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第二章 戦
武甕槌
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「鹿島神宮ねぇ。」
僕は九州の出で、上京後は基本的に山手線から東に出掛ける事は、仕事以外に無かった。
だから土地勘がイマイチ足りない。
千葉に引越しても、一番東は玉と青木さんと一緒に行った成田山止まりだし。
(おまけに直ぐ帰っちゃったし)
成田空港には何回か行きましたよ。
羽田便以外の海外出張とかで。
確か千葉県側に香取神宮があって、茨城県側に鹿島神宮があるんだっけ。
伊勢神宮に並ぶ神格と歴史が有ると思った。しずさんに後で聞いてみようっと。
で、そんなご大層な所に御使いに行かされるの?
僕が?
「えぇと。カグツチさんがこの地に縛られているならば、ハニヤスさんは行けないんですか?」
「あら、私はうんちの神ですよ?」
「は?」
「私はお父さんのうんちから生まれた神なんです。お父さんがこの地に縛り付けられている様に、私もこの地に縛られているんです。お父さんが榛名の火山を統治している様に、私は榛名の土を統べているんです。だから、私もここから離れる事は出来ません。」
「そうなの?」
神様という存在は実に理不尽だ。
人間も相当理不尽な事をさせられるけど、それでも産まれてくる事に多分、多少の意味と意義はあるのだろう。
まぁ、本人がそう言うのなら、それはそれなんだろうね。
「ならキクヱさんは?」
何故か1人蚊帳の外に居ようと存在感を消し始めた巫女さんの袖を捕まえた。
「わ、わたし?というか、貴方様は私に触れられるんですか?」
「…?触れますけど?」
玉だの、しずさんだの生きている時間が違う人。あと、荼吉尼天と御狐様もかなり早い段階で触ってたし。何故か荼吉尼天野郎は僕に胸を撫でさせようとしたな。
女のフリして顕現して、僕が触らないと分かったら無性だとバラしやがった。
……あそこで本当に胸を撫でていたら、僕はどうなっていたのだろうか?
危ない危ない。
「やはり貴方様も人外ですかね。」
「本籍は熊本市に、住民票は市川市に有る、納税もきちんとしている間違いのない人間ですが。」
「とてもそうは思えませんが。」
「割と傷つくので、あまり本当の事を言わないで下さい。」
「わぁごめんなさい。気分を害されましたか?ごめんなさいごめんなさい。」
「武甕槌の巫女がたちまち懐いとるな。」
「本物の神様に成れるほどのジゴロっぷりですね。」
あのぅ、由緒正しき女神様にジゴロと言われる方が、巫女さんに人外と言われるよりも何故か傷つくんですけど。
あと、ジゴロって古くない?
「妾も古い神ですから。」
神様の一人称って、儂と妾なんだ。
「私じゃ駄目ですよ。神様が直に打たれた御神刀なんかに触ったら、私がどうにかなっちゃいます。」
改めてキクヱさんを見ると、顔が10個くらいにぶれて見える程、ブルブル左右に降り出した。
「具体的には?」
「………溶けちゃう、のかなぁ?」
一言主の神刀を浅葱屋敷で見つけた時も、玉が似たような事を言っていたなぁ。
僕の右腕だか左腕だかに収納されている、物理法則を完全に無視した刀は、神職の者には畏れ多過ぎる物なのだろう。
「ふむ。」
キクヱさんが、伊香保神社まで迎えに来てくれたって事は、それなりに神様的には重要事項なのだろう。
断るって選択肢を取る必要はどこにもないか。
それにしてもまぁ、なんだ僕の周りの神様大集合。
荼吉尼天に一言主に、伊弉諾・伊奘冉。
ほんでもって、カグツチにハニヤスに武甕槌ときた。馬頭観音なんてのもいたな。
浅葱の力は、僕に何をさせようとしているんだ?
「分かりました。お刀をお預かりしましょう。鹿島神宮に収めれば宜しいのですね。」
「どうせお主のことだから、境内まで行けば武甕槌が迎えに出るだろう。本人に直接渡してくれまいか?」
「武甕槌ってどんな神様なんですか?」
「剣と地震の神じゃ。故に人間界では戦の守神であり、地震を防ぐ神とされている。」
「……割と物騒な神様ですね。」
「逆に言えば、戦にも天災にもそう簡単に死ぬ事は無い。弱い庶民にとってはありがたい神じゃな。」
「神様談義はしませんよ。話が長くなるから。僕は家族を外に置きっぱなしにしてるんです。」
「そうか、他の神とはしとるのじゃろう?」
「僕の様なそこらのオッさんに問答を仕掛けてくる神様が変なんです!」
「神は大概変じゃぞ?」
「開き直られても。」
ぷっ!
