十二支vs十二星座

激突ヤマタノオロチ

スサノオと別れた牛田は天が淵にあらわれると言う怪物を倒す為に酒を50天が淵に運び怪物が現れるのをじっと待っていた。

そして、一時間の後、前からズルズルメキメキと巨大な何かが木を踏み倒しながらこちらに向かってきた。

目の前の木が倒され、そいつの姿が明らかになった。暗いからよくわからないが月明かりに照らされたその怪物はまちがいなく巨大な蛇の怪物ヤマタノオロチだった。

ヤマタノオロチは首をめちゃくちゃに振り回してながらこう言った。

娘。娘をよこせ。力をよこせ。我を恨め。そして恐れよ。天の国に轟く程に我を恐れよ。
兄貴より巨大に。強く。強くなれねば。恐れよ。崇めよ。さもなくば食らうぞ。
　
ヤマタノオロチは完全に正気を失い、ただ力を求めるだけの怪物になっていた。

牛田はヤマタノオロチに向かって優しく語りかけた。

お前にとっては兄貴が全てなのか。兄貴を越えらない。お前には価値はないのか？

そうやって。お前は兄貴にどんな手を使ってでも勝ちたい。自分にはどんな事があっても勝ち続けなければならないと思い込んでるだけではないのか。

そうやって。自分や相手を追い込んで手に入れた勝利に何の意味がある。
勝利の先にあるのはまた勝利を得る為に自分や敵を傷付ける地獄があるだけだ。
虚しさと後悔と敵の死体の先にお前は何を得る。強さの先に何がある。

うるさい。

ヤマタノオロチは首を鞭の様に使い牛田に襲い掛かった。