十二支vs十二星座

因縁の二人

乙女座達との戦いから撤退したトールのまえに人柱の神が現れた。　　

平安貴族風の格好をした北欧の神ヨルムガンドである。

久しぶりでおジャルな。カミナリキン肉オヤジ。全くちょっとみんうちに気持ち悪さに磨きをかけよって。なんなんじゃそのヒラヒラとした格好は妻もおるのいい年したおっさんがやることではないのう。あれかのう。お前さんのヨメがウチの父親にハゲにされヅラになったからその現実逃避可能。

お黙りなさい。それ以上言うとカミナリ落とすわよこの肥満ヘビ。あなたまたアチキのイナズマで黒こげになりにきたの。

おっと今はやめておこうかの。メインディッシュは最後に味わって食べたいからのう。それに今回のターゲットはお主ではないからのう。今回の朕の捕食対象は同じ十二支のヘビじゃからな。お主には邪魔をせんようにお願いにきたのじゃ。

なるほど。そう言うこと。ならば今はやめときましょう。お互い邪魔者を片付けた後また会いましょう。

その時は、ニセモノではなく本物のトールハンマーで頼むでおジャルな。

あらあら。気づいていたの。さっきのレプリカだって。

当たり前におジャルな。それに、お主明らかに手を抜いておったな。風の鎧雨雲の盾イカズチの鉄槌どれも使わんとはなめすぎでおジャルな。

こうでもしないと面白くないでしょう。あんたとの戦いは全力だから安心なさい。前回はアチキの自爆技で相打ちになったけど今回はアチキが勝つわ。それまで負けるんじゃないわよ。

そちらもなでおジャルな。

こうして、トールは身体を休める為に一時的に岩山に隠れ、ヨルムガンドは見上げる程にデカくなった十二支の巳の元に向かった。

やんややんや。見事でおジャルな。正に計画通り。コヤツを捕食すれば今度こそ朕はこの星を食い尽くす星喰いの力を手に入れられるでおじゃる。