28 / 34
27.別ゲーのご案内。
しおりを挟む光に包まれ、光が消えた時には同じ場所にいた。でも、何かが違う。そういう違和感を感じ取った。何故か、遺跡が新しいような、そんな感じがした。風景も先ほど見ていたものとは多少変化があった。
俺はその違和感が何なのか最初分からなかった。けれども、俺は彼に出会ってしまったのだ。たまたま、遺跡を探索していた彼に。
俺達が困ったような表情を浮かべていたので、すかさず声をかけてきたようだ。
「・・・あのぉ、どうかされましたか?」
げっ、こいつは・・・!そして、この声は・・・!?俺はそいつをまじまじ見て、頭を抱えた。姿は俺達より・・・“黒狼”と同じくらいかな!
「瀬田君!?」
・・・“有明月”さんは声の正体をすぐさま理解する。そう言えば、俺のファンだったんだっけ?そう、俺達に声をかけたこのキャラはCV.瀬田大翔である。つまり、俺が声を当てているゲームのキャラである。そう思えば、『ドキッと恋して☆』の世界観は同じで、違うのは生きている年代が違うという事だけのゲーム、あったわ!!声も当てたわ!!その名も『白と黒のFOTUNE LOVERS!』。俺と“有明月”さんが死んだ時にはゲームの名前だけ情報が出ていたはず。“繊月”さんは一か月じゃ情報も大したものはないだろう。運良ければ、キャラクター紹介とCV.の紹介くらいじゃない?
『白と黒のFOTUNE LOVERS!』の世界は『ドキッと恋して☆』の世界と同じノルン。俺はメインヒーローの声を当てさせて頂きました。一人は前作と同じ演者がいいだろうとの事。続編・・・なのかな?違う話だが、世界観は同じです。3rdシーズンの方が新しくとったから、すっかり忘れてた!!
メインヒーローの名は・・・。
「グレイシア・ディアレスト・・・。」
「何故、私の名を?」
合ってたか。『ドキッと恋して☆』よりも、約1000年程前に生きてきた人物。・・・1000年も国が続いているのはスゲーよ。グレイシア・ディアレストはディアレスト王国の第一王子。その風貌はどこか、ハルディーンに似ている。碧眼なのが特徴的だよなぁ。というか、1000年前に来ちゃったけど、無事に戻れるの!?どっちかって言うと、これ神様の仕業だよね!?
俺は跪き、笑みを浮かべる。
「・・・そのお姿を拝見しただけでも、分かりますよ。この、ディアレスト王国の第一王子の名前は、そのお姿を。先程は、呼び捨てにしてしまった事をお詫び申し上げます。」
「・・・そんなに、畏まられなくて結構です。私はこの場所にはお忍びで来ているんです。もし、他の人達に気付かれてしまったら、困るんです。」
“有明月”さんはこっそりと俺に耳打ちする。
「・・・一体、どういう事ですか!?あの人、瀬田君の声がするんですが!!」
「・・・あの、俺黙っていたんだけど、前世は声優の“瀬田大翔”だったんだ。そんでもって、『ドキッと恋して☆』の世界と同じノルンの中のキャラクター、『白と黒のFOTUNE LOVERS!』というゲームのメインヒーローを演じていたんだ。あの人の名前は、グレイシア・ディアレスト。このディアレスト王国の第一王子で、今から約1000年前の人物って設定だったんだ。今はゲームの世界に入っているから、設定も何もないんだけど。ただ、普通に1000年前の世界に来ちゃっただけで。」
そう言うと、“有明月”さんは驚いて、こちらを大きく揺らす。
「それって、本当なんですか!!?え?瀬田君!?」
「そんなに、身体を揺さぶらないで!!俺だって、今の今まで忘れていたんだから!!」
“有明月”さんは驚きと興奮で、どうにもならない様子。俺、何もしてねーよ?ただ、前世の事を言っただけだもん❤
そして、神様は一体、俺をどうしたいんだぁ!!流石に、俺でも元いた場所に戻れる魔力ないと思うんだけど!!俺以外は状況が理解できていないようだ。俺だって、理解が及んでいないから、ちょっとだけ、待っていてほしい。
はぁ・・・。
ふぅ・・・。
はぁ・・・。
ふぅ・・・。
深呼吸、終わり!今は、まず目の前にいるグレイシアについていこう。どこに向かおうとしているかは知らないけど。遺跡に向かいたいのは分かるんだけどね。何とかして、お供に付き添う事にさせてもらおう。あわよくば、事情を説明して、味方になってもらおう。もしかしたら、何とかなるかも!!
よし!これから、頑張ろうと!!
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

家の庭にレアドロップダンジョンが生えた~神話級のアイテムを使って普通のダンジョンで無双します~
芦屋貴緒
ファンタジー
売れないイラストレーターである里見司(さとみつかさ)の家にダンジョンが生えた。
駆除業者も呼ぶことができない金欠ぶりに「ダンジョンで手に入れたものを売ればいいのでは?」と考え潜り始める。
だがそのダンジョンで手に入るアイテムは全て他人に譲渡できないものだったのだ。
彼が財宝を鑑定すると驚愕の事実が判明する。
経験値も金にもならないこのダンジョン。
しかし手に入るものは全て高ランクのダンジョンでも入手困難なレアアイテムばかり。
――じゃあ、アイテムの力で強くなって普通のダンジョンで稼げばよくない?


今日も学園食堂はゴタゴタしてますが、こっそり観賞しようとして本日も萎えてます。
柚ノ木 碧/柚木 彗
恋愛
駄目だこれ。
詰んでる。
そう悟った主人公10歳。
主人公は悟った。実家では無駄な事はしない。搾取父親の元を三男の兄と共に逃れて王都へ行き、乙女ゲームの舞台の学園の厨房に就職!これで予てより念願の世界をこっそりモブ以下らしく観賞しちゃえ!と思って居たのだけど…
何だか知ってる乙女ゲームの内容とは微妙に違う様で。あれ?何だか萎えるんだけど…
なろうにも掲載しております。

幸福の魔法使い〜ただの転生者が史上最高の魔法使いになるまで〜
霊鬼
ファンタジー
生まれつき魔力が見えるという特異体質を持つ現代日本の会社員、草薙真はある日死んでしまう。しかし何故か目を覚ませば自分が幼い子供に戻っていて……?
生まれ直した彼の目的は、ずっと憧れていた魔法を極めること。様々な地へ訪れ、様々な人と会い、平凡な彼はやがて英雄へと成り上がっていく。
これは、ただの転生者が、やがて史上最高の魔法使いになるまでの物語である。
(小説家になろう様、カクヨム様にも掲載をしています。)

【コピペ】を授かった俺は異世界で最強。必要な物はコピペで好きなだけ増やし、敵の攻撃はカットで防ぐ。え?倒した相手のスキルももらえるんですか?
黄舞
ファンタジー
パソコンが出来ない上司のせいでコピーアンドペースト(コピペ)を教える毎日だった俺は、トラックに跳ねられて死んでしまった。
「いつになったらコピペ使えるようになるんだ―!!」
が俺の最後の言葉だった。
「あなたの願い叶えました。それでは次の人生を楽しんでください」
そういう女神が俺に与えたスキルは【コピペ(カット機能付き)】
思わぬ事態に最初は戸惑っていた俺だが、そのスキルの有用性に気付き、いつのまにやら異世界で最強の存在になっていた。

ゲームの中に転生したのに、森に捨てられてしまいました
竹桜
ファンタジー
いつもと変わらない日常を過ごしていたが、通り魔に刺され、異世界に転生したのだ。
だが、転生したのはゲームの主人公ではなく、ゲームの舞台となる隣国の伯爵家の長男だった。
そのことを前向きに考えていたが、森に捨てられてしまったのだ。
これは異世界に転生した主人公が生きるために成長する物語だ。

オタクな母娘が異世界転生しちゃいました
yanako
ファンタジー
中学生のオタクな娘とアラフィフオタク母が異世界転生しちゃいました。
二人合わせて読んだ異世界転生小説は一体何冊なのか!転生しちゃった世界は一体どの話なのか!
ごく普通の一般日本人が転生したら、どうなる?どうする?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる