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32.アキトの気苦労6。Side アキト

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「そうなの!?」

「まぁ、全く以てはた迷惑な出逢いでしたけどね。」


ゼノンとライトは、驚く。そりゃあ、俺も驚いていた時代はあったけど、どうやって元の世界に戻るのか、知りたい。ヒロトは、応える。


「やっぱり、グレイシア王子に、恩売っておくのが正攻法かもしれないなーーー??」


メイディス王子は、納得する。ついでに〝黒狼〟もね。


「やはり、リリアン王妃様のお力添えを頂くしかないんですね。」

「やっぱり、それしかないっしょ。あの方は、『選ばれし者』。次元を超えるという虚無魔法が使えるからなぁ。だがなぁ、それはそれで、難しいところもあるよなぁ、まぁ、子孫が困っているなら、最終的には使うだろうけど、まだまだパシリにされるのは、目に見えてら。」


俺は、その言葉が、気になったので、尋ねる。


「という事は、どういうこと??」


ヒロトは、大きくため息を吐く。


「あの人の執着心は、マジで、ヤベェ。リリアン嬢は、天真爛漫なお方。悪いムシがくっつくのが、如何やらグレイシア王子は、お嫌いでね。まぁ、男集団が多く集まった俺たちは、それだけで不利なんだ。男の嫉妬ほど醜いものはない。それ程、愛してるとも言えるけど、宰相が捕まって、盗賊アイフリードに繋がる何か、見つけないと、マジで、ヤベェかも。」


うん、聞かなかったことにしよう。教科書に載る程の人間が、自由奔放で、腹黒いとか。使えるものは全て、使うって、マジで、ヤベェ。愛妻家なのは、ビックリなんだけどね。あれが、愛妻家??えっ、ほんと、知る必要のないことを、知っちゃった気分。



マジで、怖くて、明日が怖すぎる。待って、待って。これで、恩売れなかったら、帰れないじゃないか!骨折り損のくたびれ儲け!



これは、俺の心に留めておくことにする。
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