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鶏の覚悟
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十二支の二人鳥と亥は十二星座の一人リブラたった一人に大苦戦していた。どんなに亥が素早く攻撃しても場所を入れ替えられ不発に終わる。その攻撃の隙をついて的確に急所に攻撃を加えていく。鳥に至っては何を考えているのか自分の羽をばら撒いている。このままでは勝ち目が無いと思ったのか鶏は亥にある提案をした。鶏がリブラの隙を作り、その隙を突き、亥の必殺技でリブラを撃破するという物だ。しかし、瞬間移動能力を持ち、スタミナ切れや運に左右されない実力を持つリブラの隙を作るなど並大抵の事では出来ない。さらに、二人がかりでもここまで追い詰められているリブラに一人で挑むなど自殺行為そのものである。それを知ってか知らずか、その提案をしたのはなんと臆病物と言われているあの鳥の戦士鳥居 酉がなんと自ら率先して前線に出てリブラを引きつけると言って来たのだ。
イノシシの戦士は普段おどおどしている彼からは考えられてない様な決意がこもった目を見て彼の作戦に乗る事にした。
彼は懐から必殺技の時にだけ使う武器を取り出した。それは、彼の北欧に住む従兄弟から送られた黄金に輝く自慢の武器グリンブルスティの槍である。この槍はどんな武器でも使えば一瞬で壊してしまうほどの怪力を誇る猪が唯一扱えた武器である。その強度と攻撃力も脅威的だが何より脅威的なのはこの武器の持続性である。
普通神の武器である神器では壊れない武器はざらにあるがこの武器が脅威的なのはどんな環境でも手入れしなくても一切その切れ味が落ちないというまさに鍛冶屋泣かせの一品だ。
この槍が持ち主であるイノシシの身体能力と合わせりさらに一番威力の高い必殺技となるカスルどころか風圧だけで半径50メートルにいる物は無事では済まず、おそらくこの島にいるほかの敵味方問わず大ダーメジを与えるであろう一撃となる。
リブラを引き付ける囮になるという事はこの必殺技の力をもろに受ける事になってしまう。さらにそれを受けるのは見るからにガリガリで戦場だと言うのに防具も一切見に付けず、動きにくいとおもわれる中華服を身に纏った鳥である。彼の耐久力ではおそらく、イノシシの攻撃に耐えらないだろう。さらに、彼の機動力では攻撃の瞬間に影響の無い所に移動するなんて事も出来ないだろう。
つまり、この作戦が成功した瞬間リブラと相打ちになってしまうのだ。
亥は鳥の覚悟を無駄にしない為にも絶対にはずさないと誓い、リブラに出来た一瞬の隙を見逃すまいと槍を構えた。
その頃、会場ではあの臆病物と言われた鳥が思わぬ勇気を出した事に驚ろいていた。会場は東陣営も西陣営も予想外の事態にどよめいていた。
長年この大会の実況をやっている大黒天もこれには驚きを隠せない様でしばらく固まった後、興奮した様子で実況を始めた。
「これには私も驚きを隠せません。あの臆病物と言われ十二支の面汚しと言われたあの鳥が仲間の為に自らの身を犠牲にする覚悟を決めました。前回の大会の時、敵相手に敵前逃亡逃亡し、対戦相手を呆れさていた鳥とは別人のようです。解説の西洋神ヘルメスさんこれはどう言った心境の変化だと思われますか。」
ヘルメスは何かを言うのをためらった顔したが大黒天の方を向きこう言った。
「そうですね。言うべきか。どうか迷ったんですが。その格好どうにかなりませんか。大黒天さん。何て言いますか。こうこのせっかくの大黒天さんのいいコメントもその格好で台無しになってるんで。出来れば他の東洋の方も着替えたらたらどうですか。その格好だとアイドルの追っかけみたいになってて神々しさのかけらもないので。」
先ほどのヒツジンの突然のゲリラライブの途中でリブラ達の対決になった為、東洋の男の神々はヒツジンの応援衣装のままだったのだ。彼らはヒツジンの応援の為にヒツジン命のハチマキやヒツジンTシャツ、さらには団扇やサンリウムなども用意していた。ほとんどの男の神はこれらを身につけていた。
そして、大黒天に至ってはそれを全て身に纏っていた額にヒツジン命のハチマキが巻かれ、手にはいつものハンマーに変わりヒツジンの顔写真いりの団扇を持ち、もう片方にはサンリウム。
東洋の男神達は一瞬で着替え何事も無かったかの様に席に座った。
そして、ヘルメスは気を取り直してコメントを再開した。
「そうですね。これはやっと鳥が本来の本性を少し出したのではないかと私は考えております。前から思っておりましたがこの鳥の選手まだまだ謎が多く、本来の技や実力、さらに性格まで隠しているのではないかと思っていました。前回にしても敵前逃亡した直後に相手は急に謎の失神をしています。それに、毎年、あの選手を前にすると、どんな屈強な選手も突然謎の失神を遂げております。しかし、カメラで見ても実際に失神した選手達に聞いても答えは分からないままでした。 」
ヘルメスは真面目な顔でこう言った。
「そこで、私は考えました。おそらく、鳥は相手や仲間に気づかれない速さで敵を倒し、その見た目と言動で相手を油断させ、対策を打たれない様にしている戦士ではないかと。まあ、よくも悪くも私の予想が当たるか外れるかはイノシシの必殺技次第でしょう」
イノシシの戦士は普段おどおどしている彼からは考えられてない様な決意がこもった目を見て彼の作戦に乗る事にした。
彼は懐から必殺技の時にだけ使う武器を取り出した。それは、彼の北欧に住む従兄弟から送られた黄金に輝く自慢の武器グリンブルスティの槍である。この槍はどんな武器でも使えば一瞬で壊してしまうほどの怪力を誇る猪が唯一扱えた武器である。その強度と攻撃力も脅威的だが何より脅威的なのはこの武器の持続性である。
普通神の武器である神器では壊れない武器はざらにあるがこの武器が脅威的なのはどんな環境でも手入れしなくても一切その切れ味が落ちないというまさに鍛冶屋泣かせの一品だ。
この槍が持ち主であるイノシシの身体能力と合わせりさらに一番威力の高い必殺技となるカスルどころか風圧だけで半径50メートルにいる物は無事では済まず、おそらくこの島にいるほかの敵味方問わず大ダーメジを与えるであろう一撃となる。
リブラを引き付ける囮になるという事はこの必殺技の力をもろに受ける事になってしまう。さらにそれを受けるのは見るからにガリガリで戦場だと言うのに防具も一切見に付けず、動きにくいとおもわれる中華服を身に纏った鳥である。彼の耐久力ではおそらく、イノシシの攻撃に耐えらないだろう。さらに、彼の機動力では攻撃の瞬間に影響の無い所に移動するなんて事も出来ないだろう。
つまり、この作戦が成功した瞬間リブラと相打ちになってしまうのだ。
亥は鳥の覚悟を無駄にしない為にも絶対にはずさないと誓い、リブラに出来た一瞬の隙を見逃すまいと槍を構えた。
その頃、会場ではあの臆病物と言われた鳥が思わぬ勇気を出した事に驚ろいていた。会場は東陣営も西陣営も予想外の事態にどよめいていた。
長年この大会の実況をやっている大黒天もこれには驚きを隠せない様でしばらく固まった後、興奮した様子で実況を始めた。
「これには私も驚きを隠せません。あの臆病物と言われ十二支の面汚しと言われたあの鳥が仲間の為に自らの身を犠牲にする覚悟を決めました。前回の大会の時、敵相手に敵前逃亡逃亡し、対戦相手を呆れさていた鳥とは別人のようです。解説の西洋神ヘルメスさんこれはどう言った心境の変化だと思われますか。」
ヘルメスは何かを言うのをためらった顔したが大黒天の方を向きこう言った。
「そうですね。言うべきか。どうか迷ったんですが。その格好どうにかなりませんか。大黒天さん。何て言いますか。こうこのせっかくの大黒天さんのいいコメントもその格好で台無しになってるんで。出来れば他の東洋の方も着替えたらたらどうですか。その格好だとアイドルの追っかけみたいになってて神々しさのかけらもないので。」
先ほどのヒツジンの突然のゲリラライブの途中でリブラ達の対決になった為、東洋の男の神々はヒツジンの応援衣装のままだったのだ。彼らはヒツジンの応援の為にヒツジン命のハチマキやヒツジンTシャツ、さらには団扇やサンリウムなども用意していた。ほとんどの男の神はこれらを身につけていた。
そして、大黒天に至ってはそれを全て身に纏っていた額にヒツジン命のハチマキが巻かれ、手にはいつものハンマーに変わりヒツジンの顔写真いりの団扇を持ち、もう片方にはサンリウム。
東洋の男神達は一瞬で着替え何事も無かったかの様に席に座った。
そして、ヘルメスは気を取り直してコメントを再開した。
「そうですね。これはやっと鳥が本来の本性を少し出したのではないかと私は考えております。前から思っておりましたがこの鳥の選手まだまだ謎が多く、本来の技や実力、さらに性格まで隠しているのではないかと思っていました。前回にしても敵前逃亡した直後に相手は急に謎の失神をしています。それに、毎年、あの選手を前にすると、どんな屈強な選手も突然謎の失神を遂げております。しかし、カメラで見ても実際に失神した選手達に聞いても答えは分からないままでした。 」
ヘルメスは真面目な顔でこう言った。
「そこで、私は考えました。おそらく、鳥は相手や仲間に気づかれない速さで敵を倒し、その見た目と言動で相手を油断させ、対策を打たれない様にしている戦士ではないかと。まあ、よくも悪くも私の予想が当たるか外れるかはイノシシの必殺技次第でしょう」
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