうやって時々木からもいで動物達のおやつやご褒美になる。
一応、ぽん子は狸なので木登りくらい出来る筈だけど、箱入り(動物園育ち)なので怖がって登らない。
で、青木さんあたりにねだって、青木さんの顔が上気する訳だ。
今日はモルモット軍団がご主人様として居る大好きな玉さんが、手づから皮を剥いて切り分けてくれるから、一同ワクワクしながら並んでいる。
一応、玉がモルちゃんと名付けた三毛斑モルがリーダーとなっているらしく、仕切りはいつも彼。
「あの動物園に初めて行った時に、一番最初に玉の側に来てくれたモルちゃんなので、玉には特別なモルちゃんなのです。」
だ、そうだ。
で、今は浅葱水晶の浅葱屋敷の庭のテーブルの下で、玉と2人して包丁を握っている。
モルモットも狸も兎もミニ兎もミニ豚も、みんなして僕らを取り囲んでる。
唯一、出所不明な仔犬だけ、主人のサンダルに舐め付いて、主人の顔を蕩けさせている。
ところで君が履いてるサンダルは、僕の◯ロックスじゃないか。
玉に一足取られて、新しいの買ったんだぞ。
2人とも女性の足だから、27センチの僕の◯ロックスじゃブカブカじゃないか。
という事で。
お昼ご飯をみんなで頂きます。
足元に、鳥以外全員集合。
モーちゃんも小屋から出て来たので、刈り取ってあるチモシーの牧草をご馳走します。
「では、皆さま、いただきます。」
「いただきまぁす。」
わふ。
わん。
きゅう。
もう。
こんな何にもしない日というのも、僕らには大切な日常です。
カセットコンロを重ねたブロックの上に乗せるだけ、というお手軽ガス台でグラグラ煮立てているだけなので、目を離しても大丈夫。
なので、芝生に毛氈を敷いてゴロリと一休み。
たちまちぽん子がお腹に乗ってくる。
それを見た兎やミニ豚が近寄って来て、僕はいつものように動物塗れになる。
しずさんが揚げる天ぷらの軽やかな揚げ音が、耳に心地良い。
普段の朝の、玉がさせる調理音ってどんなんだっけ?
あぁそうか、大抵僕も台所に居るから気にした事無かったな。
パン食の日は、トースターがチンと鳴る他は、僕の作る目玉焼き(具はベーコンだったり厚切りハムだったり薄焼きハンバーグだったりボロニアソーセージの輪切りだったり)の音。
目玉焼きは実は結構難しくて、玉が僕好みの固さにまだ焼けないので、大抵僕が引き受けている。
和食の日は、糠床を掻き回す音や、味噌汁を煮る音が、おさんどん姿の玉に良く似合う。
パン食は、玉の師匠の大家さんが、玉が焼くパンや玉の作るジャムが好きで庭いじりの傍ら食べている訳でありまして。
大家さんが美味しい、美味しいとニコニコ笑いながら貪る様に食べているので、玉さんの気合いも入るというものです。
その玉と青木さんは、畑仕事の汗を温泉で流している最中。
元々は家畜小屋と隠居の離れだった別棟を無理矢理風呂場に浅葱の力で改築したものなので、建物としては割りかし不恰好。
入り口も、一間幅の開けっぱなしだったところに無理矢理引戸をつけた。
そこには青木さんが、どこからか買って来た紺色の暖簾が掛かっている。
男・湯・女と別れていて、女性が入浴中の時は女の暖簾を下げる決まりになっている。
そうだ。
そうは言っても、僕が風呂場に入るのは、改築や道具の設置といった実務の時だけなので、湯船を使った事は、実は一度もない。
あのお風呂はしずさんのお風呂なので。
その暖簾の下には、ちびとモルモットが3匹、それぞれ自分の主人が出て来る事をお座りしながら待っている。
しずさんがホースで撒き散らす水は好きでも、お風呂は大嫌いな面々だ。
ん?
ひのふのみぃ。
モルモットは4匹いる筈だけど?
1匹足りない。
「あらあら婿殿?お鍋が煮立ちましたよ。火を止めていいですか?」
「お願いします。あの、しずさん?モルモットって4匹いませんでしたっけ?」
「朝、ご飯をあげた時はみんないましたよ。玉の迎えに行かないのは珍しいですね。カチッとな。」
「ふむ。」
菜箸片手にカセットコンロの火を消すしずさんを見ながら起き上がる。
全てを心得ているぽん子は、そのまま胡座をかく僕の膝の上に滑り込んだ。
庭の隅っこに、一応簡単な柵を巡らせて動物達の生息域を作ってあり、ケージや餌、水なども備えてある。
前はそこにみんな籠っていたので、こちらから遊びに行ったものだけど、しずさんが常駐するようになってからは、みんな暗くなるまで庭で遊んでいる。
特に今みたいに僕もしずさんも庭に出ている時は、それこそ僕らの周りで毛繕いをしたり、腹を見せて寝てたりしている。
鳥達は子育てしてたり、自分の巣やテリトリーの管理で忙しいので、挨拶に来たら、直ぐに帰ってしまうけど。
そう言えば、ルリビタキはどうなったのだろうか?
と。
あれ?
あれれれ?
