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二人暮らし編
証拠写真
しおりを挟むゴロゴロゴロゴロ.....
香の思考が停止し、周囲の音が鮮明に聞こえてくる。
そんな香をベットの上に座る少女、あーやは不思議そうに見ていた。
「...どうしたの?」
疑問符を浮かべ香を覗き込む。
「.....い、意味がわからない...なんで俺の名前を知ってて、いきなり未来の娘って...」
「んー、めんどくさいことは抜きだよ!簡単に説明したの!」
わかりやすいでしょ、とでも言うようにドヤ顔であーやは腕を組んだ。
「...いや、中身抜きすぎだと思うけど...ま、まず、そんなこと信じられないし...」
香は少し俯いて小声で言った。
「んー、どうすれば信じてもらえるのかなぁ~.....あ!写真!写真があるの!」
あーやは思い出したように、ベットから飛び降りた。
トテトテと押入れに駆け寄り、戸を開けた。
「あれぇ、この辺に落ちてるはずなのにぃ...」
ガサガサと香が片付けた(詰め込んだ)荷物を漁りはじめた。
「お、おいおい、何してるんだよ...あんまり...」
香は立ち上がりながらそう言いかけた。
「「散らかさないでくれよ」」
あーやと香の声が重なった。
「!?」
「...それ、パパの口癖だよ。いつも、あーやがパパの部屋に入ると言われるの『あんまり散らかさないでくれよ』って」
荷物を探しながらあーやは言った。
「.....」
香は困惑していた。
本当なのだろうか。この子の言っていることは。「口癖」とか、自分ではよくわからないが、"あーや"が心を読んだとは考えにくい。もしかしたら本当に...
「あ!あったあった!これー!」
あーやが探していたのは荷物に埋もれていた小さな青いウエストポーチのようだ。
チャックを開けて中から小さな紙切れを取り出す。
「はい!」
あーやから差し出されたその紙切れを受け取る。
どうやら写真のようだ。
「....!!!!」
次の瞬間に香の疑問が確信に変わった。
これは、俺だ。
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