85 / 94
アイヌの神
しおりを挟む
調子に乗るな。この程度の痺れ我らアイヌが味わった屈辱と比べれば何ともない。まあ、それにしても、ついさっき戦い始めた新人戦士がベテランの俺に土を付けるとはなかなかやるりますねえ。なら、こちらも手段を選ばずに仕留めてやる。
お前こそ思い知るがいい。忘れ去られた者の悲しみを苦しみを。
そう言うと。懐から小さな石板を取り出しこう言った。友よ。お前の足借りるぞ。チロンヌプカムイ。
かつての宿敵よ。お前の豪腕。俺が貰いうける。キムンカムイ。
そして、ホロケウカムカムイは石板をバリバリ噛み砕き呑み込んだ。
その瞬間、ホロケウカムカムイの身体が輝き傷が消え、足はより素早く走れそうな細い無駄のない足になり、腕は毛むくじゃらのクマの腕をそのまま植え付けた様なアンバランスな姿に変わった。
さあ、始めようか。流れる様に美しく燃える様に激しくな。
ヴァルノはその異形な姿を見てこう言った。
石板への封印術。やはり、禁じられた術を盗み出したのはあなたでしたか。その術はとある人間が神になろうと作り出した秘術。神を喰らい神になる禁断の術。その後、その人間はあらゆる神を封印し取り込みぬえと言う怪物になったと聞いています。
それ以来。その技は怪物を生み出す禁断の術として長い間天界で封印されていました。しかし、最近それらの技術が盗まれたと聞いてはいました。やはり、ホロケウカムカムイあなたでしたか。その技を北欧に流し西洋も東洋も滅ぼすつもりですか?
おやめなさい。その技は封印した神の時間を止め取り込む。許されない技。たかが人間が元になった鵺さえ一つの都市を滅ぼすほどの力を持っていたと言います。神であるあなたが暴走すればそれこそ世界が終わる。力が欲しいが為に使って良いものじゃないんです。
うるさい。これしか。なかったのだ。封印して時間を止めなければこいつらは消滅してしまう。こいつらを助けられなら俺は怪物にだってなってやる。その為に仲間のアイヌ神に裏切って封印した北欧の犬だって思われてたってかまわん。それでこいつらが助かるなら。
アイヌの民を復活させ、封印したアイヌ神を石板から解放するまで俺は負けらない。
さあ、始めようか。身体が疼いてしかたねえからよ。
お前こそ思い知るがいい。忘れ去られた者の悲しみを苦しみを。
そう言うと。懐から小さな石板を取り出しこう言った。友よ。お前の足借りるぞ。チロンヌプカムイ。
かつての宿敵よ。お前の豪腕。俺が貰いうける。キムンカムイ。
そして、ホロケウカムカムイは石板をバリバリ噛み砕き呑み込んだ。
その瞬間、ホロケウカムカムイの身体が輝き傷が消え、足はより素早く走れそうな細い無駄のない足になり、腕は毛むくじゃらのクマの腕をそのまま植え付けた様なアンバランスな姿に変わった。
さあ、始めようか。流れる様に美しく燃える様に激しくな。
ヴァルノはその異形な姿を見てこう言った。
石板への封印術。やはり、禁じられた術を盗み出したのはあなたでしたか。その術はとある人間が神になろうと作り出した秘術。神を喰らい神になる禁断の術。その後、その人間はあらゆる神を封印し取り込みぬえと言う怪物になったと聞いています。
それ以来。その技は怪物を生み出す禁断の術として長い間天界で封印されていました。しかし、最近それらの技術が盗まれたと聞いてはいました。やはり、ホロケウカムカムイあなたでしたか。その技を北欧に流し西洋も東洋も滅ぼすつもりですか?
