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第二章 戦
榛名神社
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さて、食事を終わらせて、改めて入浴した僕らは、電気を消して次の間になんとなく集まっていた。
ソファを窓に向けて、遠慮する玉としずさんを無理矢理座らせると、僕と青木さんはその隣に立った。
月は満月にちょっと足りない月齢13日ってとこかな。
藤原道長なら「望月」にオマケして貰えるだろう。
ほぼ満月な月と、温泉街の街明かりが邪魔をして、星の数ならば大多喜で見た星空の方が見事だったろう。
それでも市川の空よりも、オリオンも冬の大三角形も綺麗に見える。
普段なら誰かから蘊蓄の一つも出てきそうなものだけど(何しろ知識馬鹿の4人だ)、今日はみんな黙って伊香保の夜を見つめていた。
「天の川を2人に見せる」
そんな約束も、青木さんとこっそり交わした事もあるな。
あれはまた、夏にまた大多喜でキャンプをすれば良いか。
あの晩3人で星空を見上げて以来、なんとなく皆んなが集まれば夜の静かな会合を開く事が僕らの習慣になった。
何しろしずさんが、夜は僕と玉(或いは青木さん)との時間と決め込んでいて、滅多な事では、水晶から出て来てくれないからだ。
この間は、確か雪見がしたいと言って、玉と2人並んで僕の部屋で外を静かに眺めていた。
台地の縁と言う事もあって、市川の市街地の灯りと、部屋の灯りに照らされる降雪に言葉も無く見入っていたのを、僕と青木さんは後ろから見つめていた。
因みに普段のしずさんの夜はと言うと。
青木さんがプレゼントしたCDプレイヤーで、青木さんが古本屋や100円ショップで買い集めている落語や講談のCDを聴いたり、同じく青木さんが500円コーナーで掘り出してくる、版権切れの邦画を見たり。
玉が持ち込んだ料理の本を読んだり。
「亭主と子供がいない生活を、のぉぉんひりと楽しんでいますよ。」
って事らしい。
相変わらずぽん子は座敷に上がらないけれど、土間に敷かれた犬用ペットベッドで丸くなっているし、ちびは1尺くらいの高さの床まで普通に飛び乗って、しずさんの側でぺったんこになって尻尾を振っている。
しずさんが入浴など小用で家を出る時は、2匹並んて暗い中をしずさんに付き添っているそうな。
なんとも頼もしい用心棒だ。
今日もそんな夜。
さっき様子を見に行った時の動物達の反応はと言うと。
わふ。
わん。
『お母さんは元気?』
『留守は守るから楽しんできてね』
もう。
『でもちょっと寂しいな』
兎・豚・モルモット・鶉
『眠い』
だった。
一晩くらいなら大丈夫だろうけど、しずさんがしっかり皆んなのお母さんになっている事を認識してたりする。
そして。
僕らは誰も口を開こうとせず。
生まれてきた時代も年齢もバラバラな4人は、確かな連帯感を感じつつ、静かな夜を心の底から楽しんでいた。
うん、やっぱり来て良かった。
……でさぁ。
この布団の並びは何?
しずさん・玉・僕・青木さんの並びって決められているんだけど?
普通さ、僕は衝立か屏風で隔離しない?
「嫁に挟まれて寝る事がおかしいですか?」
「そりゃ、しずさんの隣で寝るとかよりは正しいんだろうけど。」
「いつも玉と一緒のお布団で寝てるのに、今日は別のお布団だから寂しいですね、殿。」
「私も今更だからいいかな。考えてみたら、キャンプの時も隣で寝てたし。」
いや、あの時は寝袋にくるまってたでしょ。
実際、玉も青木さんもさっさと寝息を立て始めちゃった。
まぁいいか。
忙しいけど楽しい1日だった。
こんな日を作ってくれた妹に感謝だな。
では、おやすみなさい。
翌朝。
玉がいつのまにか、僕の布団に潜り込んでいた他はなんの疾しい事もなく、僕らは朝ご飯に向かった。
なんだったのよ。
★ ★ ★
さて、ホテルをチェックアウトして向かうは、再び榛名湖…を通過して南に降る。榛名山の南麓にある榛名神社に向かう為だ。
雪積もってんだろうなぁと思いつつ、なんでも玉のリクエストらしい。
テレビの紀行番組で見たんだってさ。
席の並びは昨日と同じ。
運転手青木さん、助手席しずさん。
後に僕と玉。
玉さんはお土産に買ったお菓子の中から一つ、パリパリ封を破ってもぐもぐ食べ始めた。
「自分へのお土産ですよ。」
「何も言ってませんよ。」
それでも一応気にはしているらしく、吹雪饅頭を皆んなの口に押し込み始めた。
しずさんは、朝からずっと景色に夢中。
手には◯曜どうでしょうのDVDが収められた不織布バックを手にしているけど、少なくとも市川では見れない雪の積もった標高1,000メートル超の山に目が離せない様だ。
なので、信号待ちの合間に青木さんがMP3の再生を始める。
……あの、始まったの、ル◯ン三世なんだけど。
それもジャージーな編曲の。
「こないだね。友達に大野◯二のライブに誘われて行ったの。聞いたことある曲ばかりで、思わずCDを買っちゃった。」
MP3に録音してあるって事は、通勤時間にでも聞いてんのか?
