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第一章 開店
再度、動物園へ
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今日は良い天気だなぁ。土曜日だけあって、まだ午前中だと言うのに、駐車場は8割がた埋まってるぞ。
隣に有名なアミューズメント施設があるからなのかな。あぁ、空がそろそろ秋から冬に代わって来たな。
そろそろ冬物を出さないと。
「………殿?……。」
「なんですか?一生懸命現実逃避してんです。」
「……これかぁ……。」
青木さんに呆れた声を上げられた。
けど、知らん顔。
「どれです?」
「ママ、あの人すごいねぇ。」
「ねぇ。何がどうなっているのかしらね。」
通りすがりの親娘に、少し離れたところで感心されてる。
それは何故か?
白黒の野鳥が2羽。僕の頭と肩に止まって、チュンチュン鳴いているからだ。
何これ?
「ハクセキレイですね。水辺を好む野鳥です。」
おや、一木さん。
スーツ姿に白いハットを被った年配の男性に頭を下げられた。僕も静かに会釈を返すと、慌てて頭を下げる玉と青木さんの「慌てぶり」がちょっと可笑しくて見えない様に笑っちゃう。
「む?むむむ?」
あ。笑った事が玉にはバレた様だ。ちょっと頬っぺたを膨らましてる。
「ちょうど今、出勤して来たんですが、貴方と会えるとは何たる僥倖。」
「僥倖って言葉を本当に口にする人、初めて見ました。」
「野鳥を懐かせる人は良くいますけど、鳥の方から懐いてくる人は貴方くらいでしょうねぇ。そんな人を私も初めて見ました。」
そのまんま返された。
いい歳した大人が2人して、変に悪い顔をして、ニンマリ笑いましたよ。ええ。
そんな事を話しながら、僕らは入園しました。
あ、ちゃんと入園料は払いましたよ。
僕の分と玉の分は、あの怪しいパスポートがあるけど、青木さんの分がないから。
青木さんが財布を出そうとするのを玉に目配せして抑えさせて、あっという間に3人分僕が出しました。はい。
市営の施設だし、大した額じゃないし。
あと、ハクセキレイが僕の髪を突いて遊んでんだけど。逃げる気配がないんだけど。
この仔たち、どうしよう。
★ ★ ★
「どっちかなぁ。どっちかなぁ。」
ゲートを潜って早々、前と右をキョロキョロ見比べて、固まっちゃった。
「??。どしたの?玉ちゃん?」
「どっちかなぁって。」
ぽん子にも早く逢いたいし、仲良くなったモルモットとも逢いたい。
玉と言えば玉らしい、迷い道クネクネ。
「順路通りに行きますよ。僕は行けないから、そこで待ってますから。」
「ですか。ですね。待っててねモルちゃん。」
玉はトテトテ小動物コーナーへ走って行った。
「あ、玉ちゃん待ってぇ。」
トテトテ22歳のOLさんが追いかけて行く。
僕は前回、痛い目にあったから、あのコーナーには近寄りません。死角になっているベンチで一休み。
メェメェブウブウキューキュー。
聞こえませんよ。
ヤギとミニ豚とモルモットの鳴き声なんて、全然聞こえません。ええ。ええ。
とはいえねぇ。人差し指を伸ばすと、2羽のハクセキレイがぴょんと飛び跳ねて来た。
君達ねぇ。野生はどこ行った?YASEI?
「ちゅん?」
「ちゅん?」
なんかもう、どうでも良いや。
★ ★ ★
しばらく(たっぷり30分)して、顔が艶々になった2人が帰ってきた。
「あぁ可愛かった、です。」
「モルモットって、向こうから寄ってくるんだ。初めて知った。」
「モルちゃんは玉のお友達なのです。仲良しになったから、玉が行ったら走って来てくれました。」
「玉ちゃんと菊地さんって、やっぱり似たもの夫婦よねぇ。」
因みに僕ですが。
ベンチに腰掛けて、のんびりとハクセキレイで遊んでいると、ハクセキレイが増えちゃいまして。合計5羽の野鳥にたかられてます。
なんだこりゃ。
通りすがりのお客様に遠巻きに囲まれてます。
「なんだこりゃ。」
「なんだこりゃ。」
「なんだこりゃ。」
おや、3人目。
誰かと思ったら飼育員さんか。
「園長からお客様がいらしたと聞きまして、案内をする様に言付かって来たのですが。いきなりやりやがりましたね。」
「ましたね。」
「ええと。どなた?」
「失礼ですが、貴女様は?」
「ちゅんちゅん。」
ハクセキレイって、雀みたいな鳴き方するんだね。
「ちゅん?」
「ちゅん!」
「…殿?佳奈さんと飼育員さんがバチバチですよ。」
「ぽん子に逢いに行こう。さあさあ。」
「……殿ってヘタレですか?」
「巻き込まれても損しかしない未来が見えます。浅葱の力を使うまでもなく。」
「……うわぁい。ぽん子ちゃん、元気かなぁ。」
他人(女性)が混じると、大体酷い目に遭って来た2人なので、そこは玉さんも空気を読んで、僕に併せてくれた。
だよねぇ。
★ ★ ★
「ひゃんひゃん!」
やれやれ。匂いなのか気配なのか、狸舎に近寄ると、ぽん子の泣き声(鳴き声にあらず)が響いて来たよ。
ハイハイ。隣のミーアキャットが驚いて、みんなして立ち上がってます。
「うふふ。ぽん子ちゃん、やっぱり殿がわかるんですねぇ。」
「ひゃんひゃん!」
ぽん子の泣き声を聞いて、何故かあっちで睨み合っていた2人が慌てて駈けて来た。
「よ!元気だったか?」
「わん!」
「すご、たぬきが懐いてる。あの人、普通のお客さんだよねぇ?」
「たぬきって、あんな風に鳴くんだ。」
「わんこみたいね。」
お客さんがコソコソ陰口?を叩かれる中、飼育員さんの案内で裏の入り口に案内される事に。
「ひゃん!」
ぽん!とぽん子は僕の胸に飛び込んでくる。
「よしよし。良い子にしてたか?」
「わん!」
外の客から、そして中に居た立ち会いの3人から、驚嘆と歓声があがる。
上がっても、知らんもんね。
だって、ぽん子が。
「あのね。こんな事があったの。あんな事もあって、ちょっと大変だったの。でも、兄さんも貴方も居なくて、やっぱり寂しかったの。兄さんに言われた通りね。私、寂しがり屋なの。だから、貴方の匂いがしてきて、嬉しかったの。」
とか、一杯喋ってくるから。
うんうんと頷くのに忙しい。
ほんの数日しか経っていないのに、ぽん子がこれだけ話したい事が溜まっていたとはねぇ。
「チュンチュン?」
「くふん」
「チュン!」
「気のせいかな。あの人に止まっている小鳥とたぬきが会話してるよ?」
「種族を越えた会話ねぇ。凄いなぁ」
畜舎の外からは、通りすがりの誰かので会話が聞こえるけど、胸のぽん子と、あたまや肩のハクセキレイが会話している訳で。しかも、その会話の中身も、大した事は話して無いけど、全部聞こえちゃう訳で。
なんだろう、この聞き耳頭巾状態。
「あぁ、ええと。お客さまが見えたら、ぽん子を兄狸と会わせてあげなさいと言われておりますので、その、もし良かったら…。」
「この仔たちが離れようとしないんですけど?」
「ちゅんちゅん!」
「…一応、園長の一木からも聞いております。野生動物はどんな病原菌を持っているかわからないので、私的にはあまりお勧めはしたくないのですが…。」
「だって。」
仕方がないなぁとでも言う様に、やっと5羽とも離れてくれる。
みんな、そこの枝に止まっているけど。
「わ、私もいいのかなぁ?」
「お客様もお客様のご同行者ですから、お客様だけハブにしたら叱られますので。」
「なんか、私にだけ、当たり強くない?」
「気のせいですよ。割と当たりな男性を見つけたら、女子を2人も引き連れてる誑しだとわかって、この感情を何処にぶつけたら良いのかわからなくて、とりあえず振り回しているだけです。」
「あのね。あの人、相当な鈍チンだよ。私達よりたぬきが可愛いの。要らん事考えないで、一生懸命職務に励んだ方が多分良いよ。」
「多分とは?」
「私も自分の気持ちがよくわからないし、今までの自分から考えると相当図々しい事してるけど、ほら本人は。」
何やら聞こえてますけど、ぽん子がせがむので胸にしっかりと抱えて医務室に向かいます。
ハクセキレイが後を飛んで追いかけてきますけど。
その内1羽は玉の肩に止まったりして、玉はだらしがない顔をしたまま僕についで来ます。
そんな2人と1頭と5羽を見送る2人は呆れ顔だったそうです。
「あんなのを、どう扱ったら良いのか、私にはわかりません。あんな人、初めて見ましたから。」
「むう。私じゃ公務員って以外は武器何もないじゃないのよ。」
「だから、玉ちゃんも貴女も、(ついでに多分私も)、どうしてあんな意味不明な人が良いのよ?」
「それがわかったら苦労しません!」
隣に有名なアミューズメント施設があるからなのかな。あぁ、空がそろそろ秋から冬に代わって来たな。
そろそろ冬物を出さないと。
「………殿?……。」
「なんですか?一生懸命現実逃避してんです。」
「……これかぁ……。」
青木さんに呆れた声を上げられた。
けど、知らん顔。
「どれです?」
「ママ、あの人すごいねぇ。」
「ねぇ。何がどうなっているのかしらね。」
通りすがりの親娘に、少し離れたところで感心されてる。
それは何故か?
