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第5章の4・迷いはあるか?…の ぷち話し
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藍川堤防。竜沢達は毎朝この堤防を走る。
「声出して行くぞ!」
「おお!」
「はい。」
「ふん。」
いつも竜沢が先頭、その後に隆正、鏡、甲の順で縦に並んで走る。
「お…」
竜沢は正面から走って来る男に気付いた。毎朝すれ違う、中年のおじさんだ。
「おはっす。」
「おぅ。」
すれ違う時に挨拶する竜沢に対し、軽く会釈して答えるおじさん。
「ざっす!」
「おはようございます。」
「うっす。」
隆正達も順に挨拶した。おじさんは全員に対し声を返し、順に会釈して走り去る。
いつもの様に四十分走った後、藍川の広場でクールダウンしている竜沢達。
「あの人、いつも丁寧ですよねー。」
「一人ひとり挨拶返してくれるし、気持ちええなっ。」
「うむ。」
「あのおっさんか?そうだな、気持ちの良いおっさんだな。」
汗を拭く竜沢。
「おっさんって…失礼ですよ?」
スポーツドリンクを飲む鏡。
「だって名前知らねーし。」
口を尖らす竜沢に、隆正が言う。
「じゃあアゴさんでどや?!」
「…」
座ったまま、無言で隆正を蹴る甲。
「ぐはぁ!」
転がる隆正。
「それこそ失礼ですよ、隆正くん。」
その時、甲が口を開く。
「………源さん?」
「偏見じゃねーか。世界中の源さんに謝れ。」
絞り出した甲に駄目出しする竜沢。
「ホントに皆さん、どうしようもないですね。」
「そんなら鏡はどないやねん?何か良ぇのあるんかいっ。」
隆正に言われ、考え出す鏡。そして…
「………コブダイさん?」
「誰よりも失礼だな、おい。」
普通に『おじさん』と呼ぶ事に決定。
「声出して行くぞ!」
「おお!」
「はい。」
「ふん。」
いつも竜沢が先頭、その後に隆正、鏡、甲の順で縦に並んで走る。
「お…」
竜沢は正面から走って来る男に気付いた。毎朝すれ違う、中年のおじさんだ。
「おはっす。」
「おぅ。」
すれ違う時に挨拶する竜沢に対し、軽く会釈して答えるおじさん。
「ざっす!」
「おはようございます。」
「うっす。」
隆正達も順に挨拶した。おじさんは全員に対し声を返し、順に会釈して走り去る。
いつもの様に四十分走った後、藍川の広場でクールダウンしている竜沢達。
「あの人、いつも丁寧ですよねー。」
「一人ひとり挨拶返してくれるし、気持ちええなっ。」
「うむ。」
「あのおっさんか?そうだな、気持ちの良いおっさんだな。」
汗を拭く竜沢。
「おっさんって…失礼ですよ?」
スポーツドリンクを飲む鏡。
「だって名前知らねーし。」
口を尖らす竜沢に、隆正が言う。
「じゃあアゴさんでどや?!」
「…」
座ったまま、無言で隆正を蹴る甲。
「ぐはぁ!」
転がる隆正。
「それこそ失礼ですよ、隆正くん。」
その時、甲が口を開く。
「………源さん?」
「偏見じゃねーか。世界中の源さんに謝れ。」
絞り出した甲に駄目出しする竜沢。
「ホントに皆さん、どうしようもないですね。」
「そんなら鏡はどないやねん?何か良ぇのあるんかいっ。」
隆正に言われ、考え出す鏡。そして…
「………コブダイさん?」
「誰よりも失礼だな、おい。」
普通に『おじさん』と呼ぶ事に決定。
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