おやめなさい。その技は封印した神の時間を止め取り込む。許されない技。たかが人間が元になった鵺さえ一つの都市を滅ぼすほどの力を持っていたと言います。神であるあなたが暴走すればそれこそ世界が終わる。力が欲しいが為に使って良いものじゃないんです。
うるさい。これしか。なかったのだ。封印して時間を止めなければこいつらは消滅してしまう。こいつらを助けられなら俺は怪物にだってなってやる。その為に仲間のアイヌ神に裏切って封印した北欧の犬だって思われてたってかまわん。それでこいつらが助かるなら。
アイヌの民を復活させ、封印したアイヌ神を石板から解放するまで俺は負けらない。
さあ、始めようか。身体が疼いてしかたねえからよ。
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
放課後はネットで待ち合わせ
星名柚花(恋愛小説大賞参加中)
青春
【カクヨム×魔法のiらんどコンテスト特別賞受賞作】
高校入学を控えた前日、山科萌はいつものメンバーとオンラインゲームで遊んでいた。
何気なく「明日入学式だ」と言ったことから、ゲーム友達「ルビー」も同じ高校に通うことが判明。
翌日、萌はルビーと出会う。
女性アバターを使っていたルビーの正体は、ゲーム好きな美少年だった。
彼から女子避けのために「彼女のふりをしてほしい」と頼まれた萌。
初めはただのフリだったけれど、だんだん彼のことが気になるようになり…?
鬼の御宿の嫁入り狐
梅野小吹
キャラ文芸
▼2025.2月 書籍 第2巻発売中!
【第6回キャラ文芸大賞/あやかし賞 受賞作】
鬼の一族が棲まう隠れ里には、三つの尾を持つ妖狐の少女が暮らしている。
彼女──縁(より)は、腹部に火傷を負った状態で倒れているところを旅籠屋の次男・琥珀(こはく)によって助けられ、彼が縁を「自分の嫁にする」と宣言したことがきっかけで、羅刹と呼ばれる鬼の一家と共に暮らすようになった。
優しい一家に愛されてすくすくと大きくなった彼女は、天真爛漫な愛らしい乙女へと成長したものの、年頃になるにつれて共に育った琥珀や家族との種族差に疎外感を覚えるようになっていく。
「私だけ、どうして、鬼じゃないんだろう……」
劣等感を抱き、自分が鬼の家族にとって本当に必要な存在なのかと不安を覚える縁。
そんな憂いを抱える中、彼女の元に現れたのは、縁を〝花嫁〟と呼ぶ美しい妖狐の青年で……?
育ててくれた鬼の家族。
自分と同じ妖狐の一族。
腹部に残る火傷痕。
人々が語る『狐の嫁入り』──。
空の隙間から雨が降る時、小さな体に傷を宿して、鬼に嫁入りした少女の話。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
異世界成り上がり物語~転生したけど男?!どう言う事!?~
繭
ファンタジー
高梨洋子(25)は帰り道で車に撥ねられた瞬間、意識は一瞬で別の場所へ…。
見覚えの無い部屋で目が覚め「アレク?!気付いたのか!?」との声に
え?ちょっと待て…さっきまで日本に居たのに…。
確か「死んだ」筈・・・アレクって誰!?
ズキン・・・と頭に痛みが走ると現在と過去の記憶が一気に流れ込み・・・
気付けば異世界のイケメンに転生した彼女。
誰も知らない・・・いや彼の母しか知らない秘密が有った!?
女性の記憶に翻弄されながらも成り上がって行く男性の話
保険でR15
タイトル変更の可能性あり
フォギーシティ
淺木 朝咲
キャラ文芸
どの地図にも載らず、常に霧に覆われた街、通称フォギーシティは世界中のどの街よりも変わっていた。人間と"明らかにそうでないもの"──すなわち怪物がひとつの街で生活していたのだから。
毎週土曜日13:30に更新してます
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
だいたい全部、聖女のせい。
荒瀬ヤヒロ
恋愛
「どうして、こんなことに……」
異世界よりやってきた聖女と出会い、王太子は変わってしまった。
いや、王太子の側近の令息達まで、変わってしまったのだ。
すでに彼らには、婚約者である令嬢達の声も届かない。
これはとある王国に降り立った聖女との出会いで見る影もなく変わってしまった男達に苦しめられる少女達の、嘆きの物語。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/horror.png?id=d742d2f035dd0b8efefe)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる