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その頃異世界では

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その頃、異世界では勇者のパーティメンバーである女格闘家が神父を笑顔で脅していた。

「オイ、神父さん。これはどういうことことになるんでしょかネェェ。なんで、勇者の蘇生を頼んだら勇者が異世界に飛ばされてんダァァァ。どういう事ですか。返答しだいで私もあなたを神の元に飛ばすぞコラァァァァァ。」

その時だったいかにも戦士の様なムキムキの肉体をしている黒人の僧侶が止めに入った。

「マアマアマア。餅ついてください。」

そして、その間違いをすぐにド派手な格好した旅芸人の男が突っ込んだ。

「ヘイヘイ。それをいうなら落ち着いてだろ。僧侶。餅ついてどうすんだ。」
そう言いながら旅芸人は神父の後ろに周り込み神父の退路をたった。

神父は流石に命の危険を感じたのか必死に土下座しながらこう言った。

「許してください。この教会こんな場所に立ってるから利用者いなくて、今回が初めてだったんです。金なら返すから命だけは命だけは勘弁して下さい。」

それを聞いた女格闘家は急に構え、神父の顔面に無数のパンチを全て外すか、寸止めしながら言った。

「返して欲しいんは金じゃねぇぇぅぇ。勇者だぁぁぁ。そんなんいいからさっさと勇者かぇせゃぁぁぁ。さもないとあてるぞ。さいはあやいゃぁぁぁぁ」

神父は顔面蒼白になりながらこう言った。
「残念ながら一度送ってしまった以上こちらからは無効に干渉してこちらの世界に送ることはできません。何とか、こちらから私を通して会話する事ぐらいしかできませしぇんゆるじてくだざぁい。ぎゃあああぁ。」

途中からはもう神父の悲鳴だったが状況を読みとったのか。そこに今まで他の仲間達は勇者の事でここまで盛り上がっていたのに。その輪に入らず勇者そっちのけで本を読んでいた。賢者が動いた。一瞬で彼女の拳を本で受け止め、彼女は女格闘家をひと睨みした。

すると、あんなに怒って感情的になっていた女格闘家が戦意を失い、地面に跪き膝を抱えて震え出した。他のパーティの人達もふるえている。僧侶に至っては今までの罪の懺悔を初めてしまっている。

そして、ゆっくりと神父に近づき天使のような声でこういった。

「神父さん。その世界にあなたが行き、勇者を連れ戻す事は出来ますか。勿論その時は私もご協力いたしますわ。それなら直接向こうの世界に干渉すらから可能なんじゃないでしょうか。どうですが。それとも他に勇者を呼び戻す方法などはありますか」

神父はビビリながらこう言った。

「貴方達を向こうに送ることはできる。しかし、あっちの世界に呪文を言って帰ることは出来ない。なぜなら、無効には魔法がないんだ。戻る方法は一つだけ。勇者様自らが向こうの世界で三種の神器と言われる物を集め、八百万の神が集まる場所の神が集まる時期に儀式を行なわなければなりません。」

それを言うと神父は神に祈りを捧げた。


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