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涙
しおりを挟む街中の小さな公園。
一人、ブランコに座る。
手に持っているスマホの画面は真っ暗で何も映さない。
白い息が現れては、
暗闇に消えてゆく。
君と喧嘩した。
何気ない事がきっかけで、
君は謝ってくれてたのに…
私は………
家を出る時に見えた君の顔
黒いもやがかかったように
思い出せない。
視界が揺れる。
遊具や風景がぐにゃりと曲がり、
頬には生暖かい感覚がする。
頬をつたうそれは
気持ちと比例するように
次々と冷えた頬を零れ落ちる。
下を向いていないと、
口を強く噛んでいないと、
今にも、
この暗闇に呑まれてしまいそうで。
地面を蹴る音が聞こえる。
よく知ってる声が私を呼ぶ。
その音が徐々に大きく、近く。
「はぁ、はぁ、……いた。」
顔を見れず、下を向いたままの私に
君は優しく抱きしめてくれた。
安心と嬉しさといろんな感情が混ざって、
声を上げて、君の腕の中で泣いた。
二人で帰る道。
月が輝いて、とても明るかった。
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