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第2章・第1話「深まる絆」
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ジンセン村のイオンと、水の精獣・ミズリ。シンゲン島のジュウビと、火の精獣・カウム、風の精獣・リョクヒ、地の精獣・リクウ。チュウガン村のロックと、音の精獣・ネネコ。
三人と五精獣は、力の精獣・パウヒュと混ざってしまったと思われるザンジーを探していた。同時に雷の精獣・レイチも見付けようとしていた。
《邪法の契約が破棄となり、レイチは自我を失っている》
それがミズリ達の見解。
精獣達はザンジーの様な事例を知らない。今回の件は、邪法を使って無理矢理契約を行った事により発生したイレギュラー。その上で契約者が死亡するのではなく、違う生き物に変貌するような事など、誰であろうと分からない。
しかしロックの話しから推測すると、レイチは契約を解除されたと考えて間違いない。ただ契約時の状態が不明である事と、サイケン山でのメツの件から、レイチが正気では無い状態であると判断したのだ。
「ねぇ、ミズリ様。正式な契約でも破棄される事はあるんですか?」
《基本は契約者が命を失った時だが…それ以外にも契約に反する事柄がそれに当てはまる。例えば、契約者が命を分かつ…つまり子を授かった場合だな。その時には契約は自動で破棄。あとは年齢を二十八まで重ねれば破棄される。他にも…》
「け、けっこうあるんですね。」
《…心配するな。易々と離れたりはせん》
「…へへっ。」
ミズリにそう言われ、嬉しくなるイオン。
それを見てジュウビは考えていた。
「………」
《…心配するな。ハナレタリワセン》
「いや、それそのまんまミズリの言葉を真似ただけじゃねーか。」
カウムのボキャブラリーの無さに呆れるジュウビ。
「しかも棒読みって…」
《ふん。だが…お前がそんな風に感じてくれるのは、こちらとしては悪い気はしない》
「ちっ…」
ジュウビは『照れ』を舌打ちで誤魔化す。
「なぁ?サイケン山にレイチさんが居たんなら、チュウガン村に行くんじゃなくて、やっぱその…サイケン山の近辺を探索するべきじゃねーかな。」
そう、一行は昨夜話し合い、当てもなく探すより一度ロックの家に戻って何かヒントが…ザンジーが残したものが無いか、見に行く事になったのだ。しかし、ロックはやや渋っていた。
「…焦るなよ、ロック。お前とザンジーが住んでいた家をくまなく調べる…みんなで話し合ってそう決めたよな。それとも…辛いのか?」
「う、うー……こ、こいつってホント生意気だよな?」
ジュウビを指さして、若干涙目になりながらイオンにそう言うロック。
「くすっ…でもロックさん、確かにジュウビの言う通りですよ。みんなで決めたんだし行きましょう。ロックさんにしたら…辛いのかもしれませんが。」
「あ…あ、いや!そそそんな事じゃねぇ!辛いから行きたくないとか…そんな事じゃねぇんよ!」
《嘘が下手よね》
「うっ。」
ネネコにさされるロック。
「…イオンと同じだな。精獣にさされてやがる。」
溜息交じりに言うジュウビに、ムカッときたのはロックだけではなかった。
「あ、あんたねぇ!」
「何だよ。お前がミズリにさされたのは事実だろ?」
「く…むぅ。ふ、ふんっ!ミズリ様に『馬鹿』って言われてたくせにっ。」
ふくれっ面をし、ジュウビに突っ掛かるイオン。
「あっ、い、今はそれ関係ないだろ!」
「何よっ。」
「何だよっ。」
睨み合うイオンとジュウビを見てたら、段々と馬鹿らしくなってくるロックであった。
「あーもういいよ。はいはい、行きますって。家に行きゃあいんだろっ。」
一行はチュウガン村のロックの家を目指し、足を進めた。
レイチやザンジーを探しつつなので日にちは要したが、その間三人はそれぞれの生い立ちや育った村の事、それ以外にも他愛もない事を話した。
それは、それぞれの絆を深める良い時間となった。
三人と五精獣は、力の精獣・パウヒュと混ざってしまったと思われるザンジーを探していた。同時に雷の精獣・レイチも見付けようとしていた。
《邪法の契約が破棄となり、レイチは自我を失っている》
それがミズリ達の見解。
精獣達はザンジーの様な事例を知らない。今回の件は、邪法を使って無理矢理契約を行った事により発生したイレギュラー。その上で契約者が死亡するのではなく、違う生き物に変貌するような事など、誰であろうと分からない。
しかしロックの話しから推測すると、レイチは契約を解除されたと考えて間違いない。ただ契約時の状態が不明である事と、サイケン山でのメツの件から、レイチが正気では無い状態であると判断したのだ。
「ねぇ、ミズリ様。正式な契約でも破棄される事はあるんですか?」
《基本は契約者が命を失った時だが…それ以外にも契約に反する事柄がそれに当てはまる。例えば、契約者が命を分かつ…つまり子を授かった場合だな。その時には契約は自動で破棄。あとは年齢を二十八まで重ねれば破棄される。他にも…》
「け、けっこうあるんですね。」
《…心配するな。易々と離れたりはせん》
「…へへっ。」
ミズリにそう言われ、嬉しくなるイオン。
それを見てジュウビは考えていた。
「………」
《…心配するな。ハナレタリワセン》
「いや、それそのまんまミズリの言葉を真似ただけじゃねーか。」
カウムのボキャブラリーの無さに呆れるジュウビ。
「しかも棒読みって…」
《ふん。だが…お前がそんな風に感じてくれるのは、こちらとしては悪い気はしない》
「ちっ…」
ジュウビは『照れ』を舌打ちで誤魔化す。
「なぁ?サイケン山にレイチさんが居たんなら、チュウガン村に行くんじゃなくて、やっぱその…サイケン山の近辺を探索するべきじゃねーかな。」
そう、一行は昨夜話し合い、当てもなく探すより一度ロックの家に戻って何かヒントが…ザンジーが残したものが無いか、見に行く事になったのだ。しかし、ロックはやや渋っていた。
「…焦るなよ、ロック。お前とザンジーが住んでいた家をくまなく調べる…みんなで話し合ってそう決めたよな。それとも…辛いのか?」
「う、うー……こ、こいつってホント生意気だよな?」
ジュウビを指さして、若干涙目になりながらイオンにそう言うロック。
「くすっ…でもロックさん、確かにジュウビの言う通りですよ。みんなで決めたんだし行きましょう。ロックさんにしたら…辛いのかもしれませんが。」
「あ…あ、いや!そそそんな事じゃねぇ!辛いから行きたくないとか…そんな事じゃねぇんよ!」
《嘘が下手よね》
「うっ。」
ネネコにさされるロック。
「…イオンと同じだな。精獣にさされてやがる。」
溜息交じりに言うジュウビに、ムカッときたのはロックだけではなかった。
「あ、あんたねぇ!」
「何だよ。お前がミズリにさされたのは事実だろ?」
「く…むぅ。ふ、ふんっ!ミズリ様に『馬鹿』って言われてたくせにっ。」
ふくれっ面をし、ジュウビに突っ掛かるイオン。
「あっ、い、今はそれ関係ないだろ!」
「何よっ。」
「何だよっ。」
睨み合うイオンとジュウビを見てたら、段々と馬鹿らしくなってくるロックであった。
「あーもういいよ。はいはい、行きますって。家に行きゃあいんだろっ。」
一行はチュウガン村のロックの家を目指し、足を進めた。
レイチやザンジーを探しつつなので日にちは要したが、その間三人はそれぞれの生い立ちや育った村の事、それ以外にも他愛もない事を話した。
それは、それぞれの絆を深める良い時間となった。
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