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第一章 開店
だらだら
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とてとてとてとて。
「とてとて。」
「玉ちゃん、待ってよ。」
それなりに衝撃的な話(青木さんには)をした筈だけど、玉は隣の自分の家に走って行ってしまい、青木さんはそんな玉を追いかけて行ってしまった。
さてねぇ。あの2人はまとめて一緒にいた方が多分、精神的に良い様な気もする。
2人が去ったこの部屋には、浅葱本家の仏壇と神棚がある。今日も仏花も榊も綺麗に取り替えられている。
誰があげているんだか。
仏壇に線香を上げて、神棚には御神酒を捧げて。
…あと、やる事なくなっちゃったよ。
だってねぇ。いつの時代設定なのか知らないけど、亡くなって久しいお婆ちゃんとは逢えないし。というか、この家には人の気配が全く感じない。
ただ、心なしか明るくなって、空気が清廉になってる。聖域ほどの気持ち良さは感じない。何故かな。
「ふひぃ。」
ソファに寝転がってみる。
おわっ。
座った時も立ち上がるのに気合いが必要だったけど、身体が沈む沈む。
どれだけお高いソファだよ。
僕んちのは、お値段以上がキャッチフレーズの店で適当に買った安物なのに。
もっとも、玉は座椅子で、大抵脊椎をを失くして溶けている事が多いし、青木さんは何故か座らずにうろうろしている印象が強い。
うちのソファに座ってるの、僕だけか?
などなどと。
どうでもいい事をだらだらと考えていたら、寝ちゃいました。ぐう。
★ ★ ★
「との、との。」
ぐうぐう。
「との、との、との。」
ぐうぐうぐう。
「寝息で返事してます。こうなったら、佳奈さん?」
「え?そんな事するの?」
ぐう。
「おーきーろー!」
「わぁ!」
目を覚ましたら、何故か青木さんにのしかかれてました。
なんで?
「この先どうなるかわからないけど、取り敢えず玉ちゃんと菊地さんとの距離を縮める事にしました。」
「それで何故僕にボディアタックを決めているんですか?」
「玉ちゃんの代理です。」
「です。」
意味がわからない。
「殿を起こしてとの玉ちゃんの依頼を聞き、菊地さんにボディタッチした訳です。多少開き直ったとはいえ、男性の身体に乗っかった私の勇気を賞しなさい。」
「なさい。」
意味がわからない。
「と言う訳で決めました。」
「ました。」
「私も浅葱の人間で、玉ちゃん達と縁が繋がってしまった以上、覚悟を決めます。」
「ます。」
「私、菊地さんの隣に越します。そして、菊地さんがする事のお手伝いします。」
「そしていずれは殿の御内儀に。」
「そこまでは考えてません。」
「はぁ。」
意味がわかりたくなかった。
★ ★ ★
要は、僕の話を聞いて平気な顔こそしてたけど、実は結構な衝撃を受けた、と。
僕達と交流を持つ様になってから、あり得ない事が普通になって、そのあり得ない事を普通に受け止めている自分が、なんとなく納得いかなかったと。
それを察した玉が、私が席を外せば僕なり玉なりと2人きりになって、本音を話すのではないか?って思い立ち、とてとて言いながら、とてとて去ったら、とてとて追いかけて来た、と。
相変わらず食えない巫女さんだ。
僕はそんな事、一言も考えなかったぞ。
「それも殿なのです。」
「なるほど。大事なところで菊地さんが玉ちゃんに敵わない筈だ。」
僕と玉は一回り以上、歳の差が有る筈だけどなぁ。
「それで、私は何をしたらいいのかしら。」
