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五章
44話 漫画
しおりを挟む『テスト今までで一番良い結果だった~!テスト前に二日徹夜した甲斐があった!みんなのおかげだね!ありがとう!』
彩ちゃんから送られてくる可愛い可愛いメッセージに「うちも上手くいったよ」と返信してから、携帯の電源を切り、最大で最悪の事について悩む。
……あの、本。
あの本を…開く、勇気が出ない。
少し前に買ったまま、ビニールすら破けずに隠していたあの漫画。
龍馬が「明人君に似てる」と…思って、つい表紙をまじまじと見つめてしまった、BL漫画。
…もし、本当に明人をモデルにした漫画なのだとしたら。
何をしてしまうか分からない。
やっと馴染めて、普通っぽく生きれてるのに、それを壊してしまいそうで。
明人を守ろうとして、明人を傷付けてしまいそうで。
昔、仲良かった。
明人と同時期に仲良くなった、あの子みたいに…追い詰めて、追い詰めて…苦しめて、しまいそうで。
…明人から事件の概要は聞いてる。
詳しくは聞けなくて、話させたくなくて…細かい事までは知れなかったけど…でも、それでも、私が「明人だ」と確信してしまうような内容だったら。
…何を、するんだろう、私は。
何を、してしまうんだろう、私は。
………大きく息を吐いてから、ゆっくりとビニールの包装を破き、一ページずつ、読んでみる。
…高校生、って設定…なのか。
見た目はほぼ中学の時の明人そのまま。
写真を見たから分かる。
…美術部に居る、よく見たら綺麗な顔をしている少年に目を付けた変態教師の話か。
……まさか、知り合いが…書いたのか?
読み進める
美術部の、男子が、顧問に、体を押さえられる……
…ここまでは、一緒。
…お、男の子が…行為に…芽生えて……ハマる…作、品だ。
…助けてくれた、先生は出てこない。
悦楽に溺れ、身を滅ぼすでもなく…関係を続け、クラスメイトすらも誘惑してしまう…明人に似た、少年。
……まるで、私みたい。
こうすれば許されるって気付いた、私みたい。
…明人。
……明人。
……明人、頼むから、この作品を、目にしないでくれ。
…どうか、どうか。
明人に関係ありませんように
明人が見て思い出しませんように
この本が消えるまでは絶対に本屋に行きませんように
明人、頼む
明人。
頼む。お願い。
……明人…
……うちの、大事な親友……
この少年みたいに、生きないでくれ
…………うちみたいに…利用しようと、しないでくれ、明人。
明人。
明人。
明人。
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