白黒の野鳥が2羽。僕の頭と肩に止まって、チュンチュン鳴いているからだ。
何これ?
「ハクセキレイですね。水辺を好む野鳥です。」
おや、一木さん。
スーツ姿に白いハットを被った年配の男性に頭を下げられた。僕も静かに会釈を返すと、慌てて頭を下げる玉と青木さんの「慌てぶり」がちょっと可笑しくて見えない様に笑っちゃう。
「む?むむむ?」
あ。笑った事が玉にはバレた様だ。ちょっと頬っぺたを膨らましてる。
「ちょうど今、出勤して来たんですが、貴方と会えるとは何たる僥倖。」
「僥倖って言葉を本当に口にする人、初めて見ました。」
「野鳥を懐かせる人は良くいますけど、鳥の方から懐いてくる人は貴方くらいでしょうねぇ。そんな人を私も初めて見ました。」
そのまんま返された。
いい歳した大人が2人して、変に悪い顔をして、ニンマリ笑いましたよ。ええ。
そんな事を話しながら、僕らは入園しました。
あ、ちゃんと入園料は払いましたよ。
僕の分と玉の分は、あの怪しいパスポートがあるけど、青木さんの分がないから。
青木さんが財布を出そうとするのを玉に目配せして抑えさせて、あっという間に3人分僕が出しました。はい。
市営の施設だし、大した額じゃないし。
あと、ハクセキレイが僕の髪を突いて遊んでんだけど。逃げる気配がないんだけど。
この仔たち、どうしよう。
★ ★ ★
「どっちかなぁ。どっちかなぁ。」
ゲートを潜って早々、前と右をキョロキョロ見比べて、固まっちゃった。
「??。どしたの?玉ちゃん?」
「どっちかなぁって。」
ぽん子にも早く逢いたいし、仲良くなったモルモットとも逢いたい。
玉と言えば玉らしい、迷い道クネクネ。
「順路通りに行きますよ。僕は行けないから、そこで待ってますから。」
「ですか。ですね。待っててねモルちゃん。」
玉はトテトテ小動物コーナーへ走って行った。
「あ、玉ちゃん待ってぇ。」
トテトテ22歳のOLさんが追いかけて行く。
僕は前回、痛い目にあったから、あのコーナーには近寄りません。死角になっているベンチで一休み。
メェメェブウブウキューキュー。
聞こえませんよ。
ヤギとミニ豚とモルモットの鳴き声なんて、全然聞こえません。ええ。ええ。
とはいえねぇ。人差し指を伸ばすと、2羽のハクセキレイがぴょんと飛び跳ねて来た。
君達ねぇ。野生はどこ行った?YASEI?
「ちゅん?」
「ちゅん?」
なんかもう、どうでも良いや。
★ ★ ★
しばらく(たっぷり30分)して、顔が艶々になった2人が帰ってきた。
「あぁ可愛かった、です。」
「モルモットって、向こうから寄ってくるんだ。初めて知った。」
「モルちゃんは玉のお友達なのです。仲良しになったから、玉が行ったら走って来てくれました。」
「玉ちゃんと菊地さんって、やっぱり似たもの夫婦よねぇ。」
因みに僕ですが。
ベンチに腰掛けて、のんびりとハクセキレイで遊んでいると、ハクセキレイが増えちゃいまして。合計5羽の野鳥にたかられてます。
なんだこりゃ。
通りすがりのお客様に遠巻きに囲まれてます。
「なんだこりゃ。」
「なんだこりゃ。」
「なんだこりゃ。」
おや、3人目。
誰かと思ったら飼育員さんか。
「園長からお客様がいらしたと聞きまして、案内をする様に言付かって来たのですが。いきなりやりやがりましたね。」
「ましたね。」
「ええと。どなた?」
「失礼ですが、貴女様は?」
「ちゅんちゅん。」
ハクセキレイって、雀みたいな鳴き方するんだね。
「ちゅん?」
「ちゅん!」
「…殿?佳奈さんと飼育員さんがバチバチですよ。」
「ぽん子に逢いに行こう。さあさあ。」
「……殿ってヘタレですか?」
「巻き込まれても損しかしない未来が見えます。浅葱の力を使うまでもなく。」
「……うわぁい。ぽん子ちゃん、元気かなぁ。」
他人(女性)が混じると、大体酷い目に遭って来た2人なので、そこは玉さんも空気を読んで、僕に併せてくれた。
だよねぇ。
★ ★ ★
「ひゃんひゃん!」
やれやれ。匂いなのか気配なのか、狸舎に近寄ると、ぽん子の泣き声(鳴き声にあらず)が響いて来たよ。
ハイハイ。隣のミーアキャットが驚いて、みんなして立ち上がってます。
「うふふ。ぽん子ちゃん、やっぱり殿がわかるんですねぇ。」
「ひゃんひゃん!」
ぽん子の泣き声を聞いて、何故かあっちで睨み合っていた2人が慌てて駈けて来た。
「よ!元気だったか?」
「わん!」
「すご、たぬきが懐いてる。あの人、普通のお客さんだよねぇ?」
「たぬきって、あんな風に鳴くんだ。」
「わんこみたいね。」
お客さんがコソコソ陰口?を叩かれる中、飼育員さんの案内で裏の入り口に案内される事に。
「ひゃん!」
ぽん!とぽん子は僕の胸に飛び込んでくる。
「よしよし。良い子にしてたか?」
「わん!」
外の客から、そして中に居た立ち会いの3人から、驚嘆と歓声があがる。
上がっても、知らんもんね。
だって、ぽん子が。
「あのね。こんな事があったの。あんな事もあって、ちょっと大変だったの。でも、兄さんも貴方も居なくて、やっぱり寂しかったの。兄さんに言われた通りね。私、寂しがり屋なの。だから、貴方の匂いがしてきて、嬉しかったの。」
とか、一杯喋ってくるから。
うんうんと頷くのに忙しい。
ほんの数日しか経っていないのに、ぽん子がこれだけ話したい事が溜まっていたとはねぇ。
「チュンチュン?」
「くふん」
「チュン!」
「気のせいかな。あの人に止まっている小鳥とたぬきが会話してるよ?」
「種族を越えた会話ねぇ。凄いなぁ」
畜舎の外からは、通りすがりの誰かので会話が聞こえるけど、胸のぽん子と、あたまや肩のハクセキレイが会話している訳で。しかも、その会話の中身も、大した事は話して無いけど、全部聞こえちゃう訳で。
なんだろう、この聞き耳頭巾状態。
「あぁ、ええと。お客さまが見えたら、ぽん子を兄狸と会わせてあげなさいと言われておりますので、その、もし良かったら…。」
「この仔たちが離れようとしないんですけど?」
「ちゅんちゅん!」
「…一応、園長の一木からも聞いております。野生動物はどんな病原菌を持っているかわからないので、私的にはあまりお勧めはしたくないのですが…。」
「だって。」
仕方がないなぁとでも言う様に、やっと5羽とも離れてくれる。
みんな、そこの枝に止まっているけど。
「わ、私もいいのかなぁ?」
「お客様もお客様のご同行者ですから、お客様だけハブにしたら叱られますので。」
「なんか、私にだけ、当たり強くない?」
「気のせいですよ。割と当たりな男性を見つけたら、女子を2人も引き連れてる誑しだとわかって、この感情を何処にぶつけたら良いのかわからなくて、とりあえず振り回しているだけです。」
「あのね。あの人、相当な鈍チンだよ。私達よりたぬきが可愛いの。要らん事考えないで、一生懸命職務に励んだ方が多分良いよ。」
「多分とは?」
「私も自分の気持ちがよくわからないし、今までの自分から考えると相当図々しい事してるけど、ほら本人は。」
何やら聞こえてますけど、ぽん子がせがむので胸にしっかりと抱えて医務室に向かいます。
ハクセキレイが後を飛んで追いかけてきますけど。
その内1羽は玉の肩に止まったりして、玉はだらしがない顔をしたまま僕についで来ます。
そんな2人と1頭と5羽を見送る2人は呆れ顔だったそうです。
「あんなのを、どう扱ったら良いのか、私にはわかりません。あんな人、初めて見ましたから。」
「むう。私じゃ公務員って以外は武器何もないじゃないのよ。」
「だから、玉ちゃんも貴女も、(ついでに多分私も)、どうしてあんな意味不明な人が良いのよ?」
「それがわかったら苦労しません!」
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