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2.ゲーム開始

71.俺とレイスの秘密の会話。Side リュート

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 グループ行動が終わって、解散する時に、アリスさんはフローディア様に問うた。





「でも。何故私の事を応援してくれるの??」





 フローディア様はそれはもう満面の笑みで答える。思わず、ドキッとしたくらいに。いや、高鳴るなよ。俺。いや、でもアリスさんがルディー先生の事を諦めないなら、俺も少しは頑張ってみようかな。・・・いや、それはダメだろ!





「それは、私が悪役令嬢だからよ・・・・・・・・・・!」





 ・・・?一同は唖然とする。いやいや、悪役令嬢は他人の恋路を応援はしないでしょう。何を言い出すんですか!?貴方はー・・・!





「そ、そうなんだ・・・」





 流石の、アリスさんも反応できなかったようである。しかし、フローディア様は続ける。





「・・・ここまで私が、来れたのも全てはレオン様のおかげ。レオン様の導きがあったから、私は、ここまでやってこれた。・・・だから、私は、レオン様の為に行動をするの」

「・・・まるで、ここにいない人間・・・・・・・・の事を指しているように聞こえた」





 レイスはそう言うが、実際にはレオン王子は亡くなっているだろう?ここにいなくて、当然じゃないのか?フローディア様が天を仰いで、そう祈りを捧げるように言ったので、俺もレイスのように少しはそう思ったが、言葉にする事は出来なかった。



 △△△△



 夜になって、紳士寮のコテージで休んでいると、途中で喉が渇いたので、水分を取ろうと部屋を出て、水場を探すが、部屋を出た廊下にレイスの姿があった。ボーっと、外を眺めていた様子だったので、気になって声をかけた。





「・・・レイス?こんな夜に何してんだ?」

「リュート?・・・そっちこそ、何してんの?」

「俺は、喉が渇いたから、水を飲みにきたんだ」





 そう言うと、興味もなさそうに呟いた。





「あっそ。それにしても、アリスはルディー先生に告白しているのかな。・・・月って言えば、もうそろそろ満月だ。レオン王子が誘拐された日も、満月の夜だった・・・」

「・・・?何で、そんな事が分かるんだ?」



 月の光に照らされて、レイスは答える。



「フローディアに聞いた。レオン王子は満月の夜に誘拐されて、“最果ての森”に捨てられた・・・。そして、“湖の乙女”に加護を受けて、この世界で生きている。・・・ねぇ、リュート?いや、レオン王子?」





 レイスの視線は真っすぐ俺を見ていたー・・・。は?俺が、レオン王子?意味がよく分からない。というか、理解が追いつかない。でも、フローディア様の事だろう。本当の・・・事だろう。じゃあ・・・俺は亡くなったとされるレオン王子なのか?俺は、勿論、生きている。じゃあ・・・俺が、レオン王子なら、レオン王子も生きている事に。





「レオン王子なら、フローディアと身分がつり合う。レオン王子としてだけど、リュートがフローディアと結ばれる未来だって、あるんだよ。何も障害はないんだよ。でも、今は結ばれてはいけない。最終的には、フローディアがレオン王子を誘拐した。その事実は変わらない。だから、フローディアは自分自身を悪役令嬢・・・・と言った」

「それは、そういう意味で・・・」





「でも、その後に言った言葉は、リュートに向けて言った訳ではなかったように聞こえた。じゃあさ、今まで誰が・・フローディアをあそこまで、突き進ませていったの?リュートの為?それは、勿論あると思う。でも、導いたって言葉に引っかかりを覚える。・・・リュートはそこまでの自覚、ある?」

「・・・寧ろ、俺がフローディア様に導かれ、ここまでやってこられた。しかし、俺がフローディア様を導いたかって言われると疑問符が浮かぶ」







 レイスは静かに言葉を紡ぐ。





「・・・じゃあ、フローディアが言っていたレオン王子・・・・・って誰なんだろうね?」





 その言葉は俺の心に、深く刺さり、蟠りとして胸を締め付けた。
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