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潜入!民にスクープを!
新発明の広域衛星放送魔導具!その名は「魔波は届くよどこまでも」
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僕の名はセント、セント・スプリング。
少し前まではとあるスクープ専門雑誌で記者をしていたのだが、特定個人のプライバシーをネタにして金を稼ぐ、ある種犯罪のような仕事に嫌気がさし、放送局の中でもかなり自由度の高い7番回路に入社した、ある意味では新米なテレビマンだ。
そんなある日、とあるスクープが転がり込みそうだというタレコミを入手し、独自のコネを駆使してこのパーティ会場に潜入した私は、ある物を手土産に特定回路以外の放送局に契約と協力を持ち掛けたのだ。
「こちら7番回路、4番のサンテレさん、準備OKですか?」
「こちらサンテレ、オールグリーン、ジャストミートです!」
「サンテレ了解しました、続いて6番回路の帝都放送局さん、準備OKですか?」
「こちら帝都放送、こちらもオールグリーン、奴らに倍返ししてやりましょう」
「はい、ありがとうございます、次は8番回路の大山放送局さん、準備OKですか?」
「はいはーい、世界に言葉を届ける準備は完了していますー」
「了解です、これで平和的に協力が出来そうな民放各社が出そろいました、ご協力ありがとうございます」
1番回路や2番回路は各国の国営回路、そして5番回路は戦争が好きな国の傀儡だといわれて久しいため協力を要請することはできない、なのでウチを含めてこの4社4国がこの大陸において平和的かつチャレンジングな放送をすることができる、数少ない4社なのだ。
「改めて作戦の説明に移りますね、今回の作戦ではとあるパーティに僕が潜入し、小型の『射影兼魔派送信装置』を使って、まずうちの会社の増幅器に通し、8番回路さんのところの大山山頂に用意していただいた、『魔波衛星装置』に集積魔波をお送りしますので増幅かつ放送していただき、さらに次の6番さんに同じように送信してください、その後も各々用意していただいた高台から街に電波を送りつつ電波の中継をしていただきます』
「こちら4番回路、ダミー魔波受信などすべて準備完了です、こんな面白そうな案件はアイドルに農業やらせて以来ですよ」
「あぁ……あの5人組の? 確かちょっと前に4人になっちゃったんですよね」
「そうなんですよ、それで少し番組が危ぶまれてましてね、っと……今はそんな場合じゃないですね」
「はい、準備ありがとうございました、6番さん8番さんも状況いかがでしょうか?」
「こちら6番、魔波は大丈夫です、せっかくこうやってお知り合いになったんで、今度うちの名産品食べに来て下さいね」
「わかりました、機会があればお店紹介してくださいね」
「こちらは8番回路でーす『広域衛星放送魔導具』、この道具の名前最高ですよね『魔波は届くよどこまでも』、いろんな人に情報を届けたいネタをもりもり集めた弊社の『もりダネ!』もこれがあるともっといろんな人に見てもらえそうでうれしいですよ」
そう……今回の報酬は新型魔導具『魔波は届くよどこまでも』の現物である。
「喜んでいただけて何よりです、特に6番回路の帝都さん、そちらの王女様のおかげで簡単に王都放送協会に潜り込めて、さらにこんな遥か遠くに魔波を届ける技術まで『スクープ』することができたんですから、民放は民放で持ちつ持たれつです、本当の意味で民のために、よろしくお願いしますね」
とは言えども、今回協力してくれている各局のプロデューサーさんたちは僕が自分の黒い情報を持っていることを知っているからこそ、表向き協力してくれているのは知っている、だが今回は利害一致しているのだ。
「国営放送をつぶします、そのためにはなぜ国営放送がいけないのか、法律に守られた国営放送があるとどういう事件が起きるのか、ソーム国の魔導放送倫理規定委員会に事実を伝えましょう」
王子の婚約破棄劇はこうして遠い地……放送の番人達のいる『ソーム国』まで送り届けられた。
少し前まではとあるスクープ専門雑誌で記者をしていたのだが、特定個人のプライバシーをネタにして金を稼ぐ、ある種犯罪のような仕事に嫌気がさし、放送局の中でもかなり自由度の高い7番回路に入社した、ある意味では新米なテレビマンだ。
そんなある日、とあるスクープが転がり込みそうだというタレコミを入手し、独自のコネを駆使してこのパーティ会場に潜入した私は、ある物を手土産に特定回路以外の放送局に契約と協力を持ち掛けたのだ。
「こちら7番回路、4番のサンテレさん、準備OKですか?」
「こちらサンテレ、オールグリーン、ジャストミートです!」
「サンテレ了解しました、続いて6番回路の帝都放送局さん、準備OKですか?」
「こちら帝都放送、こちらもオールグリーン、奴らに倍返ししてやりましょう」
「はい、ありがとうございます、次は8番回路の大山放送局さん、準備OKですか?」
「はいはーい、世界に言葉を届ける準備は完了していますー」
「了解です、これで平和的に協力が出来そうな民放各社が出そろいました、ご協力ありがとうございます」
1番回路や2番回路は各国の国営回路、そして5番回路は戦争が好きな国の傀儡だといわれて久しいため協力を要請することはできない、なのでウチを含めてこの4社4国がこの大陸において平和的かつチャレンジングな放送をすることができる、数少ない4社なのだ。
「改めて作戦の説明に移りますね、今回の作戦ではとあるパーティに僕が潜入し、小型の『射影兼魔派送信装置』を使って、まずうちの会社の増幅器に通し、8番回路さんのところの大山山頂に用意していただいた、『魔波衛星装置』に集積魔波をお送りしますので増幅かつ放送していただき、さらに次の6番さんに同じように送信してください、その後も各々用意していただいた高台から街に電波を送りつつ電波の中継をしていただきます』
「こちら4番回路、ダミー魔波受信などすべて準備完了です、こんな面白そうな案件はアイドルに農業やらせて以来ですよ」
「あぁ……あの5人組の? 確かちょっと前に4人になっちゃったんですよね」
「そうなんですよ、それで少し番組が危ぶまれてましてね、っと……今はそんな場合じゃないですね」
「はい、準備ありがとうございました、6番さん8番さんも状況いかがでしょうか?」
「こちら6番、魔波は大丈夫です、せっかくこうやってお知り合いになったんで、今度うちの名産品食べに来て下さいね」
「わかりました、機会があればお店紹介してくださいね」
「こちらは8番回路でーす『広域衛星放送魔導具』、この道具の名前最高ですよね『魔波は届くよどこまでも』、いろんな人に情報を届けたいネタをもりもり集めた弊社の『もりダネ!』もこれがあるともっといろんな人に見てもらえそうでうれしいですよ」
そう……今回の報酬は新型魔導具『魔波は届くよどこまでも』の現物である。
「喜んでいただけて何よりです、特に6番回路の帝都さん、そちらの王女様のおかげで簡単に王都放送協会に潜り込めて、さらにこんな遥か遠くに魔波を届ける技術まで『スクープ』することができたんですから、民放は民放で持ちつ持たれつです、本当の意味で民のために、よろしくお願いしますね」
とは言えども、今回協力してくれている各局のプロデューサーさんたちは僕が自分の黒い情報を持っていることを知っているからこそ、表向き協力してくれているのは知っている、だが今回は利害一致しているのだ。
「国営放送をつぶします、そのためにはなぜ国営放送がいけないのか、法律に守られた国営放送があるとどういう事件が起きるのか、ソーム国の魔導放送倫理規定委員会に事実を伝えましょう」
王子の婚約破棄劇はこうして遠い地……放送の番人達のいる『ソーム国』まで送り届けられた。
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