CV.=俺!?な悪役ヒーロー~俺は悪役ヒーローにはなりません!!~

水魔沙希

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29.アキトの気苦労2。Side アキト

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「そろそろ、俺にも状況を説明してくれない?ディアレスト王国の第一王子?あの人が?“有明月”だけじゃなくて、俺にも説明してくれない?」



・・・大事な事なので、二回言いました。本当に説明が欲しい状況で、グレイシア・ディアレスト?に付き添う形になってから、体感時間で約一時間。そろそろ、ゼノンやライトが暴れだしそうである。あいつら、落ち着いて行動できないのが玉に瑕だからな。寧ろ、今までよく黙ってついてきたよな。・・・あぁ、自分達が起こしたと自己嫌悪してくれているのな。そりゃあ、ありがたい限りだ。



「簡単に言うと、俺達、約1000年前の世界に来たみたいです。」

「は?」

「約1000年前のディアレスト王国に来たみたいです。」

「はい?」

「場所は同じようですが、約1000年前のディアレスト王国の第一王子に出会ったみたいです。」


何度、聞いても事態が理解できない。1000年前の世界に来ただって?そんなの、簡単に理解できるかよ!俺の後ろで聞いていたメイディス第四王子と“黒狼”は驚きが隠せないと同時に、何故そんな事を知っているのかが気になる。もし、話が本当だとすると、ヒロトは1000年前の王子について、知っている事になるわ。そして、第一王子と言う事は、過去に王様になった人かもしれない。


俺は左手がちらりと目に入った。彼は、王族紋章継承魔法の印が刻まれている。あ、これ本当にそうなのかもしれない。現時点では、遺跡が新しい感じと、少なくとも現国王陛下の者ではない事。彼はグレイシア・ディアレストと名乗った事。


そして、“黒狼”とメイディス第四王子はそれぞれ口に出す。


「そういや、王族の中では初めて、王族紋章継承魔法の使い手になった人物が、グレイシア・ディアレスト国王じゃなかったか?」

「そう言えば、国の歴史で、グレイシア・ディアレスト様の事を学びましたね。確か、“選ばれし者”と結ばれたとか。」



あっ、これガチなやつだ。ヒロト、お前一体、何なの!?何で王族に詳しい・・・あぁ、お前も王族だったな。一応!・・・一応、と言うのも失礼か。現・王族紋章継承魔法の使い手に対して、失礼でしたね。



「じゃあ、本当に過去に戻ったのか?」


俺は“黒狼”に尋ねる。



「・・・今のところ、そう判断するしかねーな。これから、どうすっかなー。」



△△△△


グレイシア王子はある程度、遺跡を探索したところで、魔物が現れた。げっ!?ミノタウロスじゃねーかよ!!最強クラスの魔物が襲ってくるとか最悪。それに、付随してやってくる魔物。ミノタウロス程ではないが、それなりの実力がある魔物。これに、鉢合わせをするとかないわー。



ゼノンとライトの瞳が何気に輝いているのは気のせいか?ゼノンのあれからというもの、支給されている制服を着衣はしてくれた。剣術もまがいなりにも覚えている最中。実力はそれなりについてきた。しかし、今回は支給されている剣だけじゃ、足りないかもな。


“黒狼”が大きく声を出す。


「皆の者、それぞれの配置につけ!・・・グレイシア王子、貴方をお守りいたします。」


グレイシア王子は一瞬、目を見開くが、流石、国の歴史で学ぶような王子様。守られるだけの王子様ではなかった。


「・・・いえ、私も一緒に戦いますよ。私は守られるだけの存在ではありませんし、私だって、こうなる事は想定していたのです。だから、本日はこうして王城から出てきたのです。」


・・・?どういう事だろうか。分かっていて、敢えてその通りに行動した?


そう言っている内に、ヒロトが叫ぶ。


「雑魚どもは俺に任せろ!!」


そう言って、ミノタウロスに付随して来た魔物どもを一刀両断していく。時には魔法を使って。グレイシア王子は一瞬、驚く。


「もしかして、貴方達は“白魔法”を使うのですか?」


・・・白魔法?何の事だろう?まぁ、今はそれどころじゃないか。ゼノンとライトは、ミノタウロスに向かって攻撃を開始する。こいつらは・・・!俺は、雑魚を対処していくか。“黒狼”は“有明月”にサポートをお願いして、“繊月”にはヒロトのサポートに入れと指示したようだ。本当に、助かる。



グレイシア王子はミノタウロスに向かって、魔法を用いて、攻撃しているようだ。あれってー・・・!王族紋章継承魔法!?いや、使えるって事は、“黒狼”が言っていたし、左手の証を見れば、一目瞭然だ。



ミノタウロスは一瞬にして、爆発エクスプロージョン・・・だったかな?よく、ヒロトが困った時に使うやつ。これは、本当に困った場合だけど。爆発エクスプロージョンさせて、大ダメージを負わせる。そして、トドメを“黒狼”が刺した。しかし、ミノタウロスは一体だけではなかったのだ。
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