蝶と都とキラキラと

 紫の蝶は人を選ぶ。その莫大な力で人を夢人にする。代償は現実世界での命。
 人は夢人に感謝し、憧れ、死を選ぶのも厭わない。そして夢人を人々は誇りに思う。



 私、高瀬望美は同じクラスの男子、相賀晃の容姿から想像する、実際には小動物な彼とは全く違う人格「愛都」の妄想が大好きだった。勿論、最低なのは自覚済み。……だった。
 けれどもそんな妄想はひと月ほどで呆気なく散った。だが依然彼は私の観察対象者である。そして彼をあまりにも見ていたために夢に出る。もう考えないはずだった愛都の性格で。
 その時から、何故だか夢の役者である夢人に感謝をし、憧れを抱くようになる。
 そして「夢人になりたい」とは思うが悩む私に相賀くんは言ったのだ。
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