上 下
56 / 128
第1章 幼年期

お茶会の不安

しおりを挟む
☆☆☆☆☆☆

ルナ王女がお茶会を主催するとの事で、俺は今とても焦っている。何故なら、貴族の女の子の知り合いがルナ王女以外いないのだ。

「・・・どうしよう?」

「何が?」

いきなり?現れたのはルーラ兄さんだった。俺はルーラ兄さんにルナ王女が近々お茶会を主催する事を報告した。そうすると、ルーラ兄さんは唸る。

「うーん・・・それは、俺にはどうしようもないなー。でも、お茶会なら最悪一人でも行けるしな。それに、親戚筋から当たってみたら?」

・・・それが出来たら、話は早いんだが。リーナには早すぎる。かと言って姉さん達には婚約者がいて、流石にこちらから辞退した方がいいだろう。

そうだ。ハルカさんはどうなんだろう?ハルカさんは誰かと一緒に行く予定はあるのだろうか?聞いてみようか。


「ハルカさんは誰と行く予定なの?」

いきなり質問されて驚くハルカさん。でも、ちょっと不貞腐れている気がする。しかし、答えてくれた。

「僕は1歳年上の姉さんと行く予定。・・・ロイス君は?」

言葉に詰まる俺。だって、そうじゃない。いないんだもの。正直に言う。

「・・・残念ながらいません。貴族・・・というか、王族であるルナ王女しか知り合いいないんだよな。家族以外に。かと言って、皆出られる状況でもないから困っている。」

何故か勝ち誇るハルカさん。何だろう、この余裕。くそぅ・・・。ハルカさんは口を開いた。

「へー?だったら、条件付きでなら誰か紹介しようか?」

勝ち誇っている姿さえ可愛いと思うが、同時に悔しい気もする。けれど、頼みの綱はハルカさんしかいない。ここは条件を飲むしかない。

「・・・条件付きでいいですから、誰か紹介してくれませんか?」

「これで、一応証言は取れた事だし、紹介してもいいかな。条件は簡単。僕の事をハルカって呼び捨てにしてよ。そうしたら、僕の双子の妹紹介するよ。」

「・・・それだけ?」

「それだけでいいよ。いつになってもさん呼び抜けないし。ここで、条件付けとけば呼び捨てにしてくれるでしょ?」

それだけでいいのか。条件と言っても随分と優しいな。

「・・・それより君、家出中じゃないの?本当に紹介してくれるの?」

「・・・まぁ、いずれ戻るし、今はしばらくここに泊まらせてもらおうと思っているよ?一応、連絡済みではあるし。お茶会までは戻ります。そんでもって、またここに来るよ?」

手回し早いな!?計画的犯行だぁ!!というか、しばらくここに泊まる気なの!?もう、仕方がないな!!文句が言えない状況ではあるけどね。もう、流れに任せよう。

☆☆☆☆☆☆
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

異世界転生した俺は、産まれながらに最強だった。

桜花龍炎舞
ファンタジー
主人公ミツルはある日、不慮の事故にあい死んでしまった。 だが目がさめると見知らぬ美形の男と見知らぬ美女が目の前にいて、ミツル自身の身体も見知らぬ美形の子供に変わっていた。 そして更に、恐らく転生したであろうこの場所は剣や魔法が行き交うゲームの世界とも思える異世界だったのである。

異世界転生したら何でも出来る天才だった。

桂木 鏡夜
ファンタジー
高校入学早々に大型トラックに跳ねられ死ぬが気がつけば自分は3歳の可愛いらしい幼児に転生していた。 だが等本人は前世で特に興味がある事もなく、それは異世界に来ても同じだった。 そんな主人公アルスが何故俺が異世界?と自分の存在意義を見いだせずにいるが、10歳になり必ず受けなければならない学校の入学テストで思わぬ自分の才能に気づくのであった。 =========================== 始めから強い設定ですが、徐々に強くなっていく感じになっております。

転生貴族の異世界無双生活

guju
ファンタジー
神の手違いで死んでしまったと、突如知らされる主人公。 彼は、神から貰った力で生きていくものの、そうそう幸せは続かない。 その世界でできる色々な出来事が、主人公をどう変えて行くのか! ハーレム弱めです。

【完結】前世の不幸は神様のミスでした?異世界転生、条件通りなうえチート能力で幸せです

yun.
ファンタジー
~タイトル変更しました~ 旧タイトルに、もどしました。 日本に生まれ、直後に捨てられた。養護施設に暮らし、中学卒業後働く。 まともな職もなく、日雇いでしのぐ毎日。 劣悪な環境。上司にののしられ、仲のいい友人はいない。 日々の衣食住にも困る。 幸せ?生まれてこのかた一度もない。 ついに、死んだ。現場で鉄パイプの下敷きに・・・ 目覚めると、真っ白な世界。 目の前には神々しい人。 地球の神がサボった?だから幸せが1度もなかったと・・・ 短編→長編に変更しました。 R4.6.20 完結しました。 長らくお読みいただき、ありがとうございました。

「残念でした~。レベル1だしチートスキルなんてありませ~ん笑」と女神に言われ異世界転生させられましたが、転移先がレベルアップの実の宝庫でした

御浦祥太
ファンタジー
どこにでもいる高校生、朝比奈結人《あさひなゆいと》は修学旅行で京都を訪れた際に、突然清水寺から落下してしまう。不思議な空間にワープした結人は女神を名乗る女性に会い、自分がこれから異世界転生することを告げられる。 異世界と聞いて結人は、何かチートのような特別なスキルがもらえるのか女神に尋ねるが、返ってきたのは「残念でした~~。レベル1だしチートスキルなんてありませ~~ん(笑)」という強烈な言葉だった。 女神の言葉に落胆しつつも異世界に転生させられる結人。 ――しかし、彼は知らなかった。 転移先がまさかの禁断のレベルアップの実の群生地であり、その実を食べることで自身のレベルが世界最高となることを――

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

スキル【アイテムコピー】を駆使して金貨のお風呂に入りたい

兎屋亀吉
ファンタジー
異世界転生にあたって、神様から提示されたスキルは4つ。1.【剣術】2.【火魔法】3.【アイテムボックス】4.【アイテムコピー】。これらのスキルの中から、選ぶことのできるスキルは一つだけ。さて、僕は何を選ぶべきか。タイトルで答え出てた。

伯爵家の三男は冒険者を目指す!

おとうふ
ファンタジー
2024年8月、更新再開しました! 佐藤良太はとある高校に通う極普通の高校生である。いつものように彼女の伶奈と一緒に歩いて下校していたところ、信号無視のトラックが猛スピードで突っ込んで来るのが見えた。良太は咄嗟に彼女を突き飛ばしたが、彼は迫り来るトラックを前に為すすべも無く、あっけなくこの世を去った。 彼が最後に見たものは、驚愕した表情で自分を見る彼女と、完全にキメているとしか思えない、トラックの運転手の異常な目だった... (...伶奈、ごめん...) 異世界に転生した良太は、とりあえず父の勧める通りに冒険者を目指すこととなる。学校での出会いや、地球では体験したことのない様々な出来事が彼を待っている。 初めて投稿する作品ですので、温かい目で見ていただければ幸いです。 誤字・脱字やおかしな表現や展開など、指摘があれば遠慮なくお願い致します。 1話1話はとても短くなっていますので、サクサク読めるかなと思います。

処理中です...