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第5章の3・全然分かんなかった…の ぷち話し
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天野一刀流奥義のひとつ『流転残花』の修得を試みる流香だったが、師範である母親の抽象的な説明が理解できず、会得には至らなかった。
「美味しいわねー。」
自分で入れた紅茶を飲みながら、まったりしている舞香。
「ふぅ~、それって紅茶を入れた自分を褒めてるの?」
呆れた様に言う流香だが、確かにその紅茶は美味しかった。
「流香、この紅茶はスーパーで普通に売ってる普通の紅茶よ。」
「…知ってる。」
「でも、高値の紅茶にも負けないと思わない?」
「…うん、そうね。」
「どうしてかしらね~。」
「…」
舞香の次の言葉を待つ流香だが、一向に言葉を出さない舞香。
「えっと…母さん?」
「なぁに?」
笑顔の舞香にガクッとなる流香。
「なぁに?じゃなくてっ。紅茶の話しはどうなったの?」
「え?紅茶の話し?」
その話はもう、舞香の中では終わっていた。
「ふぅ~、これだもんね。」
「そうだ、流香。あなた好きな子いる?」
突然の方向転換に、紅茶をふき出しそうになる流香。
「急に何?!」
「う~ん、その反応。やっぱり居るわよねぇ。」
「う……」
ニコニコしている舞香に、流香は顔を赤くして黙ってしまった。
「あの子…よねぇ。」
指を頬に当てて首を傾げる、笑顔の舞香。
「ちょ、ちょちょちょ…母さん?」
流香は、舞香が誰を想像しているのか気になって仕方ない。
「ガクエン・コンサート・スライディング・アタックに居る子でしょ?」
「間違うにもほどがあるでしょ?!」
舞香の天然に、流香はいつもペースを乱される。
「ふふっ…あなたを助けてくれた竜沢くんと川波くん。二人とも可愛いわよねぇ。どっちかが流香の彼氏になってくれないかなーなんて思ってたんだけどなー。」
「う…」
流香は小学六年の時、父親の父親…つまり祖父の遺産相続争いに巻き込まれ、誘拐されかかった事がある。
その時居合わせた竜沢と鏡に助けられたのだ。
「ふ、二人とも大事な友達よ。」
「…流香、焦らなくても、奥義はもう直ぐ会得できるわ。」
「え?」
目を閉じて紅茶を飲む舞香。
「あらまぁ、無くなっちゃった。」
ニコニコして立ち上がり、紅茶のカップを片付ける舞香だった。
「もー。いつも分からない事ばっかり言って…。」
流香も紅茶を飲み終え、カップを置いた。
「…」
流香は小学六年時の竜沢と鏡の顔を思い出していた。
「ふぅ~………確かに可愛い。」
けっこう似た者親子なのか。
「美味しいわねー。」
自分で入れた紅茶を飲みながら、まったりしている舞香。
「ふぅ~、それって紅茶を入れた自分を褒めてるの?」
呆れた様に言う流香だが、確かにその紅茶は美味しかった。
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「…知ってる。」
「でも、高値の紅茶にも負けないと思わない?」
「…うん、そうね。」
「どうしてかしらね~。」
「…」
舞香の次の言葉を待つ流香だが、一向に言葉を出さない舞香。
「えっと…母さん?」
「なぁに?」
笑顔の舞香にガクッとなる流香。
「なぁに?じゃなくてっ。紅茶の話しはどうなったの?」
「え?紅茶の話し?」
その話はもう、舞香の中では終わっていた。
「ふぅ~、これだもんね。」
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突然の方向転換に、紅茶をふき出しそうになる流香。
「急に何?!」
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「う……」
ニコニコしている舞香に、流香は顔を赤くして黙ってしまった。
「あの子…よねぇ。」
指を頬に当てて首を傾げる、笑顔の舞香。
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「ガクエン・コンサート・スライディング・アタックに居る子でしょ?」
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「ふふっ…あなたを助けてくれた竜沢くんと川波くん。二人とも可愛いわよねぇ。どっちかが流香の彼氏になってくれないかなーなんて思ってたんだけどなー。」
「う…」
流香は小学六年の時、父親の父親…つまり祖父の遺産相続争いに巻き込まれ、誘拐されかかった事がある。
その時居合わせた竜沢と鏡に助けられたのだ。
「ふ、二人とも大事な友達よ。」
「…流香、焦らなくても、奥義はもう直ぐ会得できるわ。」
「え?」
目を閉じて紅茶を飲む舞香。
「あらまぁ、無くなっちゃった。」
ニコニコして立ち上がり、紅茶のカップを片付ける舞香だった。
「もー。いつも分からない事ばっかり言って…。」
流香も紅茶を飲み終え、カップを置いた。
「…」
流香は小学六年時の竜沢と鏡の顔を思い出していた。
「ふぅ~………確かに可愛い。」
けっこう似た者親子なのか。
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