23歳OLが?
昭和の男子高校生みたいだな。
「別にいいでしょ。良いものは良いんだもん。」
「世代的にはドンピシャな男なので、僕的には嬉しいけど、次に始まったのが、犬神家なんだけど?」
青◯静馬とか、湖に突き刺さっている足とか、石坂兵ちゃんがどさどさって脳裏をよぎった。
「◯ディ・ボーデンもあるわよ。」
某31アイスの前の、外国製高級アイスのCMソングを、青木さんは口ずさんでる。と言っても商品名の連呼だけど。
「CDになってんの?」
「ネットで落としたの。」
「何してんの?」
僕と玉、僕と青木さんの間は、いつまで経っても色っぽい話にならないね。
★ ★ ★
榛名神社は、その長い参道の殆どが山の中という、深山幽谷ぶりが素晴らしい。
冬の朝と言う事もあり、参拝者は僕ら以外にいなかった。
夏場にくれば、木漏れ日と蝉時雨がさぞかし気持ちいいだろう。
でも今は、時折ヒッヒッと言う鳥の鳴き声と、風に揺らされた枝から雪が落ちる音だけ。
参道から下を覗くと、綺麗な川が流れている。神仏習合の名残は、山門や三重塔にあり、幾つもの滝が僕らを出迎えてくれた。
あと、ヒッヒッと言う鳴き声が増えて来て。
あぁ、いつものだ。と、ため息一つ。
ヒッヒッヒッヒッ。
諦めた僕が右手を翳して甲を見せると、そこに青い小鳥が止まった。
「わぁ、殿?この仔誰ですか?」
「……ルリビタキという野鳥だ。名前の通り、瑠璃色をしてるだろう。」
「へぇ、おいでおいで。」
ぴっ。
ルリビタキは玉の手に飛び移った。
「本当に瑠璃色をしているルリビタキは大人の雄だけで、しかも数は少ないんだ。」
手が空いたので、スマホでほいと検索する。
最近は、姿を翳すだけで検索できるくら、ググる先生も有能になったものだ。
「数は少ない、ねぇ。」
「なんです?青木さん?」
「だってほら。」
ええと、僕らの周りの枝に、瑠璃色が沢山止まっているぞ。
「…………。」
僕は何もかも諦めた。
両手を天空に掲げると、僕の上半身は瑠璃色になった。
僕に止まりきれなかった瑠璃色は、玉の頭で玉の髪の毛を突いている。
「あらあら。まあまあ。」
「この2人だと、そのうち絶滅危惧種でも向こうから寄ってくるわね。」
あの、朱鷺とか大鷲とかが飛んで来たら、重そうなんですけど。
と。
空気が凍った。
時間が凍った。
風景がセピア色になり、僕以外の3人は顔に笑顔を浮かべたまま(あとルリビタキを引っ付けたまま)固まっている。
これは久しぶりに来た。
「祠」だ。
それも結構、高位な祠だ。
こういう時は、回れ右して逃げるのがいつもだったけど、今日は1人じゃない。
僕には“護るべき家族''がいる。
それも、隣にだ。
ならばどうする?
浅葱の刀はどうだ?
反応なし。
って事は、近々の危険は無いと判断していいのか?
それでも一応。
僕は、自らに念を込めて、刀を顕現させた。
いざとなったら3人は強制的に浅葱の水晶に逃がそう。
刀の鯉口を切ると、静かに辺りを見渡した。
前方には、榛名神社の拝殿が見えている。
その拝殿から、1人の巫女さんが歩いて来た。
「昨日と同じ」白い小袖に緋袴を纏い、手には竹箒を持っている。
「昨日、伊香保神社で写真を撮ってくれた」巫女さんだった。
まぁ、貴女が人間じゃないのはわかっていたけどさぁ。
山の反対側まで来て、何の用さ。
「こちらに敵意はないので、そのおっかない殺気と御神刀をしまって頂けますか?一言主様が守護される方とは、事を構えたくありませんので。」
一言主の名前を出したって事は、この人もそういう事なんだろう。
やれやれ。
僕は今後、迂闊に寺社仏閣に参拝しない方が良さそうだ。
僕は刀をしまって、巫女さんを待つ事にした。
ソファを窓に向けて、遠慮する玉としずさんを無理矢理座らせると、僕と青木さんはその隣に立った。
月は満月にちょっと足りない月齢13日ってとこかな。
藤原道長なら「望月」にオマケして貰えるだろう。
ほぼ満月な月と、温泉街の街明かりが邪魔をして、星の数ならば大多喜で見た星空の方が見事だったろう。
それでも市川の空よりも、オリオンも冬の大三角形も綺麗に見える。
普段なら誰かから蘊蓄の一つも出てきそうなものだけど(何しろ知識馬鹿の4人だ)、今日はみんな黙って伊香保の夜を見つめていた。
「天の川を2人に見せる」
そんな約束も、青木さんとこっそり交わした事もあるな。
あれはまた、夏にまた大多喜でキャンプをすれば良いか。
あの晩3人で星空を見上げて以来、なんとなく皆んなが集まれば夜の静かな会合を開く事が僕らの習慣になった。
何しろしずさんが、夜は僕と玉(或いは青木さん)との時間と決め込んでいて、滅多な事では、水晶から出て来てくれないからだ。
この間は、確か雪見がしたいと言って、玉と2人並んで僕の部屋で外を静かに眺めていた。
台地の縁と言う事もあって、市川の市街地の灯りと、部屋の灯りに照らされる降雪に言葉も無く見入っていたのを、僕と青木さんは後ろから見つめていた。
因みに普段のしずさんの夜はと言うと。
青木さんがプレゼントしたCDプレイヤーで、青木さんが古本屋や100円ショップで買い集めている落語や講談のCDを聴いたり、同じく青木さんが500円コーナーで掘り出してくる、版権切れの邦画を見たり。
玉が持ち込んだ料理の本を読んだり。
「亭主と子供がいない生活を、のぉぉんひりと楽しんでいますよ。」
って事らしい。
相変わらずぽん子は座敷に上がらないけれど、土間に敷かれた犬用ペットベッドで丸くなっているし、ちびは1尺くらいの高さの床まで普通に飛び乗って、しずさんの側でぺったんこになって尻尾を振っている。
しずさんが入浴など小用で家を出る時は、2匹並んて暗い中をしずさんに付き添っているそうな。
なんとも頼もしい用心棒だ。
今日もそんな夜。
さっき様子を見に行った時の動物達の反応はと言うと。
わふ。
わん。
『お母さんは元気?』
『留守は守るから楽しんできてね』
もう。
『でもちょっと寂しいな』
兎・豚・モルモット・鶉
『眠い』
だった。
一晩くらいなら大丈夫だろうけど、しずさんがしっかり皆んなのお母さんになっている事を認識してたりする。
そして。
僕らは誰も口を開こうとせず。
生まれてきた時代も年齢もバラバラな4人は、確かな連帯感を感じつつ、静かな夜を心の底から楽しんでいた。
うん、やっぱり来て良かった。
……でさぁ。
この布団の並びは何?
しずさん・玉・僕・青木さんの並びって決められているんだけど?
普通さ、僕は衝立か屏風で隔離しない?
「嫁に挟まれて寝る事がおかしいですか?」
「そりゃ、しずさんの隣で寝るとかよりは正しいんだろうけど。」
「いつも玉と一緒のお布団で寝てるのに、今日は別のお布団だから寂しいですね、殿。」
「私も今更だからいいかな。考えてみたら、キャンプの時も隣で寝てたし。」
いや、あの時は寝袋にくるまってたでしょ。
実際、玉も青木さんもさっさと寝息を立て始めちゃった。
まぁいいか。
忙しいけど楽しい1日だった。
こんな日を作ってくれた妹に感謝だな。
では、おやすみなさい。
翌朝。
玉がいつのまにか、僕の布団に潜り込んでいた他はなんの疾しい事もなく、僕らは朝ご飯に向かった。
なんだったのよ。
★ ★ ★
さて、ホテルをチェックアウトして向かうは、再び榛名湖…を通過して南に降る。榛名山の南麓にある榛名神社に向かう為だ。
雪積もってんだろうなぁと思いつつ、なんでも玉のリクエストらしい。
テレビの紀行番組で見たんだってさ。
席の並びは昨日と同じ。
運転手青木さん、助手席しずさん。
後に僕と玉。
玉さんはお土産に買ったお菓子の中から一つ、パリパリ封を破ってもぐもぐ食べ始めた。
「自分へのお土産ですよ。」
「何も言ってませんよ。」
それでも一応気にはしているらしく、吹雪饅頭を皆んなの口に押し込み始めた。
しずさんは、朝からずっと景色に夢中。
手には◯曜どうでしょうのDVDが収められた不織布バックを手にしているけど、少なくとも市川では見れない雪の積もった標高1,000メートル超の山に目が離せない様だ。
なので、信号待ちの合間に青木さんがMP3の再生を始める。
……あの、始まったの、ル◯ン三世なんだけど。
それもジャージーな編曲の。
「こないだね。友達に大野◯二のライブに誘われて行ったの。聞いたことある曲ばかりで、思わずCDを買っちゃった。」
MP3に録音してあるって事は、通勤時間にでも聞いてんのか?
