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1.幼少期
13.フラグの前兆。
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”ジル様襲撃事件”後の半年後。
私たちは平穏に過ごしていた。平和って素敵。でも、次の一手も考えておかなくちゃ。あの貴族達の正体を掴まないと、本当の幸せは掴めないんだから!!
レイスとも仲良くやっていた。彼は私たちの事を遠慮なく名前で呼んでくれる。今や気の置けない仲と言えよう。レイスの言葉には嘘がないように見えた。やや、ひねくれている気はするが。これもシナリオブレイクの影響かしら?彼の存在は今後どんな影響を与えるのかしら?
今日は庭園でちょっとしたお茶会を開いています。お茶を淹れてくれているのは、言わずもがなリュート様。そして、庭師見習いのレイスがひょっこりとお茶会に顔を出しています。
「あ、リュートがお茶淹れてる。休憩がてら俺にも頂戴」
「おい、レイス。まずは、フローディア様の分を淹れてからだ」
そう言って、私の分を淹れてくれると、レイスの分を淹れてくれている優しいリュート様。
「リュートの淹れてくれるお茶はいつでも美味しいわね」
「そうだよねー。俺もリュートの淹れてくれるお茶好きだよ」
「・・・そりゃあ、そういう風に教育されているからな。これくらい、当然。あ、そう言えば、フローディア様にジル王子から手紙を頂いている」
そう言って、手紙を渡すリュート様。・・・あれから、ジル様とは上手くやっている。私の情報は正しいものだと、証明されたからである。これは、秘密裏に調査したジル王子の報告書から知らされた。それからというもの、ジル様は私を信頼してくれている様子であった。・・・元々、他人をあまり疑わない優しい王子様だからな。そういうところは案外、好きですよ。
なので、今では協力者の関係にまでなった。破滅フラグが立たなければ、大いに利用してしまえ!
レイスは空気を読まず、突然の発言。
「あ、フローディア。どんな花が好き?今度、俺が庭をほんのちょっとだけ手入れする事になったんだ」
「え?・・・そうね・・・。じゃあ、今度、街にでも赴いてみる?実物を見ながら選ぶっていうのもいいでしょ?」
「うん。そうだね。行こうよ」
「えぇ、そうしましょう」
「って何で、2人とも勝手に話を進めているんですかね?そういう事になったら、俺もついていきますよ」
「じゃ、決定!」
レイスは手をポンと叩き、今度の予定が決まった。
そして、当日。私たちは街へと赴いた。やはり、街へと赴くのはとても楽しい。3人で花屋を巡って、花を選んだりして、楽しいひと時を過ごしたのだが、事件は突如として起きるもの。少し裏道に差し掛かった時、裏道から誰かが走ってきた。まるで、誰かから逃げているような・・・
私は本能的にその人の手を掴んで、どこかに逃げていた。リュート様もレイスもそれに続く。風魔法を展開し、怪しい人物の気配を察知できるようにした。リュート様もレイスも後方から駆け寄ってくる人物を撒くような魔法展開をする。
そうする事、数十分。やっと、追っ手から逃げ切る事が出来た。私はいつにもなく汗だくだくである。こんな姿他人には見せてられるものじゃないわね。私は手を掴んでいた人物に目を向ける。
そうすると、同年代くらいの少年だった。・・・私は男にしか縁がないのかしら。正直、女子の友達も欲しい年頃よ。少年は正直、ビクついた表情だ。そりゃあ、どこかから逃げてきて、いきなり知らない女の子から手を掴まれて逃げてきたなんて。私だったら、いくら親切で助けてくれたとしてもいきなりは信じられないよね。
それにしても、この少年どこかで見た事があるような・・・風貌は黒髪の黒目、サラサラな髪。身長はリュート様と変わらないくらい。要するに、高めってこと!そして、かなりのイケメン!これだけの特徴があれば、見た事があればすぐにでも思い浮かびそうなものだけど・・・?
ここは、自己紹介をした方がいいのかしら?でも、こんなにビクついた情態で答えてくれるとも限らないわ。思い出せ、私!
百面相する私に少年は緊張が解けたのか、思わず吹き出す。その少年の笑顔を見て、ようやく私は思い出す事が出来たのだ。
その少年の名を。・・・その少年の名を、リード・アズウェル。隣国の皇子である。フラグ回収してしまった。
私たちは平穏に過ごしていた。平和って素敵。でも、次の一手も考えておかなくちゃ。あの貴族達の正体を掴まないと、本当の幸せは掴めないんだから!!
レイスとも仲良くやっていた。彼は私たちの事を遠慮なく名前で呼んでくれる。今や気の置けない仲と言えよう。レイスの言葉には嘘がないように見えた。やや、ひねくれている気はするが。これもシナリオブレイクの影響かしら?彼の存在は今後どんな影響を与えるのかしら?
今日は庭園でちょっとしたお茶会を開いています。お茶を淹れてくれているのは、言わずもがなリュート様。そして、庭師見習いのレイスがひょっこりとお茶会に顔を出しています。
「あ、リュートがお茶淹れてる。休憩がてら俺にも頂戴」
「おい、レイス。まずは、フローディア様の分を淹れてからだ」
そう言って、私の分を淹れてくれると、レイスの分を淹れてくれている優しいリュート様。
「リュートの淹れてくれるお茶はいつでも美味しいわね」
「そうだよねー。俺もリュートの淹れてくれるお茶好きだよ」
「・・・そりゃあ、そういう風に教育されているからな。これくらい、当然。あ、そう言えば、フローディア様にジル王子から手紙を頂いている」
そう言って、手紙を渡すリュート様。・・・あれから、ジル様とは上手くやっている。私の情報は正しいものだと、証明されたからである。これは、秘密裏に調査したジル王子の報告書から知らされた。それからというもの、ジル様は私を信頼してくれている様子であった。・・・元々、他人をあまり疑わない優しい王子様だからな。そういうところは案外、好きですよ。
なので、今では協力者の関係にまでなった。破滅フラグが立たなければ、大いに利用してしまえ!
レイスは空気を読まず、突然の発言。
「あ、フローディア。どんな花が好き?今度、俺が庭をほんのちょっとだけ手入れする事になったんだ」
「え?・・・そうね・・・。じゃあ、今度、街にでも赴いてみる?実物を見ながら選ぶっていうのもいいでしょ?」
「うん。そうだね。行こうよ」
「えぇ、そうしましょう」
「って何で、2人とも勝手に話を進めているんですかね?そういう事になったら、俺もついていきますよ」
「じゃ、決定!」
レイスは手をポンと叩き、今度の予定が決まった。
そして、当日。私たちは街へと赴いた。やはり、街へと赴くのはとても楽しい。3人で花屋を巡って、花を選んだりして、楽しいひと時を過ごしたのだが、事件は突如として起きるもの。少し裏道に差し掛かった時、裏道から誰かが走ってきた。まるで、誰かから逃げているような・・・
私は本能的にその人の手を掴んで、どこかに逃げていた。リュート様もレイスもそれに続く。風魔法を展開し、怪しい人物の気配を察知できるようにした。リュート様もレイスも後方から駆け寄ってくる人物を撒くような魔法展開をする。
そうする事、数十分。やっと、追っ手から逃げ切る事が出来た。私はいつにもなく汗だくだくである。こんな姿他人には見せてられるものじゃないわね。私は手を掴んでいた人物に目を向ける。
そうすると、同年代くらいの少年だった。・・・私は男にしか縁がないのかしら。正直、女子の友達も欲しい年頃よ。少年は正直、ビクついた表情だ。そりゃあ、どこかから逃げてきて、いきなり知らない女の子から手を掴まれて逃げてきたなんて。私だったら、いくら親切で助けてくれたとしてもいきなりは信じられないよね。
それにしても、この少年どこかで見た事があるような・・・風貌は黒髪の黒目、サラサラな髪。身長はリュート様と変わらないくらい。要するに、高めってこと!そして、かなりのイケメン!これだけの特徴があれば、見た事があればすぐにでも思い浮かびそうなものだけど・・・?
ここは、自己紹介をした方がいいのかしら?でも、こんなにビクついた情態で答えてくれるとも限らないわ。思い出せ、私!
百面相する私に少年は緊張が解けたのか、思わず吹き出す。その少年の笑顔を見て、ようやく私は思い出す事が出来たのだ。
その少年の名を。・・・その少年の名を、リード・アズウェル。隣国の皇子である。フラグ回収してしまった。
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