吹き出し声がした方を向くと、キクヱさんがお腹を抱えて悶えていた。
「か、神様と冗談を言い合っている貴方様は何者ですか、ぷぷぷ。」
「さっきから何回も言われているけど、今度は僕から言おう。今更だ。」
「きゃははははは!」
あ、キクヱさんが壊れた。
★ ★ ★
カグツチさんから預かった刀は勝手に僕の腕に収納されてくれた。
白木の鞘が付いているとは言え、本身を持ち歩いたら、銃刀法違反です捕まっちゃう。
「キクヱさんもご一緒しますか?」
「いいえ。貴方様の周りはただでさえ女性ばかりなのに、私まで加わる訳にもいかないでしょう。」
「そう言えば、貴女は鹿島から榛名山に来た訳ですね。どうやって来…
「まぁ貴方様の御仲間ですから、呆れるだけで直ぐに受け入れてくれるでしょうけど。」
「あの、あのね。」
人の話を無視しないで。
「あと、私は竜脈に乗って帰りますので。」
「はい?」
「では、お待ち申し上げておりますね。」
キクヱさんは、そのまま地面に吸い込まれて行った。
ニコニコ微笑みながら、右手を振りながら。
……竜脈ねぇ。
利根川にでも乗って行くのかな?
………
「フクロウ君、ありがとう。終わったよ。」
「ひぅ」
玉達を見守ってくれていたフクロウ君が僕の足元に羽ばたいて止まってくれる。
さて、お礼をあげよう。
ちょうどいいや。昨日の晩御飯に出たローストビーフはどうかな?
「ひぅ♪」
喜んでくれて何より。
こんな調理(加工)した食材、普通の動物達に食べさせるにはちょっと考えるけど、聖域の眷属達には大丈夫。
…大丈夫、だったのだけど。
「儂等にも後で食わせい!」
「くにゃ」
という伝言をフクロウ君の口を借りて人に押し付けやがった。
フクロウ君の声帯どうなっているんだよ。
「ひぅ」
代わりに、という訳ではないけれど、ルリビタキを連れて行ってくれた。
今さっきまで、僕と玉に集っていた瑠璃色達は、必要充分なお嫁さんを連れて、浅葱の水晶に潜って行った。
…あいつ、聖域だけでなく、浅葱の水晶にも潜れるんだ。
………
「くんくんくんくん。」
皆の元、元の時空間に戻って、時間を動かした瞬間、珍妙な阿波踊りをしていた青木さんが、僕の周りの匂いを嗅ぎ出した。
「あれ?あれれ?ルリビタキさんが消えました。」
玉はいつもの玉だ。わかりやすい。
「貴方から知らない女の匂いが急にし始めたんですけど?」
「へ?」
青木さんは、今度は玉としずさんを嗅ぎ始めた。失礼だぞ。
「うん、玉ちゃんは石鹸の匂いだし、お母さんは私がプレゼントした化粧水の匂いね。」
「はぁ。」
「突然貴方から違う匂いがし出したのよね。」
「これは伽羅の香りですね。昨日の神社でも嗅いだ香りです。婿殿、昨日あそこで匂い袋でもお買いになりましたっけ?」
怖いよみんな。
「殿?瑠璃色はどこ行っちゃったんでしょうか?」
「あぁまぁ、一番僕っぽい事を想像してみなさい。多分それが正解だから。」
「え?瑠璃色さんて雄なんですよね、雌いないのに送っちゃったんですか?」
それだけのヒントで玉は全部察した様た。
「浅葱屋敷の山だよ。雌も普通に生息する様になるだろう。」
「つまり、ハクセキレイさんや山鳥さんに続く、鳥さんが仲間入りですか。」
「梅園の世話をしている鶉も鳥だぞ。」
あいつら、飛べる鳥のくせに庭を無邪気に走り回ったり、自分で調達した枯草を梅の木の下に敷いて、寝っ転がっているけど。
浅葱屋敷の動物達は、あくまでも普通の動物の筈だけど、最近身体の構造を無視してリラックスポーズを取ってるな。
うさぎやミニ豚が仰向けで寝れるのかな。寝てるけど。
「ま、後で話すよ。また厄介事を引き受けさせられた。」
「やっぱり何かあったんだ。」
「それが殿ですから。」
「玉ちゃんは強いわねぇ。」
「殿のお嫁さんになるのなら、佳奈さんも早く強くなるのです。」
「私は別方面から援護しようかなぁ。」
「逃しませんよ。」
「ちょっと玉ちゃん、引っ張らないで!」
なんだかなぁ。
青木さんの袖口をグイグイと引っ張って玉は僕らの先へ歩き出した。
「あら、嫁の教育も旦那様の仕事ですよ。婿殿?」
……なんだかなぁ…
改めて僕らは榛名神社に参拝した。
この刀、どうしよう。
僕は九州の出で、上京後は基本的に山手線から東に出掛ける事は、仕事以外に無かった。
だから土地勘がイマイチ足りない。
千葉に引越しても、一番東は玉と青木さんと一緒に行った成田山止まりだし。
(おまけに直ぐ帰っちゃったし)
成田空港には何回か行きましたよ。
羽田便以外の海外出張とかで。
確か千葉県側に香取神宮があって、茨城県側に鹿島神宮があるんだっけ。
伊勢神宮に並ぶ神格と歴史が有ると思った。しずさんに後で聞いてみようっと。
で、そんなご大層な所に御使いに行かされるの?
僕が?
「えぇと。カグツチさんがこの地に縛られているならば、ハニヤスさんは行けないんですか?」
「あら、私はうんちの神ですよ?」
「は?」
「私はお父さんのうんちから生まれた神なんです。お父さんがこの地に縛り付けられている様に、私もこの地に縛られているんです。お父さんが榛名の火山を統治している様に、私は榛名の土を統べているんです。だから、私もここから離れる事は出来ません。」
「そうなの?」
神様という存在は実に理不尽だ。
人間も相当理不尽な事をさせられるけど、それでも産まれてくる事に多分、多少の意味と意義はあるのだろう。
まぁ、本人がそう言うのなら、それはそれなんだろうね。
「ならキクヱさんは?」
何故か1人蚊帳の外に居ようと存在感を消し始めた巫女さんの袖を捕まえた。
「わ、わたし?というか、貴方様は私に触れられるんですか?」
「…?触れますけど?」
玉だの、しずさんだの生きている時間が違う人。あと、荼吉尼天と御狐様もかなり早い段階で触ってたし。何故か荼吉尼天野郎は僕に胸を撫でさせようとしたな。
女のフリして顕現して、僕が触らないと分かったら無性だとバラしやがった。
……あそこで本当に胸を撫でていたら、僕はどうなっていたのだろうか?
危ない危ない。
「やはり貴方様も人外ですかね。」
「本籍は熊本市に、住民票は市川市に有る、納税もきちんとしている間違いのない人間ですが。」
「とてもそうは思えませんが。」
「割と傷つくので、あまり本当の事を言わないで下さい。」
「わぁごめんなさい。気分を害されましたか?ごめんなさいごめんなさい。」
「武甕槌の巫女がたちまち懐いとるな。」
「本物の神様に成れるほどのジゴロっぷりですね。」
あのぅ、由緒正しき女神様にジゴロと言われる方が、巫女さんに人外と言われるよりも何故か傷つくんですけど。
あと、ジゴロって古くない?
「妾も古い神ですから。」
神様の一人称って、儂と妾なんだ。
「私じゃ駄目ですよ。神様が直に打たれた御神刀なんかに触ったら、私がどうにかなっちゃいます。」
改めてキクヱさんを見ると、顔が10個くらいにぶれて見える程、ブルブル左右に降り出した。
「具体的には?」
「………溶けちゃう、のかなぁ?」
一言主の神刀を浅葱屋敷で見つけた時も、玉が似たような事を言っていたなぁ。
僕の右腕だか左腕だかに収納されている、物理法則を完全に無視した刀は、神職の者には畏れ多過ぎる物なのだろう。
「ふむ。」
キクヱさんが、伊香保神社まで迎えに来てくれたって事は、それなりに神様的には重要事項なのだろう。
断るって選択肢を取る必要はどこにもないか。
それにしてもまぁ、なんだ僕の周りの神様大集合。
荼吉尼天に一言主に、伊弉諾・伊奘冉。
ほんでもって、カグツチにハニヤスに武甕槌ときた。馬頭観音なんてのもいたな。
浅葱の力は、僕に何をさせようとしているんだ?
「分かりました。お刀をお預かりしましょう。鹿島神宮に収めれば宜しいのですね。」
「どうせお主のことだから、境内まで行けば武甕槌が迎えに出るだろう。本人に直接渡してくれまいか?」
「武甕槌ってどんな神様なんですか?」
「剣と地震の神じゃ。故に人間界では戦の守神であり、地震を防ぐ神とされている。」
「……割と物騒な神様ですね。」
「逆に言えば、戦にも天災にもそう簡単に死ぬ事は無い。弱い庶民にとってはありがたい神じゃな。」
「神様談義はしませんよ。話が長くなるから。僕は家族を外に置きっぱなしにしてるんです。」
「そうか、他の神とはしとるのじゃろう?」
「僕の様なそこらのオッさんに問答を仕掛けてくる神様が変なんです!」
「神は大概変じゃぞ?」
「開き直られても。」
ぷっ!
吹き出し声がした方を向くと、キクヱさんがお腹を抱えて悶えていた。
「か、神様と冗談を言い合っている貴方様は何者ですか、ぷぷぷ。」
「さっきから何回も言われているけど、今度は僕から言おう。今更だ。」
「きゃははははは!」
あ、キクヱさんが壊れた。
★ ★ ★
カグツチさんから預かった刀は勝手に僕の腕に収納されてくれた。
白木の鞘が付いているとは言え、本身を持ち歩いたら、銃刀法違反です捕まっちゃう。
「キクヱさんもご一緒しますか?」
「いいえ。貴方様の周りはただでさえ女性ばかりなのに、私まで加わる訳にもいかないでしょう。」
「そう言えば、貴女は鹿島から榛名山に来た訳ですね。どうやって来…
「まぁ貴方様の御仲間ですから、呆れるだけで直ぐに受け入れてくれるでしょうけど。」
「あの、あのね。」
人の話を無視しないで。
「あと、私は竜脈に乗って帰りますので。」
「はい?」
「では、お待ち申し上げておりますね。」
キクヱさんは、そのまま地面に吸い込まれて行った。
ニコニコ微笑みながら、右手を振りながら。
……竜脈ねぇ。
利根川にでも乗って行くのかな?
………
「フクロウ君、ありがとう。終わったよ。」
「ひぅ」
玉達を見守ってくれていたフクロウ君が僕の足元に羽ばたいて止まってくれる。
さて、お礼をあげよう。
ちょうどいいや。昨日の晩御飯に出たローストビーフはどうかな?
「ひぅ♪」
喜んでくれて何より。
こんな調理(加工)した食材、普通の動物達に食べさせるにはちょっと考えるけど、聖域の眷属達には大丈夫。
…大丈夫、だったのだけど。
「儂等にも後で食わせい!」
「くにゃ」
という伝言をフクロウ君の口を借りて人に押し付けやがった。
フクロウ君の声帯どうなっているんだよ。
「ひぅ」
代わりに、という訳ではないけれど、ルリビタキを連れて行ってくれた。
今さっきまで、僕と玉に集っていた瑠璃色達は、必要充分なお嫁さんを連れて、浅葱の水晶に潜って行った。
…あいつ、聖域だけでなく、浅葱の水晶にも潜れるんだ。
………
「くんくんくんくん。」
皆の元、元の時空間に戻って、時間を動かした瞬間、珍妙な阿波踊りをしていた青木さんが、僕の周りの匂いを嗅ぎ出した。
「あれ?あれれ?ルリビタキさんが消えました。」
玉はいつもの玉だ。わかりやすい。
「貴方から知らない女の匂いが急にし始めたんですけど?」
「へ?」
青木さんは、今度は玉としずさんを嗅ぎ始めた。失礼だぞ。
「うん、玉ちゃんは石鹸の匂いだし、お母さんは私がプレゼントした化粧水の匂いね。」
「はぁ。」
「突然貴方から違う匂いがし出したのよね。」
「これは伽羅の香りですね。昨日の神社でも嗅いだ香りです。婿殿、昨日あそこで匂い袋でもお買いになりましたっけ?」
怖いよみんな。
「殿?瑠璃色はどこ行っちゃったんでしょうか?」
「あぁまぁ、一番僕っぽい事を想像してみなさい。多分それが正解だから。」
「え?瑠璃色さんて雄なんですよね、雌いないのに送っちゃったんですか?」
それだけのヒントで玉は全部察した様た。
「浅葱屋敷の山だよ。雌も普通に生息する様になるだろう。」
「つまり、ハクセキレイさんや山鳥さんに続く、鳥さんが仲間入りですか。」
「梅園の世話をしている鶉も鳥だぞ。」
あいつら、飛べる鳥のくせに庭を無邪気に走り回ったり、自分で調達した枯草を梅の木の下に敷いて、寝っ転がっているけど。
浅葱屋敷の動物達は、あくまでも普通の動物の筈だけど、最近身体の構造を無視してリラックスポーズを取ってるな。
うさぎやミニ豚が仰向けで寝れるのかな。寝てるけど。
「ま、後で話すよ。また厄介事を引き受けさせられた。」
「やっぱり何かあったんだ。」
「それが殿ですから。」
「玉ちゃんは強いわねぇ。」
「殿のお嫁さんになるのなら、佳奈さんも早く強くなるのです。」
「私は別方面から援護しようかなぁ。」
「逃しませんよ。」
「ちょっと玉ちゃん、引っ張らないで!」
なんだかなぁ。
青木さんの袖口をグイグイと引っ張って玉は僕らの先へ歩き出した。
「あら、嫁の教育も旦那様の仕事ですよ。婿殿?」
……なんだかなぁ…
改めて僕らは榛名神社に参拝した。
この刀、どうしよう。
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