「それで、玉は何をしたらいいかかしら。」
2人して首の右に傾げる。
「玉はやる事は変わらない。巫女の修行を積む事だ。」
「ふむ。」
「青木さんは、正直どうしたらいいかわからない。」
「ふむらない。」
この人は時々不思議な日本語を造語するなぁ。
僕が何をしたらいいのかわからないのに、普通のOLさんが何をすべきかなんてわかる筈がない。
「菊地さんには、本当にしたい事って無いの?」
「有るには有る。」
★ ★ ★
「前に玉には話した事が有るけど、商売だ。それも、過去の世界で。」
「はあ。」
「ただこれもね、現代の技術を過去の人が見たら驚くだろうな、って深い事は何も考えていない思いつきだし、ある程度の事は玉で試しちゃって満足してんだ。」
「玉も玉で、殿のする事に慣れちゃったので、驚けなくなっちゃってますし。」
「駄目やん。」
駄目やねぇ。
「ところがだね。開店準備は何故か着々と整い始めているんだ。君が閉じ込められていたあの空間には、今お金が詰まってる。」
「マジか!」
「鎌倉初期に流通していた宋銭で、値崩れするほど有るよ。だから、現代で売っても二束三文だけどね。」
「マジかぁ…。」
ガッカリしてどうする。
「なので、多分その方向に僕らは流れていくんだと思う。」
「…流して、じゃないんですね。」
「どうやらね、僕が市川に引っ越して来たところから、一本、線が引かれているっぽいんだ。」
僕と青木さんの先祖であろう国麻呂さんと逢った事は内緒にしておく。
ややこしくなるから。
「リストラされて寮を追い出されたからと言って、上京以来住み慣れた板橋から離れる必要も無かったのに、何故か土地勘の無いわざわざ市川まで来て、散歩していたから玉に逢えた。玉とご飯を食べた近所にたまたま自然公園があったから散歩に行って、青木さんに逢えた。あの茶店を手に入れる事が出来た。」
「………。」
「どうもね、この“たまたま“と“わざわざ“は、全部繋がっているらしい。くっさい言い方をするなら運命ってやつだ。」
「殿、それは確かにくっさいです。」
「玉、忘れちゃいけないよ。浅葱の力は運命に干渉出来る力だ。当然、その逆の運命を引き寄せる力でもあるんだ。」
★ ★ ★
「ただいま。」
やる事を今日も全部やって、部屋に戻って来た。
「お帰りなさい玉と仲間達。」
不思議な挨拶をして、玉は巫女装束をハンガーに掛け出す。御神刀は明日社に戻すのを忘れない様に、袂に引っ掛けている。
「玉ちゃん、その巫女さん服にアイロン掛けはしないの?」
「殿はアイロンをお持ちではないので。」
「おい、社会人?」
ジト目でOLに絡まれた。
「僕は無職だし。」
「威張んな!勤めている時のアイロン掛けはどうしてたのよ。」
「クリーニング屋。」
「………。」
「………。」
「なるほど、男寡で下手にやるよりはよっぽど正解だね。」
「でも、今は玉がいますよ。」
これはあれか?買えと言う催促か?
『買え』
と、巫女装束(玉のお母さん)にまで言われたの。
なんなの、我が家における僕の立ち位置。
★ ★ ★
ところで、水晶玉の中と現界では時間の流れが違う。聖域でどれだけ長い時間仕事をしてようと、外に出ると殆ど時間が経過していない。
なので朝っぱらから青木さんに襲撃された今日はまだ9時前だ。
「でも色々あり過ぎたので、お腹が空きました。」
「右に同じですわ。」
「ですわ。」
うちの欠食姉妹が空腹を訴え出したので、まだ電気屋が開店するには早いけれど、何処かの喫茶店でモーニングでも頼もうって事で、ガヤガヤと出かける事にした。
君らさ、柿と黒糖饅頭を食べてたでしょ?