いや、モルモットに1匹アルビノがいて毎日丁寧に毛繕いしていたから、綺麗だなぁとは思っていたのさ。
アルビノだと、どうしても毛が黄ばんだりしがちだから。
短毛種のモルな事もあり、汚れないのかなぁとか、勝手に思っていた。
そしたら、そのモルと更にモルの後ろからチビモルが歩いて来た。
モルモットは生まれた段階で毛が生え揃い、大きさ以外の姿形は大人モルと変わらない。
つまり子供アルビノモルだ。
2匹居る。
『殿!私の赤ちゃんが生まれましたよ。』
『この人が、おかーさんの言う殿なの?』
『殿、はじめまして。今度生まれて来ました。』
チビモルが、とてててと走って来て、僕の膝に飛び乗った。
『か、可愛いの』
あ、ぽん子が堕ちた。
下でペロペロ舐めて毛繕いを始めたよ。
『あははは、たぬきのお姉ちゃん、くすぐったいよう』
『私も、次私!』
ええと、狸的には捕食対象じゃなかったかな?
『神様が大丈夫って言ってたから、大丈夫』
そうなの?
『あ、玉ちゃん!』
アルビノモルは自分の子供をほっといて、温泉から上がって来た玉の元に走って行っちゃった。
…いいのか?本当に。
「ほんと、貴方って人はもう…。」
アルビノモルの仔を両手には抱え、膝にはぽん子、背中に後ろ足で立ち上がった兎に寄っ掛かられて居る姿を見て、青木さんが呆れ返った。
いや、ちびに顔中舐め回されている君に言われたくはありませんが。
「殿!その小さなモルちゃん誰ですか?」
あらら、髪をバスタオルで拭きながら足元にモルモット4匹引き連れた玉が鼻息荒くして近寄って来たよ。
「その白い仔の子供だよ。さっきまで産んでて今さっきお披露目してくれたんた。」
途端に2匹が僕のかいなを離れて玉に走って行く。
『はじめまして玉ちゃん』
『僕たち、今日誕生日なの』
「わぁわぁ!」
跪いて小さな2匹を迎えた玉さんの笑顔が眩しい。
どうでもいいけど君ら、ご飯だから手を洗って来なさいよ。
★ ★ ★
「ご褒美採って来ますね。」
昼ご飯の配膳をしずさんに任せて、玉は畑に走って行った。
うさぎが後を追いかけて行く。
モルモットは高台になっている畑に登れないので、僕の元に全員集合。
「へえ、峠の釜飯ってこう温めるんだ。」
「耐熱性のある瀬戸物(益子焼だけど)だから、レンジ可だよ。」
「1日経ったけど、痛んでない?…わよねぇ。ご飯に関して万能だもんね。」
「まぁね。」
タイムトラベルが浅葱の力の能力だった筈だけど、トリガーを食欲に規定したせいか、色々な神様と縁付いたせいか、もはや自分も浅葱の力がなんなのか、正直理解出来ていない。
浅葱家初代国麻呂さんは、僕をとんでもない力の持ち主と言ったけれど、そのとんでもない力とやらが、好きな物を好きな様に食える、とか、神様に矢鱈滅鱈お願いされる(普通逆だ)とか、かなり斜め上にとんでもなくなっている。
当然、昨日買ったお弁当が痛む訳もない。湯煎の終わった釜飯の蓋を開けて、鶉の卵とお漬物を戻す。
しずさんが、だしの素に醤油と大根おろしを加えて白湯をかけただけの簡単天汁をこさえて居る間に、青木さんがテーブルに使ってないシーツで作ったテーブルクロスを敷いて、場を作ってくれる。
僕はその時、テーブルの下で人参を刻んだり、サラダ菜を千切ったり。
「玉はこれしますね。」
玉が畑から採って来たのは、柿と林檎。
この水晶玉に出入りする様になって5ヶ月くらい経つかな?
常に母屋敷地と畑の仕切りをしてくれて来た木々に、ずっと毎日実り続けている果樹だ。
聖域と違って、こちらで木登りする動物はいないので、こうやって時々木からもいで動物達のおやつやご褒美になる。
一応、ぽん子は狸なので木登りくらい出来る筈だけど、箱入り(動物園育ち)なので怖がって登らない。
で、青木さんあたりにねだって、青木さんの顔が上気する訳だ。
今日はモルモット軍団がご主人様として居る大好きな玉さんが、手づから皮を剥いて切り分けてくれるから、一同ワクワクしながら並んでいる。
一応、玉がモルちゃんと名付けた三毛斑モルがリーダーとなっているらしく、仕切りはいつも彼。
「あの動物園に初めて行った時に、一番最初に玉の側に来てくれたモルちゃんなので、玉には特別なモルちゃんなのです。」
だ、そうだ。
で、今は浅葱水晶の浅葱屋敷の庭のテーブルの下で、玉と2人して包丁を握っている。
モルモットも狸も兎もミニ兎もミニ豚も、みんなして僕らを取り囲んでる。
唯一、出所不明な仔犬だけ、主人のサンダルに舐め付いて、主人の顔を蕩けさせている。
ところで君が履いてるサンダルは、僕の◯ロックスじゃないか。
玉に一足取られて、新しいの買ったんだぞ。
2人とも女性の足だから、27センチの僕の◯ロックスじゃブカブカじゃないか。
という事で。
お昼ご飯をみんなで頂きます。
足元に、鳥以外全員集合。
モーちゃんも小屋から出て来たので、刈り取ってあるチモシーの牧草をご馳走します。
「では、皆さま、いただきます。」
「いただきまぁす。」
わふ。
わん。
きゅう。
もう。
こんな何にもしない日というのも、僕らには大切な日常です。
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