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○月×日『涙を流す金魚⑨』
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目が覚めると、昂平はいなかった。
昨夜、事が済んだ後一緒に眠ったのを覚えてる。
だるい体を起こして、時計を見るともうすぐお昼といった時間だった。
きっと目が覚めて帰ったんだろう。
「寝過ぎた……」
とりあえずパンツだけ履いて脱衣所に直行した。
なにやらリビングの方が騒がしい。
きっと姉さんたちだろう。
体がベタベタして気持ち悪いし、こんな姿を見られるわけにもいかない。
「はぁ……」
シャワーを浴びながら、重い溜め息が出た。
昂平……
せめて一声かけてから帰っても良くないか?
昨日のことが夢かと疑いたくなるよ。
夢じゃないよね?
けど、今の関係て、ダメだよね……
いくら気持ちよくたって、ダメだよ。
昂平が柚野ちゃんにちゃんと応えて、僕のことを特別だと言ってくれた。
僕もちゃんとしないと……。
タオルで体を拭いて、部屋着を着てタオルで髪を拭きながらリビングに入っると、予想通り姉たちが昼食を囲みながら騒がしくしていた。
「あ、蘭さん。おはよう」
姉2人に挟まれて顔を見せたのは、紛れもなく昂平だった。
「えっ、昂平っ?帰ったんじゃ…」
「え?そんなことするわけねぇじゃん。蘭さん爆睡してたから、先にシャワーだけ浴びて戻ろうとしたら、お姉さん方に捕まって…」
「そーよ、あんなに熱い夜を過ごしといて帰るわけないって」
長女の好子がケタケタと笑いながら昂平の背中を豪快に叩く。
昂平は顔を赤くしながら苦笑いする。
「こんなイケメン彼氏、なんで早く紹介しないなぁ」
次女の美希がうっとりした目で昂平を見る。
「え、すー姉も美希姉も、もしかして……」
「バッチリ聞こえてきたわよ。あたし、アンタの隣の部屋なんだし」
えぇ……
「ほら、アンタも座りな。ぜーんぶ吐いてもらうからね」
「洗いざらいねぇ」
ただでさえ居た堪れないのに、これから拷問に遭うなんて……
昨夜、事が済んだ後一緒に眠ったのを覚えてる。
だるい体を起こして、時計を見るともうすぐお昼といった時間だった。
きっと目が覚めて帰ったんだろう。
「寝過ぎた……」
とりあえずパンツだけ履いて脱衣所に直行した。
なにやらリビングの方が騒がしい。
きっと姉さんたちだろう。
体がベタベタして気持ち悪いし、こんな姿を見られるわけにもいかない。
「はぁ……」
シャワーを浴びながら、重い溜め息が出た。
昂平……
せめて一声かけてから帰っても良くないか?
昨日のことが夢かと疑いたくなるよ。
夢じゃないよね?
けど、今の関係て、ダメだよね……
いくら気持ちよくたって、ダメだよ。
昂平が柚野ちゃんにちゃんと応えて、僕のことを特別だと言ってくれた。
僕もちゃんとしないと……。
タオルで体を拭いて、部屋着を着てタオルで髪を拭きながらリビングに入っると、予想通り姉たちが昼食を囲みながら騒がしくしていた。
「あ、蘭さん。おはよう」
姉2人に挟まれて顔を見せたのは、紛れもなく昂平だった。
「えっ、昂平っ?帰ったんじゃ…」
「え?そんなことするわけねぇじゃん。蘭さん爆睡してたから、先にシャワーだけ浴びて戻ろうとしたら、お姉さん方に捕まって…」
「そーよ、あんなに熱い夜を過ごしといて帰るわけないって」
長女の好子がケタケタと笑いながら昂平の背中を豪快に叩く。
昂平は顔を赤くしながら苦笑いする。
「こんなイケメン彼氏、なんで早く紹介しないなぁ」
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「え、すー姉も美希姉も、もしかして……」
「バッチリ聞こえてきたわよ。あたし、アンタの隣の部屋なんだし」
えぇ……
「ほら、アンタも座りな。ぜーんぶ吐いてもらうからね」
「洗いざらいねぇ」
ただでさえ居た堪れないのに、これから拷問に遭うなんて……
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