崖下の駐車場まで3人でガヤガヤ歩く。
「ここに住むとなると、買い物はやはり駅前なのね。」
「でも、ご飯は殿にたかれますし、何かこれって買う物ありますか?」
青木さんは僕の扶養家族になるらしい。
「そうねぇ。本やDVDくらいかしらね。着る物は時々ショッピングモールでまとめ買いするけど。あれ?あまり困らない?」
食べ物と飲み物がいくらでも自由には手に入るなら、娯楽品か消耗品くらいしか必要無いんですよ。
「石鹸や洗剤も殿は出せますよ。」
「この人便利ねぇ。」
「玉の自慢の殿です。」
「歩くアマ◯ンね。」
なんとでも言いなさい。
だらだらと通りすがりの喫茶店で
だらだらとくっちゃべり
女の子って、よく喋るなぁと思った事を叱られて(理不尽)
だらだらと車を走らせて
だらだらとか量販店を見つけて入った
だらだら。
「この辺がアイロンゾーンね。」
「わぁ。」
白物家電に真っ直ぐ向かい、勢い余って通り過ぎる玉の襟を青木さんが掴む。
追いかけるおじさんを少しは気遣ってくれないかなぁ。
「菊地さん、年齢は?」
「28。」
「まだ大丈夫。さ来年からおじさん。」
「玉の倍有りました。」
だから僕に嫁入りとか、少しは考えなさい。
「ん?玉の時代だと、このくらい珍しく有りませんから。」
「私とは6年差かぁ。小学校丸々過ぎちゃうね。」
「だから君らね。」
例によって玉は一番安いのを選ぶので、青木さんに玉を羽交締めにしてもらい、一番高いものを選択。
「うぎゃあ。」
悲鳴を上げる事でもあるまいに。
「高いのと、安いの。どこが違うの?」
「使った事無いからわかりません。」
「そんな、自分の家で使う物でしょ。高ければ良いって訳じゃないでしょ?」
「青木さんにも買ったげようか?」
「アイロンが2つあっても困ります。」
「殿殿、せめてその2番目のやつを…。」
「さぁ最高級アイロン台はどこだろう。」
「うぎゃぎゃあ。」
「面白い家族ねぇ。玉ちゃん高いもの恐怖症なの?」
「殿と一緒に住む様になったらわかります。佳奈さん?覚悟しておきなさい。」
そんな感じで、1日だらだらと買い物の荷物持ちに付き添いました。
まぁ、青木さん有給取ってたしね。
願わくば、彼女達にとって有意義な1日であるように。
だらだら。
「とてとて。」
「玉ちゃん、待ってよ。」
それなりに衝撃的な話(青木さんには)をした筈だけど、玉は隣の自分の家に走って行ってしまい、青木さんはそんな玉を追いかけて行ってしまった。
さてねぇ。あの2人はまとめて一緒にいた方が多分、精神的に良い様な気もする。
2人が去ったこの部屋には、浅葱本家の仏壇と神棚がある。今日も仏花も榊も綺麗に取り替えられている。
誰があげているんだか。
仏壇に線香を上げて、神棚には御神酒を捧げて。
…あと、やる事なくなっちゃったよ。
だってねぇ。いつの時代設定なのか知らないけど、亡くなって久しいお婆ちゃんとは逢えないし。というか、この家には人の気配が全く感じない。
ただ、心なしか明るくなって、空気が清廉になってる。聖域ほどの気持ち良さは感じない。何故かな。
「ふひぃ。」
ソファに寝転がってみる。
おわっ。
座った時も立ち上がるのに気合いが必要だったけど、身体が沈む沈む。
どれだけお高いソファだよ。
僕んちのは、お値段以上がキャッチフレーズの店で適当に買った安物なのに。
もっとも、玉は座椅子で、大抵脊椎をを失くして溶けている事が多いし、青木さんは何故か座らずにうろうろしている印象が強い。
うちのソファに座ってるの、僕だけか?
などなどと。
どうでもいい事をだらだらと考えていたら、寝ちゃいました。ぐう。
★ ★ ★
「との、との。」
ぐうぐう。
「との、との、との。」
ぐうぐうぐう。
「寝息で返事してます。こうなったら、佳奈さん?」
「え?そんな事するの?」
ぐう。
「おーきーろー!」
「わぁ!」
目を覚ましたら、何故か青木さんにのしかかれてました。
なんで?
「この先どうなるかわからないけど、取り敢えず玉ちゃんと菊地さんとの距離を縮める事にしました。」
「それで何故僕にボディアタックを決めているんですか?」
「玉ちゃんの代理です。」
「です。」
意味がわからない。
「殿を起こしてとの玉ちゃんの依頼を聞き、菊地さんにボディタッチした訳です。多少開き直ったとはいえ、男性の身体に乗っかった私の勇気を賞しなさい。」
「なさい。」
意味がわからない。
「と言う訳で決めました。」
「ました。」
「私も浅葱の人間で、玉ちゃん達と縁が繋がってしまった以上、覚悟を決めます。」
「ます。」
「私、菊地さんの隣に越します。そして、菊地さんがする事のお手伝いします。」
「そしていずれは殿の御内儀に。」
「そこまでは考えてません。」
「はぁ。」
意味がわかりたくなかった。
★ ★ ★
要は、僕の話を聞いて平気な顔こそしてたけど、実は結構な衝撃を受けた、と。
僕達と交流を持つ様になってから、あり得ない事が普通になって、そのあり得ない事を普通に受け止めている自分が、なんとなく納得いかなかったと。
それを察した玉が、私が席を外せば僕なり玉なりと2人きりになって、本音を話すのではないか?って思い立ち、とてとて言いながら、とてとて去ったら、とてとて追いかけて来た、と。
相変わらず食えない巫女さんだ。
僕はそんな事、一言も考えなかったぞ。
「それも殿なのです。」
「なるほど。大事なところで菊地さんが玉ちゃんに敵わない筈だ。」
僕と玉は一回り以上、歳の差が有る筈だけどなぁ。
「それで、私は何をしたらいいのかしら。」
「それで、玉は何をしたらいいかかしら。」
2人して首の右に傾げる。
「玉はやる事は変わらない。巫女の修行を積む事だ。」
「ふむ。」
「青木さんは、正直どうしたらいいかわからない。」
「ふむらない。」
この人は時々不思議な日本語を造語するなぁ。
僕が何をしたらいいのかわからないのに、普通のOLさんが何をすべきかなんてわかる筈がない。
「菊地さんには、本当にしたい事って無いの?」
「有るには有る。」
★ ★ ★
「前に玉には話した事が有るけど、商売だ。それも、過去の世界で。」
「はあ。」
「ただこれもね、現代の技術を過去の人が見たら驚くだろうな、って深い事は何も考えていない思いつきだし、ある程度の事は玉で試しちゃって満足してんだ。」
「玉も玉で、殿のする事に慣れちゃったので、驚けなくなっちゃってますし。」
「駄目やん。」
駄目やねぇ。
「ところがだね。開店準備は何故か着々と整い始めているんだ。君が閉じ込められていたあの空間には、今お金が詰まってる。」
「マジか!」
「鎌倉初期に流通していた宋銭で、値崩れするほど有るよ。だから、現代で売っても二束三文だけどね。」
「マジかぁ…。」
ガッカリしてどうする。
「なので、多分その方向に僕らは流れていくんだと思う。」
「…流して、じゃないんですね。」
「どうやらね、僕が市川に引っ越して来たところから、一本、線が引かれているっぽいんだ。」
僕と青木さんの先祖であろう国麻呂さんと逢った事は内緒にしておく。
ややこしくなるから。
「リストラされて寮を追い出されたからと言って、上京以来住み慣れた板橋から離れる必要も無かったのに、何故か土地勘の無いわざわざ市川まで来て、散歩していたから玉に逢えた。玉とご飯を食べた近所にたまたま自然公園があったから散歩に行って、青木さんに逢えた。あの茶店を手に入れる事が出来た。」
「………。」
「どうもね、この“たまたま“と“わざわざ“は、全部繋がっているらしい。くっさい言い方をするなら運命ってやつだ。」
「殿、それは確かにくっさいです。」
「玉、忘れちゃいけないよ。浅葱の力は運命に干渉出来る力だ。当然、その逆の運命を引き寄せる力でもあるんだ。」
★ ★ ★
「ただいま。」
やる事を今日も全部やって、部屋に戻って来た。
「お帰りなさい玉と仲間達。」
不思議な挨拶をして、玉は巫女装束をハンガーに掛け出す。御神刀は明日社に戻すのを忘れない様に、袂に引っ掛けている。
「玉ちゃん、その巫女さん服にアイロン掛けはしないの?」
「殿はアイロンをお持ちではないので。」
「おい、社会人?」
ジト目でOLに絡まれた。
「僕は無職だし。」
「威張んな!勤めている時のアイロン掛けはどうしてたのよ。」
「クリーニング屋。」
「………。」
「………。」
「なるほど、男寡で下手にやるよりはよっぽど正解だね。」
「でも、今は玉がいますよ。」
これはあれか?買えと言う催促か?
