6 / 6
轟く王国の婚約破棄劇
婚約破棄のニュース速報、皇国に轟く
しおりを挟む
「今日の天気は晴れ、ところにより雨です、念のため傘を持ち歩いてください」
「まもなく桜の季節ですが空模様は微妙なようですね、お花見をする時には折り畳み傘が必須アイテムになりそうですね」
そんなやり取りをしているのはニュース番組のキャスターとコメンテーター、今日あったニュースやグルメ情報などを広く皇国に伝える人気番組なのである。
「ところで今日は皇女が留学に行っている王国で隣国の首脳を集めたサミットがある日でしたね」
「そうですね我がユニアシア皇国が誇る才女、ジェニファー=ユニアシア殿下も参加を予定してると先日発表がありました」
王国の最も権威のあるパーティホールで行われる、パーティ形式のサミットには帝国や公国、教国や皇国、その他にも多くの国が参加している。
そんなことを交え色んなコンテンツを放送しているさなかそれは起こった……起こってしまった。
テレビ画面の上部に速報のテロップが表示されたのだ。
《ルーデンバーグ王国ケインリッヒ王子、我がユニアシア皇国皇女ジェニファー=ユニアシア殿下に婚約破棄を言い渡す》
スタジオは大慌て、プロデューサーやディレクターの大声が飛び交った後、数分後に改めてキャスターがニュース速報の台本を読み上げるための段取りが整った。
「えー、慌ただしいところをお見せしてしまい大変申し訳ありませんでした、先ほど画面上部に表示されました《ルーデンバーグ王国ケインリッヒ王子、我がユニアシア皇国皇女ジェニファー=ユニアシア殿下に婚約破棄を言い渡す》について、より詳しい情報が入りましたのでお伝えいたします、またこの情報は帝国や教国などの協力のもとリレー形式の衛星放送をもとに入手いたしました、間もなく王国との長距離中継がつながりますので今しばらくお待ちください、またこの放送は独自に潜入したレポーターの発案により『ウィスパーテロップ表示システム』が採用しております、#殿下乱心のハッシュタグをつけてささやくとささやいた内容が放送している画面上に表示されるので、皇国としての品位を保ちながらささやくようにお願い申し上げます」
「すごいですね、さすがニュースキャスター、こんな長文僕なら絶対にかみますよ」
「そんなことは今はどうでもいいです! 中継がつながる前に私たちもささやきましょう!」
「えぇぇ! 放送中ですよ?」
「大丈夫です、ディレクターからはむしろやってやれとGOサインが出てるじゃないですか」
「はい? ……あ、本当だ、なら失敬してわたくしも」
カメラを気にしないニュースキャスターとコメンテーターが電脳携帯をいじくり倒すという、ある意味放送事故のような映像が数十秒にわたって放映されたのだが、一件のクレームも入らなかったという。
『#殿下乱心 aaaaa:王国オワタ』
『#殿下乱心 kb-caster:あんのクソ王子、私たちの姫電化になんていうことを』
『#殿下乱心 shikisha:あの王子は王国の成り立ちを知らないのでしょうか? 王国民は至急避難したほうが良い』
『#殿下乱心 koguma-inn:本当に一回逃げたほうがよさそうよね……kb-casterさん電化じゃなくて殿下』
『#殿下乱心 keibi-junkai:こちら王国警備兵です、すでに王国から民衆や一部貴族が脱出を図っています、私も逃げないと』
『#殿下乱心 meido-kingdom:メイド仲間がすでに実家に報告しに行ってしまいました、私もこれから行ってきます』
『#殿下乱心 shituji-p1st:この王国の宰相もすでに息のかかったものに王国を脱出するように声をかけたそうです』
「中継つながりました、ですが現在王宮の爪所に何かしらの事実確認をするために移動しているようです」
「……少し前のやり取りをまとめたブイがあるようですね、まずはそちらをどうぞ」
「まもなく桜の季節ですが空模様は微妙なようですね、お花見をする時には折り畳み傘が必須アイテムになりそうですね」
そんなやり取りをしているのはニュース番組のキャスターとコメンテーター、今日あったニュースやグルメ情報などを広く皇国に伝える人気番組なのである。
「ところで今日は皇女が留学に行っている王国で隣国の首脳を集めたサミットがある日でしたね」
「そうですね我がユニアシア皇国が誇る才女、ジェニファー=ユニアシア殿下も参加を予定してると先日発表がありました」
王国の最も権威のあるパーティホールで行われる、パーティ形式のサミットには帝国や公国、教国や皇国、その他にも多くの国が参加している。
そんなことを交え色んなコンテンツを放送しているさなかそれは起こった……起こってしまった。
テレビ画面の上部に速報のテロップが表示されたのだ。
《ルーデンバーグ王国ケインリッヒ王子、我がユニアシア皇国皇女ジェニファー=ユニアシア殿下に婚約破棄を言い渡す》
スタジオは大慌て、プロデューサーやディレクターの大声が飛び交った後、数分後に改めてキャスターがニュース速報の台本を読み上げるための段取りが整った。
「えー、慌ただしいところをお見せしてしまい大変申し訳ありませんでした、先ほど画面上部に表示されました《ルーデンバーグ王国ケインリッヒ王子、我がユニアシア皇国皇女ジェニファー=ユニアシア殿下に婚約破棄を言い渡す》について、より詳しい情報が入りましたのでお伝えいたします、またこの情報は帝国や教国などの協力のもとリレー形式の衛星放送をもとに入手いたしました、間もなく王国との長距離中継がつながりますので今しばらくお待ちください、またこの放送は独自に潜入したレポーターの発案により『ウィスパーテロップ表示システム』が採用しております、#殿下乱心のハッシュタグをつけてささやくとささやいた内容が放送している画面上に表示されるので、皇国としての品位を保ちながらささやくようにお願い申し上げます」
「すごいですね、さすがニュースキャスター、こんな長文僕なら絶対にかみますよ」
「そんなことは今はどうでもいいです! 中継がつながる前に私たちもささやきましょう!」
「えぇぇ! 放送中ですよ?」
「大丈夫です、ディレクターからはむしろやってやれとGOサインが出てるじゃないですか」
「はい? ……あ、本当だ、なら失敬してわたくしも」
カメラを気にしないニュースキャスターとコメンテーターが電脳携帯をいじくり倒すという、ある意味放送事故のような映像が数十秒にわたって放映されたのだが、一件のクレームも入らなかったという。
『#殿下乱心 aaaaa:王国オワタ』
『#殿下乱心 kb-caster:あんのクソ王子、私たちの姫電化になんていうことを』
『#殿下乱心 shikisha:あの王子は王国の成り立ちを知らないのでしょうか? 王国民は至急避難したほうが良い』
『#殿下乱心 koguma-inn:本当に一回逃げたほうがよさそうよね……kb-casterさん電化じゃなくて殿下』
『#殿下乱心 keibi-junkai:こちら王国警備兵です、すでに王国から民衆や一部貴族が脱出を図っています、私も逃げないと』
『#殿下乱心 meido-kingdom:メイド仲間がすでに実家に報告しに行ってしまいました、私もこれから行ってきます』
『#殿下乱心 shituji-p1st:この王国の宰相もすでに息のかかったものに王国を脱出するように声をかけたそうです』
「中継つながりました、ですが現在王宮の爪所に何かしらの事実確認をするために移動しているようです」
「……少し前のやり取りをまとめたブイがあるようですね、まずはそちらをどうぞ」
0
お気に入りに追加
29
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説

【完結】皇太子の愛人が懐妊した事を、お妃様は結婚式の一週間後に知りました。皇太子様はお妃様を愛するつもりは無いようです。
五月ふう
恋愛
リックストン国皇太子ポール・リックストンの部屋。
「マティア。僕は一生、君を愛するつもりはない。」
今日は結婚式前夜。婚約者のポールの声が部屋に響き渡る。
「そう……。」
マティアは小さく笑みを浮かべ、ゆっくりとソファーに身を預けた。
明日、ポールの花嫁になるはずの彼女の名前はマティア・ドントール。ドントール国第一王女。21歳。
リッカルド国とドントール国の和平のために、マティアはこの国に嫁いできた。ポールとの結婚は政略的なもの。彼らの意志は一切介入していない。
「どんなことがあっても、僕は君を王妃とは認めない。」
ポールはマティアを憎しみを込めた目でマティアを見つめる。美しい黒髪に青い瞳。ドントール国の宝石と評されるマティア。
「私が……ずっと貴方を好きだったと知っても、妻として認めてくれないの……?」
「ちっ……」
ポールは顔をしかめて舌打ちをした。
「……だからどうした。幼いころのくだらない感情に……今更意味はない。」
ポールは険しい顔でマティアを睨みつける。銀色の髪に赤い瞳のポール。マティアにとってポールは大切な初恋の相手。
だが、ポールにはマティアを愛することはできない理由があった。
二人の結婚式が行われた一週間後、マティアは衝撃の事実を知ることになる。
「サラが懐妊したですって‥‥‥!?」
王子を身籠りました
青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。
王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。
再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

