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第四章
パブ、ハブ
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ウォルスは高地にある鉱山の街である。その街に進入した生物の視界を一色に染めるのは土の赤茶色。夕方となれば赤茶に赤で眩しいくらいだ。
しかしワンパターンになりそうな色合いに変化を加えるものがある。ゴブリン達の身に着けている色鮮やかな布だ。日除けのバンダナ、埃から喉を守る為に口元に巻かれたスカーフ、汗を拭うリストバンド。それらの布や織物には原色が好んで使われ、身にまとうだけでなく使役する動物や道具、建物までも色とりどりに飾っている。
そしてゴブリンそのもの。彼ら彼女らの緑の肌が、この街の「色」だ。爆発的なゴブリン口増加は収まったと言うものの、まだまだ密度は高く街は緑の小鬼たちで溢れかえっている。しかも性格はたいへんやかましく、人懐っこい。
街道沿い露天のゴブリンたちはスワッグの鶏冠を引っ張り布の上に広げた果物を買わせようとし、ナリンさんに派手な首飾りやベールをあてがい勝手に似合う似合わないと評論し、子供たちが「スワッグステップ」の宣伝に気付いて歓声をあげていた。
「意外と騒がしいというか……活気があるんですね」
勝手に「フル・モンティ」で観たシェフィールドの街を思い浮かべていた俺は呆気にとられて言った。あっちは鉱山というか鉄鋼業だけど。
「屋台街はもっとうるさいぞ~。良い店知ってんだ、宿に馬車を預けたらさっさと行こうぜ~」
馬車の窓からひょこっと顔を出したステフが言った。ここまでずっと中で携帯ゲームをしてたのに耳ざといヤツだ。しかしよく車酔いしなかったな!?
「了解ぴい!」
スワッグが速度を上げる。日はそろそろ山に消え、夜が訪れようとしていた。
夜になっても街は賑やかなままで、宣言通り俺たちは馬車を預け徒歩で屋台街へ向かい、20分後には路上に置かれた卓で食事をしていた。
「良い席、とれたんじゃないか?」
なんらかの肉にかぶりつくステフが言う通り、俺たちが座っているのは巨大スクリーンが真正面に見える良席だ。
「ええ。しかし……野外スポーツバーって言うんかな、これ」
「なんですか、それ?」
「簡単に言うと試合を観ながらお酒が飲めるお店なんですが」
尋ねるナリンさんに説明を行う。言葉通り画面ではたった今、行われているゴブリンカップの1回戦が放映されていた。
試合は銀色のチーム(トロッコをシンボルとしているらしい)vs赤色のチーム(火薬をシンボルとしているらしい)の対戦だ。運の良い事に前者にカーリー選手、後者にクレイ選手が所属している。
「え? カーリー選手、FWで出てるっぽい?」
中継を眺めていた俺はゴブリンのきつい蒸留酒の残りをステフに譲り(少女みたいな見た目だが酒豪らしい)、内容に集中する。
お祭り試合だったり普及部の活動で学校へ行ったりした時は、GKやDFの選手がFWをやる事はある。出身校の初蹴りに参加したDFの某選手がFWとして何点! みたいな見出しがスポーツ新聞に出たり。だがこの試合のカーリー選手は本格的にFWとして出場しているようだった。
「そのようですね。しかも上手くないですか!?」
ナリンさんも驚き食事を運ぶ手が止まる。彼女の言う通り、今日はFWとして出場しているカーリー選手は前の選手としてもなかなかの動きだった。
特筆すべきは「スペースを見つける」目だ。ともすればDFもガンガンと攻撃に参加して人数が増え、結果ゴチャゴチャしてしまうゴブリンサッカードウにおいてカーリー選手だけはスペースが「視えて」いて、ボールに食いついたDFの裏に走り込んだり、CBの間でパスを受けたりしていた。
「ショーキチ殿、彼女は対戦相手によってFWとして出たりDFとして出たりする……という事でしょうか?」
「いえ、分かりません。ここまで見た感じ、やっぱりゴブリンのサッカーはDFが弱点のようなので、彼女なしでの守備は辛い。ですがひょっとしたら彼女はゴブリンスイーパーじゃなくてゴブリンリベロ……ゴブリベロなのかもしれません」
「ゴブ……リベロ?」
聞き慣れぬ単語に戸惑うナリンさんに俺はまた説明を行う。本来、DFがFWにマンマークにつき、保険として一人余らせるのがスイーパー(及びそのシステム)だが、リベロはその余った選手が攻撃にも参加する事を言う。自分が特定のマーク相手を持たないということはしばしば「自分も誰にもマークされていない」という事を表す。そんな選手が最後尾から攻撃に参加するのだ。タイミングさえ合えば、非常に有効な武器になる。
ナリンさんの反応を見るに、恐らくこちらのサッカードウでもアドリブでやっている選手はいただろうが、概念としてとかチーム戦術として考えられているのはあまりなさそうだった。
「そんな戦術が……」
「一部リーグで戦う為に、新たな武器を準備しているのかもしれませんね」
そう言ったものの実際は分からない。やはりナリンさんの言う通り対戦相手によって使い分けるとか、もう完全にFWにコンバートしてしまうとかの可能性もある。
だがカーリー選手のプレースタイル的に、リベロの方があり得そうな気がする。と言うのもFWの選手ならもうちょっとガツガツ行く筈だ。強引なドリブル突破とか中央に居座ってシュートを狙うとか。
だが彼女は何というか、少し淡泊なプレーに見える。球離れが早いし、スペースに入って何か仕事(パスとかシュートとか)をしたらまたすぐに中央に戻る。その動きがどうもリベロ臭い。いやあくまでも勘だけれど。
「どうダ、だいねえちゃんはすごいダロ!」
彼女のプレーを観てうなる俺たちの横で、大きな声があがった。
しかしワンパターンになりそうな色合いに変化を加えるものがある。ゴブリン達の身に着けている色鮮やかな布だ。日除けのバンダナ、埃から喉を守る為に口元に巻かれたスカーフ、汗を拭うリストバンド。それらの布や織物には原色が好んで使われ、身にまとうだけでなく使役する動物や道具、建物までも色とりどりに飾っている。
そしてゴブリンそのもの。彼ら彼女らの緑の肌が、この街の「色」だ。爆発的なゴブリン口増加は収まったと言うものの、まだまだ密度は高く街は緑の小鬼たちで溢れかえっている。しかも性格はたいへんやかましく、人懐っこい。
街道沿い露天のゴブリンたちはスワッグの鶏冠を引っ張り布の上に広げた果物を買わせようとし、ナリンさんに派手な首飾りやベールをあてがい勝手に似合う似合わないと評論し、子供たちが「スワッグステップ」の宣伝に気付いて歓声をあげていた。
「意外と騒がしいというか……活気があるんですね」
勝手に「フル・モンティ」で観たシェフィールドの街を思い浮かべていた俺は呆気にとられて言った。あっちは鉱山というか鉄鋼業だけど。
「屋台街はもっとうるさいぞ~。良い店知ってんだ、宿に馬車を預けたらさっさと行こうぜ~」
馬車の窓からひょこっと顔を出したステフが言った。ここまでずっと中で携帯ゲームをしてたのに耳ざといヤツだ。しかしよく車酔いしなかったな!?
「了解ぴい!」
スワッグが速度を上げる。日はそろそろ山に消え、夜が訪れようとしていた。
夜になっても街は賑やかなままで、宣言通り俺たちは馬車を預け徒歩で屋台街へ向かい、20分後には路上に置かれた卓で食事をしていた。
「良い席、とれたんじゃないか?」
なんらかの肉にかぶりつくステフが言う通り、俺たちが座っているのは巨大スクリーンが真正面に見える良席だ。
「ええ。しかし……野外スポーツバーって言うんかな、これ」
「なんですか、それ?」
「簡単に言うと試合を観ながらお酒が飲めるお店なんですが」
尋ねるナリンさんに説明を行う。言葉通り画面ではたった今、行われているゴブリンカップの1回戦が放映されていた。
試合は銀色のチーム(トロッコをシンボルとしているらしい)vs赤色のチーム(火薬をシンボルとしているらしい)の対戦だ。運の良い事に前者にカーリー選手、後者にクレイ選手が所属している。
「え? カーリー選手、FWで出てるっぽい?」
中継を眺めていた俺はゴブリンのきつい蒸留酒の残りをステフに譲り(少女みたいな見た目だが酒豪らしい)、内容に集中する。
お祭り試合だったり普及部の活動で学校へ行ったりした時は、GKやDFの選手がFWをやる事はある。出身校の初蹴りに参加したDFの某選手がFWとして何点! みたいな見出しがスポーツ新聞に出たり。だがこの試合のカーリー選手は本格的にFWとして出場しているようだった。
「そのようですね。しかも上手くないですか!?」
ナリンさんも驚き食事を運ぶ手が止まる。彼女の言う通り、今日はFWとして出場しているカーリー選手は前の選手としてもなかなかの動きだった。
特筆すべきは「スペースを見つける」目だ。ともすればDFもガンガンと攻撃に参加して人数が増え、結果ゴチャゴチャしてしまうゴブリンサッカードウにおいてカーリー選手だけはスペースが「視えて」いて、ボールに食いついたDFの裏に走り込んだり、CBの間でパスを受けたりしていた。
「ショーキチ殿、彼女は対戦相手によってFWとして出たりDFとして出たりする……という事でしょうか?」
「いえ、分かりません。ここまで見た感じ、やっぱりゴブリンのサッカーはDFが弱点のようなので、彼女なしでの守備は辛い。ですがひょっとしたら彼女はゴブリンスイーパーじゃなくてゴブリンリベロ……ゴブリベロなのかもしれません」
「ゴブ……リベロ?」
聞き慣れぬ単語に戸惑うナリンさんに俺はまた説明を行う。本来、DFがFWにマンマークにつき、保険として一人余らせるのがスイーパー(及びそのシステム)だが、リベロはその余った選手が攻撃にも参加する事を言う。自分が特定のマーク相手を持たないということはしばしば「自分も誰にもマークされていない」という事を表す。そんな選手が最後尾から攻撃に参加するのだ。タイミングさえ合えば、非常に有効な武器になる。
ナリンさんの反応を見るに、恐らくこちらのサッカードウでもアドリブでやっている選手はいただろうが、概念としてとかチーム戦術として考えられているのはあまりなさそうだった。
「そんな戦術が……」
「一部リーグで戦う為に、新たな武器を準備しているのかもしれませんね」
そう言ったものの実際は分からない。やはりナリンさんの言う通り対戦相手によって使い分けるとか、もう完全にFWにコンバートしてしまうとかの可能性もある。
だがカーリー選手のプレースタイル的に、リベロの方があり得そうな気がする。と言うのもFWの選手ならもうちょっとガツガツ行く筈だ。強引なドリブル突破とか中央に居座ってシュートを狙うとか。
だが彼女は何というか、少し淡泊なプレーに見える。球離れが早いし、スペースに入って何か仕事(パスとかシュートとか)をしたらまたすぐに中央に戻る。その動きがどうもリベロ臭い。いやあくまでも勘だけれど。
「どうダ、だいねえちゃんはすごいダロ!」
彼女のプレーを観てうなる俺たちの横で、大きな声があがった。
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