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狸と狐の化かし合い

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「何でばれたのかなぁ?」

とにこにこ笑いながら王太子とその護衛が出て来た。
元帝国の姫も負けずににこにこ笑いながら

「殺気が漏れていましたよ。王太子殿下。」

「ふふっ。僕もまだまだだねぇ。」

「いえいえ、一度浴びた事のある殺意だったので。」


と二人してことばの応酬をしていると彼女はお転婆令嬢は少し怯えたように彼の悪魔の宰相の袖を掴んだ。
彼は彼女の行動に悶え王太子殿下と元帝国の姫の言葉のキャッチボールを聞きながら、狸と狐の化かし合いってこういう事を言うのか。
と軽く現実逃避をしながら彼女が突拍子のない事をしないように身体の向きを変え抱きしめていた。

あの二人が一応敵では無くて良かった。
万が一あの二人が同盟組んだら何処の国でも、滅びそうだなと思いながら。

ちなみに現在進行形で抱き締められているお転婆令嬢の内心は、

これは一体どういう状況ですの!
婚約者様は意外と鍛えているのですのね。
………。恥ずかしすぎますわ!
というか離れません!
離して下さい!お願い致しますわ!
王太子殿下と元帝国の姫殿下にご挨拶をしなければなりませんのに!
誰か、助けて!
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