23歳OLが?
昭和の男子高校生みたいだな。
「別にいいでしょ。良いものは良いんだもん。」
「世代的にはドンピシャな男なので、僕的には嬉しいけど、次に始まったのが、犬神家なんだけど?」
青◯静馬とか、湖に突き刺さっている足とか、石坂兵ちゃんがどさどさって脳裏をよぎった。
「◯ディ・ボーデンもあるわよ。」
某31アイスの前の、外国製高級アイスのCMソングを、青木さんは口ずさんでる。と言っても商品名の連呼だけど。
「CDになってんの?」
「ネットで落としたの。」
「何してんの?」
僕と玉、僕と青木さんの間は、いつまで経っても色っぽい話にならないね。
★ ★ ★
榛名神社は、その長い参道の殆どが山の中という、深山幽谷ぶりが素晴らしい。
冬の朝と言う事もあり、参拝者は僕ら以外にいなかった。
夏場にくれば、木漏れ日と蝉時雨がさぞかし気持ちいいだろう。
でも今は、時折ヒッヒッと言う鳥の鳴き声と、風に揺らされた枝から雪が落ちる音だけ。
参道から下を覗くと、綺麗な川が流れている。神仏習合の名残は、山門や三重塔にあり、幾つもの滝が僕らを出迎えてくれた。
あと、ヒッヒッと言う鳴き声が増えて来て。
あぁ、いつものだ。と、ため息一つ。
ヒッヒッヒッヒッ。
諦めた僕が右手を翳して甲を見せると、そこに青い小鳥が止まった。
「わぁ、殿?この仔誰ですか?」
「……ルリビタキという野鳥だ。名前の通り、瑠璃色をしてるだろう。」
「へぇ、おいでおいで。」
ぴっ。
ルリビタキは玉の手に飛び移った。
「本当に瑠璃色をしているルリビタキは大人の雄だけで、しかも数は少ないんだ。」
手が空いたので、スマホでほいと検索する。
最近は、姿を翳すだけで検索できるくら、ググる先生も有能になったものだ。
「数は少ない、ねぇ。」
「なんです?青木さん?」
「だってほら。」
ええと、僕らの周りの枝に、瑠璃色が沢山止まっているぞ。
「…………。」
僕は何もかも諦めた。
両手を天空に掲げると、僕の上半身は瑠璃色になった。
僕に止まりきれなかった瑠璃色は、玉の頭で玉の髪の毛を突いている。
「あらあら。まあまあ。」
「この2人だと、そのうち絶滅危惧種でも向こうから寄ってくるわね。」
あの、朱鷺とか大鷲とかが飛んで来たら、重そうなんですけど。
と。
空気が凍った。
時間が凍った。
風景がセピア色になり、僕以外の3人は顔に笑顔を浮かべたまま(あとルリビタキを引っ付けたまま)固まっている。
これは久しぶりに来た。
「祠」だ。
それも結構、高位な祠だ。
こういう時は、回れ右して逃げるのがいつもだったけど、今日は1人じゃない。
僕には“護るべき家族''がいる。
それも、隣にだ。
ならばどうする?
浅葱の刀はどうだ?
反応なし。
って事は、近々の危険は無いと判断していいのか?
それでも一応。
僕は、自らに念を込めて、刀を顕現させた。
いざとなったら3人は強制的に浅葱の水晶に逃がそう。
刀の鯉口を切ると、静かに辺りを見渡した。
前方には、榛名神社の拝殿が見えている。
その拝殿から、1人の巫女さんが歩いて来た。
「昨日と同じ」白い小袖に緋袴を纏い、手には竹箒を持っている。
「昨日、伊香保神社で写真を撮ってくれた」巫女さんだった。
まぁ、貴女が人間じゃないのはわかっていたけどさぁ。
山の反対側まで来て、何の用さ。
「こちらに敵意はないので、そのおっかない殺気と御神刀をしまって頂けますか?一言主様が守護される方とは、事を構えたくありませんので。」
一言主の名前を出したって事は、この人もそういう事なんだろう。
やれやれ。
僕は今後、迂闊に寺社仏閣に参拝しない方が良さそうだ。
僕は刀をしまって、巫女さんを待つ事にした。
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