宝かごみかは、君しだい

七草すずめ

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「       」

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 気がつけばひとり沼の中
 きれいだなー、とぽかんとしながら
 空飛ぶ言葉をながめる詩人

 すぐ目の前でひらひらじゃれあう
 言葉のかけらも捕まえられずに
 いつか集めた誰かの詩を詠む

 ここは言葉の天国かしら
 雲を切り裂くまぶしい光
 それともわたしの心の世界?
 もう触れられない言葉が笑う


   *


 詩や小説を書くときのこだわりは語りつくせないほどあるけれど、なぜか口に出すのは恥ずかしく、自分の中での禁忌事項だった。
 だけどふと気付く。もしとつぜん何も書けなくなったら、感覚で書き続けていたわたしにはよりどころが何もない。それは恥ずかしさや禁忌をこえる深刻な事態だ。ということで、ここに自分のこだわりを記しておきたい。

一.漢字、ひらがなは感覚で
 しょっぱなから感覚。だけどそうとしか言えないのだから仕方ない。正式な文書でなければ、表記の統一よりも読んだ時の感触を大事にしたい。詩はとくに。

二.同じ言葉は意味なく使わない
 特別な意図がないときは、同じ単語、特に動詞を重複させるのは避ける。もったいない気がするから。一四〇字小説を書くようになって、その「もったいない」という感覚が増したように思う。短いからね。

三.言葉の意味をきちんと調べて使う
 正しい意味や品詞を調べずには言葉を使えない病にかかり、日常生活でも妙に過敏になってしまった。ほどほどにしたい。

四.必ず自分の中では筋を通す
 たとえ読む人の目には無意味な文字の羅列に映っても、決してそれはでたらめではなく、わたしの中ではきちんと物語になっている。なのにわたしは平気でそれを忘れる。結局、失われた物語を追いかけるようにして自分で書いたものを詠む羽目になるのだ。
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