〈完結〉【書籍化&コミカライズ・取り下げ予定】毒を飲めと言われたので飲みました。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃シャリゼは、稀代の毒婦、と呼ばれている。
国中から批判された嫌われ者の王妃が、やっと処刑された。
悪は倒れ、国には平和が戻る……はずだった。

もう死んでしまった私へ
ツカノ
恋愛
私には前世の記憶がある。
幼い頃に母と死別すれば最愛の妻が短命になった原因だとして父から厭われ、婚約者には初対面から冷遇された挙げ句に彼の最愛の聖女を虐げたと断罪されて塵のように捨てられてしまった彼女の悲しい記憶。それなのに、今世の世界で聖女も元婚約者も存在が煙のように消えているのは、何故なのでしょうか?
今世で幸せに暮らしているのに、聖女のそっくりさんや謎の婚約者候補が現れて大変です!!
ゆるゆる設定です。

夫が妹を第二夫人に迎えたので、英雄の妻の座を捨てます。
Nao*
恋愛
夫が英雄の称号を授かり、私は英雄の妻となった。
そして英雄は、何でも一つ願いを叶える事が出来る。
そんな夫が願ったのは、私の妹を第二夫人に迎えると言う信じられないものだった。
これまで夫の為に祈りを捧げて来たと言うのに、私は彼に手酷く裏切られたのだ──。
(1万字以上と少し長いので、短編集とは別にしてあります。)

王が気づいたのはあれから十年後
基本二度寝
恋愛
王太子は妃の肩を抱き、反対の手には息子の手を握る。
妃はまだ小さい娘を抱えて、夫に寄り添っていた。
仲睦まじいその王族家族の姿は、国民にも評判がよかった。
側室を取ることもなく、子に恵まれた王家。
王太子は妃を優しく見つめ、妃も王太子を愛しく見つめ返す。
王太子は今日、父から王の座を譲り受けた。
新たな国王の誕生だった。
勘当された悪役令嬢は平民になって幸せに暮らしていたのになぜか人生をやり直しさせられる
千環
恋愛
第三王子の婚約者であった侯爵令嬢アドリアーナだが、第三王子が想いを寄せる男爵令嬢を害した罪で婚約破棄を言い渡されたことによりスタングロム侯爵家から勘当され、平民アニーとして生きることとなった。
なんとか日々を過ごす内に12年の歳月が流れ、ある時出会った10歳年上の平民アレクと結ばれて、可愛い娘チェルシーを授かり、とても幸せに暮らしていたのだが……道に飛び出して馬車に轢かれそうになった娘を助けようとしたアニーは気付けば6歳のアドリアーナに戻っていた。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる