ジャージのおじさんチート異世界探検記

悪夢の時間

クリスは不満げな表情を浮かべ、目の前のツギハギだらけの小娘をパンツ一丁でアマレットを壁ドンするポーズを取りながら睨みつけ、イライラしながらこう言った。

「オイ、もういいだろ、小娘。いつまで私と主人に生き恥を晒されさせるつもりだ。」

グルゾーナはクリスの苦情を一切気にせず、自分の世界に入り込み、必死にスケッチを取りながら、怪しい笑みを浮かべヨダレを垂らしながら一人言をつぶやいている。

「腐腐腐腐。やはり生身はいいですね。妄想が止まりませんよ。初めて、生身の人型の生物の身体を見ましたが、やはり、腐る前の肉体はピチピチして最高ですね。今まで腐ったゾンビの体で満足していましたが、生身の身体を知ってしまった今、もう今までのゾンビでは満足できませんね。腐腐腐腐腐腐腐腐腐。」

アマレットは諦めたのか、大仏の様な悟りきった表情を浮かべ、クリスにこう言った。

「諦めなさい。クリス。彼女が出した条件が我々の身体をモデルにＢＬ漫画を描かせる事なのですから諦めて彼女の気の済むままに描かせてあげなさい。それに、クリス。見せ場が欲しいと言って、今回の冒険に名乗りを上げたのはあなたでしょう。自分の行動に責任を持ちなさい。それに、皆が命がけの闘いをしているなか貴方はポーズを取るだけですむのですよ。むしろ、ラッキーでしょう。」

アマレットはクリスに向かって申し訳なさそうにこう続けた。

「それに、私はこの通り、脱ぐ事が出来ない呪われたジャージを着ている身、なので彼女の望む男の裸体を見せることはできないのです。この場にいる男、いや、オスは貴方、一人です。あとは言わなくてもわかりますね。私としては戦なくて済むのなら、どんな要求でも答えるつもりです。しかし、今回は私は力になれないです。決して、この状況に耐えられないとかそう言うのではないのですよ。あとは頼みましたよ。これは、貴方にしかできない見せ場です。」

そう言うとアマレットは何処かに飛び去ろうした。

その時、だった。地面から突然、手が飛び出してアマレットの足を掴んだ。