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第1章 幼年期

街めぐり

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☆☆☆☆☆☆

翌日。
俺は庶民的服装に包まれて、街を散策中です。俺に出来る事を実際にこの目で確かめるためだ。生憎俺には農業などの知識は前世でも今世でもない。そちらはルーラ兄さんが受け持ってくれるらしい。ルーラ兄さんは園芸が趣味らしい。ちょっと趣味が渋いなと思うけど、俺には出来ない事だ。一応俺も農業に関する本は読み始めたが、からっきしダメダメな様子なので、この街の治安面に関する事を調査しようという算段である。

街を散策していると、エリナさんに会った。なので、声をかける。あちらもこちらに気付き、挨拶を交わす。

「やあ、エリナさん。おはようございます。」

「あら、ロイス様。おはようございます。今日はギルドに向かうのですか?」

「いや?俺、最近この街にやってきたばかりだから、街を巡ってみようかと。」

そう言うと、エリナさんは考え込み、俺に提案をする。

「でしたら、私がこの街を案内しましょうか?私はこの街で生まれ、育ちましたから。ロイス様のお役に立てるはずです。」

「いいの!?ありがとう!エリナさん!!」

思わず俺はエリナさんの両手をつかんでしまった事に気付き、パッと手をすぐさま離した。・・・ちょっと顔を赤くなりながら。あちらは気付いていなかったようで、良かったけど。

それからしばらく、懇切丁寧に街の情報を提供してくれるエリナさん。そして、聞いてみてよく分かる。エリナさんはこの街が本当に大好きだと言う事に。聞いていて微笑ましい気持ちになるよ。そして、終盤この街のいかにも治安が悪そうな場所の近くに来た。

「うわぁ。いかにも治安が悪そうだね。」

「事実、あまり良くなく冒険者のなり崩れなどがおり、ここら辺には奴隷商人もおります。」

奴隷制度・・・この国にはある制度だ。奴隷の多くが犯罪者である。しかし、借金の形につけられ、売られてしまったケースも多くない。俺はこの制度が大嫌いだ。何で、こんな制度がこの国に存在するのかが不思議だ。これは俺が前世奴隷が存在しない国で生まれ育ったからだろうか?それとも、頭の中はお花畑だからなのだろうか?

そりゃあ、モテる事ばかり考えていたけれど、嫌いな物は嫌いなのだ。しかし、それで終わらせていけない事を俺は知っている。だから、俺は踏み出す。治安が悪いこの地の中へ。そして、奴隷商人がどういうものか、この目で確かめてやる。

☆☆☆☆☆☆
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