『買え』
と、巫女装束(玉のお母さん)にまで言われたの。
なんなの、我が家における僕の立ち位置。
★ ★ ★
ところで、水晶玉の中と現界では時間の流れが違う。聖域でどれだけ長い時間仕事をしてようと、外に出ると殆ど時間が経過していない。
なので朝っぱらから青木さんに襲撃された今日はまだ9時前だ。
「でも色々あり過ぎたので、お腹が空きました。」
「右に同じですわ。」
「ですわ。」
うちの欠食姉妹が空腹を訴え出したので、まだ電気屋が開店するには早いけれど、何処かの喫茶店でモーニングでも頼もうって事で、ガヤガヤと出かける事にした。
君らさ、柿と黒糖饅頭を食べてたでしょ?
崖下の駐車場まで3人でガヤガヤ歩く。
「ここに住むとなると、買い物はやはり駅前なのね。」
「でも、ご飯は殿にたかれますし、何かこれって買う物ありますか?」
青木さんは僕の扶養家族になるらしい。
「そうねぇ。本やDVDくらいかしらね。着る物は時々ショッピングモールでまとめ買いするけど。あれ?あまり困らない?」
食べ物と飲み物がいくらでも自由には手に入るなら、娯楽品か消耗品くらいしか必要無いんですよ。
「石鹸や洗剤も殿は出せますよ。」
「この人便利ねぇ。」
「玉の自慢の殿です。」
「歩くアマ◯ンね。」
なんとでも言いなさい。
だらだらと通りすがりの喫茶店で
だらだらとくっちゃべり
女の子って、よく喋るなぁと思った事を叱られて(理不尽)
だらだらと車を走らせて
だらだらとか量販店を見つけて入った
だらだら。
「この辺がアイロンゾーンね。」
「わぁ。」
白物家電に真っ直ぐ向かい、勢い余って通り過ぎる玉の襟を青木さんが掴む。
追いかけるおじさんを少しは気遣ってくれないかなぁ。
「菊地さん、年齢は?」
「28。」
「まだ大丈夫。さ来年からおじさん。」
「玉の倍有りました。」
だから僕に嫁入りとか、少しは考えなさい。
「ん?玉の時代だと、このくらい珍しく有りませんから。」
「私とは6年差かぁ。小学校丸々過ぎちゃうね。」
「だから君らね。」
例によって玉は一番安いのを選ぶので、青木さんに玉を羽交締めにしてもらい、一番高いものを選択。
「うぎゃあ。」
悲鳴を上げる事でもあるまいに。
「高いのと、安いの。どこが違うの?」
「使った事無いからわかりません。」
「そんな、自分の家で使う物でしょ。高ければ良いって訳じゃないでしょ?」
「青木さんにも買ったげようか?」
「アイロンが2つあっても困ります。」
「殿殿、せめてその2番目のやつを…。」
「さぁ最高級アイロン台はどこだろう。」
「うぎゃぎゃあ。」
「面白い家族ねぇ。玉ちゃん高いもの恐怖症なの?」
「殿と一緒に住む様になったらわかります。佳奈さん?覚悟しておきなさい。」
そんな感じで、1日だらだらと買い物の荷物持ちに付き添いました。
まぁ、青木さん有給取ってたしね。
願わくば、彼女達にとって有意義な1日であるように。
だらだら。
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