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Mission【1】EXPLORER
《2》目標『マス・ア・ティエラ』を調査せよ
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『実はこれ、準惑星じゃなくて彗星じゃないのか?』
正直、こんな印象をティエラを手に入れてすぐ調査した時から感じていた、でもその時は興奮に負けたのとフェルたちとの合流もあったから詳しく調査はしていなかった、でもティエラに関しての調査リクエストは情報展望センターにDDos攻撃と判定されるぎりぎりくらいの頻度で多岐にわたって送り続け、その具体的な調査をするための情報は山ほど溜まってきていた。
「宇宙船を設計するにもその目的地の情報を知ることが重要だ、デュオ経由で情報展望センターの端末に並列接続して情報収集、定点情報はたくさんあるから、ピケはなんでそうなったのか? ってのを分析してほしい……勘で」
「らじゃーだよロビロビ! ピケのしっくすせんしずは、コスモをりょうがするんだよ」
シャキーン!と効果音のしそうなポーズをとったあと、颯爽とあたりの資料をあさり始めた。
「フェルはデュオを使って宇宙船エクスプローラーとティエラのエンカウント用航路パターンを何個か洗い出してみて、ティエラはふらふらしてるからその軌道予測も頼むよ」
「おっしゃ、いつも通りだなキャップ、今回からは検証範囲が短くなったからな、ちょっと深めに割り出してみるぜ」
※情報展望センターの端末は星などの調査には使用できるが、完全に個人的な計算などの用途での利用は基本的にはできない
そして僕は宇宙船の船体の設計だ、アストラ銀河の一般的な宇宙船やコロニー、居住部などは全て一定の規格が決められたセパレートパーツと呼ばれるプラモデルやブロックのようなものがあり、必要な要件に応じてその組み合わせを無限に変えられる楽しさがある。
「まずは3人が乗れる広さの『ブリッジ』をミニマムサイズで設定して『居住部』はまずは省く……それと調査フライトだから『ロボットアーム』をつけないと補助エレは出ないからその辺のオプションはコミコミにしておいて……」
◇ ◇
……。
「……い」
……。
「お~い」
……。
「お~い、ロビン~」
「ロビロビ~!」
……!
「お、やっと気が付いたな」
「ロビロビはセパレートパーツのせっけーはじめるといっつもこうだよね~」
「悪い悪い」
「それでねそれでね! ロビロビ、ティエラなんだけどだんだんちっちゃくなってるっぽいー!」
「小さく?」
「そうそう、ちょっけー190キロくらいかもー! あとなんかおそくなってるぽい?」
僕が最初に調べた時は直径200KMだったものが190KM、さすがに今どきの観測機器でこの誤差はありえない、距離10AUでも100M単位の誤差の時代だぞ――って、聞き間違いか? 遅くなってる?
※AU(1AUとは太陽と地球の)距離の単位、本作ではその時々の話の流れから判断できる恒星とその恒星の惑星で生命が居る(ハビタブルゾーン内に限る)一番近い星という意味で使用します
「小さくなるのも気になるけど、遅く……そんなことあるのか? 外から来てるんだから恒星とかに引っ張られて加速するならわかる……、ピケちょっと調べてくれ、小さくなって遅くなってるだけか? 他……重さとかはどうだ?」
「ん! まっててーしらべとくー」
どういうことだ、昨日調べた時の経路では間違いなく恒星データやアストラ銀河の外から飛来して来たはずだ……そこに飛び込んできたのならほぼ大抵の場合、引力にひかれて加速する以外はないはずだ、しかもここはアストラ銀河の中でも最外郭に位置している――『ほぼ大抵』のパターンもありえない。
「次は俺の番だ、あの星の軌道の前に自転を調べてみたんだがどうにもめちゃくちゃ重い小さな物質を中心に回ってるみたいだぜ、完全に未知の物質だ、とりあえず物質Xって呼ぶことにした」
昨日も情報に出てた未知の物質か、物質X……言い得て妙だな。
「そんで次な、物質Xはちょっとだけ置いといて、あの星の地表なんだけど恒星ゼータに面している部分が溶けてるっていうか気化して重力圏外に散ってるみたいだな、窒素やら気化しやすい物質やらそんなとこだろうな」
「それが小さくなってる理由になるのかもしれないな、それで軌道のほうは?」
「まだ意味不明なとこが多いんだが……まず、物質Xはたぶん重さはあるんだが他の物質の引力の影響は受けてないな、これだけでも意味不明すぎるんだが……どうやらその物質Xを中心として地表までの質量が多い面の方向に動く的な? 意味不明な挙動になってるっぽいぜ」
※卵を例にすると、とがっている方向に移動する力が働いています
意味不明すぎる……でも全くもって未知の物質か、面白そうじゃないか。
* 用語説明 *
◆未知の物質
現時点では仮名として『物質X』と呼ぶ
・非常に重い(と思われる)
・他の引力影響を受けていない(と思われる)
正直、こんな印象をティエラを手に入れてすぐ調査した時から感じていた、でもその時は興奮に負けたのとフェルたちとの合流もあったから詳しく調査はしていなかった、でもティエラに関しての調査リクエストは情報展望センターにDDos攻撃と判定されるぎりぎりくらいの頻度で多岐にわたって送り続け、その具体的な調査をするための情報は山ほど溜まってきていた。
「宇宙船を設計するにもその目的地の情報を知ることが重要だ、デュオ経由で情報展望センターの端末に並列接続して情報収集、定点情報はたくさんあるから、ピケはなんでそうなったのか? ってのを分析してほしい……勘で」
「らじゃーだよロビロビ! ピケのしっくすせんしずは、コスモをりょうがするんだよ」
シャキーン!と効果音のしそうなポーズをとったあと、颯爽とあたりの資料をあさり始めた。
「フェルはデュオを使って宇宙船エクスプローラーとティエラのエンカウント用航路パターンを何個か洗い出してみて、ティエラはふらふらしてるからその軌道予測も頼むよ」
「おっしゃ、いつも通りだなキャップ、今回からは検証範囲が短くなったからな、ちょっと深めに割り出してみるぜ」
※情報展望センターの端末は星などの調査には使用できるが、完全に個人的な計算などの用途での利用は基本的にはできない
そして僕は宇宙船の船体の設計だ、アストラ銀河の一般的な宇宙船やコロニー、居住部などは全て一定の規格が決められたセパレートパーツと呼ばれるプラモデルやブロックのようなものがあり、必要な要件に応じてその組み合わせを無限に変えられる楽しさがある。
「まずは3人が乗れる広さの『ブリッジ』をミニマムサイズで設定して『居住部』はまずは省く……それと調査フライトだから『ロボットアーム』をつけないと補助エレは出ないからその辺のオプションはコミコミにしておいて……」
◇ ◇
……。
「……い」
……。
「お~い」
……。
「お~い、ロビン~」
「ロビロビ~!」
……!
「お、やっと気が付いたな」
「ロビロビはセパレートパーツのせっけーはじめるといっつもこうだよね~」
「悪い悪い」
「それでねそれでね! ロビロビ、ティエラなんだけどだんだんちっちゃくなってるっぽいー!」
「小さく?」
「そうそう、ちょっけー190キロくらいかもー! あとなんかおそくなってるぽい?」
僕が最初に調べた時は直径200KMだったものが190KM、さすがに今どきの観測機器でこの誤差はありえない、距離10AUでも100M単位の誤差の時代だぞ――って、聞き間違いか? 遅くなってる?
※AU(1AUとは太陽と地球の)距離の単位、本作ではその時々の話の流れから判断できる恒星とその恒星の惑星で生命が居る(ハビタブルゾーン内に限る)一番近い星という意味で使用します
「小さくなるのも気になるけど、遅く……そんなことあるのか? 外から来てるんだから恒星とかに引っ張られて加速するならわかる……、ピケちょっと調べてくれ、小さくなって遅くなってるだけか? 他……重さとかはどうだ?」
「ん! まっててーしらべとくー」
どういうことだ、昨日調べた時の経路では間違いなく恒星データやアストラ銀河の外から飛来して来たはずだ……そこに飛び込んできたのならほぼ大抵の場合、引力にひかれて加速する以外はないはずだ、しかもここはアストラ銀河の中でも最外郭に位置している――『ほぼ大抵』のパターンもありえない。
「次は俺の番だ、あの星の軌道の前に自転を調べてみたんだがどうにもめちゃくちゃ重い小さな物質を中心に回ってるみたいだぜ、完全に未知の物質だ、とりあえず物質Xって呼ぶことにした」
昨日も情報に出てた未知の物質か、物質X……言い得て妙だな。
「そんで次な、物質Xはちょっとだけ置いといて、あの星の地表なんだけど恒星ゼータに面している部分が溶けてるっていうか気化して重力圏外に散ってるみたいだな、窒素やら気化しやすい物質やらそんなとこだろうな」
「それが小さくなってる理由になるのかもしれないな、それで軌道のほうは?」
「まだ意味不明なとこが多いんだが……まず、物質Xはたぶん重さはあるんだが他の物質の引力の影響は受けてないな、これだけでも意味不明すぎるんだが……どうやらその物質Xを中心として地表までの質量が多い面の方向に動く的な? 意味不明な挙動になってるっぽいぜ」
※卵を例にすると、とがっている方向に移動する力が働いています
意味不明すぎる……でも全くもって未知の物質か、面白そうじゃないか。
* 用語説明 *
◆未知の物質
現時点では仮名として『物質X』と呼ぶ
・非常に重い(と思われる)
・他の引力影響を受けていない(と思われる)
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