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特訓
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瑞穂くんは、何度も何度も僕に打ち据えられて、道場の床に頽れた。
そして頽れるたびに立ち上がって立ち向かって来た。
「マダマダ!」
「はいはい。」
そして、その度に僕は彼女を攻めまくった。
いや、まくっていないか。
何故なら僕が瑞穂くんを瞬殺し続けているから。
その女性としては大柄な肉体に、無駄なく付くしなやかな細やかな筋肉が高速かつ光速な動きで僕に襲いかかって来るけれど、僕は最小限の動きで瑞穂くんの前に立ち塞がり、瑞穂くんの竹刀より先に動き、的確に瑞穂くんの面を捉え続ける。
僕の剣で力を入れて面を撃つと、脳震盪なりなんなり起こす可能性があるので、極限まで力を抜いている。
瑞穂くんにはそれがわかるので、それこそムキになって僕に勝負を挑んでくる訳だ。
僕としては、将来のお嫁さん(笑)がパンチドランカーになっても困るので、言葉は悪いけど手を抜きまくっている。
いわゆる先の先を読みまくっているだけだ。
瑞穂くんがどんなに早かろうと、速かろうと、次に何をやるか推測出来れば対処は容易い。
けど、いずれその推測が当たらなくなった時、この子はどんな剣士になっているのかね。
1度1度の立ち会いは僅か数秒。
その数秒の間に、瑞穂くんは高速で踏み込んで来るのを、僕が正面から跳ね返す。
体力的な消耗は大した事はなくても、精神的な消耗は激しい筈だ。
………
今が稽古を開始して何分経過したのか、わからない。
そして高速剣法を得意とする瑞穂くんから速さが消えつつあった。
そろそろかな。
「瑞穂くん。」
「ハイ。」
「いくぜ。耐えろ。」
「ハ?」
実は僕はここまで、貯めに貯めて、溜めに溜めて来た物がある。
だからあえて積極的に出なかった。
胸に、腹に、脳に。
たっぷりと溜めた「剣気」を思い切り瑞穂くんに叩きつけた。
「フギャ」
全然萌えない悲鳴を上げた瑞穂くんは、そのまま道場の端まで飛んで行った。
たぁまやぁぁぁぁ。
………
「これはちょっと酷くない?」
「ひょっとして、あれが師匠…。」
「今、竹刀当たってなかったよね。」
「あれ?」
知らないうちに婦警さんが集まっていた。
あれ、もうそんな時間か。
やれやれ、少しコンを詰め過ぎたかな。
まぁ、そこまでしないと、瑞穂くんが諦めないからなぁ。
「マダダァ!ヒカリ!」
…諦めてないのかよ。
……….
竹刀を杖にぶらりと立ち上がった瑞穂くんは、バミリ位置までヨタヨタ歩いて、青眼の構えをとった。
足元がふらふらになっている。
既に体力は限界、僅かに残った気力だけで立ち上がったのだろう。
別に限界の向こう側に行ったところで、何か変わるとは思えないんだけどな。
ま、いっか。
「イヤァ!」
「!!」
いや、これはもしかして。
「イキマス!」
「来い!瑞穂!」
「へ?エ?」
あれ、腰砕けになって頽れちゃった。
もしかしてって思ったんだけどなぁ。
………
「お前、何をした?」
完全に気絶しちゃった瑞穂くんを、婦警さん達がエアコンの下に「エッホエッホ」と、両手足を抱えて運んでくれた。
って言うか、なんでみんな制服姿なんだよ。
外観はただの農家な我が家に婦警がうじゃうじゃいると、ご近所さんに目立つだろ。
ご近所さんは、隣のお寺さんだけしかないけど。
何故かみんな知ってるエアコンにスイッチを入れて、タオルで枕を作って、濡れタオルを額に当てて。
あと、勝手に冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出している。
気絶してんのに、面を外すってやり難いだろうなぁ。
僕が手伝ったらセクハラになるんだろうなぁ。
セクハラになるかどうかを警察官と議論したくないよなぁ。
とか、一瞬で頭の中をぐるぐる掻き回していた僕に話しかけて来たのは祖父だった。
あ、あと新婚ゴリラもいた。
「時々瑞穂くんには、彼女の希望であそこまでやるんですよ。」
「お前、婚約者にも容赦ないのな。」
尻に敷かれゴリラは黙っててください。
「爺ちゃん、いつから見てたの?」
「ふん。」
鏡の上の掛け時計と、後藤警部補の顔を見た祖父が言うには。
「かれこれ15分くらい前かな。」
「そんなに前から?」
「って言うか、お前らいつからやってんだ?」
「ええと、朝ご飯を食べて庭の掃除をした後だから、8時ちょっと前くらいかな。」
「今何時だよ。」
「……9時です。」
え?
そんなに長いことやってたの?
そりゃ、瑞穂くんの体力も尽きる…ってはあ?
「大体、俺たちが入って来たの2人とも気がついてなかったろ。」
「はぁまぁ。」
………
しばらくして瑞穂くんが起き上がって来た。
婦警さん達は、その姿を見て更衣室に入って行った。
僅か2畳の、元の集会所だと倉庫になっていたスペースに誰かが勝手に畳を敷いて、誰かが勝手にカラーボックスを並べた、多分持ち主の僕が知らない更衣室だ。
どうも、県警道場に余っていた物を誰かが勝手に運び込んだものらしい。
って事は、これ、税金で買った公共財じあないの?
「すまんな。今年の全警大の代表を決める予定が道場を使われててな。借りるぞ。」
「後藤さん。そんな重大な選考を民間人の家でやりますか?しかも勝手に。」
「お前んちの電話やお前達の携帯に電話しても繋がらねぇんだもんよ。だから警視監に頼んだ。ちと借りるぞ。」
「爺ちゃん?」
「いいから光はます面を外せ。話し難くてたまらねぇ。」
あ、そういえば。
………
今日来たのは4人。
このうち2人が県代表として武道館に行くらしい。
なので、10分間の乱取りをさせて選考材料にするみたい。
「こいつらは、阿部や田中に勝てる連中なんだよ。うちとしては全国に通用するメンツだと思うんだけどよ。」
髪の毛がビチョビチョになるほど汗をかいたんだから、瑞穂くんは大人しく座っていなさい。
ほら、これ飲んで。
で、その隣に僕が胡座をかき、更に隣に後藤さんが正座をした。
後藤さん、今日はスーツ姿なんだから、スラックスに皺がよっても知りませんよ。
「で、お前から見てどう思う?」
「僕に聞いてどうするんですか?」
「参考だよ、参考。」
「はぁ。」
まぁ確かに。
腰の落ち方。
体幹の安定性。
技の切り返しと速さ。
見た目からして、あの2人よりも強い事はわかる。
あの2人、サラッと全国優勝しやがるけど、それはあくまでも「学生」の中の話。
今、僕の目の前で戦っている4人は、僕の目からだと甲乙付け難い。
「光。」
爺ちゃんが複雑な顔をしている。
「なんですか?」
「最後、瑞穂どうなった?」
「あ、わかりましたか。」
「まぁ、伊達に剣道の師範免状を持っているわけじゃないから。''化ける瞬間''なら何度も見てきたからよ。」
「ですよね。あの時の瑞穂くんから何も見えなくなったんですよ。まるで爺ちゃんと立ち合う時みたいに。」
「なるほど。読めなくなったか。」
瑞穂くんの隣で腕を組んで婦警達の乱取りを見ていた祖父は、視線を婦警達から外さないまましゃがんだ。
「おい瑞穂。あの時、何があった?」
「ワカンナイ。」
「…そうか。」
我が一派の特徴たる、「剣道の言語化」って簡単に出来るものじゃないよね。
「だって、初めてヒカリに瑞穂ッテ呼び捨てにサレタカラ、何にもワカラナクナッチャッタ。」
「そ、そうか。」
その後、僕が爺ちゃんから、何故家族で許嫁で婚約者を呼び捨てにしてないんだ、と怒られた。
理不尽。
あと、話を聞いた婦警さんにも怒られた。
顔見知りじゃないし、多分皆さん初対面ですよね。
「それとこれとは話が下手!」
「私達は女の子の味方をします。」
理不尽だ。
そして頽れるたびに立ち上がって立ち向かって来た。
「マダマダ!」
「はいはい。」
そして、その度に僕は彼女を攻めまくった。
いや、まくっていないか。
何故なら僕が瑞穂くんを瞬殺し続けているから。
その女性としては大柄な肉体に、無駄なく付くしなやかな細やかな筋肉が高速かつ光速な動きで僕に襲いかかって来るけれど、僕は最小限の動きで瑞穂くんの前に立ち塞がり、瑞穂くんの竹刀より先に動き、的確に瑞穂くんの面を捉え続ける。
僕の剣で力を入れて面を撃つと、脳震盪なりなんなり起こす可能性があるので、極限まで力を抜いている。
瑞穂くんにはそれがわかるので、それこそムキになって僕に勝負を挑んでくる訳だ。
僕としては、将来のお嫁さん(笑)がパンチドランカーになっても困るので、言葉は悪いけど手を抜きまくっている。
いわゆる先の先を読みまくっているだけだ。
瑞穂くんがどんなに早かろうと、速かろうと、次に何をやるか推測出来れば対処は容易い。
けど、いずれその推測が当たらなくなった時、この子はどんな剣士になっているのかね。
1度1度の立ち会いは僅か数秒。
その数秒の間に、瑞穂くんは高速で踏み込んで来るのを、僕が正面から跳ね返す。
体力的な消耗は大した事はなくても、精神的な消耗は激しい筈だ。
………
今が稽古を開始して何分経過したのか、わからない。
そして高速剣法を得意とする瑞穂くんから速さが消えつつあった。
そろそろかな。
「瑞穂くん。」
「ハイ。」
「いくぜ。耐えろ。」
「ハ?」
実は僕はここまで、貯めに貯めて、溜めに溜めて来た物がある。
だからあえて積極的に出なかった。
胸に、腹に、脳に。
たっぷりと溜めた「剣気」を思い切り瑞穂くんに叩きつけた。
「フギャ」
全然萌えない悲鳴を上げた瑞穂くんは、そのまま道場の端まで飛んで行った。
たぁまやぁぁぁぁ。
………
「これはちょっと酷くない?」
「ひょっとして、あれが師匠…。」
「今、竹刀当たってなかったよね。」
「あれ?」
知らないうちに婦警さんが集まっていた。
あれ、もうそんな時間か。
やれやれ、少しコンを詰め過ぎたかな。
まぁ、そこまでしないと、瑞穂くんが諦めないからなぁ。
「マダダァ!ヒカリ!」
…諦めてないのかよ。
……….
竹刀を杖にぶらりと立ち上がった瑞穂くんは、バミリ位置までヨタヨタ歩いて、青眼の構えをとった。
足元がふらふらになっている。
既に体力は限界、僅かに残った気力だけで立ち上がったのだろう。
別に限界の向こう側に行ったところで、何か変わるとは思えないんだけどな。
ま、いっか。
「イヤァ!」
「!!」
いや、これはもしかして。
「イキマス!」
「来い!瑞穂!」
「へ?エ?」
あれ、腰砕けになって頽れちゃった。
もしかしてって思ったんだけどなぁ。
………
「お前、何をした?」
完全に気絶しちゃった瑞穂くんを、婦警さん達がエアコンの下に「エッホエッホ」と、両手足を抱えて運んでくれた。
って言うか、なんでみんな制服姿なんだよ。
外観はただの農家な我が家に婦警がうじゃうじゃいると、ご近所さんに目立つだろ。
ご近所さんは、隣のお寺さんだけしかないけど。
何故かみんな知ってるエアコンにスイッチを入れて、タオルで枕を作って、濡れタオルを額に当てて。
あと、勝手に冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出している。
気絶してんのに、面を外すってやり難いだろうなぁ。
僕が手伝ったらセクハラになるんだろうなぁ。
セクハラになるかどうかを警察官と議論したくないよなぁ。
とか、一瞬で頭の中をぐるぐる掻き回していた僕に話しかけて来たのは祖父だった。
あ、あと新婚ゴリラもいた。
「時々瑞穂くんには、彼女の希望であそこまでやるんですよ。」
「お前、婚約者にも容赦ないのな。」
尻に敷かれゴリラは黙っててください。
「爺ちゃん、いつから見てたの?」
「ふん。」
鏡の上の掛け時計と、後藤警部補の顔を見た祖父が言うには。
「かれこれ15分くらい前かな。」
「そんなに前から?」
「って言うか、お前らいつからやってんだ?」
「ええと、朝ご飯を食べて庭の掃除をした後だから、8時ちょっと前くらいかな。」
「今何時だよ。」
「……9時です。」
え?
そんなに長いことやってたの?
そりゃ、瑞穂くんの体力も尽きる…ってはあ?
「大体、俺たちが入って来たの2人とも気がついてなかったろ。」
「はぁまぁ。」
………
しばらくして瑞穂くんが起き上がって来た。
婦警さん達は、その姿を見て更衣室に入って行った。
僅か2畳の、元の集会所だと倉庫になっていたスペースに誰かが勝手に畳を敷いて、誰かが勝手にカラーボックスを並べた、多分持ち主の僕が知らない更衣室だ。
どうも、県警道場に余っていた物を誰かが勝手に運び込んだものらしい。
って事は、これ、税金で買った公共財じあないの?
「すまんな。今年の全警大の代表を決める予定が道場を使われててな。借りるぞ。」
「後藤さん。そんな重大な選考を民間人の家でやりますか?しかも勝手に。」
「お前んちの電話やお前達の携帯に電話しても繋がらねぇんだもんよ。だから警視監に頼んだ。ちと借りるぞ。」
「爺ちゃん?」
「いいから光はます面を外せ。話し難くてたまらねぇ。」
あ、そういえば。
………
今日来たのは4人。
このうち2人が県代表として武道館に行くらしい。
なので、10分間の乱取りをさせて選考材料にするみたい。
「こいつらは、阿部や田中に勝てる連中なんだよ。うちとしては全国に通用するメンツだと思うんだけどよ。」
髪の毛がビチョビチョになるほど汗をかいたんだから、瑞穂くんは大人しく座っていなさい。
ほら、これ飲んで。
で、その隣に僕が胡座をかき、更に隣に後藤さんが正座をした。
後藤さん、今日はスーツ姿なんだから、スラックスに皺がよっても知りませんよ。
「で、お前から見てどう思う?」
「僕に聞いてどうするんですか?」
「参考だよ、参考。」
「はぁ。」
まぁ確かに。
腰の落ち方。
体幹の安定性。
技の切り返しと速さ。
見た目からして、あの2人よりも強い事はわかる。
あの2人、サラッと全国優勝しやがるけど、それはあくまでも「学生」の中の話。
今、僕の目の前で戦っている4人は、僕の目からだと甲乙付け難い。
「光。」
爺ちゃんが複雑な顔をしている。
「なんですか?」
「最後、瑞穂どうなった?」
「あ、わかりましたか。」
「まぁ、伊達に剣道の師範免状を持っているわけじゃないから。''化ける瞬間''なら何度も見てきたからよ。」
「ですよね。あの時の瑞穂くんから何も見えなくなったんですよ。まるで爺ちゃんと立ち合う時みたいに。」
「なるほど。読めなくなったか。」
瑞穂くんの隣で腕を組んで婦警達の乱取りを見ていた祖父は、視線を婦警達から外さないまましゃがんだ。
「おい瑞穂。あの時、何があった?」
「ワカンナイ。」
「…そうか。」
我が一派の特徴たる、「剣道の言語化」って簡単に出来るものじゃないよね。
「だって、初めてヒカリに瑞穂ッテ呼び捨てにサレタカラ、何にもワカラナクナッチャッタ。」
「そ、そうか。」
その後、僕が爺ちゃんから、何故家族で許嫁で婚約者を呼び捨てにしてないんだ、と怒られた。
理不尽。
あと、話を聞いた婦警さんにも怒られた。
顔見知りじゃないし、多分皆さん初対面ですよね。
「それとこれとは話が下手!」
「私達は女の子の味方をします。」
理不尽だ。
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