19 / 33
不眠
しおりを挟む
眠れない。
「…はぁ~~っ」
魔力の特性を利用した修行。
魔力で布団を作り、その布団で寝て魔力の操作が切れたら痛みで起きる、というものを試しにやってみたら思ったより難しい。
この修行は、無意識下で魔力の操作をできるようにするためなので努力というより回数をこなして体に覚えさせるしかなくそれが歯がゆい。
修行を始めてから3時間ほど、ずっと寝て起きて寝て起きて、を繰り返している。
前の世界でずっと起きて徹夜したこともあるのだが、これは寝てから自分の意思で起きているわけでは無いので毎回無理矢理叩き起こされているようなものだ。
徹夜なんて目じゃないほど辛い。
この修行をやめて普通で寝ようかとも思ったが、それでは魔法を使うことができるまでが遅れてしまう。
僕の中では睡眠より魔法のほうが優先順位は高い。
なので心を決めて頑張っているのだがやはり先程も言ったが回数をこなすしか無いようだ。
辛い。めちゃくちゃ辛い。
「…はぁ~~…眠い~」
余談だが、ため息をすると幸せが逃げるというが風水的にため息をすると心のモヤモヤや悪いものを吐き出すのですればするほど風水的には良いものらしい。
僕は起きて寝て起きて寝むってが辛いので、どうせ短い時間しか寝れないのならその短い時間で疲労をしっかり取れるように布団の改良を始めた。
そしてやってみると今まで寝れればいいと思っていた布団などの寝具が意外と奥が深いことがわかった。
ふわふわにしすぎると逆に寝づらかったり、逆に固くしすぎても寝辛かったりと意外と調整が難しいのだ。
そして、それは敷布団だけではなく、掛け布団も調整が難しい。
重すぎては眠れず、軽過ぎては寒いし蹴飛ばして風邪を引いてしまう。
そして、寝て起きて布団改良、寝て起きて布団の改良、をやっているとあっという間に夜が過ぎ朝が来た。
そしてあまり眠れず疲労が抜けていない体で修行が始まった。
最初はまだついていけたが途中から機能の疲労が完全に抜けていないせいか体が段々重くなっていき息も上がってきた。なので気で体を強化してなんとか今日の分の修行を終えた。
「…はぁハァ…きっつい。」
やはり睡眠は大切だ。
だが、だからといって夜の修行を辞めることはしない。これも経験だ。
そして魔法のためだ。そんな無理をしてまで魔法を使う―憧れを追わなくても、と思われるかもしれない。しかし、現実はそう甘くない。
前の鬼に追いかけられた件も含めこの森には僕がまだまだ勝てない生き物がたくさんいる。
そしてこの寝ずの修行をやらずに、ドラゴンさんが来るまでの一年間をぬくぬく過ごしても、勝てるとは思えない。
僕は天才じゃない。そしてこの森の魔物達は人間で云う天才たちばかりだろう。
凡才がこの森の強力な魔物に一年という期間で勝とうと思うなら血反吐を吐くような努力をしなくてはならない。
魔法だけではない。体術も剣術も気も全てを鍛えて鍛えて鍛え抜いてこの世界を生き抜く。
それが僕の覚悟だ。僕をこの世界に誰が連れてきたのか知らないが絶対にお前を殴るまでは泥水を啜ってでも生き抜いてやる
「やってやる。僕だって男だっ!」
そう、僕だって男だ。
いや、もう、
僕じゃない。"俺"だ。
覚悟を決めたんだから、一人称ぐらい男らしくしなくっちゃな。
この世界に来たのが偶然では無いことは、オオカミさんに教えてもらっていた。
転移は何者かの手によるものだと。
誰か知らないが、俺をこの世界に連れてきたクソ野郎―もしくはクソ女。
俺の覚悟を舐めるなよ?
必ずお前の喉笛を噛みちぎってやる日までぬくぬくと生きてやがれ。
俺の名前は八神秋人、神狼の弟子にしてお前を滅するものなり。
「…はぁ~~っ」
魔力の特性を利用した修行。
魔力で布団を作り、その布団で寝て魔力の操作が切れたら痛みで起きる、というものを試しにやってみたら思ったより難しい。
この修行は、無意識下で魔力の操作をできるようにするためなので努力というより回数をこなして体に覚えさせるしかなくそれが歯がゆい。
修行を始めてから3時間ほど、ずっと寝て起きて寝て起きて、を繰り返している。
前の世界でずっと起きて徹夜したこともあるのだが、これは寝てから自分の意思で起きているわけでは無いので毎回無理矢理叩き起こされているようなものだ。
徹夜なんて目じゃないほど辛い。
この修行をやめて普通で寝ようかとも思ったが、それでは魔法を使うことができるまでが遅れてしまう。
僕の中では睡眠より魔法のほうが優先順位は高い。
なので心を決めて頑張っているのだがやはり先程も言ったが回数をこなすしか無いようだ。
辛い。めちゃくちゃ辛い。
「…はぁ~~…眠い~」
余談だが、ため息をすると幸せが逃げるというが風水的にため息をすると心のモヤモヤや悪いものを吐き出すのですればするほど風水的には良いものらしい。
僕は起きて寝て起きて寝むってが辛いので、どうせ短い時間しか寝れないのならその短い時間で疲労をしっかり取れるように布団の改良を始めた。
そしてやってみると今まで寝れればいいと思っていた布団などの寝具が意外と奥が深いことがわかった。
ふわふわにしすぎると逆に寝づらかったり、逆に固くしすぎても寝辛かったりと意外と調整が難しいのだ。
そして、それは敷布団だけではなく、掛け布団も調整が難しい。
重すぎては眠れず、軽過ぎては寒いし蹴飛ばして風邪を引いてしまう。
そして、寝て起きて布団改良、寝て起きて布団の改良、をやっているとあっという間に夜が過ぎ朝が来た。
そしてあまり眠れず疲労が抜けていない体で修行が始まった。
最初はまだついていけたが途中から機能の疲労が完全に抜けていないせいか体が段々重くなっていき息も上がってきた。なので気で体を強化してなんとか今日の分の修行を終えた。
「…はぁハァ…きっつい。」
やはり睡眠は大切だ。
だが、だからといって夜の修行を辞めることはしない。これも経験だ。
そして魔法のためだ。そんな無理をしてまで魔法を使う―憧れを追わなくても、と思われるかもしれない。しかし、現実はそう甘くない。
前の鬼に追いかけられた件も含めこの森には僕がまだまだ勝てない生き物がたくさんいる。
そしてこの寝ずの修行をやらずに、ドラゴンさんが来るまでの一年間をぬくぬく過ごしても、勝てるとは思えない。
僕は天才じゃない。そしてこの森の魔物達は人間で云う天才たちばかりだろう。
凡才がこの森の強力な魔物に一年という期間で勝とうと思うなら血反吐を吐くような努力をしなくてはならない。
魔法だけではない。体術も剣術も気も全てを鍛えて鍛えて鍛え抜いてこの世界を生き抜く。
それが僕の覚悟だ。僕をこの世界に誰が連れてきたのか知らないが絶対にお前を殴るまでは泥水を啜ってでも生き抜いてやる
「やってやる。僕だって男だっ!」
そう、僕だって男だ。
いや、もう、
僕じゃない。"俺"だ。
覚悟を決めたんだから、一人称ぐらい男らしくしなくっちゃな。
この世界に来たのが偶然では無いことは、オオカミさんに教えてもらっていた。
転移は何者かの手によるものだと。
誰か知らないが、俺をこの世界に連れてきたクソ野郎―もしくはクソ女。
俺の覚悟を舐めるなよ?
必ずお前の喉笛を噛みちぎってやる日までぬくぬくと生きてやがれ。
俺の名前は八神秋人、神狼の弟子にしてお前を滅するものなり。
0
お気に入りに追加
12
あなたにおすすめの小説
隣の人妻としているいけないこと
ヘロディア
恋愛
主人公は、隣人である人妻と浮気している。単なる隣人に過ぎなかったのが、いつからか惹かれ、見事に関係を築いてしまったのだ。
そして、人妻と付き合うスリル、その妖艶な容姿を自分のものにした優越感を得て、彼が自惚れるには十分だった。
しかし、そんな日々もいつかは終わる。ある日、ホテルで彼女と二人きりで行為を進める中、主人公は彼女の着物にGPSを発見する。
彼女の夫がしかけたものと思われ…
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
私はいけにえ
七辻ゆゆ
ファンタジー
「ねえ姉さん、どうせ生贄になって死ぬのに、どうしてご飯なんて食べるの? そんな良いものを食べたってどうせ無駄じゃない。ねえ、どうして食べてるの?」
ねっとりと息苦しくなるような声で妹が言う。
私はそうして、一緒に泣いてくれた妹がもう存在しないことを知ったのだ。
****リハビリに書いたのですがダークすぎる感じになってしまって、暗いのが好きな方いらっしゃったらどうぞ。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
性癖の館
正妻キドリ
ファンタジー
高校生の姉『美桜』と、小学生の妹『沙羅』は性癖の館へと迷い込んだ。そこは、ありとあらゆる性癖を持った者達が集う、変態達の集会所であった。露出狂、SMの女王様と奴隷、ケモナー、ネクロフィリア、ヴォラレフィリア…。色々な変態達が襲ってくるこの館から、姉妹は無事脱出できるのか!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる